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小学生の日記の書き方―文章を書く勉強は、目標を決めることが大事 as/1531.html
森川林 2012/04/27 18:38 



 小学校低学年では、学校で日記の宿題が出ることがあります。毎日書くことによって文章を書きなれることと、日常生活の中から書く価値のあるものを見つけてくることが練習の目的です。

 しかし、子供によっては、「書くことがない」と悩んでなかなか書き出せないこともあります。確かに、毎日の生活はそれほど変化のあるものではありません。いつも同じように学校に行き、同じように勉強したり遊んだりして家に帰ってくるのですから、書くことがないという気持ちになるのはやむを得ない面もあります。

 ここで大事になるのが、何をどう書くかという目標です。

 言葉の森では、作文を書くときに、子供たちにいろいろな目標を指示します。例えば、「書き出しを工夫する」「中心を決める」「お母さんやお父さんの似た話を聞いてくる」「会話を思い出す」「たとえを入れて書く」などです。

 学校の日記の宿題をするときも、こういう目標が役に立ちます。子供たちが作文を書くときにいちばんの助けになるのが、「会話を入れる」という目標です。会話を入れて書こうとすると、自然にその出来事を描写的に書くようになります。作文が長く書けてしかも内容が面白くなるのは、出来事を具体的に描写するからです。説明や感想だけで書いてしまうと、長くも書けませんし、内容もいつも同じようなものになってしまいます。

 例えば、「今日もサッカーをして遊んだ」「昨日もサッカーをして遊んだ」という説明だけでは、いつも同じことしか書けません。しかし、そこに会話を入れると変化が出てきます。「けんちゃんが、『なんでパスしないんだよ』と言いました」とか、「じろうくんが、『ナイスシュート』と言いました」など、そのときの場面を具体的に書くようになると毎回違ったことが書けるようになるのです。

 会話と並んで、日記を個性的にするのは、たとえ(比喩)です。たとえを入れて書こうとすると、作文の中にその子らしい見方が出てきます。しかし、読書量の少ない子は、個性的なたとえがなかなか出てきません。ありきたりのパターン化されたたとえを書いて済ませてしまうこともあります。そのときは、家庭でお父さんやお母さんが、一緒にたとえを考えてあげるといいのです。身の回りのものを見ながら、「おなべがことこと何かつぶやいているみたいだね」とか、「今日は風がないから、鯉のぼりが干物みたいになっちゃったね」などと話すと、たとえを見つける練習ができます。
 たとえよりも見つけやすいのがダジャレです。身の回りのものからダジャレで表せるものを見つける練習をすると、たとえと同じように言葉の感覚が磨かれてきます。

 日記を書く練習の主な目的は、書きなれることで、頭で考えたことがスムーズに手につながるようにする練習です。そして、考えたことがそのまま自然に書けるようになったら、今度は考えることそのものを豊かにしていくことが大事な練習になります。その練習法は、本を読むことです。日記の練習は読書の練習と結びつけて行うことによって本当の力がついてくるのです。



 小学校低学年では、学校で日記の宿題が出ることがあります。毎日書くことによって文章を書きなれることと、日常生活の中から書く価値のあるものを見つけてくることが練習の目的です。

 しかし、子供によっては、「書くことがない」と悩んでなかなか書き出せないこともあります。確かに、毎日の生活はそれほど変化のあるものではありません。いつも同じように学校に行き、同じように勉強したり遊んだりして家に帰ってくるのですから、書くことがないという気持ちになるのはやむを得ない面もあります。

 ここで大事になるのが、何をどう書くかという目標です。

 言葉の森では、作文を書くときに、子供たちにいろいろな目標を指示します。例えば、「書き出しを工夫する」「中心を決める」「お母さんやお父さんの似た話を聞いてくる」「会話を思い出す」「たとえを入れて書く」などです。

 学校の日記の宿題をするときも、こういう目標が役に立ちます。子供たちが作文を書くときにいちばんの助けになるのが、「会話を入れる」という目標です。会話を入れて書こうとすると、自然にその出来事を描写的に書くようになります。作文が長く書けてしかも内容が面白くなるのは、出来事を具体的に描写するからです。説明や感想だけで書いてしまうと、長くも書けませんし、内容もいつも同じようなものになってしまいます。

