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子育てで難しいのは、水辺に連れていくことではなく、水を飲ませること as/2883.html
森川林 2017/03/12 04:48 


 子育ては、傍から見ていると簡単そうに見えます。しかし、当事者はなかなか大変です。
 それは、「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」ということを日々実感しているからです。

 確かに、子供がごく小さいころは、無理矢理にでも水を飲ませてしまうことができなくはありません。
 しかし、そういう時期はほんのわずかです。
 難しくなるのは、子供に自立心が出てくるころからです。

 子供の自立心と自律心を育てながら、親の望む方向に導くためには、ある程度のコツが必要です。
 しかし、誰にとっても親となるのは初めての経験で、子育ては初心者ですから、初めはうまく行かないのが当然です。

 昔は、それが祖父母や地域の集団活動の中で自然に伝えられてきた面がありました。
 今は、孤独な母親がひとりで試行錯誤をしながら子育てをしているのが現状に近いと思います。

 子供の学力は、学校や塾や習い事の中で育つのではなく、基本的に家庭の中で育ちます。
 そういう子育てのいろいろなコツを、保護者どうしのコミュニケーションの中で伝えていけたらいいと思っています。

 言葉の森の作文指導も、教育における家庭の関わりを生かす形で進めていく予定です。
 その一環として、今後、自主学習クラスや思考発表クラブやオンライン作文で、保護者との面談や懇談の時間を定期的に確保していく仕組みを作っていこうと思っています。

====
「勉強は追加すればだらだらやるようになり、早めに終えれば集中力がつくようになる」
https://www.mori7.com/index.php?e=2111

 勉強が予定よりも早く終わると、親はつい、
「そんなに早く終わるのだったら、もう少しほかのこともやっておこう」
と言ってしまいます。ところが、それがよくないのです。
 子供は、自分なりに、与えられた課題を早く仕上げて、お母さんに褒めてもらいたい、又は、早く勉強を終えて遊びに行きたいと思っています。
 ところが、早く終わったことによって、その早く終わったことに対する罰であるかのように、新しい勉強が追加されるのですからたまりません(笑)。
 そういう勉強の追加をやると、子供はそれからだらだら勉強するようになります。早く終えない方が得だということを学習してしまうからです。

 犬の躾にも、似たようなところがあります。広いところで犬を放して遊ばせたあと、「おいで」と言ってもなかなか戻ってこないことがあります。何度呼んでも戻ってこないので、やっと戻ってきたときに、飼主は犬を叱ってしまうのです。
「どうして早く戻ってこなかったの。ゴツン」
 すると、犬は、戻ってくると叱られるのだということを学習してしまいます。その結果、ますます戻ってこない犬になるのです。

 どうしたらいいかというと、自分の都合で考えるのではなく、相手の立場になって考えるということです。それは、相手が自分よりも弱い立場にいるときほど必要なことです。
 しかし、こういう間違いは、多かれ少なかれ誰でもしています。だから、そういう失敗を経験した人が、そのあとの人にその経験を伝えていけばいいのです。昔は、その伝える役割を大家族の中で祖父母が行っていました。これからは、地域あるいはネットの中で父母どうしが子育ての共有をするようになっていくと思います。

 では、勉強が予定よりも早く終わったらどうしたらいいのでしょうか。
 その前に、勉強は時間でやるのではなく、分量でやらせることが大事です。「○分の勉強」ではなく、「○ページの勉強」というように目標を決めるのです。
 その「○ページの勉強」が見積もりよりもかなり早く終わった場合、親は、「わあ、すごい。早く終わったね」と喜んでおしまいにしておくのです。
 そうするうちに、だんだんと、その子の実力に応じた分量がわかってきます。しかし、その場合でも、目一杯の分量ではやらせずに、少しものたりないぐらいの分量で続けていくことが大切です。
 少なめの分量であれば、子供は自分で勉強の仕方をコントロールすることができます。時間で決められたり、多すぎる分量を与えられたりすると、自分で自分の勉強をコントロールできなくなります。
 このコントロールする力が自律心です。

