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新しい勉強法(記憶の仕方) as/287.html
森川林 2008/09/12 10:36 
 人間の短期記憶は7個ぐらいまでしか保持できないと言われています。
 文章を読むときは、この短期記憶で読んでいます。長い文章であっても、7個ぐらいの語句を消化しながら読んでいきます。だから、文章の意味は理解できますが、文章そのものを再現することはできません。読んで理解して、理解した先から忘れていくという読み方だからです。
 暗唱は、この短期記憶による読み方とは異なります。暗唱は、意味を理解しながら読むだけでなく、文章全体を一つのメロディーとして読むものです。短期記憶が逐語的な読み方だとすると、暗唱は一括的な読み方です。
 初めて暗唱のような読み方をすると、脳がまだ新しい使い方にまだ慣れていないために疲労します。こういうときは軽く寝るといいのです。睡眠は記憶を定着させる役割があるので、何かを覚えたらそのあとは寝るというのがいい方法です。特に、記憶は夢を見ているときに定着するので、ぐっすり寝るのではなくうとうとと寝るぐらいがちょうどいいようです。
 20回音読して100字程度の文章を暗唱するという基本の練習ができるようになったら、次は覚えた文どうしをつなげる練習をしていきます。それが記憶術です。
 100字の文章は、50字ぐらいの文が2、3文つながっているような構成になっていることが多いと思います。2つの文がつながっていたとした場合、1文目と2文目をどうスムーズにつなげて覚えるかということが問題になります。
 まず1文目の冒頭の語句をイメージ化します。そのイメージを、自分のよく知っているものにつなげます。次に2文目の冒頭の語句をイメージ化します。そのイメージもまた、自分のよく知っているものにつなげます。例えば、1文目が「科学技術は……」だとしたら、鉄腕アトムが自分の頭のてっぺんにぶつかっているようなつなげ方です。2文目が「文化の……」だとしたら、文化なべが自分のおでこに当たって「痛た」というようなイメージです。
 覚え方のこつは、自分らしく、おもしろく、即座に、イメージ化して、ということです。他人にはわからなくてもかまいません。また、できるだけおもしろおかしく印象に残るようなものにします。あれこれ考えずに、頭に浮かんだものにすぐ決めるというのも大事です。抽象的な言葉であっても、こじつけでイメージ化していきます。
 このようにして、1文ずつの冒頭をつなげていくと、長文のような長いひとまりの文章もすらすらと言えるようになります。しかし、最初からすぐに長い文章の暗唱を目指すのではなく、初めは400字ぐらいの文章を続けて暗唱できるようにしていきましょう。
 こうして入力の土台を作ったあとに、次は、マインドマップ的な方法で思考を深めていきます。

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新しい勉強法(暗唱の仕方) as/286.html
森川林 2008/09/05 09:42 
 いま、作文の勉強の仕方を新しく開発しているところです。
 大きく分けて、四つの方向で考えています。暗唱、記憶術、マインドマップ、四行詩の四つです。
 第一は、暗唱です。暗唱の効果については、貝原益軒、湯川秀樹、シュリーマン、本多静六などの実践が参考になります。ほかにも、塙保己一、南方熊楠などの伝記を調べてみると、決して彼らも生まれつきの天才ではなく、幼児期の暗唱的な環境が才能の開発に大きな影響を及ぼしていたことが推測されます。
 暗唱の方法は、簡単です。20回以上音読することに尽きます。100字程度の文章を、「正」の字などを書きながら、20回声を出して読むと、空で言えるようになります。今はタイマーという便利なものがあるので、10分間のタイマーをかけて繰り返し読むという形でもかまいません。
 読み方のコツは、できるだけ流れるように速く読むことと、それを自分の耳でしっかり聴くことです。自分の声をしっかり聴くということで、いま、ある装置の開発を考えています。
 どうして流れるように読むのが大事かというと、意味を記憶すると同時に、音楽のようなリズムも記憶できるからです。文章の暗唱が苦手な人でも、歌の暗唱はできます。歌はメロディーと歌詞が結びついているので覚えやすいからです。
 暗唱は音楽のように聴くのがコツということから、これまでの高速聴読のページを作り直しています。今までは、人間が読んでいましたが、長文の一部に手直しをすると、全文読み直しをしなければなりません。そう考えると、人間が長文の速読を続けていくのはかなり無理があると思うようになりました。
 そこで、目をつけたのがテキスト読み上げソフトです。PENTAXで出している音声合成ソフトは、かなり高性能で、人間が読むのとほとんど変わりません。しかし、値段がまだ高いので、フリーのソフトのSofTalkを使うことにしました。これは、いかにも機械が読んでいるような読み方ですが、無料でこれだけできるというのは素晴らしいと思います。聴読で大事なことは、読み方の巧拙ではなく、音楽のように同じリズムで文章を聴くということですから、機械的な読み方でもさしつかえはありません。いま、SofTalkに合わせて、テキストの方の編集を行っているところです。
 音読と聴読を組み合わせて100字の文章を暗唱したあと、次の日に、新しい100字を続けて合計200字の暗唱をします。そのようにして、毎日200字の暗唱を続けていくと、1ヶ月もかからずに、2000字程度の長文をまるごと全文暗唱することになります。しかし、その暗唱は、200字ずつを細切れに覚えただけで、2000字を通して暗唱できるということではありません。人間の頭は、それほど高性能ではないからです。そこで登場するのが記憶術です。(つづく)

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