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暗唱力があれば、作文や国語ばかりでなく数学も英語も思いのまま as/2716.html
森川林 2016/10/16 11:42 


 暗唱力があれば、作文はいくらでも上手に書けるようになります。
 また、数学の成績も、英語の成績もいくらでも上がるようになります。

 担当の先生が毎週電話で暗唱チェックをすれば、家庭でも毎日の暗唱が続けられます。
 更に、その暗唱の成果を、暗唱検定で定着させれば、確実な実力がつきます。

 しかし、まだこの暗唱の効果を知らない人が多いので、このあと何回かにわたって暗唱の話を掲載します。

 ただし、暗唱の勉強をスタートするのに最適な学年は小学2年生より前の学年です。
 小3以上になると、学年が上がるにつれて新しく暗唱の練習を始めるのは難しくなります。
 そのときには、親も一緒に暗唱の練習をしていくといいのです。

====

 言葉の森は、20年以上も前から音読指導を作文学習の中に取り入れていました。
 それは、作文は書かせて直す指導だけでは不十分だとわかったからです。
 読む力の土台がなければ、いくら直しても作文は上手にならないのです。

 読む力がつけば語彙力もつきます。すると、表現の工夫もできるようになり、深く考えることもできるようになり、自然に作文のレベルが上がります。
 そういう状態で、難しい課題の作文をかくと、文章力も思考力も伸びていくのです。

 しかし、ここに難しい問題がありました。
 音読は、本人に任せていてはなかなか続かないのです。
 そのいちばんの理由は、やったことがあとに残らない勉強なので張り合いがないからです。
 そして、同じ文章を何度も読むので、飽きるのも早いのです。

 家庭でお母さんやお父さんが徹底して音読をチェックするのでなければ、子供は自然に、あとに残らない音読よりも、あとに残る問題演習のような勉強をやりたがります。
 そして、そういうあとに残る勉強の方が、やった感じがするので、お父さんやお母さんも問題演習のようなものの方を重視するようになってしまうのです。

 音読は、作文教室の先生がいくら厳しく言っても、子供はやるようにはなりません。
 それは、やはりあとに残らない勉強なので、やったかどうかがチェックできないからです。
「ちゃんと音読してくるんだよ」
「はあい」
「今週の分、音読してきた?」
「はあい」
「毎日、朝ごはん前に音読するんだよ」
「はあい」
と、全部、いい返事をしますが、1週間毎日音読している子はほとんどいませんでした。
 やるとしても、せいぜい授業が始まる直前に読むぐらで、しかも黙読の飛ばし読みのようなことも多かったのです。

 お母さんに、音読をするように頼んでも同じように、
「毎日やっているみたいです」
「そうですか……」
「自分の部屋で」
 自分の部屋で音読などするわけがありません。
 親が近くにいて聞いていなければ音読は、まず絶対にできないのです。

 なぜ、親のいる前で音読をしないかというと、音読をすれば必ず親に注意をされるからです。
 なぜ親がすぐ注意をするかというと、親自身が子供時代に音読をした経験がないので、子供の音読をしているときの気持ちがわからないからです。

 このような事情のために、効果のある音読がなかなか普及しない状態が続いてきたのです。

 そこで、言葉の森が考えたもうひとつの方法が、音読と並行して暗唱をすることでした。
 しかし、暗唱と言っても、方法論がなければ子供は途方に暮れてしまいます。
 そこで、江戸時代の教育書「和俗童子訓」をヒントに、100字を100回繰り返し音読して暗唱するという方法を現代風にアレンジして、約1,000字の文章を1ヶ月かけて暗唱する方法を開発しました。
 これなら誰でも暗唱ができるようになるのです。(つづく)

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nane 20161016 1 
 暗唱は、幼稚園年長や小1ぐらいから始められます。
 しかし、もっと早く、子供がまだ字も読めない小さいころからでも、親が暗唱の練習をするという形でやっていくといいのです。
 そうすれば、読み聞かせの代わりに暗唱を聞かせてあげることもできるので、読み聞かせの本を持つ手がくたびれるということもありません(笑)。
 たぶん、昔の、電灯がなく本もない時代の親子の関わりは、そういう形で行われてきたのだと思います。