 犬の躾の場合は、別に書かなくてもいいかとも思いますが(笑)、犬に長いリードをつけて遊ばせます。そして、「戻っておいで」と言いながら、リードを少しずつ引っ張ります。そうすると、犬は当然引っ張られて戻ってきます。そこで、「えらい、えらい」と褒めてやるのです。
 できなかったことを叱るよりも、できるようにさせてできたことを褒めるのがコツです。

 しかし、ここでもう一つ大事なコツがあります。
 それは、叱るときには、ごくたまに厳しく叱ることです。いざというときには厳しいということがわかっているから、優しく褒められたときに嬉しくなるのです。
====

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森川林 20170312 1 
 よく、そのうちの兄弟全員の出来がよいという家庭があります。
 それは、生まれつきがよいのでも、その子の通っていた学校や塾がよいのでも、使った教材がよいのでもなく、親の子育ての方法がよかったのです。
 その方法のほとんどは、普遍的なものですから、誰でも真似ができます。
 しかし、本を読んで伝えれるようなはっきりしたマニュアル的なものではなく、微妙なコツのようなものがあるのです。
 そういうことを、保護者どうしのコミュニケーションの中で伝えられるようにできたらよいと思っています。


nane 20170312 1 
 子育てのコツは、作文指導のコツとかなり似ています。
 教え方の上手な人は、どんなに苦手で作文が嫌いな子でも、すぐに作文を書くことが好きになるようにさせてしまいます。
 しかし、それはマニュアルではなかなか伝えることができません。
 その先生の教え方を実際に見てみないとわからない面があるのです。



namura 20170312 10 
習慣、メリハリ、家庭での愛情を大切にしていきたいですね。

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記事 2882番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/24
3.11を思い出す as/2882.html
森川林 2017/03/11 04:25 


 2011年3月11日は、日本の原点です。
 今も、多くの問題が続いていますが、日本人の英知は必ずそれらの問題を解決していくでしょう。

 東日本大震災のあと、3月19日に言葉の森のホームページに載せた記事を掲載します。

 ここに書かれている当面の危機というものは去りましたが、大事なのは長期的な本質的な対策です。
 その本質的な対策を支え、よりよい日本を作るために、自分たちのできることをがんばっていきたいと思います。

====
日本の復活に向けて(その1)  森川林  2011/03/19 09:05
https://www.mori7.com/as/1204.html

 個人的なことを言えば、3月11日からこの1週間は、私はかなり絶望的な気持ちでした。日を追うごとに、事故が質的にも量的にも悪化していたからです。

 しかし、昨日、東日本を放棄して新しくやり直せばいいと思ってから気持ちが切り替わりました。ちなみに、東日本は、私の住んでいるこの横浜も入ります。

 事故は、まだ何の収束の見通しもありません。これから更に大きな事故に発展する可能性もあります。

 しかし、いずれにしても最悪の地点を出発点にして、これから新しい日本を作っていけばいいのです。日本人全体の勇気と知性と愛をもってすれば、不可能なことは何もないと思います。



 さて、情勢は流動的なので、そのつど客観的に判断していく必要があります。

 まず、福島県周辺の地域の住民は、もっと広範囲に避難する必要があります。放射能をふくんだちりが、公式な説明やテレビの報道以上に拡散している可能性があるからです。

 関東地方の東京や神奈川などには、まだ大きな影響は出ていません。しかし、北風の日や雨の日には外出しないというのが原則です。

 このあと、北東の風が吹けば、関東地方は放射能汚染地域になりますが、その可能性は低いと思われます。しかし、いずれにしても天候次第の綱渡り状態が続きます。

 20日、21日の連休に、日本列島は前線におおわれ、東北地方も含めて全国的な雨になります。私は、この天候が原発の冷却と事故の収束に結びつくと期待しています。



 いずれにしても事故が収束に向かったあとの今後の対策を考えておく必要があります。

 第一は、被災地(の範囲がどこまでになるかは未定ですが)の人々を、全国民の協力で助けていくことです。この点については、日本人の国民性を考えるかぎり全く問題はないと思います。日本の復興のためには、今、日本が持っている使われていない膨大な資産を大規模に投入する必要があります。

