ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2784番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/19
子供がいじめにあったらどうするか――親の立場で as/2784.html
森川林 2017/01/07 04:22 


 今回の話は、一般論として参考になる話ではありません。
 そもそも、いじめのような理不尽なことに対しては、模範的な対応というものはありません。個人の生き方として対応していくことが基本です。
 ですから、自分が親だったらどうするか、どうしたかということを中心にした話になります。

 ところで、私がいつも疑問に思うのは、いじめにあった子供の親が、ただ我慢をするだけだったり、いじめる相手の善意に期待したり、時間が解決してくれると思ったり、誰かが助けてくれると思ったりすることが多いということです。
 確かに、昔は、子供どうしで助け合ったり、上級生が助けてくれたりということもありました。そして、いずれそういう助け合いのできる社会は再び来るでしょうが、今は誰かの助けを期待できるような時代ではないと考えておくことが基本です。

 私が大学生のときに読んで感銘を受けた本に、「葉隠」があります。この本の内容は、引退した元武士の老人への聞き書きですから、人生に対する奥深い洞察のある言葉が随所に見られます。
 この本の中に、「我が身にかかわる重大事は、しゃにむにやってのけなければ解決しない」というような言葉がありました。
 自分が当事者になったことは、うまいやり方を工夫しようなどというようなことを考えてはならないということです。そういう一歩遅れる気持ちが、最も武士道に合わないものだというのです。

 いじめに対しても同様です。自分が少しでもいじめられたら、そのときの対応は、戦うことです。
 この戦うことの中には、話し合うことも含みます。つまり、口で戦うということです。
 これは、その子が将来大人になったときも同じです。社会に出ても理不尽なことに遭遇することは多いでしょう。そのときの原則は戦うことです。
 これは、個人と個人の問題だけでなく、国と国との問題でも同じです。

 勝てるかどうかとか、うまく行くかどうかという配慮は、二の次、三の次で、いじめられたら何しろ立ち向かうことが原則なのです。

 こういう人間の生き方の根本に関わるようなことを、子供が自分で考え出すことはできません。
 学校の先生が教えてくれるわけではありません。
 本に書いてあるわけでもありません。
 ただ親だけが教えられることなのです。

 そして、もし、戦うことが無理だと判断した場合は、いつかの捲土重来を期して逃げることです。
 いじめのような卑劣なことをする人間は、数を頼んだり、武器を持ったりすることもあるからです。
 逃げるというのは、学校の場合は、学校に行かないこと、転校することなどです。
 こういう判断も、もちろん、子供が自分の力ですることはできません。親が即座に判断して実行していかなければなりません。

 私の子供も、小学校低学年のとき、体の大きい子や上級生に、いじめられたりいじめられそうになったりしたことがありました。
 それを知ったとき、私は即座にその子と戦わせたり、その子の自宅に直接話に行かせたりしました。
 そして、そのあと、そのいじめた子たちとは、普通の友達のような関係になったのです。

 しかし、これがもしそのようにうまい結果にならなかったとしてもいいのです。
 いざというときに戦うということは、人間の生き方として当然のことだからです。

 普通の日本人は、争い事は好きではありません。自分の周囲を見ても、ほとんどが心優しい人です。
 しかし、世の中には、そうでない人もいます。
 だから、不正なことがあり、自分がその当事者であった場合は、即座に戦うことです。
 そして、もし相手が悪いことをしなくなれば、そのときは許してやればいいのです。

 以上が、いじめに対する個人的な対応の仕方です。
 いじめに対する社会的な対応は、もっと根本的に考える必要ががあります。
 それは、弱い者いじめをするような人間を育てないということです。そして、それは、教育の力で十分に可能なことだと思います。



 今回の話は、一般論として参考になる話ではありません。
 そもそも、いじめのような理不尽なことに対しては、模範的な対応というものはありません。個人の生き方として対応していくことが基本です。
 ですから、自分が親だったらどうするか、どうしたかということを中心にした話になります。

 ところで、私がいつも疑問に思うのは、いじめにあった子供の親が、ただ我慢をするだけだったり、いじめる相手の善意に期待したり、時間が解決してくれると思ったり、誰かが助けてくれると思ったりすることが多いということです。
 確かに、昔は、子供どうしで助け合ったり、上級生が助けてくれたりということもありました。そして、いずれそういう助け合いのできる社会は再び来るでしょうが、今は誰かの助けを期待できるような時代ではないと考えておくことが基本です。

 私が大学生のときに読んで感銘を受けた本に、「葉隠」があります。この本の内容は、引退した元武士の老人への聞き書きですから、人生に対する奥深い洞察のある言葉が随所に見られます。
 この本の中に、「我が身にかかわる重大事は、しゃにむにやってのけなければ解決しない」というような言葉がありました。
 自分が当事者になったことは、うまいやり方を工夫しようなどというようなことを考えてはならないということです。そういう一歩遅れる気持ちが、最も武士道に合わないものだというのです。

 いじめに対しても同様です。自分が少しでもいじめられたら、そのときの対応は、戦うことです。
 この戦うことの中には、話し合うことも含みます。つまり、口で戦うということです。
 これは、その子が将来大人になったときも同じです。社会に出ても理不尽なことに遭遇することは多いでしょう。そのときの原則は戦うことです。
 これは、個人と個人の問題だけでなく、国と国との問題でも同じです。

