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記事 4575番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/11
暗唱の意義――暗唱は創造性を育てる as/4575.html
森川林 2022/11/21 09:03 


●動画:https://youtu.be/EXKDWNIchX0

 暗唱をすると、言葉と言葉の関係の繋がり方が強くなります。
 ちょうど、よく知られていることわざや名言のように、ある言葉と他の言葉が結びつくようになります。

 言葉は、その言葉だけであれば、現実との関連を持つだけです。
 例えば、「犬」という言葉は、実在の犬と結びついています。

 しかし、「犬も歩けば棒に当たる」ということわざを知っている人には、「犬という言葉が、「棒」という概念が弱く結びつくようになります。
 同じように、「雀そこのけそこのけお馬が通る」という俳句を知っている人には、「雀」という言葉が、「馬」という概念と弱く結びつくようになります。

 ある言葉が、その言葉と直接の関係のない他の言葉と結びつくということは、言葉の持つ概念の手足が増えるということです。
 言葉の持つ概念の手足が増えるということは、その言葉が近い概念と結びつく手足だけでなく、遠い概念と結びつく手足も持つということです。

 言葉が狭い概念と結びつくだけでなく、広い概念と結びつくことによって、たとえやダジャレのような表現の工夫が生まれます。
 しかし、これは単なる表現の工夫だけではなく、ものごとの認識の仕方の広がりも生み出します。
 この認識の広がりが創造性です。

 よく「創造性を育てる」ということが言われますが、創造性を育てる具体的な方法については、ほとんど述べられていません。

 創造性を育てる方法は、次のようなものです。

 第一は、暗唱力をつけることによって、言葉の持つ概念の広がりを作ることです。
 第二は、難読によって、創造的なものの考え方を身につけることです。
 第三は、作文の構成、題材、表現、主題の項目によって、方向性を持ったものの見方の練習をすることです。
 第四は、創造発表の学習によって、個性と創造性を発揮する学習習慣を身につけることです。

 作文学習の持つ創造性とは、次のようなことです。
 構成で、例えば、「複数の理由」という項目に合わせて作文を書こうとすると、自然に新しい理由を考えるようになります。
 題材で、例えば、「昔話の実例」という項目を書こうとすると、自然に昔話のような実例の持つ新しい側面を見つけることができます。
 表現で、例えば、たとえや自作名言を書こうとすると、自然に新しい表現を作ることができます。
 主題で、例えば、「総合化の主題」という項目に合わせて意見を書こうとすると、自然に新しい考え方ができるようになります。

 これらの創造性を発揮する土台となるものが、豊富な知識と幅広い語彙の概念です。
 幅広い語彙の概念とは、言い換えれば多様な手足を持つ語彙の力を身につけているということです。

 暗唱教育は、かつての日本の伝統でした。
 四書五経の素読などを、日本の子供たちはずっと行ってきました。

 しかし、戦後、GHQの改革によって、暗唱教育は行われなくなりました。
 だから、今の親の世代、更には、祖父母の世代も、暗唱の効果を知りません。

 暗唱を、単に記憶力を育てる学習としてではなく、創造性を育てる学習の土台として考えることが大切です。

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森川林 20221121  
 私の知っている限りの話ですが、優れた創造的な仕事をした多くの人が、子供のころに暗唱の学習をしていました。
 シュリーマン、湯川秀樹、本多静六、塙保己一、藤平光一など。
 江戸時代から昭和初期までの日本の子供たちのほとんどは、学校で暗唱の練習をしていたはずです。
 それが、日本人全体の学力の基盤になっていたのだと思います。

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文章が「書けない」大学生に何ができるか――というフォーラムの案内を見て as/4574.html
森川林 2022/11/19 05:33 


 「文章が『書けない』大学生に何ができるか…未来の先生フォーラム」という企画があるそうです。
https://reseed.resemom.jp/article/2022/11/18/5096.html
====
 自分の思いや考えを表現する「正解のない問題」が近年の総合型選抜・学校推薦型選抜においてみられるようになった。さらに、大学の初年次教育では約9割の大学がレポート・論文の書き方等文章力向上に関する授業を取り入れている現状がある。そのため、「文章力」の重要性が高校と大学の双方で高まるとともに、文章力の向上を目指す高大の円滑な接続・連携は国語科に限らず学校教育にとって重要な課題と考えられるという。
====
ということだそうです。

