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満ち潮の時代、引き潮の時代――ブルーオーシャンはどこにでもある as/2506.html
森川林 2015/12/25 21:16 


 満ち潮の時代というのは、人口が増えて、所得が増えて、シェアが広がり、売上が上がり、規模が大きくなり、部下も増えていくという経済成長の時代です。
 それに対して、引き潮の時代というのは、人口が減って、売上も減って、所得も減り、規模も縮小していくという今のようなデフレの時代です。

 満ち潮の時代では、大きい船に乗ることが成功の条件でした。
 だから、勉強にしても、スポーツにしても、音楽にしても、できるだけメジャーなものをやっていた方が潰しが効きました。
 大きい船に乗っていれば、船自体が満ち潮で上昇していくので、小さい船に乗っているよりも見返りは大きかったのです。

 今の大人の多くは、こういう満ち潮の時代を生きてきました。だから、その時代の価値観が根強く残っています。
 そのために、つい多くの人がやっているのと同じものをやる方がプラスになると考えてしまうのです。

 ところが、現代は既に引き潮の時代になっています。
 引き潮の時代では、何もかもが縮小していきますから、大きい船に乗っていると、今度は逆に減っていくものを奪い合う競争が小さい船よりも激しくなります。
 満ち潮のときに有利に働いていたものが、引き潮のときには反対に働くようになるのです。

 しかし、こういう引き潮の時代の対処の仕方を経験している大人はほとんどいませんから、引き潮の時代でもまだ、より大きなより安全な船に乗ることを志向してしまうのです。

 今の日本の社会を見てみると、さまざまな分野で、何々不況というものが生まれています。
 人口が減っていて、必要なものがほぼ満たされている社会では、物は年々売れなくなっていくのが当然です。

 そして、たまに市場の広がる分野が見つかると、参入者がどっと入ってきます。そして、そこもすぐにレッドオーシャンになります。
 もう仕事を引退したような年配者だけは、とりあえずこれまでの蓄積があるので、危機感をそれほど感じてはいないというだけです。

 では、引き潮の時代には、どういう生き方をしていけばいいのでしょうか。
 そのコツは、メジャーなものから離れて、誰もがあまり見向きもしない小さな個性的な船に乗ることです。
 引き潮の時代には、小さな船だから入れるような小さな入江があちこちにできます。そこでブルーオーシャンを見つけていくのです。

 満ち潮の時代は、誰もが納得するような合理的な答えがある時代でした。だから、みんなが迷わずその道を選ぶことができました。
 引き潮の時代には、誰にも共通するような答えはありません。勘と運と持続力だけが頼りです。
 しかし、だから、逆に面白い時代だとも言えるのです。

 そして、潮の満干(みちひ)があるように、引き潮の時代のあとには、また満ち潮の時代が来ます。
 そのときに来る満ち潮は、今の満ち潮とは違うところに広がります。
 今の引き潮の時代は、次の満ち潮の準備の時代とも言えるのです。

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親子の対話の大切さ――「ひきこもりになる子」の記事を読んで as/2505.html
森川林 2015/12/24 21:19 


 日経DUALの記事に、「『ひきこもり』になる子どもの親には共通点がある」というタイトルの記事が載っていました。
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=7673&page=5
====引用ここから
【ケース1】 子どもの回答を待たずに、先に返事をしてしまう
        子どもが「何年生?」と聞かれているのに、親が「2年生です」などと答えてしまう
【ケース2】 家庭での雑談が少ない
        「早く勉強しなさい」などと一方的に言ってしまう
【ケース3】 子どもの話を聞き流す、最後まで聞かない
        「今忙しいから、ちょっと待って」と、家事の手を休めない
【ケース4】 条件的ほめ&承認をしている
        「○○ちゃんが、××してくれたら、お母さんはうれしい」などと言う
【ケース5】 「知力」だけを育てようとして、「感情」に目を向けない
        「算数が難しい」と言うのを聞いて、「落ちこぼれちゃうよ。塾行かなくちゃね」と答える
【ケース6】 子どもを自分の思い通りに育てようとしている
        「お母さんはこの学校がいいと思う」などと、自分の意見を押し付ける
【ケース7】 子どもの挑戦を回避させようとしている
        子どもから「○○をやってみたい」と言われると、「それは危ないからダメ」などと言う
【ケース8】 “さらに上”を要求する
        97点だったテスト答案を見せられて、「あと3点で満点だったのにね」と言う
====引用ここまで
 親であれば、誰でも多かれ少なかれ似たようなことをしていると思います。
 だから、大事なことは、そういうことをしないようにと考えるのではなく、それと正反対のことを積極的にしていけばいいのです。
 それが、親子の対話です。

 対話と言っても、子供から何かを引き出そうとしたり、親が何かを伝えようとしたりはしなくていいのです。
 そういう意味のある対話をしようとすると、子供の話し下手を注意したり、親の一方的な考えを押し付けたりすることになります。
 そうではなく、対話を楽しむという話し方をするのです。だから、もちろん話の途中で脱線していくようなことでもいいのです。

 対話を楽しむむために必要なものが、ひとつは対話の話題です。もうひとつが親の正直な体験談です。そして、もうひとつはやはり慣れです。

 対話の話題は、普通の家庭では、ニュースの話になったり近所の話や学校の話や成績の話になったりしがちですが、そういう話題では話はあまり弾みません。
 いちばんいいのは、言葉の森で言えば、毎日の自習の音読長文です。自習の音読をやっていない場合は、国語の問題集に出てくるような説明文や、毎日小学生新聞などの説明的な記事です。
 こういう少し知的な話題があると、親子の話も弾み、子供も対話の中で考える力がついてきます。

 話をするときに大事なことは、親が知識や意見だけを言わないことです。知識や意見のレベルでは、親の方が子供よりも圧倒的に上なので、一方的に教え込むような話し方になってしまいます。
 知識や意見ではなく、親の子供のころの体験などに結びつけながら、子供と同じレベルで話をするのです。

 また、知識や意見を言うときでも、「でも」とか「しかし」とかいう反対の言葉はなるべく言わずに、「なるほど」とか「そうだね」という賛同の言葉で、似た話を発展させていくようにするといいのです。対話は、欧米のディベートとは違うのです。

 こういう対話が無理なくできるのは、子供がまだ低学年のうちです。低学年のころなら、「さあ、テレビを消して、みんなで話をしよう」と言えば話が始まります。学年が上がってからは、そういうことはなかなかできません。低学年のうちから、家族で話をし、子供の言うことに関心を持って聞くようにしていると、学年が上がっても無理なく対話が続けられるのです。

 ところで、ひきこもりや不登校のようなことは、心理的なことでそれぞれの個性によるものですから、機械的にどうすればどうなるということは言えません。
 しかし、そういう場合でも、救いになることのひとつがペットを飼っていることだと思います。特に、犬や猫やウサギや鳥のような対話のできるペットは、子供にとって最後のよりどころになることが多いと思います。

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