ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 821番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/27
作文の能率を上げる構成図と音声入力の方法 as/821.html
森川林 2010/03/12 06:17 




 構成図は、言葉の森では、小学3年生から書いています。音声入力は、通学教室で中学生以上の生徒が行っています。音声入力は、小学校高学年でもできると思います。


 書く時間がとれないときでも、10分間で1200字程度の文章がすぐに書けるという点が音声入力の利点です。しかし、役に立つのは主に、大学生や社会人になるでしょう。大学生の場合は、レポート提出などに使えます。


 音声入力は、ICレコーダーの機器が必要なため、通信教室では行っていませんが、以下の説明を参考にすれば、だれでも自宅でできると思います。ただし、通学教室の中高生を見ていると、音声入力は慣れるまで時間のかかる人が多く、しばらくの間は、音声化するよりも直接書いた方が書きやすいという人が多いようです。


 では、音声入力の方法です。


 まず最初に、構成図を書きます。音声入力は、文章を書くという作業ですから、その作業に入る前に、考える作業が必要になってきます。それが構成図です。この構成図も、慣れないうちは、直接作文を書いた方が早いという人が多いようです。何事も、新しいやり方は最初のうちはかえって手間がかかることが多いので、ついこれまでの慣れ親しんだやり方でやりたくなるのです。


 構成図に似ているものに、マインドマップという方法がありますが、手順が複雑なのでかえって時間がかかります。構成図は、普通のルーズリーフに、1本のペンで、短文と矢印で図を書いていくという書き方です。


 なぜルーズリーフがいいかというと、2枚以上にわたったときに、横に広げて見ることができるからです。1本のペンで書くといっても、書き込みが複雑になったときは途中で色を変えた方が読みやすくなります。短文と矢印で書くというときの矢印とは、構成図に書いた順番であって、文章化するときの順番ではありません。つまり、短文どうしの内容的な関係を表すものではなく、単純に短文を書いた時間的な順番を矢印で表しているということです。また、構成図に書くのは短文であって単語や長い文でないということも大事です。構成図に書く短文の平均的な字数は10-20字です。1文を1行で長く書くのではなく、2、3行に折り返してコンパクトに書きます。その方が矢印でつなげるときに縦にも横にも斜めにも結びつけやすいからです。

 言葉の森では構成用紙という小さい枠のある用紙を使っていますが、慣れてくれば無地の紙に書いた方が書きやすくなります。


 1200字の文章を書く場合、構成図で7、8分かかります。ただし、全く新しいことを構成図を使って考える場合は、もっと時間がかかります。


 構成図は、思いついたことをどんどん書いていきます。その文章のテーマに関係なさそうに見えることであっても、気がついたことは次々に書きます。構成図を書くということは、思考を外化することです。考えの材料をすべて表に出して見えるようにして、文章化のシミュレーションをしていることになります。


 構成図を書き終えると、自分が考えたことの全体の構造や文章化の方向がわかります。全体の方向がわかってから文章化するというのが、構成図を使った書き方の特徴です。文章には、考える過程と書く過程がありますが、構成図は、考える過程ですから、書くための予行演習のようなものです。構成図で思考の下書きをしたあとに文章化するので、文章を書きなおすということがほとんどありません。それで、音声入力がしやすくなるのです。


 音声入力は、慣れるまでなかなかうまく文章化できません。それは、これまでの長い習慣で、考えるスピードと書くスピードが結びついているからです。また、口に出して言う文章は、手で書く文章と違うところがあります。最も大きな違いは、日本語の場合、音声の文章は文末をあいまいにすることが多いということです。


「昨日は、どこに(行ったのですか)」
「ちょっと海に(行ったのです)」
「へえ、どちらに(行ったのですか)」
「うん、城ヶ島(に行ったのです)。それで、これ(お土産です)」
「わあ、くさやね」(そんなもんあるわけないだろ)


 これは、スピーチなどでも同じです。話をしたり聞いたりする場合には、普通はなかなか「。」の来ない文章を交わします。それでお互いに、言うことも聞くこともうまくできるようになっています。

 文章化しやすい音声を入力するためには、意識的にやや短い文にします。長めの文の場合は、文の途中で区切ります。ICレコーダーで大体10文字から20文字ぐらいごとに録音を停止しながら音声を入力していきます。なぜかというと、再生するときに、その区切りごとに一度で入力できるからです。あまり長い文だと、短期記憶が追いつかないので、もう一度聞きなおして書くという書き方になってしまいます。

