言葉の森の作文指導の特徴は、教える先生が担任として決まっていることです。そして、その先生が毎週生徒に電話で直接指導します。だから、子供の様子がよくわかります。
先生というのは、生徒の書いた作文を意外とよく覚えているものなので、生徒が中学生になったときにその生徒を指導していてふと、その子が小学生のころ書いた作文を思い出すことがあります。すると、「ほら、小学生のときに、こういう話があったじゃない。それを実例として使えばいいでしょ」などという指導ができます。また、難しい課題を説明するときも、その子の理解度に応じて、易しくかみくだいて話したり、更に高度に話したりすることができます。こういうことが自然にできるのが、担任制の長所です。
一方、学校や学習塾では、担任の先生がいる場合でもせいぜい1年か2年の間しか継続した指導しかできません。長期間継続してその子供の様子を見ることができるのは、親がもちろんいちばんですが、言葉の森の先生がそれについで長く見ているということもよくあります。
言葉の森では、小学生のときに作文を教えた先生が、その子が中学生になっても、高校生になっても同じように教えることができます。
他の作文通信講座では、よく有名な先生が教材を監修しています。しかし、それらの先生が、小学校1年生から高校3年生や社会人まで継続して作文を指導した経験があるかというと、そういうことはまずありません。ところが、言葉の森には、そういう経験のある講師が何人もいて、日々の指導にあたっています。
言葉の森以外の作文通信講座では、担任という制度自体がないところがほとんどで、子供の実態を知らないまま、赤ペンだけがていねいに書かれてくるという形になっています。最初は、その赤ペンを見て参考にしようとしても、やがて、その赤ペンは書いている先生ががんばっているだけで、子供の実力の向上には結びついていないということがわかってきます。
算数や英語の場合は、答えがひとつに決まっているので、赤ペン添削は効果がありますが、作文は答えがないので、赤ペンだけでは勉強を進めることができません。
作文の赤ペンに意味が出てくるのは、その作文に対して事前の指導がある場合だけです。
電話による直接の事前指導をもとに、その指導に沿ってできたかどうかを赤ペンで書くときに、初めて勉強が生きたものになります。その事前指導は、個々の生徒の実態に応じて行う必要があるので、一律の教材で指導することはできません。やはり担任の先生が直接電話でその子に指導するということが必要になります。
では、そういう担任制の電話指導を、ほかの作文通信講座でできるかというと、よほど少人数の教室でないかぎりまずできません。言葉の森が、なぜこのようにほかの作文通信講座ではできない仕組みを作り上げたかというと、
作文指導を形だけのものではない実質的な中身のあるものにしようとしているからなのです。
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言葉の森以外の、最近生まれた作文通信講座のほとんどは、公立中高一貫校の入試で作文の試験が出されるようになってきてから受験対策のひとつとして出てきました。しかし、受験作文対策とは言っているものの、どう書けば合格する作文になるのかということはあまり教えていません。
作文通信講座や作文教室の多くは、ただ作文を書かせて、その中で上手に書けたものを紹介し、あとは、子供たちが自分でそのように上手な作文を書くようにがんばれと励ますだけです。しかし、もちろん、この方法で上手に書けるようになる子はいません。
ところが、
この上手な作文を見せるだけというのが、ほとんどの作文通信講座や作文教室の指導で行われていることなのです。
言葉の森の指導法は、もちろんこういう方法ではありません。言葉の森では、受験の作文についても、「こう書いたら上手になる」ということをはっきり教えます。子供たちが書いた作文をみて、「この作文のここをこう書けたら合格圏内に入る」というアドバイスができれば、子供にも努力の方向がわかります。もちろん作文の上達には時間がかかりますが、少なくとも上手な作文の見本を見せるだけの指導よりも、目指す目標がよくわかります。
それでは、言葉の森では、どのように教えているのでしょうか。
言葉の森の指導では、作文を、構成、題材、表現、主題の四つに分けて考えます。このほかに、表記や字数の指導もありますが、作文の中身で大事なのは、構成と題材(実例)と表現と主題(意見)です。
そして、その作文の四つの面について、どう書けば合格する作文になるかということを教えます。
例えば、構成に関しては、複数の実例、理由、意見、方法、原因、対策の組み合わせが考えられます。その組み合わせを生かして、「第一段落ではこのように書き、第二段落ではこう続け、第三段落ではこう展開し、第四段落ではこうまとめる」というところまでを指導します。
こういう勉強を続ける結果、言葉の森の子供たちは、入試の本番でも構成のしっかりした作文を書くことができるのです。
また、題材については、個性、感動、挑戦、共感のある実例を盛り込むためにはどうするかという指導をします。表現については、自分の言葉で光る表現をどう作り出すかということを指導します。主題については、考えを深めるためには、どう書くかということを指導します。
このような、合格する作文の指導法は、ほかの教室ではまずできません。
言葉の森が、なぜこのように受験作文の合格のノウハウを豊富に持っているかというと、言葉の森は、大学入試の小論文の指導も本格的に行えるからです。