 勝てるかどうかとか、うまく行くかどうかという配慮は、二の次、三の次で、いじめられたら何しろ立ち向かうことが原則なのです。

 こういう人間の生き方の根本に関わるようなことを、子供が自分で考え出すことはできません。
 学校の先生が教えてくれるわけではありません。
 本に書いてあるわけでもありません。
 ただ親だけが教えられることなのです。

 そして、もし、戦うことが無理だと判断した場合は、いつかの捲土重来を期して逃げることです。
 いじめのような卑劣なことをする人間は、数を頼んだり、武器を持ったりすることもあるからです。
 逃げるというのは、学校の場合は、学校に行かないこと、転校することなどです。
 こういう判断も、もちろん、子供が自分の力ですることはできません。親が即座に判断して実行していかなければなりません。

 私の子供も、小学校低学年のとき、体の大きい子や上級生に、いじめられたりいじめられそうになったりしたことがありました。
 それを知ったとき、私は即座にその子と戦わせたり、その子の自宅に直接話に行かせたりしました。
 そして、そのあと、そのいじめた子たちとは、普通の友達のような関係になったのです。

 しかし、これがもしそのようにうまい結果にならなかったとしてもいいのです。
 いざというときに戦うということは、人間の生き方として当然のことだからです。

 普通の日本人は、争い事は好きではありません。自分の周囲を見ても、ほとんどが心優しい人です。
 しかし、世の中には、そうでない人もいます。
 だから、不正なことがあり、自分がその当事者であった場合は、即座に戦うことです。
 そして、もし相手が悪いことをしなくなれば、そのときは許してやればいいのです。

 以上が、いじめに対する個人的な対応の仕方です。
 いじめに対する社会的な対応は、もっと根本的に考える必要ががあります。
 それは、弱い者いじめをするような人間を育てないということです。そして、それは、教育の力で十分に可能なことだと思います。



 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

コメント欄

namura 2017年1月7日 4時51分 10 
ドキッとするタイトルでしたが、どんなことに対しても、親身に対応できるのは、親ですね。

nane 2017年1月7日 5時24分 1 
 人間の生き方の基本は、強さと優しさを同居させることです。
 争いはなければないにこしたことはありませんが、巻き込まれたら元気に戦うだけです。
 元気にって(笑)。


森川林 2017年1月7日 5時24分 1 
 あまり楽しそうな話ではありませんが、世の中には困っている人もいると思うので書きました。
 しかし、いじめのような問題は、基本的には社会全体で対応するものです。
 その参考になるのは、会津藩の「什(じゅう)の掟」のように、「弱い者をいぢめてはなりませぬ」という基本を子供のころから教えておくことです。


コメントフォーム
子供がいじめにあったらどうするか――親の立場で 森川林 20170107 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
なにぬね (スパム投稿を防ぐために五十音表の「なにぬね」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
いじめ(1) 
コメント21~30件
……前のコメント
低学年の作文の 森川林
低学年の作文でいちばん大事なことは、題材選びです。 その題 3/3
作文における書 森川林
 作文で大事なのは中身です。  しかし、中身はなかなか進歩 3/2
これからの新し 森川林
 今はまだ、勉強のゴールは、大学入試になっています。  大 3/1
上手な作文とそ 森川林
 上手な作文とそうでない作文の差は、語彙力の差です。  そ 2/29
ChatGPT 森川林
 創造発表の勉強のネックになるのは、個性的なテーマであればあ 2/28
夏期講習でのデ 森川林
 国語の勉強の方法としていちばんいいのは、ディスカッションで 2/25
教育論に欠けて 森川林
 ボタンの掛け違いは、最後になるまでわかりません。  最初 2/18
教育論に欠けて 森川林
 しっかり勉強して、いい学校に入り、成績を上げて、目指す大学 2/18
創造発表クラス 森川林
創造発表の勉強は、知識的にやるのではなく、実験的にやることが 2/5
齋藤孝さんへの 森川林
私は、ブンブンどりむのようなレベルの低いものは誰もやらないだ 2/4
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
未来の歴史の教 森川林
未来の歴史の教科書には、 「この時代の子供たちは、みんな、 5/18
言葉の森のYo 森川林
言葉の森のYouTubeチャンネルの登録者数が、1000人を 5/17
通学が普通、通 森川林
通学が普通、通信はおまけ、 オンラインは特殊な例外(笑)と 5/15
ブンブンドリム 森川林
 ブンブンドリムが、「31年の実績」と書いていたので、   5/15
基礎学力、総合 森川林
 勉強は、家庭学習で十分。  しかし、勉強の進捗状況をチェ 5/13
Re: 読解検 森川林
 ご質問ありがとうございます。  こういう質問ができる 5/10
男は、というか 森川林
男は、というか、自分は、あれこれ説明はしない。 聞かれれば 5/10
大事なのは理念 森川林
大事なのは理念だ。 損得や利害ではない。 遠くの星を目指 5/10
読解検定4月中 あうせれ
問3のAが×だと思いました。←「小学校低学年らしい男の子」と 5/8
マスクしない、 森川林
マスクしない、ワクチン打たない、消毒しない。 人類は、何十 5/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習