 第二は、放射能の無害化についての研究を進めることです。このためには、現在の科学ではまだ発見されていない新しい理論と方法が必要になります。放射能無害化の本質は、元素転換です。動植物の体内では、常に、ある元素からほかの元素への転換が行われています。そのために、植物は水と光と空気だけで、葉を茂らせ花を咲かせ実を実らせることができます。ゾウやキリンは、その植物を食べるだけで、あの巨体を成長させています。この原理を人間がコントロールできるようになれば、放射能物質を無害な元素に転換することはできると思います。

 第三は、全く新しいエネルギー源の開発を進めることです。かつて日本が戦争に巻き込まれたのも、大きく見ればエネルギーが国内で自給できなかったためです。日本は、今後、石油、原子力にとってかわる安全で自給可能なエネルギー源を開発していく必要があります。そして、それは今の段階でも既に見通しがあります。新しい画期的なエネルギーの開発が進まなかったのは、石油や原子力への依存が大きすぎたためです。国民の総意が新エネルギーの開発に向かうならば、これはかなり早い時期に実現に向かうと思います。

 第四は、政治の一元化です。今回の事故とその後の対応を見ても、関係者各人の必死の努力があったことは認めますが、統一的なリーダーシップがやはり不足していたように思えます。リーダーが大局的な立場から方針を出し、組織全体がその方針で動くというのではなく、リーダーが大衆と同じレベルで情勢へのその場の対応に追われているという感じがしたのです。また、国民(というかマスコミ)が、リーダーに、大局的で理性的な方針よりも、感覚的な真剣さととりあえずの行動を求めていたことにも大きな問題があると思います。マスコミの目のつけどころの低さが、日本人全体の知性の低下を生み出しているのです。日本の政治は、軍国主義の復活を予防するという名目で何重にもわたって手かせ足かせをはめられてきました。しかし、今、政治に求められているのは、統一した行動力です。そして、強力な政治と民主主義の両立は、少しの工夫をすれば十分に可能なことなのです

 以上、この、災害からの復旧、放射能の無害化、新エネルギーの開発、政治の一元化を、国民の総意として進めていく必要があると思います。
====

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森川林 20170311 1 
 3月11日を契機に、多くの人が自分の身を守ること以上に、より大きく日本を守ることを自覚したのだと思います。
 そうして、数々のそれまで無名に近かった人たちの声が、インターネットに流れるようになりました。
 その流れは、今も確実に続いています。
 日本をよりよい国にするために、自分のできることをがんばっていきたいと思います。


nane 20170311 1 
 危機に遭遇して、分裂し逃げ惑うのではなく、団結し助け合うのが日本という国だと思います。
 これから、世界の経済も政治も大きな変革期を迎えるでしょう。
 日本を更によい国にするために、がんばっていきたいと思います。


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記事 2881番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/24
書き出すのにエネルギーが必要な作文の勉強も、みんなと一緒なら書きやすくなる as/2881.html
森川林 2017/03/10 04:55 


 作文の勉強というのは、始めるのに大きな精神的エネルギーを必要とします。
 読書感想文の宿題を思い出してもわかるように、締め切りぎりぎりにならないと、なかなか始められないのです。

 お母さん方は、よく「ほら、早く作文書いてしまいなさい」などと言いますが、それですぐに、「はい」と始められる子はあまりいません。

 作文の通信教育が続けにくいのは、そういう事情があるからです。

 言葉の森の場合は、先生から直接電話があるので、その電話をきっかけに始めることができますが、教材だけ送られてくる通信教育では、作文の勉強を続けるには、親の関与がかなり必要になります。