大学の入試でも通用する、どの予備校の指導よりも優れたノウハウを持っているので、合格する作文を書かせるための指導ができるのです。
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同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。言葉の森の特徴(83) 公立中高一貫校(63)
言葉の森では、国語力、読解力をつける勉強を進めながら作文指導を行っています。
言葉の森以外の作文通信講座は、作文・記述力・表現力という言葉にとらわれているためか、書く指導を行うとすぐに、書いたものを直す指導をしてしまいます。これは、学校の先生も、塾の先生も同じです。作文指導というと、作文を赤ペンで直すものだというふうに多くの人が考えているのです。中には、赤ペンで作文を直すだけでなく、その直した箇所をもとに再度子供に書き直させる指導を行っているところもあります。
この「作文を直す指導」で上手になる子はまずいません。逆に、教える人が熱心に直す指導をすればするほど、子供は作文が書けなくなり、苦手になっていきます。熱心に教えることで、かえって子供たちの作文力が伸びなくなっているのです。
確かに、熱心な赤ペン添削を見ると、親も子供も最初のうちはいい指導を受けたような気がします。しかし、赤ペンで指摘されたことを一度で直せるようなことはほとんどありません。何度も同じことを言われているうちに、子供は次第にくたびれてきます。親は、なぜ言われたことができないのかと子供に不満を言うようになります。一方、教える先生の方は、ますます熱心に欠点を直そうとしていきます。
赤ペンの添削を何年受けても上手にならないのは、植物で言えば、根が育っていないのに、枝や葉の剪定(せんてい)だけで形をよくしようと刈り込んでいるだけだからです。大事なことは、根を育てることです。そうすると、枝や葉も茂るようになり、刈り込みをしなくても立派な樹木に成長していくのです。
今、社会人で文章が上手に書ける人は、作文の書き方を教えてもらった人ではありません。本をよく読み、自分でよく考えた人です。この本を読み、自分で考えるということが、根を育てるということです。
言葉の森の作文指導では、作文を書くだけでなく、読む力をつける指導を並行して行っています。例えば、課題の長文を読んで感想文を書いたり、暗唱用の長文を読んで長文を覚えたり、国語の問題集を読書がわりに読む練習をしたり、さまざまな読む学習を取り入れています。
言葉の森以外の作文通信講座では、作文を教えるときに、作文力・記述力・表現力の観点からしか指導していません。その一方で読む勉強は、国語の問題を解くような形で作文とは切り離された勉強として行っています。
言葉の森では、読む学習と書く学習を結びつけて行っているので、ゆとりのある作文指導ができます。だから、
欠点を直す作文指導ではなく、いいところをたくさん褒める作文指導でありながら、だれでも作文の力を伸ばしていくことでできます。
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言葉の森の作文指導の特徴は、
ただ作文を書かせるだけではなく、思考力を育てる作文の指導を行っていることです。
作文の勉強というのは、書き出すのに大きな精神的エネルギーを必要とすると言われています。しかし、身近な話を書くだけであれば、作文を書くのは、それほど苦労することではありません。例えば、小学校低学年の子が初めのころによく書く題名である「今日のこと」などは、実際にあったことをそのまま書いていくだけですから、だれでもどんどん書いていきます。
しかし、これが、書く題名を指定されるようになると、急に難しくなります。例えば、先ほどの「いたずらをしたこと」「初めてできたこと」などという題名が与えられた場合です。子供たちの中には、「いたずらしたこと、ない」「初めてできたこと、ない」などという子が必ずいます。自分の過去の経験を思い出して再構成するというのは思考力を必要とするので、そういう思考に慣れていない子は、すぐに、「書くことがない」とあきらめてしまうのです。
こういうときに、先生や親が、「こんなことない? あんなことない?」といくら聞いても、考えることをあきらめた子は、いつまでも、「それもない。これもない」と言い続けます。これは、
作文を書く力がないのではなく、考える力がないのです。
こういうときの指導のコツは、近くにいるお父さんやお母さんが(通学教室であれば先生が)、子供と話をしながら構成図という用紙をどんどん埋めていくことです。
「えーと、『ぼくは、いたずらはしたことがありません。」と。それから、何? 『ぼくの学校の友達には、いたずらな子がいます。』でいいかな。『その子は、授業中によくいたずら書きをしています。』と。『この前は、教科書の中の人の顔にメガネとひげをかいていました。』と。それから、何書くかなあ」
などと、話をしながら構成図を埋めていくと、途中から必ずその子ども自身が、「そうじゃなくて、こうだよ」と話してきます。その話も盛り込んで構成図を書いていくと、早ければ10分もかからずに、構成図が全部埋まります。
それから、「じゃあ、これで書いてごらん」と言えば、だれでも題名課題の作文が書けます。このようにして、少しずつ自分で考えて書く力をつけていくのです。
考える力のない子に、ただ作文用紙とにらめっこをさせているだけでは、作文力はつきません。どんな方法でもいいから、まず書き出させることが大事なのです。