森川林 20161016 1 
 この4月に暗唱検定を始めたときは、検定試験に参加できる子はまだほとんどいないと思っていました。
 ところが、蓋を開けてみると、次々と暗唱検定に挑戦する子がいたので驚きました。
 その子たちは、暗唱検定がある前から、ずっと家で暗唱の自習を続けていたのです。
 そして、10月の時点で既に22人の子が、約3,000字5分の暗唱検定に合格しました。
 
 今はまだ多くの子が小学校中学年程度ですから、暗唱ができてすごいというだけですが、この子たちが中学生、高校生になり、この暗唱力を生かせるようになると、勉強面では余裕の好成績を維持できるようになると思います。
 そして、その余裕を、自分らしい個性を伸ばすことに生かしていくといいのです。


よう 20161017 9 
小4の娘も暗唱を頑張っていますが、やはり、もっと小さいときの方がすんなり覚えてたような気がします。どうも古文などは「これはどういう意味か。何を言っているのか」と考えてしまうようなのです(笑)。
親も一緒に暗唱をがんばってみます!

jun 20161017 2 
暗唱は、学年が上がるほど苦労する生徒が多くなりますね。覚えようとせず、ただひたすらお経のように読むのがコツなのでしょうね。

touko 20161018 77 
親の都合で海外在住を余儀なくされた小5の女の子。0から始めたスペイン語でしたが、小6の終わりにクラスでトップクラスの成績に。秘訣を聞いたら、教科書ぜんぶ暗記しました、と・・・。

namura 20161019 10 
2020年にはセンター試験もあり、考える力がますます重要になりそうですね。

namura 20161019 10 
すみません、コメント入れる記事間違えました。

touko 20161019 77 
親の都合で海外在住を余儀なくされた小5の女の子。0から始めたスペイン語でしたが、小6の終わりにクラスでトップクラスの成績に。秘訣を聞いたら、教科書ぜんぶ暗記しました、と・・・。

よう 20161019 9 
自分が好きだと思う文章を暗唱していくことも楽しいと思います。
また論語なども子供たちにとっては、外国語のようで楽しいようです。娘が通う学校でも論語の暗唱が課題として出されました。

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公立中高一貫校の受験作文に、家庭でどう関わるか――●10.22(土)オンエア保護者セミナー開催 as/2715.html
森川林 2016/10/14 19:46 


 公立中高一貫校の受験作文は、昔は、書きやすい身近な題名課題が中心でした。
 今でも、帰国子女枠の受検作文は、そういう身近な書きやすい題名課題のところが多いのですが、それ以外のほとんどの学校は、文章を読んでの感想文課題になっています。
 しかも、難度の高いところでは、その文章が複数出されて、複数の文章の関連性を読み取りながら書くような形のものが多くなっています。

 中学受験作文の共通点として、もうひとつ特徴があるのが、「自分の体験にもとづいて」という条件です。
 人生、学問、言葉、文化というような抽象的なテーマを、自分の体験にもとづいた実例を入れながら書かなければならないのです。

 だから、受験作文には、家庭での対策が必要になってきます。
 家庭での関わり方には二種類あります。
 第一は事前の関わりで、体験実例の似た例を親子で予習しておくことです。
 第二は事後の関わりで、書き上げた作文の表現を親子で推敲していくことです。

 今回、オンエア保護者セミナーとして、実際の作文入試課題をもとにした親子の関わり方の例を説明することにしました。
 下記の要領でセミナーを行いますので、参加を希望される方は末尾の参加予約フォームからお申し込みください。

●オンエア保護者セミナー

●テーマ
「公立中高一貫校の受験作文に、家庭でどう関わるか」

●講師
中根克明(森川林 作文教室言葉の森代表)

●日時
10月22日(土)10:30~10:55(25分間)

