ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2759番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/6
教育の主導権は親が持つ――実力を育てる全身的な勉強を as/2759.html
森川林 2016/12/14 21:06 


 「子供が家に帰ったきたら『宿題やりなさい』などと言っているようでは駄目です。学校の先生の言いなりになるのではなく、子供に責任感、社会性、思いやりなどを教えながら、適性を見きわめてテーラーメイドの教育をすることが、子供の能力を引き出すことにつながります」(「日本の未来を考える6つの特別講義」大前研一著の「親が教育の主導権を握る」より)

 よくお母さん方から、「子供が、宿題などを早く仕上げようと雑にやる。もっとていねいにやってほしい」という声を聞くことがあります。
 これは、多くのお母さんが、特に男の子の勉強の仕方について感じていることだと思います。

 ていねいにやることはもちろんいいことです。
 しかし、宿題というのは、大体つまらないものです。
 そのつまらないことを早く仕上げて、もっと面白いことに熱中するというのは、子供の自然な行動です。

 その自然な行動を抑制して、つまらないこともていねいに仕上げるということをもしやらせつづけたとしたら、その子はたぶん面白みのない人間になると思います。
 これからの世の中で活躍するのは、実力だけでなく個性のある人間です。子供時代は、その個性の土台を作る大事な時期です。
 だから、早く仕上げたら、むしろその早く仕上げたことを褒めてあげるぐらいでいいのです。

 学年が上がれば、そして社会に出れば、つまらないことにも自分から進んで取り組む場面が必ず出てきます。
 そのつまらないことに耐える練習を、小学生のうちからやる必要はありません。
 小学生のうちにやる必要のある耐える練習は、勉強的なものよりもむしろ行儀作法的なものです。

 今の子供たちは、勉強的なことでやらなければならないということが多すぎるように思います。
 宿題というのもそのひとつです。習い事というのもそうです。
 宿題や習い事が忙しくて本を読む暇もないという子と、宿題も習い事もないのでゆっくり本を読んでいるという子と、どちらが実力がつくかというと、程度にもよりますが自由に本を読む時間を確保できている子の方なのです。

 ただし、成績については、勉強している子の方がよくなります。そこで、多くの大人は勘違いしてしまうのです。
 成績は、時間をかければ誰でもよくなります。しかし、それは実力がついているということではありません。
 実力は、勉強のような頭の一部を使うものによってではなく、もっと全身的に頭を使う読書や対話や経験によって育ちます。
 子供時代は、そういう全身的な実力をつけていく時期です。

 子供を全身的な勉強という観点から見ていくことができるのは、家庭だけです。
 学校も、塾も、習い事も、すべてその部分的な観点からしか子供を見ていません。
 親だけが、子供の成長を全身的な目で見ていくことができます。
 だから、教育の主導権は親が持っておく必要があるのです。


 「子供が家に帰ったきたら『宿題やりなさい』などと言っているようでは駄目です。学校の先生の言いなりになるのではなく、子供に責任感、社会性、思いやりなどを教えながら、適性を見きわめてテーラーメイドの教育をすることが、子供の能力を引き出すことにつながります」(「日本の未来を考える6つの特別講義」大前研一著の「親が教育の主導権を握る」より)

 よくお母さん方から、「子供が、宿題などを早く仕上げようと雑にやる。もっとていねいにやってほしい」という声を聞くことがあります。
 これは、多くのお母さんが、特に男の子の勉強の仕方について感じていることだと思います。

 ていねいにやることはもちろんいいことです。
 しかし、宿題というのは、大体つまらないものです。
 そのつまらないことを早く仕上げて、もっと面白いことに熱中するというのは、子供の自然な行動です。

 その自然な行動を抑制して、つまらないこともていねいに仕上げるということをもしやらせつづけたとしたら、その子はたぶん面白みのない人間になると思います。
 これからの世の中で活躍するのは、実力だけでなく個性のある人間です。子供時代は、その個性の土台を作る大事な時期です。
 だから、早く仕上げたら、むしろその早く仕上げたことを褒めてあげるぐらいでいいのです。

