ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 867番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
勉強の出来不出来よりも大事なしつけ―父親を立てる賢い母親に as/867.html
森川林 2010/04/15 10:43 



 大人が子供に何かを指示すると、すぐに、「なんで」「どうして」と言う子供がいます。そこで、大人はつい、「どうしてかというと……」とまともに返事をしてしまうことがあります。すると、ますます子供は、「なんで」「どうして」と聞いてきます。そうして、やがて指示したことがうやむやになるということがあります。

 家庭で、暗唱や読書の自習が難しいというのは、親と子の間にこのようなやりとりがあるからというのもひとつの原因になっていると思います。結局、親と子が同じレベルになっているということです。これは学校でも同様で、先生と生徒が同じレベルになっていることがよくあります。

 野生動物の世界では、例えば、親ウサギが鼻を鳴らすと、子ウサギは石のように動かなくなる、と言います(「シートン動物記」より)。親が長年の経験で、子供のためを思って指示することは、子供にとって絶対なのです。

 このことは、ペットの犬などについてもあてはまります。言うことを聞かない犬がいますが、これは人間が犬と同じレベルで接しているということです。

 見方を変えれば、これは日本人の平等感覚とも言えます。こういう感覚はよいことですが、しかし、本質的な平等感と、しつけにおける上下関係は両立させなければなりません。

 そこで、父親の出番です。子供が「なんで」「どうして」と母親に言ったら、父は即座に、「お母さんが、おまえたちのためを思って言っていることに、『なんで』とか『どうして』とか聞くんじゃない」とバシッと言っておしまいです。そのかわり、子供には、別の場面でたっぷり対話をしてあげればいいのです。

 もうひとつ大事なことは、「注意は1回だけ」ということです。よく、「○○をしなさい」とか「○○をやめなさい」と子供に言っても、子供が生返事だけで、そのまま同じことを続けているということがあります。すると、ほとんどの親は、同じ注意を二度も三度もしてしまいます。しかし、このことによって、子供は、「何度も言われてからやればいい」という習慣を学習してしまうのです。その結果、そういう家庭では、何度も言われて初めてやるという生活スタイルができてしまいます。

 一度でわからなければ、二度目にはゲンコツ(笑)ということができるのは、やはり父親です。しかし、そこで、母親が、「かわいそう」などと言ってはいけません。家庭では、父親の強さというものが大事です。それを支えるのが、母親の賢さです。我が家では子供のころ、ちょっと高い物を買ってもらったときは、母親に、「お父さんに、『ありがとうございました』と言いなさい」と言われました。こういうのが、母親のできるしつけだと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

中3女子 20100416  
先日、NHKの「ためしてガッテン」で、’速読読解’についてやっていました。
それには、字を一つの固まりで読むと1ページを2~3秒で読めるようになるという方法でした。その方法の方が普通に読んでいる人よりも内容の理解度も高いという実験結果でした。
「ためしてガッテン」では、音読をする癖がついていると、
1字1字読んでしまうので、遅いし内容がイメージとして脳に残らないので、口に出して読むのはあまりよい習慣ではないということも言っていました。
4年間毎日、自習と、読解マラソンの音読をしていますが、少し悩んでしまいました。

森川林 20100416  
 それは、心配ありません。
 長文音読は、リズムをとらえて読むためのもので、暗唱などは音読をしなければ身につきません。
 普段の読書は黙読にしているはずですから、それが使い分けられていればいいのです。
 「フォトリーディング」という本を読むと、速読のコツがわかります。暗唱+速読で、両方がんばっていってください。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 

記事 866番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
小学校低中学年の学習は、勉強よりも読書で力がつく as/866.html
森川林 2010/04/14 20:33 


 小学校低中学年のお母さんと勉強の相談をしていてよくあるのは、「勉強が忙しくて、とても毎日は読書ができない」という話です。しかし、その勉強とは何かというと、算数の計算問題や、国語の漢字や読解の問題です。

 そういう勉強が悪いというのではありません。学校では、反復学習の時間が不足しますから、家庭で計算練習や漢字練習をするのは必要です。しかし、読書時間が圧迫されるほどそれらの勉強をする必要はありません。勉強と読書とどちらを優先するかいえば、間違いなく読書です。特に、学年が上がるほど、小学校低中学年のころからの読書の習慣が、その後の学力に生きてくるようになります。

