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作文教育の目指すもの(その2) as/386.html
森川林 2009/02/11 10:13 
 さて、インターネットが広がるにつれて、これまで何度か作文教室ブームというようなものが社会に現れました。これはたぶん言葉の森が作文教室という広告をときどき出していたので、それに刺激されたのではないかと思っています(笑)。そうでないかもしれませんが。
 通信の作文教室以外にも、言葉の森の通学教室のある地域で、同じような作文教室ができていたこともありました。言葉の森の近くの公立小学校が、作文教育の市の重点指導校になっていたこともあります。また、通信教育の大手でも、作文指導が行われるようになりました。その何年か前、大手の一つの会社から、担当者が、言葉の森にどういう指導しているのか聞きに来ました。こちらは、全部オープンなので教材を一通り持っていってもらいました。言葉の森の近くにある、これも大手の学習塾の国語教材の責任者の子供が言葉の森に通っていたこともあります。だから、作文指導の教材というのは、どこもかなり似通っているのです。言葉の森の教材を参考にして教材を作っているところが多いのだと思います。しかし、こういうブームもあまり長続きせず、大手の通信教育でも、本格的な作文指導というのはあまり行われなくなりました。それはなぜかというと、一つには、言葉の森のような電話指導をもとにした教え方が、ほかのところでは難しかったからだと思います。もう一つの大きな理由は、ほかの教室では、作文教育を通して目指すものがやはり不明確だったからだと思います。
 言葉の森では、スタートしたときから、小学生だけでなく、高校生や大学生までの全学年の展望をもって教材を作っていました。まだ生徒が数十人ぐらいのときから、既に全学年の指導が十分にできる仕組みにしていたのです。
 また、自分の子供が生まれると、その子供2人を小学1年生から教室に通わせ、高校生まで作文指導をする中で、教材を洗練したものにしていきました。
 その後、言葉の森が音読の自習をホームページに載せるとそれがいろいろなところで紹介されるようになり、ちょうど音読の本が出てきたブームに乗って、学校や学習塾でも音読を始めるようになりました。昔、言葉の森が音読の自習を生徒にすすめると、どうして音読をするのかという質問がよくありました。当時は音読という形の勉強自体が珍しかったのです。しかし、最近では、音読をすすめると、学校の音読の宿題と重なってできないと言われることがよくあります。
 そして、今また、作文が新しいブームとなっているようです。その背景は三つあると思います。一つは、受験で記述式の問題が増えたことです。もう一つは、中高一貫校の入試で作文試験が出されるようになったということです。また、高校や大学の推薦入試でも作文の試験を取り入れるところが多くなりました。このような事情から、学習塾でも作文指導取り入れるようになり、作文教室という形で指導するところも増えてきたのです。そして三つ目の理由は、本物の教育を求める気持ちを多くの人が持つようになってきたためだと思います。OECDの学力調査によると、読解力と表現力が、日本の場合は低い点数になっています。単に知識を詰め込んで点数を上げるような勉強ではなく、もっと深く考える力を求める教育が必要だということをより多くの人が感じてきたのだと思います。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)

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作文教育の目指すもの(その1) as/385.html
森川林 2009/02/10 10:32 
 この話は長いので、これから3、4回に分けて掲載していきます。

 言葉の森は、私(森川林)が25歳のころ、つまり今から30年ぐらい前、初めて作文教室という名前で広告を出したのがその前身です。そのころは、もちろんそういう教室はどこにもなく、作文教室という名前を使って宣伝を出したのは、言葉の森がたぶん初めてだったのではないかと思います。
 しかし、もちろんこんなことは自慢にならないことで(笑)、これは、今後の計画を説明するために経過として書いていることです。
 なぜ作文教室を始めたかというと、理由は二つあります。一つは、面白そうだったからで、これがいちばん大きな理由です。作文教室の向こう側に、未知の世界があるような予感がしたのです(この予感は当たったと思います)。もう一つは、自分自身のニーズがあったからです。つまり、文章のよさというものは、自分自身では評価できません。私には当時、他人に文章力を評価してほしいという気持ちが強くありました。今ならブログなどの人気度で、自分の文章を評価してもらうチャンスはたくさんありますが、30年前はそういう機会がありませんでした。そこで、同じようなニーズを持つ人がいるだろうと思ったのです。
 このようにして、25歳で作文教室をスタートしましたが、最初は、マスコミ受験を目指す大学生対象の文章教室でした。その後何年かして、小学生を対象にした教室に発展させましたが、そのときの気持ちとして、作文教室を単なる国語教室のようなものにはしないという思いがありました。
 なぜなら、勉強というものは本来、独学でやる方が能率がよいもので、他人に教わるものではないという考えがあったからです。作文は、他人からの評価がないと、自分自身では評価できないということでスタートしたのです。
 しかし、小学生の子供たちを教えていると、国語力と作文力の相関が非常に高いことに気が付きました。国語力のない子は、同じ指導していてもやはり上達が遅いのです。
 そういう試行錯誤を続けているうちに、2000年ごろからインターネットが普及して言葉の森の通信の生徒が増えてきました。
 これも自慢することでありませんが、言葉の森のインターネットの取り組みはかなり早く、1996年から既にホームページを作っていました。言葉の森は、新しい技術革新を取り入れることについては柔軟です。今も、次々と新しい仕組みを取り入れています。
 例えば、今、言葉の森のホームページでいちばん人気があるのは、「ふりがな」のページです。海外からも毎日のようにアクセスがあり、言葉の森の表紙の何倍もヒットします(いいのか^_^;)。このページは、茶筌という日本語形態素解析ソフトとPHPを組み合わせて、学年別のルビ振りが自動的にできるようにしています。国語的なサイトで、こういうプログラミングを自前で作っているところはあまりないと思います。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)

マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。


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