ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1153番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/6
作文試験物語(その2)―小1から言葉の森で勉強していたA君が高校入試の作文試験に臨む as/1153.html
森川林 2011/01/31 17:45 


 A君は、高校入試の推薦で作文の試験があるので、言葉の森の先生に聞いてみました。

「入試向けの作文って、難しいんですか。どういうのが出るんですか」

 すると、先生の答えは、意外にも、

「確かに難しいけど、君は、これまで勉強していたから大丈夫だよ」

でした。

 中学生の作文の課題は、そのまま高校入試にも、大学入試にも生かせる内容だったのです。A君は、どうりで毎週の勉強が難しいはずだったと思いました。



 入試向けの受験コースは、過去問に合わせてやっていきます。しかし、その学校は過去問が公開されていなかったので、一般に出そうな題名で受験作文の練習をすることにしました。

 A君は、それから約2ヶ月間、受験用の作文の課題を練習しました。どの課題も、これまで練習してきた作文の延長で書くことができました。A君は、作文を書きなれているので、スピードと字数には自信があります。先生も、「試験は大丈夫だから、自信を持ってやっておいで」と言ってくれました。



 ところが、実際の試験では、全然予想していなかった課題が出ました。Σ(゜□゜;)ガーン(。□。;)ガーン(;゜□゜)ガーン!!

 言葉の森の課題は、全体に真面目なものが多く、本格的な小論文の練習ということでやっていましたが、入試にで出た課題は、最近の流行語とコマーシャルをもとにしたかなりくだけたテーマでした。

 A君は、毎日部活で夜遅くまで練習をしていたので、テレビを見るような時間はほとんどありません。だから、課題で出た流行語とコマーシャルも、どこかで聞いたような記憶はありますが、意味がよくわからないものでした。しかし、わからないと言ってあきらめるわけにはいきません。

 ここで、A君のがんばりが出てきました。せっかく、小学生からやってきた言葉の森の勉強です。作文の課題の意味がよくわからなかったからということで引き下がるわけにはいきません。A君は、これまでの作文の練習で書いた実例を思い出して、テーマに合いそうな話を書き進めていきました。



 いったん書き出すと、書くスピードには自信があります。時間にだいぶ余裕がある状態で結びの段落まで来ました。結びの5行は、格好よく決めなければなりません。結びの表現を決めるということは、先生に言われたわけではありませんが、これまでの言葉の森の勉強で自然にそういう感覚が身についていたのです。

 A君は、書き出しのキーワードとテーマのキーワードと、最後の意見の内容をじっくり眺めて、格好のよい結び方を考えつきました。書き終えたあと、全体を読み直してみると、テーマの意味がよくわからないにもかかわらず、かなりうまくまとまっています。A君は、もうこれでいいやと思いました。



 試験が終わり、言葉の森の先生に会って、どんな問題でどんなふうに書いたのかを話しました。ひととおり話し終わると、先生は、「うん、合格だ」と言いました。A君が、「ええっ! でも、課題の意味が全然わからなかったんですよ」と言うと、先生は、「結びに光る表現を入れるぐらいだったら、まず大丈夫」と言いました。

 合格発表は一週間後でした。推薦入試と言っても倍率はかなり高かったようです。A君は、不安な気持ちで合格発表を見に行きましたが、掲示板にはしっかりと自分の番号がありました。(つづく)


 A君は、高校入試の推薦で作文の試験があるので、言葉の森の先生に聞いてみました。

「入試向けの作文って、難しいんですか。どういうのが出るんですか」

 すると、先生の答えは、意外にも、

「確かに難しいけど、君は、これまで勉強していたから大丈夫だよ」

でした。

 中学生の作文の課題は、そのまま高校入試にも、大学入試にも生かせる内容だったのです。A君は、どうりで毎週の勉強が難しいはずだったと思いました。



 入試向けの受験コースは、過去問に合わせてやっていきます。しかし、その学校は過去問が公開されていなかったので、一般に出そうな題名で受験作文の練習をすることにしました。

 A君は、それから約2ヶ月間、受験用の作文の課題を練習しました。どの課題も、これまで練習してきた作文の延長で書くことができました。A君は、作文を書きなれているので、スピードと字数には自信があります。先生も、「試験は大丈夫だから、自信を持ってやっておいで」と言ってくれました。



 ところが、実際の試験では、全然予想していなかった課題が出ました。Σ(゜□゜;)ガーン(。□。;)ガーン(;゜□゜)ガーン!!

