先日、面白い調査を見ました。
STEM教育という言葉を知っている人は、子供の教育に対する関心が高いという調査結果です。
私はSTEM教育というのは最近の本によく出てくる普通の言葉だと思っていたのでこの話は意外でした。
STEMとは、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マセマティックスの頭文字です。
これにアートをつけて最近流行っているのがSTEAMという言葉ですが、これはSTEMの本質とは別の概念を付け加えただけのもので、単なる思いつきのようなものです。
それはともかく、STEM教育という言葉から受ける印象の第一は、こういう訳の分からないアルファベットは使わないでほしいということです(笑)。
日本の教育が遅れていると思う最も大きな理由は、このように横文字が多すぎることです。
それは結局、日本の風土や文化に根差した教育というものを作り出せない教育者が、海外からのものをただ日本に移植しようしているからだと思います。
教育界は、戦後すぐのなし崩し的に欧米文化を受け入れた時代からほとんど進歩していないように思えます。
ところで、私はこのSTEM教育というものに、基本の80%は賛同していますが、残りの20%は何か不足しているものがあるような気がしていました。
それが、最近になって日本文化の根底に流れている重要な要素がないからではないかと思うようになりました。
日本にも、江戸時代から、STEM教育の長い歴史がありました。
だから、種子島の鉄砲もすぐに作ることができ、零戦や隼も作ることができたのです。
しかし、そこにあるのは単なるサイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マセマティックスではありませんでした。
それだけなら、誰がやっても同じです。
話は飛びますが、戦時中の日本にも、原爆を開発する計画があったようです。
しかし、その計画を知った天皇が、たとえ戦争に勝つためと言ってもそういう兵器を開発してはならないと研究を止められたのです。
日本人であれば、この感覚はよく分かると思います。
このことに似た話は、日本の歴史には数多くあります。
ただそれが、今の歴史教育の中に、ほとんど伝わっていないだけです。
サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マセマティクスの四つの言葉だけでは、「敵に勝つとはためとはいえそういう非間的な兵器の開発はやめよう」という発想は出てきません。
むしろ、日本以外の外国の常識は、「目的は手段を正当化する」です。
日本は違います。「君子財を愛す、これを取るに道有り」の文化です。
手段にも、人の道というものがあるのです。
天皇の終戦の詔勅でも、その根底にあったのは、人類にこれ以上非人間的な行為をさせてはならないという意思でした。
負けそうだから戦争やめようというのではなかったのです。
当時の世情を知らない人には理解しにくいでしょうが、人類がこれ以上無意味な殺傷することを辞めさせたいと思って終戦を宣言したのです。
これも、ほとんどの日本人なら分かると思います。
どっちが正しいかということよりも、もう争うのはやめよう、同じ人間なのだからという心理です。
しかし、余計なことですが、当時のアメリカは、日本の本土空襲を行い、木造家屋をどれだけ効率よく延焼させ、国民の被害を大きくするかということだけを考えていたのです。
これがSTEM教育の限界です。
(つづく)
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日本では、STEM教育を普及させようとい声が生まれていますが、本当はもっと先に行く必要があります。
なぜなら、サイエンスも、テクノロジーも、エンジニアリングも、マセマティックスも、既に日本にはあり、むしろその限界を多くの人が感じているからです。
その限界とは、ひとことで言えば、心のない科学が発展しても、世の中はよくならないということです。
しかし、心とSTEMは対立するものではありません。
もっと大きな枠の中で一致するものなのです。
種子島に鉄砲がもたらされたときの日本にあったのは、すでに普及しているSTEM教育でした。
しかも、そこにあったのは、今言われているSTEM教育よりももっと大きな枠組みを持ったものだったのです。
その日本のSTEM教育を広げていく必要があります。
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言葉の森は、これまで作文・小論文の指導を中心に行ってきましたが、現在、読解検定、暗唱検定、発表学習クラス、合宿教室、教育相談など、作文の枠を超えたものにも数多く取り組んでいます。
また、今回、自主学習をクラス単位で行うようにし、中学入試、高校入試も含めた全教科の学習指導をオンラインで行うようにしました。
言葉の森には現在60名の作文講師がおり、その多くは10年、20年以上の経験を持つベテランの講師です。
また、現在森林プロジェクトの作文講師資格講座を合格した講師が100名以上います。
これらの現状をもとに、7月から、言葉の森を「オンラインスクール」という形で定義することにしました。
したがって、作文指導も、オンラインスクールの中の作文の指導という位置づけになり、発表学習クラスや自主学習クラスも、オンラインスクールの中のそれぞれのクラスという位置づけになります。
当面の実際の指導運営は、これまでと変わりませんが、将来はオンラインスクールという面を更に大きく打ち出していき、授業時間の枠も午前中から夜間にまで広げていく予定です。
