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読む勉強法で理科が百点に as/3051.html
森川林 2017/09/26 06:51 


 昨日の思考発表クラブで、嬉しい話がありました。

 小学6年生の女の子で、以前、理科が苦手だからどういう勉強をしたらよいのかと聞かれたことがあったのです。

 その子と、その子のお母さんは、理科の問題集をやるつもりで勉強の仕方を考えていたそうです。

 私のアドバイスはそれとは違って、理科や社会は教科書を何度も読んでいれば自然にできるようになる、理科の中でも計算を含む算数的な問題については問題集の解法を何度も繰り返して覚えるとよいとアドバイスをしたのです。

 そして1か月後の昨日、懇談会の中で、その子が先日の理科のテストで百点を取ったという話を聞きました。

 もしこれが問題集を解くような形の勉強をしていたら、たぶん時間がかかり苦労が多い割に点数はもっと低かったと思うのです。

 なぜかと言うと、問題集を解く勉強はできたかできなかったかという確認で終わることがほとんどだからです。

 できたものは、もともとやらなくてもできたはずのものですし、できなかったものは何度も繰り返さなければできるようにはならないものだからです。

 ところが、問題集を解くとそれで勉強が一段落したことになってしまうので、問題を解いても実力がつくのはほんのわずかなのです。

 これは、私自身の体験でもそういうことがあったので、ある程度確信を持って言えるのです。

 昔、私が中学2年生のとき、定期テストの歴史で一人だけ満点を取ったことがあります。
 確か103点満点のテストでした。
 なぜそんなことを覚えているかというと、滅多になかったことだからです(笑)。

 テスト前の勉強は、いつも特にしていないのになぜよくできたかというと、お昼の弁当の時間に歴史の教科書を読書代わりに楽しく読んでいただけなのです。

 野口悠紀雄さんの中学高校の英語の勉強も、そういうものだったようです。

 英語の教科書が面白いので、何度も読んでいたら自然に英語ができるようになったということです。

 英語の勉強というと、穴埋め式の英語の問題集をやろうとする人が多いのですが、そういう勉強は時間ばかりがかかる能率のあまりよくない勉強法です。

 ただ読むだけというのがいいのです。

 問題を解く勉強は、鉛筆や消しゴムを使うので、勉強しているような雰囲気になり、本人も周りで見ている人も安心します。

 教科書を寝ころがって読むような勉強は勉強らしくないので、本人も周りで見ている人もそれがいい勉強法だとは思いません。(別に寝ころがらなくてもいいのですが)

 しかし、その気楽に寝ころんで繰り返して読むだけの勉強が、最も効率のよい勉強法なのです。

 形にとらわれるのではなく、内容を中心に考え、読む勉強を家庭学習の中心にしていくとよいと思います。


この記事に関するコメント
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森川林 20170926 1 
 読む勉強法の反対が、解く勉強法です。
 昔、自主学習クラスで、数学が苦手だという中学生の子の勉強の仕方を見ていたら、問題集をただ何問も解いているだけだったのです。
 だから、数学の勉強にかなり時間がかかります。
 しかし、成績は一向に上がらなかったのです。
 こういう子は、勉強の仕方を変えればすぐに成績が上がるのです。


nane 20170926 1 
 子供たちの勉強の能率が悪いいちばんの原因は、人に教わる勉強に慣れているからではないかと思います。
 最初は試行錯誤でも、勉強は家庭で自分のペースでやるのがいいのです。


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国語力アップの秘訣(5)――記述の練習 as/3050.html
森川林 2017/09/25 05:49 


 次は、記述力の練習方法です。

 問題集などから、一つの問題文を選び、その感想を書く練習をします。
 1文の平均は約50字と考え、指定した字数でまとめるようにします。

 この感想の書き方で大事なところは、ある考えともう一つの考えを対比して書くことです。
 しかし、それが難しいようであれば、ただ字数を指定して書くだけでもかまいません。

 字数は、50字にまとめるとか100字にまとめるとかを自分で決めて、その字数の感覚をつかめるように練習します。

 この場合、決めた子数ぴったりにまとめるということを心がけると、細部の表現を工夫する力がついていきます。

 記述のコツは、対比して書くことです。

 対比して書くとは、「Aだと思う」とだけ書くのではなく、「BではなくAだと思う」とか、「確かにBという考えもあるが、Aだと思う」というように、自分が書こうと思うことと対比する考えや事実がわかるようにするということです。

 記述の問題の多くは、この対比が重要なポイントとなるところで出されています。

 対比の仕方には、ほかに、「Bではなく、Aになった」とか、「Bでありつつ、Aであった」とかいうものもあります。

 この対比を自覚して書いていくと、輪郭のはっきりした記述になってきます。

 この記述の練習も、毎日やるためには、親が簡単に評価する仕組みを作っておく必要があります。

 そのためには、元の問題文と照合して内容が合っているかどうかまで見る必要はなく、ただ書かれた記述の文章を見て、それが意味の通ったものであるかどうかだけを見ておけばよいのです。

 というのは、もし内容とずれている記述であっても、それは注意して直るものではないからです。

 読む力と書く力がつけば、自然に内容に合った記述になってきます。
 国語の勉強は、繰り返しているうちに、次第に中身が伴ってくるという特徴があります。

 だから、何度も練習するという基礎力をつけておくことが大事なのです。

この記事に関するコメント
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森川林 20170925 1 
 算数・数学の勉強は、ただ繰り返しているだけではできるようになりません。
 理屈を理解するのが勉強の基本です。
 国語の勉強とは、これとは反対です。
 理屈を理解するより以前に、何しろ繰り返すことが大事なのです。
 繰り返しているうちに、自然に読む力、書く力がついてきます。
 理屈による理解は、そのあとの最後の仕上げになるのです。


nane 20170925 1 
 「読書百遍意自ずから通ず」という言葉があるように、国語の勉強は繰り返しているうちに、自然にできるようになる面があります。
 これは、国語だけでなく、英語など語学の勉強にも共通するものだと思います。
 理屈により理解は、まず繰り返して慣れたあとにしていくものです。
 理屈による説明を先にすると、かえって難しくなるのです。


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