 音声入力は、考えながら言うのではなく、1文を1息で言うようにします。もちろん、手作業でテキスト化する過程で追加や修正はあります。


 言葉の森のこれまでの音声入力は、ヘッドセットとテキスト化ソフトを使っていました。これはこれで便利ですが、ソフトの機能がまだ十分でないことと、操作の手間がかかることという弱点がありました。そこで、音声化した文章をそのまま聞きながら書く方が楽だということがわかってきました。


 長い文章を書く時間がとれないときは、とりあえず音声化で入力さえしておけば、あとで時間のあるときに書くことができます。また、大量の音声化した文章を、多人数で手分けして文章化することもできます。


 音声化の入力に慣れておくと、音声化せずに書く文章も、書くスピードが上がります。1文を1息で書くコツがつかめるようになるからです。


 もちろん、文章の価値は速く長く書くことにあるのではありません。書く内容を豊かにするために読書が必要になり、考える力をつけるために暗唱などの練習が必要になります。




 構成図は、言葉の森では、小学3年生から書いています。音声入力は、通学教室で中学生以上の生徒が行っています。音声入力は、小学校高学年でもできると思います。


 書く時間がとれないときでも、10分間で1200字程度の文章がすぐに書けるという点が音声入力の利点です。しかし、役に立つのは主に、大学生や社会人になるでしょう。大学生の場合は、レポート提出などに使えます。


 音声入力は、ICレコーダーの機器が必要なため、通信教室では行っていませんが、以下の説明を参考にすれば、だれでも自宅でできると思います。ただし、通学教室の中高生を見ていると、音声入力は慣れるまで時間のかかる人が多く、しばらくの間は、音声化するよりも直接書いた方が書きやすいという人が多いようです。


 では、音声入力の方法です。


 まず最初に、構成図を書きます。音声入力は、文章を書くという作業ですから、その作業に入る前に、考える作業が必要になってきます。それが構成図です。この構成図も、慣れないうちは、直接作文を書いた方が早いという人が多いようです。何事も、新しいやり方は最初のうちはかえって手間がかかることが多いので、ついこれまでの慣れ親しんだやり方でやりたくなるのです。


 構成図に似ているものに、マインドマップという方法がありますが、手順が複雑なのでかえって時間がかかります。構成図は、普通のルーズリーフに、1本のペンで、短文と矢印で図を書いていくという書き方です。


 なぜルーズリーフがいいかというと、2枚以上にわたったときに、横に広げて見ることができるからです。1本のペンで書くといっても、書き込みが複雑になったときは途中で色を変えた方が読みやすくなります。短文と矢印で書くというときの矢印とは、構成図に書いた順番であって、文章化するときの順番ではありません。つまり、短文どうしの内容的な関係を表すものではなく、単純に短文を書いた時間的な順番を矢印で表しているということです。また、構成図に書くのは短文であって単語や長い文でないということも大事です。構成図に書く短文の平均的な字数は10-20字です。1文を1行で長く書くのではなく、2、3行に折り返してコンパクトに書きます。その方が矢印でつなげるときに縦にも横にも斜めにも結びつけやすいからです。

 言葉の森では構成用紙という小さい枠のある用紙を使っていますが、慣れてくれば無地の紙に書いた方が書きやすくなります。


 1200字の文章を書く場合、構成図で7、8分かかります。ただし、全く新しいことを構成図を使って考える場合は、もっと時間がかかります。


 構成図は、思いついたことをどんどん書いていきます。その文章のテーマに関係なさそうに見えることであっても、気がついたことは次々に書きます。構成図を書くということは、思考を外化することです。考えの材料をすべて表に出して見えるようにして、文章化のシミュレーションをしていることになります。


 構成図を書き終えると、自分が考えたことの全体の構造や文章化の方向がわかります。全体の方向がわかってから文章化するというのが、構成図を使った書き方の特徴です。文章には、考える過程と書く過程がありますが、構成図は、考える過程ですから、書くための予行演習のようなものです。構成図で思考の下書きをしたあとに文章化するので、文章を書きなおすということがほとんどありません。それで、音声入力がしやすくなるのです。


 音声入力は、慣れるまでなかなかうまく文章化できません。それは、これまでの長い習慣で、考えるスピードと書くスピードが結びついているからです。また、口に出して言う文章は、手で書く文章と違うところがあります。最も大きな違いは、日本語の場合、音声の文章は文末をあいまいにすることが多いということです。