 言葉の森の生徒で大学生や社会人になった人から、ときどき次のような声を聞くことがあります。

「中学生のころに自分が書いた作文を見たが、かなりレベルの高いことを書いていた。今、そういう文章を自分が書けるかどうかわからないぐらいの内容だった」

 大学生や社会人になった人が、自分が小学校高学年や中学生のときに書いた作文を見て、感心するのです。
 しかも、それは、その生徒がそのときに自分の言葉でしっかり考えて書いた作文です。
 これが、言葉の森の毎週の作文の成果と言えるものです。

 今の学校教育では、生徒が毎週作文を書くということは、たぶんありません。
 小学校低学年のころは、作文の授業があっても、小学校高学年や中学生になると、作文の授業はほとんどなくなります。
 中学生の場合は、作文の授業としてではなく、夏休みの宿題として、税金とか人権とかいうわけのわからない作文課題を出す程度です。
 しかも、その宿題に関するアドバイスも評価もないのが普通です。

 なぜ高学年や中学生、高校生になると作文指導がなくなるかというと、指導の方法がないからです。

 今の日本で、小学1年生から高校3年生までの作文指導のカリキュラムを持っているのは、言葉の森だけだと思います。自慢するわけではありませんが。

 では、今の学校でどういう作文教育をしたらいいかというと、それは、小4からはパソコン入力で森リンのような自動採点をすることです。使える自動採点は、森リンしかないと思いますが。

 今の教育の最大の問題点は、教育が、競争に勝つための教育になっていることです。
 だから、人生や社会にとって役に立つことのない、受験で差のつきやすい問題を解く教育に明け暮れているのです。

 そういう勉強の多くは、知識の詰め込みです。
 一見考える勉強のように見えることも、考え方という知識の詰め込みです。
 その考え方の知識も、人生や社会に役立つことではなく、受験という競争に勝つための知識です。

 作文や読書や対話は、受験のための教育ではありません。
 最近は、受験作文が増えてきたので、受験のために作文を勉強する人も増えてきましたが、本当は自分の思考力、読解力、創造力を伸ばすための勉強です。
 それが結果として受験にも役立つということです。

 文章を書くための教育も、単なる書き方の指導ではなく、なぜ文章を書くのかという意義にまでさかのぼる必要があります。

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森川林 20221123  
 しばらく前に、子供たちの読解力が低下していることが話題になりました。
 しかし、その後の問題として、子供たちの作文力もそれ以上に低下しているのです。
 その子供たちは、将来の社会人です。
 原因は、学校で有効な作文教育が行われていないことです。


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未来の国際対話クラスのビジョン as/4573.html
森川林 2022/11/18 03:42 


●動画:https://youtu.be/JCxQp492LlU

 「AI翻訳革命」の著者、隅田 英一郎さんは、次のように述べています。
====
 今の「自動翻訳の英語力は英語能力テスト『TOEIC』が900点の人と同レベル」で、「英検1級をパスする可能性もある」。
https://style.nikkei.com/article/DGXZQOKC207CP0Q2A021C2000000/
====

 ここで大事なことは、自動翻訳は、英語に限らずあらゆる言語に対応できるということです。
 これから、日本人が外国語を学ぶとすれば、英語のほかに中国語も必要となります。
 今でも、日本人の英語の学習は諸外国に比べて遅れているのに、これ以上中国語を学ぶ余地はほぼありません。

 もうひとつの引用です。
====
 米国務省の外務職員局の調査によると、英語話者が外国語を取得するのに要する時間は、
・最も易しい言語群で600時間かかる(フランス語など)。
・より易しくない言語群では1.5倍の900時間かかる(インドネシア語など)。
・難しい言語群では2倍弱の1100時間かかる(ロシア語など)。
・最も難しい言語群では4倍弱の2200時間かかる(日本語など)。
https://news.yahoo.co.jp/articles/920a90624d80fcc44fbbcd8185fb7308a274dbe9
====

 こう考えると、これからは語学の学習は、AI翻訳に任せて、日本人はもっと別のところに学習時間を使う必要があります。
 英語や中国語を学ぶ時間を別の時間にあてるとすれば、それは、英語圏の人や中国語圏の人と交流し対話することです。