●会場
googleハングアウトで行います。(スマホ、タブレット、PCのいずれからでも参加できます。)
https://hangouts.google.com/call/3c4uurnyxfcnvdvbjl5zlt6x5me
(10分前から入れます。入室する際は、マイクをミュートにしておいてください。ウェブカメラはオンでもオフでもどちらでもかまいません。ウェブカメラがなくても参加できます。)

●参加費
・言葉の森受験作文コース受講中の生徒の保護者………………無料
・受験作文コース以外の言葉の森の生徒の保護者…………500円(受講料と合わせての自動振替)
・言葉の森の生徒の保護者以外の方……………………2,000円(銀行口座からのお振込み)
▽銀行からお振込いただく場合の言葉の森の口座
三井住友銀行 港南台支店 普通 6599615 株式会社言葉の森

●定員
6~7名まで(先着順)

●お申し込み
参加予約は、下記のフォームからお願いします。
▼参加予約フォーム
https://www.mori7.com/kform.php?k=1022

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sizuku 20161017 51 
公立中高一貫校の受験作文、大人でもどう取り組んでよいかわからず途方に暮れるような問題があります。
模範解答を読んでも、それを参考に書くのは難しいと思います。
体験実例、ここがポイントですね。

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教わる勉強はつまらないのが当然、学力のある子は個性を伸ばす勉強を as/2714.html
森川林 2016/10/14 06:16 


 学力はあるのに、その学力のわりには成績がよくないという子がいます。よくないとは言っても、普通よりはずっといいのですが、その子の実力からすれば、もっといいはずなのにという生徒です。

 そういう子に共通しているのは、勉強が嫌いだということです。と言うと、身も蓋もありませんが、正確に言うと、教わるだけの勉強が嫌いだということなのです。

 数学者の岡潔さんは、中学生のころ、数学の勉強が嫌いで勉強は何もしなかったそうです。しかし、中学ですから定期的に数学のテストがあります。そのときは、出題範囲の単元を短期間で全部暗記して高得点を取って済ませていました。
 つまり、学校で教わる数学は、決まった答えのある勉強だから、わざわざ勉強をするというような興味がわかなかったのです。

 勉強の嫌いな子も、程度の差はあれ、こういう岡潔さんの気持ちと共通のものを持っています。教わるだけの授業が退屈で仕方ないのです。
 今の学校の勉強は、先生に言われたことを長時間やる生徒の方が成績がよくなりますから、勉強の嫌いな子は、もちろん成績面では不利です。

 しかし、この勉強の嫌いな子の方に、将来の大きな可能性がある気がするのです。
 その証拠に、こういう勉強の嫌いな子が、いったん受験勉強などに本気で取り組み始めると、短期間で見る見るうちに成績を上げるからです。
 いったん自分でやろうと決心すると、岡潔さんが試験前に出題範囲を全部暗記したように、受験勉強の範囲を全力で身につけるようになるからです。
 すると、半年ぐらいの間に、成績が急上昇していきます。

 こういう様子を見ていると、今の学校の勉強は何かおかしいのではないかという気がします。
 現在、学校で行われている一斉授業は、教材も教育設備も不足している時代に、全国民が同じような基礎学力を持ち工業化する社会に対応できるようになるために作られてきました。

 しかし、今は、これらの条件自体が大きく変化しています。
 一つには、教材や教育設備というインフラは、個人が家庭でも十分に準備できるようになってきたからです。
 もう一つには、これから必要な学力は、みんなと同じ学習範囲で高得点を取ることではなく、自分が関心を持つ個性的な学習範囲で第一人者となることだからです。

 個性的な学習範囲でダントツの力をつけるためには、みんなと同じ学習範囲は8割できていれば十分です。8割というのは、東大の推薦入試で言われた「センター試験で8割の学力の担保」というような意味での8割です。

 しかし、今の学校教育は、受験勉強という重箱の隅をつつくような出題範囲で子供たちに高得点を取ることを求めています。
 すると、真面目な子ほど、自分の本来の学力に気が付かず、勉強に対する苦手意識を持ってしまうことも多いのだと思います。