言葉の森に現在参加されている方も、今後、言葉の森を、学習塾や学校と同じようなものとして参加、活用していってくださるようお願いします。
具体的には、海外の方はオンラインの日本語補習校として利用できます。
国内での不登校の方はオンラインのフリースクールとして利用できます。
学校から帰ってひとりで家で留守番をしている方はオンラインの学童クラブとして利用できます。
学習塾に通っていた方は、言葉の森を新しい学習塾として利用できます。
また、言葉の森を長年受講してきた方は、言葉の森の同窓会に参加することができます。
また、長年、言葉の森の生徒の保護者としてご子息の勉強を見てきた方は、その経験を生かして、言葉の森の講師の資格を取り、言葉の森これからの教育に一緒に参加していただけるとよいと思います。
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経済や政治や自然環境の行き詰まりと同じようなことが、教育の世界でも起きているように思います。
簡単に言うと、勉強は昔よりもさせられるようになっているが、学力はむしろ低下しているようなのです。
子供たちがもっと自由に楽しく遊びながら、学力も向上するという方法があると思います。
そして、学力以外の文化度も向上する教育があるはずです。
それをオンライン教育として目指していきたいと思います。
子供たちの全面的発達を促す教育のためには、家庭との連携が欠かせません。
子供たちの成長に最も深い関わりを持つのは家庭だからです。
オンライン教育の利点は、子供たちが就学できる年齢になる前からの教育にも関与できる点です。
そして、教育は、先生という職業の人がやるだけのものではなく、すべての人が社会生活の一部としてやるようなものになっていくのです。
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この連絡は、6月からの自主学習クラスの体験学習をしている方に、6月21日にお送りしました。
■4週目の実力試験について
自主学習クラスは、自分で立てた計画で勉強を進めていくのが基本ですが、現在の実力や得手不得手を把握しておく必要があるため、4週目に実力試験を行います。
これは、実力を見て、今後の勉強の方向を検討するためのものですから、できない問題があってもかまいません。
今回は、問題集の一部をお送りしましたが、次回以降は、1年間分の問題を問題集という形で購入していただく予定です。(一部は市販のもので価格は1,500円ほどです。)
※6月は、今回同封している問題をご利用ください。
■保護者懇談会について
自主学習クラスは、定期的に保護者懇談会を行います。
生徒の授業の後半15分程度で行う予定で、日程は「鳥の村」のカレンダーに記載しご連絡します。
■公立中高一貫校対策の問題集
小5、小6の生徒で、公立中高一貫校対策の問題集を希望される方は、ご連絡ください。
(授業の中で、又はお電話、保護者掲示板などで)
小学5年生……「公立中高一貫校対策問題集理系F」1,700円(送料含む)
(このあと、勉強の進捗状況を見て、文系F、理系S、文系Sなどと続く予定です。)
小学6年生……「公立中高一貫校適性検査対策速習と完成理系」3,000円(送料含む)
(このあと、勉強の進捗状況を見て、速習と完成文系、実戦問題集などと続く予定です。)
■高校入試対策の問題集
中学3年生には、高校入試対策の問題集を用意しています。
生徒の実力を見ながらおすすめします。
■小5以上の生徒は、7月に志望校の過去問の購入を
7月上旬に、今年度の入試の過去問が発売されます。
小5以上の生徒は、志望校の過去問を購入しておいてください。
過去問は、自分で解くのではなく、答えを書き写して読んでください。
大体の傾向がわかることが大事ですので、過去問はお母さんやお父さんと一緒に見ておいてください。
■勉強ノートや試験のアップロードについて
勉強の様子を把握するために、勉強ノートと、返却された試験などをアップロードしていただく予定です。
現在、先生だけが見られるアップロードページを作っていますので、それができ次第、アップロードの仕方などをお知らせします。
お手数をおかけしますがよろしくお願いいたします。
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勉強の基本は簡単です。
1冊のテキストを何度も繰り返して確実に自分のものにすることです。
しかし、人に教わる授業だと、いろいろなことを1、2回しか教わりません。
だから、中学生、高校生は塾に行くよりも自宅で勉強した方がずっとよくできるようになるのです。
志望校の過去問は、7月の初めごろに出ます。
小学5年生は、早速それを買っておくのです。
そして、できなくていいので、問題を見て答えを見て、1年間分を全部読んでみるのです。
それは、生徒だけでなく、お父さんやお母さんも一緒に読みます。
すると、全体の見通しがつくので、その後の勉強の能率が上がります。
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見るだけのオンライン学習ではなく、参加するオンライン学習です。
知識を詰め込む勉強ではなく、創造し発表する勉強です。
文字による発表だけでなく、音声、表情、画像、動画を組み合わせた発表学習です。
こういう学習の仕方が自然に生まれたのは、言葉の森がもともと「作文」という答えのない勉強をする教室だったからです。
▽木曜日の寺オン作文クラスの授業から
https://youtu.be/1ecdzoarLhM
このクラスは小4から小6の生徒が5人勉強をしています。
そのうち1人はフィリピンから、1人はタイから参加している日本人の子供です。国際色豊かです(笑)。