 そのためのツールとして使えるものは、今ならZOOMの「翻訳キャプション」になると思います。
 対応する言語は、現時点で、次のとおりだそうです。
====
 翻訳可能な言語は、日本語(ベータ版)を含め、ウクライナ語、ロシア語、中国語(簡体字、ベータ版)、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語(ベータ版)、ポル 今後、対応言語を2倍以上に増やしていく計画。さらに、対英語の翻訳だけでなく、フランス語からドイツ語への翻訳など、英語を介さない翻訳も可能にするという。
https://japan.cnet.com/article/35192463/?utm_source=newspicks&utm_medium=news_distribution&utm_campaign=newsfeed_distribution
====

 日本語がまだベータ版というところと、対英語の翻訳だけというところが気になりますが、これは今後改善されていくと思います。

 いろいろな言語の人たちと交流する国際対話クラスをどのように運営するかというと、例えば、オンライン4人クラスに、日本人、中国人、アメリカ人、ロシア人の子供たちが一緒に参加したとします。
(対英語以外の言語どうしにも対応できるようになった場合です。国籍はどこでもいいですが。)

 一人ずつが読書紹介をし、質問や感想を言い合い、そのあと自分の意見を発表室に書き、その後それぞれにコメントを付け合います。
 これは、国際的な交流ということ以上に、思考力を育てる学習になります。
 この国際対話クラスに最も必要な学力は、それぞれ自分の国の言語による読書力、作文力、発表力です。

 翻訳機能オプションによると、それぞれの国の言葉で喋ったことが、翻訳キャプションで表示されるということですから、外国語ができなくてもこの国際対話クラスに参加することができます。

 これからの外国語学習の時間は、AI翻訳の時代に、このように大きく変化していくと思います。

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森川林 20221118  
 これからの英語教育は、英語を学ぶ教育ではなく、英語圏の人とコミュニケーションを交わす教育になります。
 AI翻訳を使えば、英語だけでなく、中国語でも、ロシア語でも、さまざまな言語圏の人と交流することができるようになります。
 そのときに大事なのは、自分の母語でしっかりと読書、対話、作文の力をつけておくことです。

「未来の国際対話クラスのビジョン」
https://www.mori7.com/as/4573.html

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全国学力テスト2023年1月の申し込み受付中(11月30日締め切り) as/4572.html
森川林 2022/11/17 17:25 


全国学力テスト1月(育伸社)の申し込みを受け付けています。

 オンラインの受検なので、自宅で参加することができます。
 学力の客観的な位置をつかむことで、教科ごとの早めの対策を立てることができます。

 試験科目は、
小1~小3は国語・算数、
小4~小6は国語・算数・理科・社会、
中1~中3は国語・数学・英語・理科・社会です。
 詳しくは、お申込みページをごらんください。

●お申込みページ
https://www.mori7.com/gakute/#g

●対象
 言葉の森の小1~中3の生徒

●生徒への問題配布
 12月10日発送

●試験日
 12.3週(12/15-12/21)(自宅で受検できます)

●言葉の森への答案締め切り
 12月25日言葉の森に必着

●結果返却
 1月24日発送

●料金
 3,300円(受講料と合わせて自動振替させていただきます)

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実力をつけるための勉強と勝つための勉強を区別して学ぶことが大切 as/4571.html
森川林 2022/11/16 21:23 


https://youtu.be/ANuHf5lV9JI

 中学生の生徒から、「塾で、学校の期末試験の過去問を教えてくれるので、それを友達からもらった」という話を聞きました。

 今は、そういう対応をする塾がほとんどだと思います。
 成績を上げるためには、過去問対策が最強だからです。

 しかし、私は、中間テストや期末テストで、そういう過去問対策に乗った勉強はしない方がいいと考えています。
 過去問に合わせた勉強をすると、能率はいいかもしれませんが、その能率は実力が伴わないものになるからです。

 公立中の場合、中学生の試験の本番は、高校入試です。
 高校入試は、勝つための試験ですから、ここでは過去問対策をするのが絶対に必要です。

 しかし、中間テストや期末テストは、勝つための試験というよりも、自分の実力をつけるきっかけとするための試験ですから、過去問対策をするのではなく、全出題範囲を網羅的に勉強していくことが大事なのです。

