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勉強の始めに5分間読書、勉強の終わりにたっぷり読書 as/2606.html
森川林 2016/06/21 05:41 


 読書と勉強はどちらも大切ですが、うまく両立させるためには、時間設定をすることが必要になります。
 勉強は、既に答えの分かっている世界ですから、あまり面白いものではありません。そしてその割りにややこしいものが多いのです。これに対して読書は、新しい未知の世界が開けていくという喜びがある一方、楽に始められるという面があります。
 勉強はつまらないがエネルギーが必要で、読書は面白くてエネルギーがほとんど必要ないのですから、これをうまく組み合わせていくことがコツになるのです。

 そのやり方は、勉強を始める前に短い時間、例えば5分間だけ読書をすることにして、その時間をタイマーで予め音が鳴るようにしておくのです。
 昔、言葉の森の作文教室で子供たちがパソコンで作文を書いていたころ(今はパソコン入力は清書の時だけで、普段の作文は手書きで書いていますが。)教室に来るとパソコンの中にあるゲームをひとしきりやって、それからおもむろに作文を書き始めるという子がよくいました。
 最初に軽くやりやすい遊びのような所からスタートし、そこで加速をつけてから重い勉強に取り掛かるのです。

 しかし、読書やゲームにはそのまま熱中してしまうという落とし穴もあります。そこで始める前に5分のタイマーをセットしておくのです。楽しいことは始める前に「終わりの時間」を設定し、苦しいことは終わる時に「次に始める時間」を設定しておくというのが勉強と遊びをうまく両立させるコツです。

 これに対してよくないやり方は、ただ漠然と取り掛かりやすい読書をさせて、途中からそろそろやめなさいという指示を出すことです。
 よいやり方は、読書をする前に5分間本を読んだら勉強を始めようね、と言って本を読ませることです。このコツをつかむとスタートの時だけでなく、勉強の合間の休憩もうまく取ることができます。

 例えば、30分たったら5分休憩、60分たったら10分休憩のように、勉強の時間と休みや遊びの時間を組み合わせていくと、長い時間の勉強もスムーズにできます。
 これは山道を登る時も同じで、最初の体力があるうちに休まずにどんどん進んでいくと、途中で疲労してしまいますが、最初から休憩の時間を決めておけば長い距離を歩き続けることができるのです。

 5分間の読書休憩を挟む時は、本に小さな付箋を貼っておくと便利です。しおりのような自由に移動させられるものよりも、小さい付箋のように固定したものの方が、始めと終わりのメリハリがはっきりしてくるという効果があるのです。
 しかし、近い将来は子供たちもキンドルを利用して、蓋を開ければいつでも読みかけのページが開くというようなものになると思います。

 スタートの読書は加速をつけるためです。休憩の読書はエンジンをかけたまま、アイドリングで休憩するためのものです。
 では、本格的な読書はいつするかというと、勉強が終わって何もすることがなくなってからたっぷりとしていくのです。
 本を読んでいると面白くなり途中で止まらなくなることがあります。その時は寝る直前まで本を読めるようにしておきます。
 これがもし逆に読書を先にたっぷりして、その後勉強するというような流れにすると、読書が長引いてしまうことが必ず出てくるので、あとの時間が圧迫されて勉強の時間がなくなってしまうのです。

 小学生のころの家庭学習は、読書第一勉強第二ですが、時間の順序としては、勉強を先に読書を後に、でやっていきます。
 この、勉強のあとのたっぷり読書が、小学生のころの子供たちの成長の最も大事な栄養となっていくのです。

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sizuku 20160908 51 
もともとあまり読書習慣がなかった私ですが、このところは朝家事や仕事を始める前に少しだけ読書します。
そうすると、ちょっとした休憩のときテレビをつけずにまた読書をするようになります。
いいサイクルに入っております。

よう 20161115  
読書の習慣がなかなかつかない、という相談を生徒さんのお母様からよく受けます。この「勉強の始めに5分間読書」というのは、頭の切り替えにもいい方法だと思いました。

mae 20161115 9 
読書の習慣がなかなかつかない、という相談を生徒さんのお母様からよく受けます。この「勉強の始めに5分間読書」というのは、頭の切り替えにもいい方法だと思いました。

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中学生の勉強を作業的なものにせず、目的を持った勉強にさせるために as/2605.html
森川林 2016/06/20 14:42 


 中学生の生徒に定期テストの結果を見せてもらうと、その子がどんな勉強の仕方をしているのかよく分かります。多くの子が、作業的な勉強の仕方をしています。つまり、できる問題を何度も解いてみたり、数多くの問題を通り一遍にしかやらなかったり、というような勉強の仕方です。

 こういう勉強を外から見れば、いかにもよくやっているように見えます。机に向かって何時間も手を動かしているのを見れば、親は、しっかり勉強しているのだと思ってしまいます。しかし、その多くは、形だけの中身の薄い勉強なのです。
 親のいうことをよく聞く素直で真面目で性格のよい子ほど、この作業的な勉強に陥りがちです。作業的な勉強をしている子は、学年が低いうちは成績がよいのです。しかし、学年が上がり、難しい問題がちらほら入ってくると、急に成績が伸びなくなってきます。

 なぜ、作業的な勉強をしてしまうかというと、親や先生に何をやるのかという勉強の内容を指示されて勉強してきたからです。勉強の内容を指示すると、子供は自分の頭で考えなくなります。だから、易しい問題は省略して、難しい問題は重点的に繰り返すというような自分なりの工夫をせずに、ただ言われたとおりに易しい問題も難しい問題も同じように作業的にやってしまうのです。

 では、作業的な勉強ではなく、自分で工夫した勉強をするようにさせるにはどうしたらよいのでしょうか。それは、親や先生が、勉強の内容を指示するよりも前に、勉強の目的を伝えていくことなのです。
 ごく短期的な目的でいえば、勉強の目的は、よい成績をとることです。このことを自覚するだけでも、勉強の仕方は大きく変わってきます。
 そして、もっと長期的な目的で言えば、勉強の目的は、自分が成長して社会に貢献できるような人間になることです。こういう目的を自覚した子は、どんなに進められてもカンニングなどはしないでしょう。

 学校の先生や塾の先生は、仕事として子供に勉強を教えているので、こういう目的を伝えることはなかなかできません。だから勉強の目的を話してあげることは、主に家庭における親の役割になります。
 子供が小学校低学年のころは、勉強の内容だけを指示してやらせた方がずっと簡単で能率もよいのですが、この簡単に指示できる時期から、遠回りのように見えてもいつも勉強の目的を自覚させるように接していくことが大切なのです。

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