 小学校低中学年のころは、書く内容も事実中心なので、それでもある程度強制して書かせることはできますが、高学年になり考える課題になってくると、書けないときはどうしても書けないとなるときもあります。

 ある意味で、作文の勉強が家庭でしっかり続けられる子は、どの勉強もできる子だと言えると思います。
 これは、以前、社会人で最初の級から最後の級まで全部続けた人が言っていたことですが、「この作文の勉強を続けている子だったら、何でもできる」ということは本当なのです。

 そこで、通信教育よりも、通学教育の方が続けやすいと思う人もいると思いますが、この通学教育がまた難しいのです。
 通学教室で大勢が作文を書いていると、中に、必ずぶつぶつとお喋りする子が出てきます。

 喋るという意識なく、独り言を言いながら作文を書く子です。すると、その言葉に反応する子が出てきます。
 1クラスに数人そういう子が出てくると、全員が作文を書けなくなります。それは、特に日本人は、人の話し声のあるところでは、ものを考えることが難しいという脳の構造を持っているからだと思います。

 数学や英語など他の教科の勉強でしたら、多少お喋りのあるところでも、そのお喋りを無視して勉強を続けることはできますが、作文を書くという勉強は、話し声のあるところではなかなかできません。
 だから、テレビをつけっぱなしの環境で作文を書かせるなどということはしてはいけないことなのです。

 ところで、こういう通信教育の長所短所と、通学教室の長所短所をうまく組み合わせることができるのがオンラインのグループ教育です。
 先生との話は個別のやりとりですから、ほかの人には聞こえません。だから、静かな環境で作文やほかの勉強の集中することができます。
 しかし、決して孤独な勉強ではなく、同じ時間に一緒に勉強している友達の姿が見えます。ウェブカメラを机上に向けていれば、互いにどういう勉強をしているのかもわかります。
 すると、自然に自分も自然に勉強を始められるようになるのです。

 物理学で、静止摩擦と運動摩擦というものがありますが、最初のスタートに必要なエネルギーに比べると、動き出してからのエネルギーはずっと少なくて済みます。場合によっては、動きを止めるのにかえってエネルギーが必要なほど、動く慣性が出てくることもあります。

 この集団の力学をプラスの方向で生かせる勉強を作っていきたいと思っています。

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「寺子屋オンエアをなぜ始めたか」
https://www.mori7.com/index.php?e=2089

 小学校低学年までの子供たちは、お父さんやお母さんを基準にして暮らしています。だから、この時期は、親の言うことをよく聞きます。

 しかし、小学3年生から、次第に親よりも友達を基準にすることが多くなり、その状態が中学2年生くらいまで続きます。

 中学3年生になると、自我が成長してくるので、友達という他人よりも自分自身の内面が基準になってきます。

 したがって、小中学生の勉強を軌道に載せるためには、友達関係を生かしていく必要があります。

 江戸時代の寺子屋で多くの子供たちが早朝から昼過ぎまで素読やなぞり書きのような単調な学習を続けられたのは、一緒に机を並べる多数の友達がいたからです。つまり、一緒に同じことをする仲間がいると、退屈なことでも続けられるのです。

 「見える学力見えない学力」を書いた岸本裕史さんが始めた家庭塾でも、運営がうまく行くコツは、やはり友達が数人集まるということでした。ただし、その代わりに、私語は厳禁という明確なルールがありました。子供たちの集団学習に、先生や親という大人が必要なのは、子供たちだけでは必ず最もお喋りな子に全体が引きずられるからです。

 教育法制化運動の向山洋一さんの著書に、受験時代に経験した集団学習の効用の例が載っていました。向山さんは、受験生時代、友達の家に行って一緒に勉強をしたそうですが、ただ一緒にいるというだけで、互いに別のことを黙々とやっていたそうです。そして、勉強が終わって帰るときに、二人で囲碁や将棋をして短いおしゃべりを楽しんだということです。