 なぜ、勉強的なことをあまりする必要がないかというと、小学校低中学年の勉強はほとんどが意味のない作業になっているからです。

 例えば、漢字の勉強です。漢字の勉強は、中学生ぐらいになれば、自分で考えて、できていない漢字だけに絞って勉強することができます。そうすると、無駄のない学習ができます。

 しかし、小学校低中学年の場合は、勉強をするという自覚がまだありません。漢字の勉強をしているときでも、何のために漢字の勉強をしているかわからず、ただ言われたことをそのまましているだけです。

 そこで、漢字のドリルをするときも、できているものもできていないものも、同じようにやって無駄な時間の多い勉強をすることになります。また、漢字の書き取り練習をするときも同じで、書ける漢字も書けない漢字も同じように書くので、これも無駄の多い勉強をすることになります。

 勉強の基本は、できているものはやらず、できていないものだけに絞って、できるようになるまでやる、ということです。勉強の自覚ができていない小学校低中学年の勉強では、お母さんが問題を出すような形で能率よく勉強するか、又は、何しろ大量に時間をかけることによってできない問題をなくすようにするか、どちらかしかありません。

 小学校低中学年の子が、黙々と漢字や計算のドリルをやっているのを見ると、一見、子供が何か勉強をしているような感じを受けます。しかし、それは、多くの場合、単なる作業の時間です。本当の勉強は、読書や対話など、生きた日本語を使うところから生まれてくるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 小学校低学年(79) 読書(95) 
コメント121~130件
……前のコメント
齋藤孝さんの( 森川林
 日本では、思いつきの作文指導が多すぎます。  作文教育に 11/28
記事 4864番
日記を書かせる 森川林
 日記指導なんてさせるものではないというのが私の持論です。 11/27
記事 4863番
齋藤孝さんの( 森川林
勉強は、面白くなければなりません。作文も、そうです。 しか 11/26
記事 4862番
これから世の中 もは
 もうすでに、世の中の方向は大きく変わりました。  だから 11/26
記事 4861番
齋藤孝さんの( 森川林
穴埋め式の作文指導をすると、作文力のある子は、面倒に思って嫌 11/25
記事 4860番
齋藤孝さんの( 森川林
ブンブンどりむは、結局、作文教育について何の理念も思い入れも 11/24
記事 4859番
齋藤孝さんの( 森川林
勘違いした作文教育を受けて、作文を書くことが嫌いになりそのま 11/24
記事 4859番
小学1年生から 森川林
小学1年生でいちばんのおすすめの習い事は作文です。 私のう 11/18
記事 4853番
プリペイドカー 森川林
AI翻訳の時代には、和製英語が生きてくる。 このことに気づ 11/15
記事 4847番
「読書をする子 森川林
低学年のよくできる子は、特に勉強しすぎないことが大事です。 11/14
記事 4846番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
画像送信テスト 森川林
回回回 11/2
森川林日記
Thunder 森川林
https://www.thunderbird.net/ja 10/29
森川林日記
この忙しいとき 森川林
この忙しいときに、というかいつも忙しいけど、今は特にというと 10/28
森川林日記
もう二度とGm 森川林
 Gmailが突然、大量のPOP3は受信できないようにした。 10/28
森川林日記
2025年10 森川林
△ミズヒキグサ ●紙ベースの勉強が基本。デジタルの 10/22
森の掲示板
3I/Atla 森川林
それは、いい結果になるだろう。 10/2
森川林日記
SDGsとかL 森川林
SDGsとかLGBTQとかいう新しい言葉を使う人は、考えの浅 9/27
森川林日記
千葉県立千葉中 森川林
受験生に点数の差をつけるためだけのテスト。 横浜市立南 9/25
森川林日記
2025年9月 森川林
●家庭学習の習慣を  小学生のうちから家庭学習 9/22
森の掲示板
OCRのオシロ 森川林
今からOCRのオシロンの作り直し。 これまでgoogl 9/20
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習