https://www.youtube.com/watch?v=4-E0-QBWC6o
●AIとのコミュニケーションにおける「曖昧さ」の壁
AIは人間的ですが、もちろん人間ではありません。
森リンのAIに「作文の評価の仕方」を伝えようとしましたが、人間であれば阿吽の呼吸で理解してくれるか、あるいは理解したつもりになってくれるところを、AIはそういう曖昧なことは苦手です。
●「分かったつもり」が通用しない世界
だから、「前向きに善処して」とか「適当にお願い」などと言っても、どういう前向きか、どういう適当かわかりません。
もちろん人間もそうですが、人間の場合はお互いに分かったような気になって話を済ませることができます。それがいいのかどうかは別として(笑)。
●自然言語によるプログラミングの到来
昔のコンピュータへの指示は英語でやることがほとんどで、今でもプログラミングの世界は英語が主流です。
しかし、AIは、どの国の言語もそれなりに理解してくれます。
人間の普通の言葉づかいに近い言語認識の仕方になっているのです。
●具体的な評価基準と役割の定義
以下は、AIに伝えた作文の項目評価の一部です。
【評価基準】
構成
定義: 自分の体験だけでなく、家族の話や過去の話が含まれている。
採点: 2:できている / 1:関連語句はあるが内容は不十分 / 0:できていない
……
このほかに、内容評価も指示します。
【評価方法】
以下の評価基準の4つの項目について0~3で得点をつけ評価する。
……
【評価基準】
1.個性: その人の個性的な体験・関心・考えが書かれている。
……
また、講評についても指示します。
【役割】
あなたは長年、作文指導を経験してきたベテランの先生です。
子どもの長所を見つけて伸ばすことを大切にしています。
穏やかな口調で生徒の成長を促す講評を書いてください。
……
●試行錯誤の末に見えたAIの柔軟性
たったこれだけの指示の仕組みを作るのに何日もかかりました。
しかし、今のAIのいいところは、指示の一部を修正すればすぐにそれに対応してくれることです。
機械の修理のような世界では、一部を変更するだけでも、関連する部品を変更したり全体の構造を見直したりしなければなりません。
●人間以上に人間的な適応力
しかし、AIは一部の変更があったとしても、自動的にそれに関連する部分を直したり、全体の構造を整えたりしてくれます。
これが、AIの人間以上に人間的なところです。
この機能が、現在のロボット開発や自動運転を容易にしている大きな要因です。
●根本的なルールが変わる「ゲームチェンジ」
これから、いろいろな分野で、AIによるゲームチェンジが起きてくると思います。
(「ゲームチェンジ(Game Change)」とは、単に環境が変化することではなく、「これまで当たり前だったルール、構造、前提を根本から変えてしまうような、大きな転換点や革新的な出来事」を指す言葉です。)
3月1週は作文テストの週です。
普段勉強している字数と項目がすべてできるように書いてください。
字数は、作文用紙に書く場合は作文用紙の字数です(マス目が空欄のところも字数に含めます)。
テキスト入力する場合は、正味の字数です。
(「ワードで書いた文章の字数の数え方」などで検索するとAIが答えてくれます)
各学年の項目は、項目表を参考にしてください。
https://www.mori7.com/mine/nae.php
項目は、自分がその項目を意識して書いたということが伝わるように、書いたところに項目マークをつけておいてください。
手書きの作文の場合は、課題フォルダの「項目表」を参考にして、
- 構成: 枝
- 題材: 葉
- 表現: 花
- 主題: 実
の絵を描いておいてください。
テキスト入力の場合は、その語句の近くに、
- 構成: <<構成>>
- 題材: <<題材>>
- 表現: <<表現>>
- 主題: <<主題>>
と書いておいてください。
※項目マークを入れるのは、今学期までで、次学期からは作文を見てAIが自動的に判断するようになります。
★ 3.1週の作文の提出締切は、
3月7日(土)までです。
定期試験などがあり期日に間に合わない場合は、先生と相談してください。
https://www.youtube.com/watch?v=PY7iBVlXeEc
●かつて自作していた「ふりがな」の仕組み
昔、作文に先生の書く講評が子供自身にも読めるように、自動的にふりがなをつけることにしていました。
また、子供の課題フォルダの文章にも、学年配当漢字表に沿ってふりがなをつけることにしていました。
●無料公開で多くのアクセスを集めたページ
実は、そのプログラムを言葉の森のホームページに公開したところ、そのようなことを無料でできるサイトはほとんどなかったため、かなりアクセスがありました。
今でも森リンの講評は、そのふりがなの仕組みを使って学年別に読みやすくしています。
しかし、ふりがなページの方は、サーバー移転後に作り直す時間が取れず、止まったままにしています。
●AIが一瞬でやってしまったこと
しかし、今日ふと思って、AIに文章にふりがなをつけられるかどうか尋ねてみたところ、一瞬にして正確なふりがなをつけてくれました。
もうふりがなページを作り直す必要はなくなりました(笑)。
しかも、学年別配当漢字をもとにしてつけることもできるようです。
自分がこれまで何日間もかけて苦労して作ったふりがなソフトが、AIに頼めば一瞬でできたということです。
●仕事が消えるという現実
もし私がどこかの会社に雇われて、ふりがなソフトのメンテナンスをする仕事を任されていたとしたら、その仕事はもう必要なくなったということです。
こういうことが、これから社会のあちこちで起きてくるのだと思います。
●ホワイトカラー受難とロボットの進出
冨山和彦さんが述べているように、これからはホワイトカラー受難の時代で、生き残るのはブルーカラー、さらにある程度の技能を持ったライトブルーカラーになると思います。
単純なブルーカラーの仕事は、やがてAIロボットによって代替されるようになるでしょう。
衣服を折りたたむロボットや、安全に自動運転をしてくれるロボット、介護の手助けをしてくれるロボットなど、さまざまなものが出てくると思います。
●ベーシックインカムと「趣味の仕事」
しかし、社会全体としては働く仕事が減る代わりに、ベーシックインカムのような仕組みが出てくると思うので、人間のする仕事は、これまでのような与えられたものではなく、自分の趣味を生かすものになってくると思います。
●モノの経済から文化の経済へ
「趣味の生産」と「趣味の消費」との結びつきを考えると、それはモノの経済ではなく、文化の経済になります。
これまでの経済は、主に工業製品というモノの生産と消費中心に回っていました。
それは、モノが豊かになることが、人間の幸福感と結びついていたからです。
しかし、これからの人間の幸福感は、自分の成長や新たな自分の発見や新しい経験や新しい出会いのように、モノではなく生き方の文化に結びつくものになります。
それが文化の経済です。
●未来の親の言葉は逆転する
これから本当に求められてくる人材は、新しい文化を供給できる個性的な趣味の人ということになります。
昔のお母さんの言葉は、
「遊んでばかりいないで、勉強しなさい」
でしたが、未来のお母さんの言葉は、
「勉強ばかりしていないで、もっと遊びなさい」
になると思います。
●リベラルアーツこそが遊びを支える力
しかし、そのために必要なのは、個性的な遊びを生み出せる力で、それがリベラルアーツの力になります。
リベラルアーツの学力の中心は、読書と作文であり、それも質の高い読書と作文なのです。
▽参考ページ
冨山和彦氏の著書『ホワイトカラー消滅』:NHK出版新書
https://www.amazon.co.jp/dp/4140887281