ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2756番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/4
ネット教育の現状と今後の展望 as/2756.html
森川林 2016/12/08 07:30 


 数年前、ネット教育の大きな可能性として紹介されたMOOCは、大前研一氏の話によると、その後はあまり成功しているとは言えないようです。その原因は、オンラインという仕組みでは、受講者の意欲が長続きしないということにあります。

 大前氏は、新しいネット教育の方向として、カーン・アカデミーのやり方を評価していますが、これも、話を聞く範囲ではそれほど進展するようには思えません。その原因は、やはり受講生の意欲の問題です。

 日本では、ネット教育としてスタディサプリが広がっていますが、これもオンラインの授業をひとりで受講するというだけでは、勉強する目的のはっきしている生徒以外は意欲的に続けることは難しいかもしれません。

 ネット教育の中には、マンツーマンの英会話教育のように、今は成功している例もありますが、これはもともとコストの高かった分野だからできることであって、教育の幅広い分野にわたって適用できるものにはなりません。

 マンツーマンのネット教育は、現在は一応いろいろなところで行われていますが、それはskypeのような便利なネット環境ができたということだけに依拠した新しい教育の仕組みですから、教育環境の大きな進歩ということにはなりません。

 そこで、言葉の森が今考えているのは、次のようなやり方です。

 第一は、ネット教育は、家庭での親子の対話につながる形で進める必要があるということです。ネット上での先生と生徒の人間的なつながりだけでなく、家庭というリアルなつながりが背景にあって初めて地に足のついた教育ができます。

 第二は、教える時間とともに、実習の時間と評価の時間を確保することです。ネットで授業を聞いて、あとで自分ひとりで勉強するという形では、改めて学習する時間をとりにくくなります。ネット上で実習の時間も確保しておくことが必要で、それをオンライン上でチェックすることも必要になります。

 第三は、生徒の発表と交流の場を確保することです。勉強の意欲は、生徒どうしの交流の中で生まれます。交流の中には、勉強の中身とはあまり関係のないものも出てきますが、そういうつながりが勉強の意欲に反映してきます。

 第四は、自学自習の効果的な仕組みを作ることです。これは、江戸時代の寺子屋教育の方法が参考になります。種類の少ない精選された教材で、繰り返し勉強する仕組みを作り、その結果を評価できる仕組みを作ることです。

 第五に、これらの方向を支えるために、ネットとパソコンの利用の仕方をもっと簡素化することです。

 これらの原則をもとに、今、言葉の森のオンエア講座では、次のようなことを行っています。

 第一は、オンラインの子供たちの勉強のあと、父母との自由な懇談の場を設けることです。

 第二は、子供たちがその場で実習を行い、実習の結果を最後に先生に見せるところまでを授業時間内に行うことです。

 第三は、実習の結果を全員が発表できるようにすることです。そのためには、実習の課題の中に誰もが容易にできるものを入れることと、結果のアップロードを容易にできる仕組みを作ることが必要になります。

 この、父母懇談、実習確保、全員発表というやり方を、今後、寺子屋オンエアとオンエア作文にも生かしていくことを考えています。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

nane 20161208 1 
 これまでのオンエア講座は、授業の時間が長く、内容も難しすぎたのではないかと思っています。
 今後は、授業は短めにし、誰でもできる内容を入れ、生徒の実習と発表の時間と、父母懇談の時間を確保していく予定です。


森川林 20161208 1 
 ネットワークを利用した教育は、世界的には進んでいるように思っていましたが、まだ多くは試行錯誤の段階にあるようです。
 だから、むしろ日本の寺子屋教育を生かしたネット教育の可能性が今後発展するのではないかと思います。


namura 20161209 10 
確かに通信教育も、なかなか一人では最後まで進めることが難しいですね。何かプラスアルファがあるといいですね。

namura 20161210 10 
いつでもできると思うと、やらなくなるものですね。意欲的に続けるには、強い意志が必要ですね。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
ICT教育(1) オンエア講座(41) 寺子屋オンライン(101) 寺オン作文クラス(2) 

記事 2755番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/4
12月7日講演会「勉強せずに学力をつける家庭教育のコツ」の内容 as/2755.html
森川林 2016/12/06 10:54 
 12月7日(水)11:00より、横浜港南台バーズ1Fのドゥファッションプラザで、書籍「小学校最初の3年間で本当にさせたい『勉強』」の販売と、出版記念講演(45分間)を行います。
 以下、その講演の際に使う絵です。


昔の子供は勉強しなかった。


今の子供は夜中まで勉強している。


パズルの知識を詰め込むような勉強が多い。


考える問題と思われているものも知識の問題。


小6生12人、6年間の勉強を24時間でマスター。


高校入試の数学、ほぼ0点がほぼ満点に。


「どうして赤からすぐ青になるのに、青からは黄色になってから赤になるのかなあ」


知的な楽しさがある「理科好きな子に育つふしぎのお話365日」


経験と個性の大切さがわかる「一魚一会」


森の学校で、夏休み・土日の自然寺子屋合宿という未来。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20161206 1 
 これからの子育てに大事なものは、読書と対話と経験によって本当の実力をつけることです。
 勉強はもちろん基本ですが、今のような差をつけるために作られた難問を解く必要はなく、真の学力をつける勉強だけしていけばいいのです。
https://www.mori7.com/index.php?e=2755


nane 20161206 1 
 勉強は新しいことを理解するという点では本来楽しいものです。
 今の勉強がそうなっていないのは、勉強が差をつけるための勉強になっているからです。

jun 20161206 2 
「勉強せずに」というのがいいですね(笑)。

jun 20161206 2 
シェアします♪

jun 20161206 2 
子供時代の貴重な時間の使い方をもう一度よく考えてみる必要がありそうですね。

namura 20161207 10 
楽しみですね。

namura 20161208 10 
確かに小学生の頃は、ランドセルをおくとすぐに外に遊びに行っていました。(^^♪

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森のビジョン(51) 
コメント21~30件
……前のコメント
上手な作文とそ 森川林
 上手な作文とそうでない作文の差は、語彙力の差です。  そ 2/29
ChatGPT 森川林
 創造発表の勉強のネックになるのは、個性的なテーマであればあ 2/28
夏期講習でのデ 森川林
 国語の勉強の方法としていちばんいいのは、ディスカッションで 2/25
教育論に欠けて 森川林
 ボタンの掛け違いは、最後になるまでわかりません。  最初 2/18
教育論に欠けて 森川林
 しっかり勉強して、いい学校に入り、成績を上げて、目指す大学 2/18
創造発表クラス 森川林
創造発表の勉強は、知識的にやるのではなく、実験的にやることが 2/5
齋藤孝さんへの 森川林
私は、ブンブンどりむのようなレベルの低いものは誰もやらないだ 2/4
作文力の土台は 森川林
齋藤孝さんは、「齋藤孝先生が選ぶ 高校生からの読書大全」など 2/4
言葉の森は、オ 森川林
今、小123年生対象の基礎学力クラスと、小456年生対象の総 2/4
言葉の森の作文 森川林
私は、人を批判するのは好きではありません。 大事なことは、 2/3
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 読会検 森川林
 千個というのは、立方体のことなので、例えば、1辺が1ミクロ 5/3
なぜ、作文クラ 森川林
なぜ、作文クラスを作文個別より優先するのか。 それは、言葉 5/3
釈迦は言った。 森川林
釈迦は言った。 ――自灯明(じとうみょう)―― 人間は、 5/3
読会検定4月  あかそよ
問題3 Bが〇だと思いました。なぜなら、五段落目の一番最後 5/1
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習