 今の世の中は、目先の勝ち負けに左右されやすい社会です。
 それだからこそ、物事を考えるときは、勝ち負けの基準をできるだけ遠くにおいておくのがいいのです。
 目先の勝ち負けにこだわると、大きな勝ち負けを見落としてしまいます。

 キャノンの社長であった賀来龍三郎(かくりゅうざぶろう)さんの話を引用します。
====
「私は父の仕事の関係で、中学校は戦前の中国の青島(チンタオ)中学に学んだ。数学と物理を教わったのが秋山先生という高等師範学校出身の教育熱心な先生だった。秋山先生いわく、『公式など覚えなくていい。それより十分理解することが大事で、理解していればいつでも自分で導きだせる。難しい公式を覚えて応用問題を解こうなどということは考えるな。ただし、中等教育ではレンズの焦点を測る公式と電圧の公式(電流と電圧と抵抗の関係式)だけは覚えておきなさい。それだけはいくら導きだそうと思ってもできないから』。私はクソ真面目な生徒であったので、その教えを忠実に守った。

 その後、旧制五高の理科に進学したが、そのときまではその教えでよかった。しかし終戦後、大学に進学するために、いざ受験する段になって公式を覚えないという勉強方法がいかに不利かということを思い知らされた。東大の工学部を受験したのだが、公式を作りながら解いているうちに一問目で二時間のほとんどがすぎてしまい、受験に失敗したのである。

 このため私は当時、『秋山先生はけしからん、あんなこと教えるからいけないんだ』と非常に恨んだ。やはり受験には暗記した公式を基にさっさと解いていく受験テクニックが必要なのだと思った。

 ところが、実社会に出てみて、私は再び秋山先生の教えが正しかったことを身をもって感じるようになったのである。東大受験に失敗した後、戦後の混乱が続く中、小学校の代用教員や病気になったりしての回り道を経て、九州大学の経済を卒業して、一九五四(昭和二九)年キャノンに入社した。

 キャノンに入社して、仕事の中で様々な問題にぶつかる。しかし、どれもこれも前もって決まった答えなどない。ただ時間は十分ある。テーマによっては一カ月でも半年でも一年でもじっくり考えることができる。そうすると、どんな難問でも解決できる。

 多くの人は考えることが面倒くさくなり、『会社生活なんて面白くない』ということになるのだが、私は逆に入社早々から仕事が楽しくて仕方なくなってしまった。十分な時間の中で考えることで、答えは必ず見つけられる。これこそ創造的教育のおかげではないかと、秋山先生の教育方針を再評価したのである。」
====

 限られた時間の中で、要領よく勉強することは大切です。
 しかし、要領のよさを考え過ぎると、逆に大きなものを見落とします。
 大物を目指す人は、要領は最後の場面で考えればいいのです。

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ガチャピンの母 20221117  
中根先生、ありがとうございました。

単に勉強方法の話ではなく、もっと大切なお話だと思いました。
賀来さんのお話、大変面白いです。

定期テストでガチガチにならないよう、視野を広くやっていきたいと思います。

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幼長や小1から、子供だけで参加できるオンライン少人数教育――総合学力クラスで読書力と基礎学力と発表力をつけよう as/4570.html
森川林 2022/11/15 16:27 


●動画:https://youtu.be/LEUm2GikCP0

 言葉の森は、幼長や小1の生徒が子供だけで参加できるオンライン教育を行っています。
 アメリカなど、IT先進国と言われる国の教育でも、低学年のオンライン教育はほとんどありません。
 世間一般のオンライン学習では、動画を流すような一斉指導型のものがほとんどなので、子供が飽きてしまうからです。

 なぜ、言葉の森のオンライン教育が、子供だけで参加できるかというと、第一は4人以内の少人数のクラスだからです。
 先生が、全員に対する目配りができるので、どの子も、自分が主体的に参加する意識で授業に臨むことができるのです。

 第二は、子供たちの発表と、先生の個別指導を中心とした対話型の学習だからです。
 小学校低中学年の勉強の中身は、ほとんど誰でもわかる簡単なものです。その勉強を、ノルマをこなすようなやり方で取り組んでも面白くはありません。
 友達との交流の中で取り組むから、勉強する意欲が湧いてきます。

