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日本の生徒の学力とPISAで要求される学力 as/261.html
森川林 2008/07/04 14:03 
 日本の教育産業、学習塾や予備校などの世界は競争が激しいので、勉強についてある目標を持つと、その目標に向かって極めて効率的な指導システムを完成させます。
 そして、現在、日本の教育産業が何を目標としているかというと、当然受験に合格するための勉強です。受験勉強に合う学力をつけるために、高度にシステム化した勉強が行われているというのが、日本の教育の現状です。
 ところで、その受験勉強が目指す学力の内容は何かと言うと、ここで一つの問題が出てきます。受験というものは、短時間で大量の試験を採点するという必要から、考える問題ではなく、記憶を再現する問題を中心にせざるを得ないところがあります。
 もちろん、考える良問はありますが、採点者が採点に頭を使うような問題ではなく、ある程度自動的に採点できるような仕組みの問題を作らざるをえません。そういう日本の受験の内容にあった教育がされていたために、OECDの学習到達度調査(PISA)で、日本の生徒の思考力、記述力、読解力が不足しているという結果が出たのだということです。
 それは、ある意味で当然と言えば当然のことです。日本では、PISAで要求されるような学力を目指す教育を行っていなかったから、PISAで低い結果が出たということです。もし、日本の受験の内容がPISA的なものであれば、ほぼ二、三年で日本の生徒の学力は、国際的にトップレベルになると思います。日本の教育産業は、それだけのシステム力を持っているからです。

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「反復」と「感動」(その2の2) as/260.html
森川林 2008/06/25 09:57 
 感動を高める第三の方法は、緊張感を持つことです。そのためには、悔しさをバネに勉強する、叱責をきっかけにして勉強するというのも、いい方法です。しかし、ネガティブな動機をもとに勉強することは、勉強の密度を高めはしますが、上手に工夫しないと、身体や精神に負担をかけることになります。子供を叱るときは、叱ったあとのフォローが大切で、「君ができるはずだと思うから叱ったんだよ」と叱った動機を明るく伝えておくことが必要です。
 緊張感を持つためには、このほかに、五感をフルに活用して勉強するということも大切です。何かを覚えるときは、ただ読むだけでなく、手で書いたり声に出したりすると効果があります。昔の人の中には、英語の辞書を覚えるときに、覚えたページを1枚ずつ食べた人もいたそうです。それぐらいの気迫で覚えると、記憶も定着するということです。
 心理学の実験で、吊り橋の上で待ち合わせをすると、その待ち合わせた人に好意を持つというものがあります。緊張のある状況で遭遇した人物や事物は深く印象に残るからです。同じようなことを勉強にも適用することができます。
 第四は、潜在意識の活用です。子供に限らず人間は、無意識のうちに自分に対する限界を設けています。その限界は、自分に対して大きな影響力を持っていた人が、無意識のうちに言った言葉や動作が自分の潜在意識の中に入ったところから来ています。言葉や動作には、常に二重三重の情報が含まれています。例えば、大人が子供に、「こんなのができないなんてダメだぞ」と言ったとき、子供の顕在意識に伝わる言葉の意味としては「ダメだぞ」だけです。しかし、その言葉を言った人の気持ちの中に、「本当にこいつはダメだ」という思いがあれば、その思いが同時に子供の潜在意識に伝わります。しかし、言った人の気持ちの中に、「こいつはできるはずだ」という思いがあれば、その思いが子供の潜在意識に伝わります。言われたことが事実になるのではありません。当然のように言われたことが、その当然さ実現するために事実になるのです。
 だから、子供に対して大きな影響力を持つ親の役割は重要です。親は常に自分の子供に対して、「この子は、絶対にいい子になるに決まっている」と思うことが大事なのです。

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