読書とは、言語を通して知識や経験を得ることですから、本を読むことに限りません。読み聞かせや対話も、広い意味の読書と言えます。
よく読み聞かせをしていると自分で本を読まなくなるのではないかと心配する人がいますが、そのようなことはありません。たっぷり読み聞かせをして言語経験を豊富にしていくことが、自分で読む読書につながります。その子にとって難しい本であっても、読み聞かせをしているうちに子供が内容に興味がわき続きを自分で読んでしまうということがあります。読み聞かせという形でなければ、子供が自ら決して読まなかったような本でもそういうことがあるのです。
しかし、そのためには、読み聞かせを楽しい雰囲気で行うことが大切です。子供が興味を持てるような本を楽しい雰囲気で読むというのが読み聞かせの基本です。
とは言っても、親もくたびれることがあります。読みたくもない本を子供のために読み聞かせるというのが毎日となると、やはり飽きることもあるのです。そのときのコツは創作です。親が自分で物語を創作して子供に聞かせるのです。人間は何かを創造しているときは飽きません。アドリブで物語を作りながらときどきギャグを入れるというのは、子供にとって楽しいだけでなく、親にとっても知的な楽しい時間の過ごし方になると思います。
私が子供によく聞かせた話は、次のようなものです。
子供:「ねえ、おもしろい話、して」
私:「よし、じゃあ、おもしろい話だよ。あるところに犬がいました。それは、真っ白な犬でした。手も白い、足も白い、背中も白い、お腹も白い、口も白い、鼻も白い、耳も白い、目も白い、何、目も白い? それじゃあ、死んでるだろー(笑)」
子供:「あはははは」
私:「そして、何とその犬は、尾も白かったのです。尾も白い、尾も白い、尾も白い。さあ、言ってみよう」
子供:「おもしろい」
私:「な、おもしろい話だったろ」
子供:「ううん。じゃあ、もう一個話をして」
私:「そうだなあ。では、あるところに、ロイさんという外人がいました。あるとき、ロイさんはたくあんを作ろうとしました。たくあんは、干した大根をたるのなかに入れて塩をまぜて上から大きい重たい石を乗せて作ります」
子供:「あ、わかった。重し、ロイだ」
私:「と思うだろう。それが違うんだよなあ」(とあわてて別のストーリーを考える)
子供:「……」
私:「そこで、ロイさんは、まず百済という国に行きました」(と「くだらない話」に切り替えようとする)
―以下略ー
私自身、子供のころ、母に「桃太郎」の話を何度も聞かせてもらいました。たいていは、話の途中で話している母が寝てしまうのですが、親が話してくれる物語というのは同じものを何度聞いても楽しいものでした。同じ話の反復というのは、言語能力の定着ということで暗唱の学習にも通じるものがあると思います。
読書とは、言語を通して知識や経験を得ることですから、本を読むことに限りません。読み聞かせや対話も、広い意味の読書と言えます。
よく読み聞かせをしていると自分で本を読まなくなるのではないかと心配する人がいますが、そのようなことはありません。たっぷり読み聞かせをして言語経験を豊富にしていくことが、自分で読む読書につながります。その子にとって難しい本であっても、読み聞かせをしているうちに子供が内容に興味がわき続きを自分で読んでしまうということがあります。読み聞かせという形でなければ、子供が自ら決して読まなかったような本でもそういうことがあるのです。
しかし、そのためには、読み聞かせを楽しい雰囲気で行うことが大切です。子供が興味を持てるような本を楽しい雰囲気で読むというのが読み聞かせの基本です。
とは言っても、親もくたびれることがあります。読みたくもない本を子供のために読み聞かせるというのが毎日となると、やはり飽きることもあるのです。そのときのコツは創作です。親が自分で物語を創作して子供に聞かせるのです。人間は何かを創造しているときは飽きません。アドリブで物語を作りながらときどきギャグを入れるというのは、子供にとって楽しいだけでなく、親にとっても知的な楽しい時間の過ごし方になると思います。
私が子供によく聞かせた話は、次のようなものです。
子供:「ねえ、おもしろい話、して」
私:「よし、じゃあ、おもしろい話だよ。あるところに犬がいました。それは、真っ白な犬でした。手も白い、足も白い、背中も白い、お腹も白い、口も白い、鼻も白い、耳も白い、目も白い、何、目も白い? それじゃあ、死んでるだろー(笑)」
子供:「あはははは」
私:「そして、何とその犬は、尾も白かったのです。尾も白い、尾も白い、尾も白い。さあ、言ってみよう」
子供:「おもしろい」
私:「な、おもしろい話だったろ」
子供:「ううん。じゃあ、もう一個話をして」
私:「そうだなあ。では、あるところに、ロイさんという外人がいました。あるとき、ロイさんはたくあんを作ろうとしました。たくあんは、干した大根をたるのなかに入れて塩をまぜて上から大きい重たい石を乗せて作ります」
子供:「あ、わかった。重し、ロイだ」
私:「と思うだろう。それが違うんだよなあ」(とあわてて別のストーリーを考える)
子供:「……」
私:「そこで、ロイさんは、まず百済という国に行きました」(と「くだらない話」に切り替えようとする)
―以下略ー
私自身、子供のころ、母に「桃太郎」の話を何度も聞かせてもらいました。たいていは、話の途中で話している母が寝てしまうのですが、親が話してくれる物語というのは同じものを何度聞いても楽しいものでした。同じ話の反復というのは、言語能力の定着ということで暗唱の学習にも通じるものがあると思います。