 このような例を見ると、勉強でも仕事でも、長時間続ける意欲は、同じことをしている誰かが一緒にいるというところから来ていることがわかります。ところが、友達と一緒に勉強するという環境が、個人ではなかなか用意できません。岸本裕史さんが提唱したように、近所の家族どうしの持ち回りで家庭塾を開くというのが理想ですが、狭い住宅環境という問題や、少子化で近所に友達が少ないという問題で、なかなか簡単に集まって勉強するという仕組みは作れません。

 そこで、ほとんどの家庭は、近くの学習塾に子供を通わせるようになります。家で子供がひとりで勉強するだけでは、すぐに飽きてくるからです。しかし、学習塾の問題は、勉強が他人依存になりがちだというところにあります。

 自分のペースでできる自習を家庭で行えるようにし、しかも家庭をネットでつなぎ、同年齢の子供たちが一緒に勉強している様子がわかるようにして、先生も(時には親も)そのオンエアの勉強に参加できるようにするというのが寺子屋オンエアの構想です。

 現在、寺子屋オンエアに参加されるモニターを募集しています。詳細をお知りになりたい方は言葉の森までお問い合せください。
====

▽寺子屋オンライン
https://www.mori7.net/teraon/

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森川林 20170310 1 
 小学校3年生ぐらいまでは、親子だけで勉強を続けることができますが、子供が小学4年生ぐらいになると、親子だけの勉強には次第に限界が出てきます。
 しかし、本当は、中学3年生まで、子供の勉強は親が見てあげられるぐらいの方がいいのです。
 中学生で成績のいい子は、ほぼ例外なく親が勉強の内容を把握しています。
 塾に任せっぱなしで、どういう勉強をしているのかわからないという家庭では、子供はかなり無駄な勉強の仕方をしているからです。
 そこで生かせるのが、昔、岸本裕史さんが行っていた「家庭塾」のようなグループで行う家庭学習です。


nane 20170310 1 
 子供の勉強をいちばんよく見てあげることのできるのは親です。
 それは、親が最もよくその子の成長を願っているからです。
 だから、小さいころを特に親が子供の勉強に関わってあげるといいのです。
 しかし、親だけでは偏りが出てきます。いちばん問題になるのは、やりすぎてしまうことがあるということです。
 子供が初めての勉強で大変なように、親も初めての子育てで実は大変なのです。


namura 20170310 10 
同じ空間にいると遊んでしまうこともありますが、頑張っているみんながむこうにもいると思うだけで、やる気が出そうですね。

touko 20170310 77 
帰国子女や海外在住のお子さんは特に、読み書きに苦手意識が強く、書き出しに苦労しているようです。みんなががんばっている姿が見えるというのは、モチベーションアップに大変有効です。

kira 20170310 52 
 インターネットを気軽に使用できるようになったことで、理想的な勉強のかたちがとれるのですね。

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ユーザーエクスペリエンスの時代と寺子屋オンライン as/2880.html
森川林 2017/03/09 20:28 


 最近「UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか」という本を読み、これからの世の中の流れを再確認できた気がしました。
http://amzn.asia/gfzxl1B
 UXとは、ユーザーエクスペリエンスのことです。

 例えば、消費者がパン屋さんにパンを買いに行くとき、消費者は実はパンを買いたいのではなく、パン的なおいしいものを食べるという経験を買いたいのだということです。

 これまでの経済観で考えると、パンを買いに行った人が、もし、パン屋さんに、「パンじゃなくてもいいから、何かおいしいものがありますか」などと聞けば、パン屋は、「それはうちの仕事ではない」と思ったでしょう。

 しかし、これからは、自分のパン屋という都合よりも、消費者の希望する経験の方を優先する考え方が必要になってきます。
 そこに登場するのが、クラウドサービスを中心にした新しいツールと、消費者自身が生産にも参加する仕組みです。