 言葉の森の課題は、全体に真面目なものが多く、本格的な小論文の練習ということでやっていましたが、入試にで出た課題は、最近の流行語とコマーシャルをもとにしたかなりくだけたテーマでした。

 A君は、毎日部活で夜遅くまで練習をしていたので、テレビを見るような時間はほとんどありません。だから、課題で出た流行語とコマーシャルも、どこかで聞いたような記憶はありますが、意味がよくわからないものでした。しかし、わからないと言ってあきらめるわけにはいきません。

 ここで、A君のがんばりが出てきました。せっかく、小学生からやってきた言葉の森の勉強です。作文の課題の意味がよくわからなかったからということで引き下がるわけにはいきません。A君は、これまでの作文の練習で書いた実例を思い出して、テーマに合いそうな話を書き進めていきました。



 いったん書き出すと、書くスピードには自信があります。時間にだいぶ余裕がある状態で結びの段落まで来ました。結びの5行は、格好よく決めなければなりません。結びの表現を決めるということは、先生に言われたわけではありませんが、これまでの言葉の森の勉強で自然にそういう感覚が身についていたのです。

 A君は、書き出しのキーワードとテーマのキーワードと、最後の意見の内容をじっくり眺めて、格好のよい結び方を考えつきました。書き終えたあと、全体を読み直してみると、テーマの意味がよくわからないにもかかわらず、かなりうまくまとまっています。A君は、もうこれでいいやと思いました。



 試験が終わり、言葉の森の先生に会って、どんな問題でどんなふうに書いたのかを話しました。ひととおり話し終わると、先生は、「うん、合格だ」と言いました。A君が、「ええっ! でも、課題の意味が全然わからなかったんですよ」と言うと、先生は、「結びに光る表現を入れるぐらいだったら、まず大丈夫」と言いました。

 合格発表は一週間後でした。推薦入試と言っても倍率はかなり高かったようです。A君は、不安な気持ちで合格発表を見に行きましたが、掲示板にはしっかりと自分の番号がありました。(つづく)


 対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

コメント欄

コメントフォーム
作文試験物語(その2)―小1から言葉の森で勉強していたA君が高校入試の作文試験に臨む 森川林 20110131 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
やゆよら (スパム投稿を防ぐために五十音表の「やゆよら」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
小学校低学年(79) 受験作文小論文(89) 
コメント11~20件
……前のコメント
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
未来の子育て、 森川林
 「今は、勉強が大事なのだから、自分のしたいことは大学に入っ 3/8
未来の子育て、 森川林
 かつて、三井三池炭鉱は、日本のエネルギー産業の花形で、安定 3/7
未来の子育て、 森川林
幼児期や小学校低学年のころは、何でも吸収できます。 しかし 3/6
未来の子育て、 森川林
 今の日本の受験勉強は、清朝末期の中国の科挙に似てきています 3/5
朝の10分間読 森川林
 読書は、読む力と理解する力です。  草野球とプロ野球では 3/4
低学年の作文の 森川林
低学年の作文でいちばん大事なことは、題材選びです。 その題 3/3
作文における書 森川林
 作文で大事なのは中身です。  しかし、中身はなかなか進歩 3/2
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
競争から創造へ 森川林
競争で勝つということは、負ける相手がいるということだ。 大 5/6
人はみな、未来 森川林
人は皆、未来に生きている。 親がレールを敷こうとしている未 5/4
Re: 読会検 森川林
 千個というのは、立方体のことなので、例えば、1辺が1ミクロ 5/3
なぜ、作文クラ 森川林
なぜ、作文クラスを作文個別より優先するのか。 それは、言葉 5/3
釈迦は言った。 森川林
釈迦は言った。 ――自灯明(じとうみょう)―― 人間は、 5/3
読会検定4月  あかそよ
問題3 Bが〇だと思いました。なぜなら、五段落目の一番最後 5/1
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習