 この状態を改善するためには、子供に勉強の計画を立てさせることです。
 親や周囲の大人が、学校の勉強は8割できていれば十分で、そのための勉強はするが、それ以上の勉強をする時間は自分の個性を伸ばす時間に充てる、という大きな方針を示してあげる必要があるのです。


 こういう個性を伸ばす勉強をしているのが、小1~3対象の読書実験クラブと、小4~6対象の思考国算講座です。
 参加している子は、選抜しているわけではありませんが、学力のある子ばかりです。そして、教わる勉強ではない自分で考えたり作ったりする勉強を楽しんでいるのです。

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作文力は思考力――学年が上がるほど、本を読むことが作文力の支えになる as/2713.html
森川林 2016/10/13 06:39 


 小学生のころの作文は、最初は生活作文から始まります。
 自分の身の回りに起こった身近な出来事を文章で書いていくのです。

 実は、これだけでも子供たちにとってはかなり大変です。
 普段の生活で、言葉のやりとりは音声で行われていますが、それが文字のやりとりとして行われることはほとんどないからです。

 特に、まだ本を自分で読めるようになったばかりの小学1、2年生の子にとってはそうです。
 だから、大人が、できて当然と思っているような、「わ」と「は」の区別や、文の終わりに「。」をつける、などということが勉強のような形で教えられなければできないのです。

 しかし、子供たちは、自分が文字を書けるということがうれしくてたまりません。だから、間違った書き方であっても、喜んでたくさん書こうとします。
 小学2年生の時期は、この「長く書く」ことに燃える時期です。自分が作文を長く書けることがうれしいので、長さだけを目的にして書くことがあるのです。

 しかし、やがて、小学3、4年生になり、文章を書く力がついてくると、長く書くことに対する情熱は自然に冷めてきます。
 そして、その長さの代わりに出てくるのが、面白く書くという目標です。

 この時期の子供たちは、面白いことが大好きです。いろいろな場面で笑って過ごしたい時期なのです。
 そこで、作文にも、面白い場面、面白い出来事を書こうとします。それは、特に身近な大人である、学校の先生やお父さんやお母さんのドジな場面などです。
 出来事の面白さを書くことに燃えるというのが、文章力がついてきた小学3、4年生の作文の主な関心事になるのです。

 小学5、6年生になると、面白いことを書きたいという気持ちは変わりませんが、そこに考える力が加わってきます。
 特に、読む文章が難しいものになってくると、自分でも自然にそういう文章に出てくる言葉を使って作文を書こうとするようになります。

 今の中学入試問題の国語は、小学5、6年生が到底普通の生活の中では読まないであろうような文章が多数掲載されています。
 物語文であれば屈折した心理の動き、説明文であれば言語や人生や文化や学問のような抽象的なテーマが盛り込まれた文章です。
 この段階になると、作文力の差がはっきり出てきます。身近なテーマでは、どの子も上手に書けますが、考えるテーマになると、使える語彙の量がまず差になり、その語彙を使ってどう考えを組み立てるかということがまた大きな差になって現れてくるのです。

 この考える作文が、このあと、中学生、高校生と続きます。
 高校生になると、考えるテーマ自体に社会的な広がりが出てくるので、世の中の動きに対する知識の裏付けも必要になります。書くための材料も必要になってくるのです。

 小学校のとき、楽しく作文を書き、それなりに上手に書けていた生徒が、中学生になったころからだんだん書けなくなるのは、この材料不足が主な原因です。

 材料は、読書によって供給されます。本を読んでいる子は、語彙も、表現も、知識の材料も、読書から入ってくるので、作文を書くときも文章がスムーズに出てきます。だから、楽に書き出すことができます。
 書き出す段階で苦労しているのは、本を読んでいない子と言ってもいいと思います。