みんなよく準備をしてきている優秀な子供たちです。
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子供に勉強を教えるというのは、理屈の上では簡単です。
知識のある大人が、知識のまだない子供にその知識を教えれば
いいだけだからです。
そして、子供がその知識を吸収したかどうかをテストをして試すのです。
しかし、こういうこれまでの勉強の仕方が限界に来ています。
これまでの勉強の仕方が限界に来ているのは、ひとつには、子供の学力と文化の差が大きくなったからです。
学校によっては外国人の子供が半数以上いるところもあるようです。
しかし、格差が大きいだけならブレンデッド教育のような方法で対応できます。
もっと大きな問題は、子供が受け身で学ばされるのでなく、自分から主体的に参加して学びたいという気持ちを持つようになったからです。
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国語96点、数学93点、英語96点、理科94点、社会96点。これは、今月初めて中学の定期テストを受けたある中学1年生のテストの点数です。
この生徒は、自主学習クラスに週5回参加して勉強していました。
勉強の内容は、国語の問題集読書と数学の問題集が中心でしたが、定期テストの前には、テスト対策のアドバイスをしました。
中学生は、テスト1週間前から、テスト対策に取り組み、出題範囲を完璧に勉強するのです。
完璧にという意味は、数学であればその出題範囲の問題集の問題が全部できるようにすること、英語であれば出題範囲の英語の教科書の暗唱と暗書ができるようにすること、国語の勉強は普段やっているので、テスト対策は出題範囲の漢字と文法をできるようにすること、理科と社会とその他の教科は、出題範囲の教科書またプリント5回以上読むことです。
どれも、普通のことですが、中学生がひとりで勉強するとなかなかこういうことはできません。
例えば、出題範囲の教科書を5回読むということは、読むだけというのが不安な気がするので、ひとりではなかなかできないのです。
塾に行くと、その学校の過去問の対策を教えてくれるというようなところもあります。
しかし、それは一種のカンニングのようなもので本当の実力にはなりません。
本当の実力とは、出題範囲を繰り返し学ぶことによって、その内容を完璧に自分のものにすることです。
自主学習クラスの勉強の基本は、自分で勉強することですから、先生が何かを教えるわけではありません。
もちろん、わからないことについての質問があれば、それは答えますが、基本は自分で決めた勉強を自分でするというやり方です。
塾に行って先生の授業を聞くというような勉強は、先生の授業の面白さが勉強の中身になります。
子供たちは、面白い授業や、役に立ちそうな話を聞くと、そこで何か学んだ気がします。
しかし、本当に力がつくのは、人の話を聞いているときではなく、自分で実際に演習を繰り返すときなのです。
これは、もちろん小学生の場合も当てはまります。
お母さんが、子供たちの勉強をどうするか考えるときに、真っ先に思いつくのは塾に行かせることだと思います。
自宅で、市販の教材をやらせたり、通信教育の教材をやらせたりする人はあまりいません。
自宅学習や通信教育は、ひとりで勉強するという点で不安があるからです。
学習塾に行かせると、子供の勉強の様子が親からは見えなくなるので、しっかり学んでいるような気がして安心できます
しかし、実際には、塾で授業を受けることは、学校で授業を受けることと変わりません。
塾に行って力がつくのは、与えられた宿題を家庭でしっかりとやってくる場合だけです。
力がつくのは、授業を聞くことによってではなく、家庭で勉強することによってなのです。
ところが、学習塾が子供たちに出す宿題は、個々の生徒の実情に合わせたものではありません。
どの子も同じように、誰にでも当てはまるような全体的な宿題をやるようになっていることが多いのです。
ですから、真面目にその宿題を全部やろうとすると、そのことで時間がかなり取られます。
自分が本当に力を入れたい勉強だけをして、自分にとって必要でない勉強が省略できればいいのですが、塾や学校は全員一律に同じことを要求するので、真面目な子ほど宿題に追われ、読書をしたり自由に考えたりする時間がなくなっていくのです。
勉強は、個人個人の実情に合わせて自宅でやっていくのが最も能率がよい方法です。
しかし、今の子供たちの多くは、人にやらされる勉強をして忙しくなっていると思います。
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勉強の基本は、解くことではなく読むことです。
解く勉強のほとんどは1回で終わってしまいます。
だから、解く勉強で得たものは、解けたことがわかったというだけなのです。
読む勉強は、繰り返すことができます。
算数や数学の勉強についても、難しい問題に出合ったら、解くことを考えるのではなく、まず答えを読むことです。
受験勉強はすべてこのやり方でやっていけます。
人間が本当に考える時間を作るのは、受験までの勉強ではなく、もっとほかのところでなのです。
勉強にはいろいろ逆説があります。
人に教えてもらう勉強よりも、自分でやる勉強の方が早く力がつきます。
問題集は問題を解くものではなく、問題と答えを読むものです。
(受験までの)数学は、考える勉強ではなく覚える勉強です。
熱心に1回だけやるよりも、適当であっても数回繰り返した方が知識は定着します。
作文を上達させるには、書くことに力を入れるより読むことに力を入れることです。
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