 第三は、勉強の対象が、国語や算数という教科的なもの以外に、読書や暗唱や発表や作文という広がりを持ったものだからです。
 また、読書紹介は、作文や国語のクラスだけでなく、算数数学や英語やプログラミングなどのいずれのクラスでも行っています。

 世の中の多くの教育機関、学校や塾や通信教育では、点数化できるものが勉強の中心ですが、言葉の森は、点数化できないものが中心です。
 だから、読書紹介や一人ひとりの発表や作文の練習に力を入れています。
 そういう点数に表れない勉強をした子が、あとになって本当の学力がつくのです。

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森川林 20221115  
 小1のころに大事なのは、勉強の中身よりも、読書や発表や友達とのコミュニケーションの方です。
 こういう学力のもとになる力を育てていくのが、低学年の学習の中心です。
 勉強漬けになるよりも、読書やお喋りに熱中する方が、結局は子供の力が伸びていくのです。


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勉強する意欲は、友達との交流の中で生まれる――誰もが本を読むようになる読書紹介 as/4569.html
森川林 2022/11/14 09:54 


●動画:https://youtu.be/8oP_YlufzE4

 子供たち、特に小中学生のころの子供たちは、友達との関係の中で生きています。
 正確に言えば、小学4年生から中学2年生にかけては、友達関係が本人の行動に大きく影響します。
 だから、逆に、いじめなどがあるのもこのころです。

 小学2、3年生は、親子関係を中心とする大人との関係が子供の行動に影響するので、友達関係の影響もあまりないかわりに、友達による問題はあまりありません。

 また、中学3年生以降は、親子や友達との関係よりも、自分自身の内面が基準になるので、誰もがそれなりに自分のペースで行動するようになります。

 しかし、友達関係による影響が弱くなるとは言っても、子供の行動に大きな影響があるのは、やはり友達が何をしているかとか、何を考えているかということです。

 この友達関係の影響をプラスに向けられるのが、オンライン4人クラスのような少人数のグループによる学習です。
 35人学級のような大きな集団では、勉強の中での友達関係というのはまずできません。
 誰もが孤立した状態で授業に参加しているからです。
 大人数の学級で友達関係が生かせるのは、授業の間の休み時間や登下校のときだけです。

 オンライン4人クラスで、友達関係が特にはっきり出るのが、毎週の読書紹介のときです。
 それまで、ほとんど本を読まなかったような子が、毎週の読書紹介の中で、ほかの生徒の読書に触れて自然に本を手に取るようになります。

 読書には、もともと読み手を引き付ける力があるので、本を読み始めた子は、すぐに読書の面白さに気づくようになります。
 親や先生が、いくら本を読みなさいと言っても聞く耳を持たなかった子が、同じクラスの友達の読書紹介を聞いて、自然に本を読むようになるのです。

 この逆の関係はありません。
 本をよく読んでいた子が、同じクラスのほかの子たちがみんな本を読まない子なので、自分も本を読まなくなるということはないのです。
 本を読むことが習慣になっている子には、他人の動向とは関係なくその習慣を自然に続けるからです。

 読書紹介ではっきりと出る友達関係のプラス面は、実は勉強にも生きています。
 友達と一緒に勉強していると、自然にがんばるようになるのです。

 わかりやすい例は、総合学力クラスの暗唱練習のような場合です。
 暗唱は、家庭でひとりでやっているだけでは、あまり張り合いがありません。
 しかし、総合学力クラスで、月に1回の暗唱の授業があると、どの子も自然に暗唱のページが進むのです。

 作文も、国語読解も、算数数学も、英語も、友達の学習状況が共有されるようになると、自然にみんなが勉強に前向きに取り組むようになります。
 それは、競争で煽る勉強法ではなく、友達関係の中で自然に生まれる前向きな勉強姿勢なのです。