 寺子屋オンラインが目指している方向も同じです。
 まず、キーとなるツールの一つは、googleハングアウトというウェブ会議システムです。
 そして、勉強の中身は、先生の授業よりも、生徒の主体的な参加です。
 そこに、生徒と保護者の家庭におけるコミュニケーションが加わります。

 ただし、これだけでは基礎学力をつける時間がとれないので、そこはgoogleハングアウトを使った自学自習の仕組みでカバーしていきます。
 また、勉強の先取りは、スタディサプリなどの活用でそれぞれの家庭でやっていけるようにします。

 また、消費者のユーザーエクスペリエンスが、生産者の側の勝手な思い込みにならないように、できるだけ頻繁に保護者懇談会などの形で互いの考えを交流するようにします。

 未来の教育は、今とはかなり違う形のものになると思います。
 そして、それは教育に限らず、社会のあらゆる分野で起こりつつある一つの革命的な変化なのです。

====
「寺子屋オンエアの未来形―勉強力をつけたあとは個性を伸ばす教育」
https://www.mori7.com/index.php?e=2308

 寺子屋オンエアは、家庭学習だけで基本となる勉強力をつけるという企画です。
 勉強は、誰かに教えてもらうよりも、自分ひとりでやった方がずっと能率よくできるものです。しかし、家庭でひとりでやっていたのでは、あまり張り合いがありません。また、たまには、誰かに聞きたいことが出てきます。そのときに、一緒に勉強している友達がいて、見守っていてくれる先生がいれば、家庭でのひとりでの勉強もずっとやりやすくなります。
 インターネットは、そういうグループ学習と個人の学習を結びつけることができるようになりました。家庭という最も居心地のよい環境で、友達や先生と一緒に勉強することができるようになったのです。

 ところで、今言葉の森が考えているのは、この寺子屋オンエアの未来の形です。
 基本となる学習は、確かに寺子屋オンエアでできるようになります。しかし、その能率のよい勉強でできた自由な時間を、ただテレビを見たりゲームをしたりしているだけでは、充実した時間の使い方とは言えません。
 そこで、その自由な時間も、寺子屋オンエアの特別コースに参加できるようにするのです。その特別コースには、ロボット作りコース、音楽交流コース、ファッションコース、お菓子作りコース、テーマ別た読書会コースなど、教える先生の個性と生徒の個性がマッチしたものが多数できるはずです。
 通常の交流は、家庭でネットを使って行いますが、時どきは実際に会って交流する機会も作ります。
 これからの時代は、特に個性や創造性が必要となってきます。その個性や創造性もまた、人間どうしの交流の中で進んでいくのです。
====

 寺子屋オンラインの受講案内を大幅に改定して読みやすくしました。
https://www.mori7.net/teraon/
 全20ページの長い受講案内ですが、内容は必要なものだけにおさえています。
 しかし、内容はこれまでの受講案内よりも豊富になっています。


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森川林 20170309 1 
 ウーバーやエアビーアンドビーが、これまでの社会で当然のように成り立っていたビジネスを根底から崩しています。
 同じようなことが、これから社会のさまざまな分野で起こってきます。
 教育の分野では、これまでの教わる教育から、自ら学ぶ教育へ、そして、聞くだけの受け身の教育から、思考と発表を中心とした教育へという大きな変化が起こっているのだと思います。



nane 20170309 1 
 ふと、あと数年したら、世の中が大きく変わっているだろうと思いました。
 大事なことは、世の中の流れに乗ることではなく、自分の望む流れを作ろうとすることです。
 みんながそれぞれによい流れを作ろうとすれば、そういう流れが現実のものになってくると思います。


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子供は家庭の中で育つ as/2879.html
森川林 2017/03/07 20:48 