「昨日は、どこに(行ったのですか)」
「ちょっと海に(行ったのです)」
「へえ、どちらに(行ったのですか)」
「うん、城ヶ島(に行ったのです)。それで、これ(お土産です)」
「わあ、くさやね」(そんなもんあるわけないだろ)


 これは、スピーチなどでも同じです。話をしたり聞いたりする場合には、普通はなかなか「。」の来ない文章を交わします。それでお互いに、言うことも聞くこともうまくできるようになっています。

 文章化しやすい音声を入力するためには、意識的にやや短い文にします。長めの文の場合は、文の途中で区切ります。ICレコーダーで大体10文字から20文字ぐらいごとに録音を停止しながら音声を入力していきます。なぜかというと、再生するときに、その区切りごとに一度で入力できるからです。あまり長い文だと、短期記憶が追いつかないので、もう一度聞きなおして書くという書き方になってしまいます。

 音声入力は、考えながら言うのではなく、1文を1息で言うようにします。もちろん、手作業でテキスト化する過程で追加や修正はあります。


 言葉の森のこれまでの音声入力は、ヘッドセットとテキスト化ソフトを使っていました。これはこれで便利ですが、ソフトの機能がまだ十分でないことと、操作の手間がかかることという弱点がありました。そこで、音声化した文章をそのまま聞きながら書く方が楽だということがわかってきました。


 長い文章を書く時間がとれないときは、とりあえず音声化で入力さえしておけば、あとで時間のあるときに書くことができます。また、大量の音声化した文章を、多人数で手分けして文章化することもできます。


 音声化の入力に慣れておくと、音声化せずに書く文章も、書くスピードが上がります。1文を1息で書くコツがつかめるようになるからです。


 もちろん、文章の価値は速く長く書くことにあるのではありません。書く内容を豊かにするために読書が必要になり、考える力をつけるために暗唱などの練習が必要になります。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

コメント欄

コメントフォーム
作文の能率を上げる構成図と音声入力の方法 森川林 20100312 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
せそたち (スパム投稿を防ぐために五十音表の「せそたち」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 音声入力(10) 
コメント31~40件
……前のコメント
作文力の土台は 森川林
齋藤孝さんは、「齋藤孝先生が選ぶ 高校生からの読書大全」など 2/4
言葉の森は、オ 森川林
今、小123年生対象の基礎学力クラスと、小456年生対象の総 2/4
言葉の森の作文 森川林
私は、人を批判するのは好きではありません。 大事なことは、 2/3
自習室の利用を 森川林
ごめん、ごめん。 うっかりブレークアウトルームの設定を忘れ 1/29
自習室の利用を aeka
ブレークアウトルームが表示されないです^^;確認お願いします 1/28
自習室の利用を 森川林
 自習室は、ほぼ24時間開いています。  ブレークアウトル 1/24
自習室の利用を aeka
自習室はどんどんと進化していきますね!!助かります。ありがと 1/24
塾が忙しくなる 森川林
子供たちの成長の過程で、最後に残る自信は、忙しくても続けたも 1/24
自習室が利用し aeka
ありがとうございます! 1/19
自習室が利用し 森川林
あえかわさん、ありがとうございます。 これから、みんなにも 1/19
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 読解検 森川林
 いい質問です。  このように質問する人は、国語の力がつく 5/23
読解検定4月中 あうせれ
問8のAが×だと思いました。←設問には「急に熱心になった」と 5/22
言葉の森のホー 森川林
言葉の森のホームページについて、わかりにくいだの何だのと言っ 5/22
5月保護者懇談 森川林
シラン ●学習グラフの見方  学習グラフ 5/22
未来の歴史の教 森川林
未来の歴史の教科書には、 「この時代の子供たちは、みんな、 5/18
言葉の森のYo 森川林
言葉の森のYouTubeチャンネルの登録者数が、1000人を 5/17
通学が普通、通 森川林
通学が普通、通信はおまけ、 オンラインは特殊な例外(笑)と 5/15
ブンブンドリム 森川林
 ブンブンドリムが、「31年の実績」と書いていたので、   5/15
基礎学力、総合 森川林
 勉強は、家庭学習で十分。  しかし、勉強の進捗状況をチェ 5/13
Re: 読解検 森川林
 ご質問ありがとうございます。  こういう質問ができる 5/10

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習