 今の中学生、高校生は、一般に本をあまり読みません。
 理由を聞くと、勉強が忙しいから本を読んでいる暇がない、ということをよく言います。
 しかし、本当の理由は、小学生の間に本を読む習慣を確実につけていなかったために、本を読む楽しさが身についていないのです。
 本の好きな子は、受験勉強の真っ只中でも、息抜きのために本を読みます。将来、学力が伸びるのはこういう生徒なのです。

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森川林 20161013 1 
 本をよく読んでいる子は、作文の表現がなぜかスムーズです。
 本をあまり読んでいない子は、同じことを同じように書いていても表現がどこかぎくしゃくしているところがあります。
 読んでいる本は、易しい物語文の本でもいいのです。
 言葉というのは、川のようなもので、上流から読むものが絶えず供給されていないと、下流が干上がってしまうのではないかと思います。


nane 20161013 1 
 子供に難しい勉強をやらせるというのは、一般にあまりよくありません。
 というのは、その場合の難しさは知識でカバーできるので、結局知識の詰め込み勉強になっていくからです。
 しかし、難しい文章を読ませるというのは、程度にもよりますが大体がいいことです。
 それは、読むことによって考える力がついてくるからです。


jun 20161013 2 
小学生のうちに読書の習慣をつけておくことが大事ですね。そのためには、幼児期の読み聞かせも大切ですね。

jun 20161013 2 
 本を読んでいる子の作文は、文章の流れが自然で、気の利いた言い回しがよく使われています。ちょっとしたところで、本を読んでいるかいないかが分かりますね。

namura 20161014 10 
本から得るものはたくさんありそうです。

kira 20161014 52 
 小学校低学年に、本を読むことの楽しさを体験することが、そのあとの成長に大きく影響するのですね。

mae 20161014 9 
今、小4の娘が学校で、よく百マス作文に取り組んでいます。初めは長く書かない作文にかなり戸惑っていましたが、ここでいうなら、長く書くことが面白い時期を卒業し、面白く書こうとする時期に入っているのだなあと思います。
詰め込み型で語彙を覚えていくよりも、読書で身につけた語彙を上手に使えることが、後々の「考える力」につながっていくのだなと思いました。

sizuku 20161015 51 
本を多く読んでいるかどうかは文章を読むとわかりますね。ちなみにおしゃべりしていてもわかります。

sizuku 20161112  
やはり読書です!

sizuku 20161112 51 
やはり読書です。

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小学生のころの勉強はできるだけ子供に自分でやらせ、中学生のころの勉強は塾に任せず親が見る as/2712.html
森川林 2016/10/11 20:32 


 今の子供たちの勉強の様子を見ていると、二つの大きな問題があるように思います。

 第一は、小学校低学年のころの勉強に、親が関わりすぎることです。
 このころは、できるだけ子供が自分でやるようにさせるのが大事なのですが、お父さんやお母さんが手をかけすぎてしまうことが多いのです。

 もちろん、親子の対話を楽しむという意味で親が子に関わることはいいことなのですが、それは主に遊びや読書の分野ですることです。
 勉強の分野で、親が手をかけすぎると、親がいなければ勉強のできない子になってしまいます。
 親は、勉強面で手を出したくなってもできるだけ我慢して、子供が自分でやるように工夫していく必要があるのです。

 しかし、小学校低学年の手のかけすぎは、それほど大きい問題ではありません。

 第二の、もっと大きな問題は、子供の学年が上がり、小学校高学年になり、中学生になってくると、今度は親が子供の勉強を見るのをあきらめて、本人に任せてしまうようになることです。

 中学生になると、勉強面も難しくなるので、親も小さいころほど簡単には教えられなくなります。
 また、中学生本人も、親に助けを求めるようなことはせずに、自分でやろうとするようになります。
 しかし、ここで、ほとんどの中学生が自己流の能率の悪い勉強法になるのです。

 その結果、小学生のころまではよくできていた子が、中学生になるとだんだんと思ったように点数が取れなくなり、苦手分野なども出てくるようになります。

 すると、生徒本人も、親も、その解決策として塾を選択するようになることが多いのです。

 塾の先生は、みんな熱心に子供たちのことを考えて指導していますから、子供がひとりで勉強するよりは、確かに成績面ではプラスになります。
 しかし、塾はもともとは大勢の生徒を一斉に教える仕組みになっていますから、全生徒に最大公約数的な宿題を出すような勉強の仕方をします。
 すると、塾に合わせた勉強は、生徒個人にとっては無駄な部分もかなりある勉強になるのです。