 子供が成長する場は家庭です。
 学校でも塾でも何かの習い事の教室でもありません。

 家庭でのお父さんとお母さんの関わり方が、子供の成長のエネルギーになっています。

 子育てに手がかかって大変だというのは、あとからふりかえればほんのわずかの時期です。
 そのわずかの時期に手をかけることが、あとで親にも子にも何倍にもなって戻ってくるのです。

 では、具体的にどうしたらいいかというと、それは、読書と対話と経験です。
 お金をかけてどこかのレジャーランドに連れていくようなことではなく、日常の生活の中で、子供が興味を持つようなことを一緒にやってみるのです。

 先日の小2と小3の思考発表クラブで紹介した話は、「ジグも釣り」でした。
 今日の新小4の思考発表クラブでで紹介した話は、「山菜採り」でした。

 こういう実際の自然の体験をもとに、親子でいろいろなことを話してみるのです。
「どうして、ジグモは土の中に巣を作るような生活を始めたんだろう」とか
「どうして、タラの木には棘が生えているんだろう」とかいう話です。

 今の社会には、答えのある質問にどれだけ早く答えられるかいう評価が溢れています。
 だから、家庭では、答えのない考える対話を親子でたっぷりしていくといいのです。

 では、答えのある問題に早く答える力はどう育てたらいいかというと、それは自学自習です。
 勉強の基礎と先取りは、自学自習でしっかり身につけ、その結果余裕のできた時間は、読書と対話と経験で充実させていくといいのです。

====
「仕事優先の社会から子供優先の社会へ」
https://www.mori7.com/index.php?e=1464

 今は、大人の仕事や生活が中心の社会だが、
 将来は、子供の幸福な成長が中心の社会になる。
 仕事優先から子供優先になったとき、
 社会の質も変わってくる。

 子供が小学生なのに、父親だけ単身赴任という家庭があります。

 会社の都合が優先され、父親不在の家庭が生まれることによって、社会全体としては大きな損失を被っているはずですが、そのことを指摘する人はほとんどいません。

 仕事優先の考えが行きわたっているからです。

 子供が小学生なのに、仕事にくたびれたお父さんが、せっかくの日曜日に昼まで寝ている家庭があります。(あ、たまにはいいんですけど(笑))

 やはり、仕事優先の考えが行きわたっているからです。

 子供たちの成長の基盤になるのは家庭です。

 どういう家庭が理想かということは、自分が子供だったときのことを思い出してみればわかります。

 優しい父と母、楽しいお喋り、自由な時間が子供たちの宝物の時間だったはずです。

 そういう家庭文化を作っていくのが、これからの親も含めた社会全体の課題になると思います。


 今日は雨模様の静かな日曜日。

 こういう日も、まず家の中で、お父さんかお母さんが率先して太陽のような笑顔を見せることです。

 子供は影響されやすいので、すぐに楽しい笑い声が広がります。

 どんな天気の日も、家の中だけは快晴にしていきましょう。
====

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森川林 20170307 1 
 子育ての最中は大変です。手のかかることばかりがあります。
 しかし、じきに子供は成長して、どの子も手がかからなくなります。
 すると、そのころになって、もっと小さいときに手をかけてやればよかったと思うのです。
 だから、お父さんは、日曜日はがんばって子供と遊んであげることです(笑)。


nane 20170307 1 
 親子の対話で大事なことは、親は、自分の体験したこと、自分の考えたことを話すようにすることです。
 自分の知っていることを話すという知識のやりとりは、結局答えのある話になってしまうからです。


namura 20170308 10 
成長につれ、子どもとの関わりも減りつつありますが、それでもなお、会話を通し、コミュニケーションを大切にしてきたいですね。

mae 20170309 9 
外がどんな嵐であろうとも、家の中はいつも快晴で! 心がけていきたいです。

touko 20170310 77 
家庭の日常生活が、子どもの成長に与える影響の大きさを、もう一度自分の中で自覚したい・・・お父様お母様に読んでいただきたい記事です。

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中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
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