 例えば、「今日もサッカーをして遊んだ」「昨日もサッカーをして遊んだ」という説明だけでは、いつも同じことしか書けません。しかし、そこに会話を入れると変化が出てきます。「けんちゃんが、『なんでパスしないんだよ』と言いました」とか、「じろうくんが、『ナイスシュート』と言いました」など、そのときの場面を具体的に書くようになると毎回違ったことが書けるようになるのです。

 会話と並んで、日記を個性的にするのは、たとえ(比喩)です。たとえを入れて書こうとすると、作文の中にその子らしい見方が出てきます。しかし、読書量の少ない子は、個性的なたとえがなかなか出てきません。ありきたりのパターン化されたたとえを書いて済ませてしまうこともあります。そのときは、家庭でお父さんやお母さんが、一緒にたとえを考えてあげるといいのです。身の回りのものを見ながら、「おなべがことこと何かつぶやいているみたいだね」とか、「今日は風がないから、鯉のぼりが干物みたいになっちゃったね」などと話すと、たとえを見つける練習ができます。
 たとえよりも見つけやすいのがダジャレです。身の回りのものからダジャレで表せるものを見つける練習をすると、たとえと同じように言葉の感覚が磨かれてきます。

 日記を書く練習の主な目的は、書きなれることで、頭で考えたことがスムーズに手につながるようにする練習です。そして、考えたことがそのまま自然に書けるようになったら、今度は考えることそのものを豊かにしていくことが大事な練習になります。その練習法は、本を読むことです。日記の練習は読書の練習と結びつけて行うことによって本当の力がついてくるのです。


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コメント欄

戸坂のありんこ 2012年10月22日 12時36分  
ありがとうございました。
息子の10分間作文に少し助言してやろうと思います。

森川林 2012年10月22日 14時4分  
 10分間作文は、続けていると飽きてくると思いますから、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに手紙を出すような形で続けていくといいと思います。

思考ラー(シコラー) 2012年11月26日 17時43分  
大変、参考になりました。作文って、「自由に書いていい」と言われると、それがかえって窮屈になったりしますよね。そこに、「会話を入れる」、「たとえを入れる」といった制限がかかることで、逆に書きやすくなることがあると思います。

森川林 2012年11月26日 18時30分  
 思考ラーさん、こんにちは。
 今の作文指導の多くは事前に制限をせずに自由に書かせるから、事後に赤ペンをたくさん入れるようになっているのだと思います。

ミッキー 2013年2月18日 17時59分  
日記は毎日かかさず書いてまーす

森川林 2013年2月19日 19時17分  
 ミッキーちゃんのニッキだねー。( ^o^)ノ

優希 2013年5月19日 14時27分  
どうやって書けばいいか分かりません

ライオン 2013年11月5日 20時15分  
よくわかりました。
参考になりました!!

しこしこちゃん 2014年4月8日 20時37分  
大変分かりやすいです!



ハロー 2014年10月2日 19時13分  
こんにちはミッキーさんは日記を毎日かかさずかいているなんてすごいです

ハロー 2014年10月2日 19時15分  
できれば日記の書き方を教えてください。

森川林 2014年10月3日 6時28分  
 日記はその日にあったことを書くと考えるよりも、その日の会話を書くとか、その日のたとえを書くとか、又はダジャレを書くとかすると面白い。

kzmy 2015年5月1日 9時14分  
文章を書くのが好きな四年生の長男が日記を書くと言い出し、何かプラスのさりげないアドバイスができたらな、と思いたどり着きました。よとても参考になりました。文章がとても苦手な二年生の次男にも声をかけてあげられそうです♪

森川林 2015年5月1日 15時51分  
 大事なのは、書くことを負担に思わせずたのしい勉強と思わせることです。いつもいいところだけ褒めてやっていくといいと思います。

❤️ 2015年7月6日 21時58分  
私は、小学校5年生で出される宿題の中で、嫌いというわけではありませんが、5w1hという言葉を思い出しました。これからは、このアドバイスを参考にし日記を書いていきたいなと思います。

ミミ太 2018年4月23日 18時49分  
凄いです
参考になりましたぁ

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小学生の日記の書き方―文章を書く勉強は、目標を決めることが大事 森川林 20120427 に対するコメント

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