 だから、塾に行って成績の上がる子は、宿題を真面目にやる子、つまり無駄な勉強も我慢して長時間やれる子ということになります。
 すると、成績は確かに上がるかもしれませんが、余裕のある時間の中で読書をしたり趣味を深めたりということがどうしてもできなくなるので、ただ勉強をするだけの面白みのない生活になることが多くなるのです。

 ひとつの解決策としては、個人指導の力量のある家庭教師をつけ、その家庭教師のアドバイスをもとに勉強していくことです。
 加山雄三さんの中学生時代は、まさにそうでした。それまで勉強はあまりしなかった加山さんは、中学3年生になり突然勉強に目覚めたとき、親に専属の家庭教師をつけてもらいそれから短期間で猛烈に勉強をしたそうです。
 そして、当時の成績ではまず無理だと思われていた慶應義塾高校に合格したのです。

 高校入試は、本気でがんばると半年ほどで実力が大幅に上昇しますから、こういうことは意外とよくあります。
 しかし、生徒本人の学力に応じた具体的な勉強計画を指示できる家庭教師というのは、あまりいません。また、いたとしても、どの家庭でも頼めるようなものではありません。

 そこで、中学生にとっていちばんいい勉強法は、本人の家庭での自学自習を親が見るという形になるのです。
 しかし、親が見るといっても、手取り足取り教えるというのではありません。

 中学生の勉強は、基本的に他人が教える必要はありません。今は、解説の詳しい参考書や問題集が豊富にあるので、ほとんどが自分で勉強できます。
 勉強を、戦闘、戦術、戦略と分ければ、親が見るのは主に戦略面です。中学生本人は、戦闘や戦術ぐらいまではできますが、勉強の大きな方針というのはまだ無理だからです。
 そして、たまに、勉強の内容について質問があったとしたら、それは勉強のできる大人(主に先生)に聞くようにすればいいのです。

 今は、塾に行っている中学生がほとんどなので、塾に行っていないと不安になるという心理はあると思います。
 だから、塾に行ってもいいのですが、勉強を塾に百パーセント任すようでは、時間がかかるだけで、実力はあまりつきません。
 中学生で成績のいい子は、必ず親が子供の勉強に何割かかかわっています。

 言葉の森の勉強も、今後この親の関与ということをもっとバックアプできるようにしていきたいと思っています。

-------------------------------------------

 10月29日の講演会は、作文の話が中心ですが、やはりこの親の関与の仕方という話もします。
 親が関与できるというのは、実は楽しいことなのです。

 「家庭で子供に作文を教えるライフワーク」講演会in横浜10.29

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森川林 20161011 1 
 中学生は、みんな真面目に勉強しています。
 試験前は、寝る時間も惜しむような勉強もしています。
 しかし、肝心の大きな方針というものがなく、目先の狭い視野でがんばっていることも多いのです。
 それをアドバイスできるのは、親しかいません。
 親は、子供の小学生のときはできるだけ手を抜いて、中学生になったらできるだけ本人任せにせずに、ということが大事なのです。

https://www.mori7.com/index.php?e=2712


nane 20161011 1 
 中学生で成績のいい子は、親がしっかり勉強の内容面にも口を出しています。
 本人任せ、塾任せでは、時間ばかりかかるようになります。
 中学生のころに、親が勉強を見てやれるから、高校生になって自分で勉強ができるようになるのです。


mae 20161011 9 
ついつい、親が手を出したくなってしまう我が子の勉強……。
ぐっと我慢するのも親の勉強なのだろうと思いました。

namura 20161012 10 
塾に行くことも、受験をすることも、情報や周りに流されず、しっかり自分で見極めていきたいですね。

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中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
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●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習