 学年が上がれば、そして社会に出れば、つまらないことにも自分から進んで取り組む場面が必ず出てきます。
 そのつまらないことに耐える練習を、小学生のうちからやる必要はありません。
 小学生のうちにやる必要のある耐える練習は、勉強的なものよりもむしろ行儀作法的なものです。

 今の子供たちは、勉強的なことでやらなければならないということが多すぎるように思います。
 宿題というのもそのひとつです。習い事というのもそうです。
 宿題や習い事が忙しくて本を読む暇もないという子と、宿題も習い事もないのでゆっくり本を読んでいるという子と、どちらが実力がつくかというと、程度にもよりますが自由に本を読む時間を確保できている子の方なのです。

 ただし、成績については、勉強している子の方がよくなります。そこで、多くの大人は勘違いしてしまうのです。
 成績は、時間をかければ誰でもよくなります。しかし、それは実力がついているということではありません。
 実力は、勉強のような頭の一部を使うものによってではなく、もっと全身的に頭を使う読書や対話や経験によって育ちます。
 子供時代は、そういう全身的な実力をつけていく時期です。

 子供を全身的な勉強という観点から見ていくことができるのは、家庭だけです。
 学校も、塾も、習い事も、すべてその部分的な観点からしか子供を見ていません。
 親だけが、子供の成長を全身的な目で見ていくことができます。
 だから、教育の主導権は親が持っておく必要があるのです。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

コメント欄

森川林 2016年12月14日 21時14分 1 
 これからの世の中はますます不透明になります。
 そのときに大事なのは、親が子供を他人の尺度ではなく自分の尺度で見ていくことです。
 成績というのもひとつの尺度ですが、もっと大きな実力という尺度から子供を見ていくことが大事なのです。


nane 2016年12月14日 21時17分 1 
 子供を見るときに大事なことは、その子がどの学校に合格しそうかということではなく、社会でどう活躍していくかということです。
 そうすると、すべての子にその子でなければできない可能性が大きく広がっていることがわかります。
 どの学校に入るかということは、その中のごく小さなエピソードにすぎないのです。


namura 2016年12月15日 5時31分 10 
宿題を早く済ませてすっきりしたいのは、親の都合ですね。ついつい言ってしまいます。(^^♪

jun 2016年12月15日 16時16分 2 
 どんな観点で子育てをしていくか、親自身がぶれない基準を持つことが大事ですね。

コメントフォーム
教育の主導権は親が持つ――実力を育てる全身的な勉強を 森川林 20161214 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ぬねのは (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ぬねのは」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 教育論文化論(255) 
コメント11~20件
……前のコメント
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
未来の子育て、 森川林
 「今は、勉強が大事なのだから、自分のしたいことは大学に入っ 3/8
未来の子育て、 森川林
 かつて、三井三池炭鉱は、日本のエネルギー産業の花形で、安定 3/7
未来の子育て、 森川林
幼児期や小学校低学年のころは、何でも吸収できます。 しかし 3/6
未来の子育て、 森川林
 今の日本の受験勉強は、清朝末期の中国の科挙に似てきています 3/5
朝の10分間読 森川林
 読書は、読む力と理解する力です。  草野球とプロ野球では 3/4
低学年の作文の 森川林
低学年の作文でいちばん大事なことは、題材選びです。 その題 3/3
作文における書 森川林
 作文で大事なのは中身です。  しかし、中身はなかなか進歩 3/2
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
競争から創造へ 森川林
競争で勝つということは、負ける相手がいるということだ。 大 5/6
人はみな、未来 森川林
人は皆、未来に生きている。 親がレールを敷こうとしている未 5/4
Re: 読会検 森川林
 千個というのは、立方体のことなので、例えば、1辺が1ミクロ 5/3
なぜ、作文クラ 森川林
なぜ、作文クラスを作文個別より優先するのか。 それは、言葉 5/3
釈迦は言った。 森川林
釈迦は言った。 ――自灯明(じとうみょう)―― 人間は、 5/3
読会検定4月  あかそよ
問題3 Bが〇だと思いました。なぜなら、五段落目の一番最後 5/1
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習