ところが、事実中心の作文の場合は、構成図を埋めるようなアドバイスで、どの子も作文を書き出すことができますが、説明文や意見文、さらに感想文になると、思考力が更に要求されるので、構成図だけでは書かせることができなくなります。子供自身が、もとになる文章を読んで自分なりに理解していなければ、アドバイスそのものができません。考える力がないと、作文を書き出すことができないのです。
しかし、もし、このように考える力を伸ばすための指導を行わずに、上手に書く指導をするだけであれば、小学生時代は、作文に書く材料さえあれば、かなり上手な作文を書くことができます。内容がよくてたとえなどの表現が効果的に使えれば、それだけでコンクールに入選するような作文が書けます。
言葉の森の小学生の子供たちは、感想文コンクールや作文コンクールによく入選します。しかし、コンクールに入選する子供たちは、自分で応募して入選しているだけで、言葉の森では、そういうことには力を入れていません。コンクールの入選は本人の自信につながるので、それ自体はよいことですが、もっと大事なのは将来に役立つ考える作文を書く力をつけることだと考えているからです。
言葉の森では、表現を工夫して作文を書くこと以外に、複数の実例を組み合わせて構成を立体的にして書く練習や、自分の意見とは反対の意見にも理解を示しながら考えを深めて書く練習や、自分の体験を通した実例ばかりでなく社会的な知識を通した実例を書く練習をします。だから、課題が難しくなると、実力のある子でも、なかなか上手に書くことができません。
しかし、このことによって、
高校生になっても、大学生になっても通用する考える作文を書く力が身についていくのです。
他の作文通信講座とは違う言葉の森の作文指導 |
他の作文通信講座 | 言葉の森 |
小学生の間だけの指導 | ○小学生から中学生、高校生まで指導 |
顔の見えない赤ペン添削 | ○担任の先生による親しみのある指導 |
教材が送られてくるだけ | ○担当の先生が毎週電話で説明 |
隔週制や締切なしで習慣がつかない | ○毎週決まった時間の電話で習慣がつく |
低中学年は、短文作成や穴うめ形式の易しい教材なので提出率が高い | ○低中学年から、作文や感想文などの難しい教材だが提出率が高い |
高学年で受験用の難しい課題になると書けなくなる | ○高学年の難しい課題でも低学年からの高い提出率が続く |
有名な先生が教材を監修 | ○講師全員が教材作成に参加 |
大事なのは、低中学年で楽しく書くことではなく、低中学年の楽しい作文を高学年の難しい作文に結びつけることです。
参考:作文通信教育のD社と言葉の森の比較
2011年4月現在 |
| D社 | 言葉の森 |
提出回数 | 月2回 | 月4回 |
月謝 | 5,300円 | 8,200円 |
小1の字数 | 50-200字 | 100-200字 |
小2の字数 | 70-200字 | 200-400字 |
小3の字数 | 100-400字 | 300-600字 |
小4の字数 | 100-400字 | 400-800字 |
小5の字数 | 200-600字 | 500-1,000字 |
小6の字数 | 400-600字 | 600-1,200字 |
課題提出率 | 80% | 91.6% |
提出回数も約2倍、字数も約2倍なのに、言葉の森の方が提出率が10%以上も高くなっています。
言葉の森の生徒が、ほとんど毎回作文を提出しているのは、毎週の電話指導があるからです。
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言葉の森ももうひとつの特徴は、先生が生徒に個別に対応する以外に、生徒が、お父さんやお母さんと対話をする形の勉強を重視していることです。
例えば、作文の課題の中に、「似た話を聞いてくる」というものがあります。小学校中学年では、「いたずらをしたこと」「初めてできたこと」「大笑いをしたこと」などの題名で書く課題がありますが、ここで、自分の話だけでなく、家族に取材して話題を広げてくるのです。多くの生徒は、身近なお母さんに取材してきますが、お父さんに取材したり、田舎のおじいちゃんおばあちゃんに取材してくる子もいます。
この家族との対話の中で、子供の認識力が育っていきます。本を読んだりテレビを見たりすることによって知識として学んだことは、すぐ忘れてしまうことも多いものですが、自分が体験の中で学んだことはその子の血や肉となります。これと同じように、身近な家族から聞く話も、子供自身の体験と似た意味をもっています。
家族からの取材は、感想文を書く場合は更に重要になります。感想文の主題となっているものの中には、子供にとって頭で理解はできても、体験を通して学ぶことのなかったものがかなりあります。しかし、人生経験の長い親は、実生活の中で似たような経験を何度か繰り返しています。
例えば、芥川龍之介の「蜘蛛(くも)の糸」はだれでも知っていますし、そこに書かれている内容は小学生でも十分に理解できます。しかし、小学生の子供は、たとえ自分に似た話があったとしても、それを似た話として思い出すことはなかなかできません。ところが、親が同じテーマの広い意味での似た話を聞かせてあげると、子供は親の経験を通して、そのテーマを実例としてとらえることができるようになるのです。
これが、対話を通して学ぶということです。
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