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森川林 20221114  
 子供たちの家庭学習でいちばん大事なのは、読書です。
 中高生は、定期テストの一週間前だけは、テスト勉強を中心にしていいのですが、それ以外は、必ず毎日読書をしていく必要があります。
 もちろん、本好きな子は、そういうことをわざわざ言われなくても毎日本を読んでいます。
 しかし、読む習慣のない子は、いくら言われても読もうとしません。
 そういう子でも、必ず本を読むようになるのが読書紹介です。
 しかも、友達の紹介する本を見て、読書のレベルも上がっていきます。
 子供は、友達関係の中で学習意欲を持つようになるのです。


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2023年度の教材について(11/22更新、12/1更新) as/4568.html
森川林 2022/11/12 13:34 


●動画:https://youtu.be/QQ-FaVtKppQ

 新年度からの教材を一部変更します。
 今の時点で新年度の教材を注文していただくこともできます。
 ただし、改訂版の発送は2月以降になります。

 変更する教材は下記のとおりです。

(1)国語:これまでの小4~小6の国語エフォートは、質の高い難問のあるよい問題集でしたが、確認テストがなかったので、同レベルの問題集の確認テストがある教材にします。

(2)算数:これまでの小2~小6の算数ウィンパスは、標準的な問題が中心で易しかったので、難しい受験対応の問題も入っている教材にします。
 ただし、難問は飛ばして、基本問題や標準問題だけをやる形で進めてもいいです。

(3)英語:これまでの小5~小6の英語は、確認テストがなかったので、確認テストがある教材にします。
 小3・小4の英語はありません。

※新小6の国語・算数は、1月に教材の改訂があるので、現小5の生徒が今の時点で新たに教材を注文する場合は、小5の教材にするか、1月まで待って小6の教材を注文してください。
※新高2の国語は、1月に教材の改訂があるので、現高1の生徒が今の時点で新たに教材を注文する場合は、高1の教材にするか、1月まで待って高2の教材を注文するかしてください。

 

 ▼2023年度から変更する教材(中学生の教材は、変更なし)
┏━━┳━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃教科┃学年┃2022年度   ┃2023年度            ┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃国語┃小2┃ウィンパス国語小2┃ジュニア新演習国語小2上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃ジュニア新演習国語小2下      ┃
┃  ┃小3┃ウィンパス国語小3┃ジュニア新演習国語小3上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃ジュニア新演習国語小3下      ┃
┃  ┃小4┃エフォート1小4 ┃中学受験新演習国語小4上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習国語小4下      ┃
┃  ┃小5┃エフォート2小5 ┃中学受験新演習国語小5上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習国語小5下      ┃
┃  ┃小6┃エフォート3小6 ┃中学受験新演習国語小6上(1月改訂)┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習国語小6下(7月改訂)┃
┃  ┃高2┃プログレス2高2 ┃プログレス現代文2高2 (1月改訂)┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃算数┃小2┃ウィンパス算数小2┃ジュニア新演習算数小2上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃ジュニア新演習算数小2下      ┃
┃  ┃小3┃ウィンパス算数小3┃ジュニア新演習算数小3上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃ジュニア新演習算数小3下      ┃
┃  ┃小4┃ウィンパス算数小4┃中学受験新演習算数小4上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習算数小4下      ┃
┃  ┃小5┃ウィンパス算数小5┃中学受験新演習算数小5上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習算数小5下      ┃
┃  ┃小6┃ウィンパス算数小6┃中学受験新演習算数小6上(1月改訂)┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習算数小6下(7月改訂)┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃英語┃小3┃ウィンパス英語小3┃英語は小5以上に          ┃
┃  ┃小4┃ウィンパス英語小4┃ 〃                ┃
┃  ┃小5┃ウィンパス英語小5┃標準新演習英語小5         ┃
┃  ┃小6┃ウィンパス英語小6┃標準新演習英語小6         ┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃プロ┃小3┃できるキッズ子ども┃ふりがな付きなので小1からできる  ┃
┃グラ┃  ┃と学ぶScratch3… ┃                  ┃
┃ミン┃小6┃できるキッズ子ども┃コードプログラミングなので英語の分か┃
┃グ ┃  ┃と学ぶJavaScript…┃る学年から             ┃
┃  ┃小6┃ゲーム作りで楽しく┃ 〃                ┃
┃  ┃  ┃学ぶPythonのきほん┃(プログラミングはいずれも市販品) ┃
┗━━┻━━┻━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

※ただし変更以前の2022年度の教材も使用できます。

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小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

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