ログイン ログアウト 登録
 再び、バノの大冒険 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2183番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/7/27
再び、バノの大冒険 as/2183.html
森川林 2014/07/12 12:02 


 6月27日の朝、「そういえば、オカメインコのバノと、文鳥のサク、両方ともまだ表に出していなかったなあ」と思いました。
 これから暑くなると、窓を開けることが多くなるので、うっかりバノたちを部屋の中に放しているときに窓を開けたら、表に出ていってしまうかもしれません。
 ペットで飼われている鳥は、いつも室内にいるために遠近感がなくなるらしく、外に出すと帰れなくなってしまうようです。
 そこで、まだあまり飛べないうちに、ときどき表に出して距離感をつかませておけば、いざというときにすぐに帰れるようになるだろうと考えました。こういう発想が問題あるらしいけど……(笑)

 ちょうど、スズメのえさやりの時間になったので、バノとサクを肩に乗せたまま表に出ました。すると、肩の上で、バノがぐっとジャンプしようとする重みが感じられました。
 やはり鳥だって、朝の明るい空のもとでは、思いきり飛んでみたくなるのでしょう。ってのんきなことを言っている場合ではありません。
 バノは、そのまま力強くジャンプすると、空高く舞い上がり、ぐるりと大きく弧を描き、しばらく上空を飛んでいましたが、やがて「ピー、ピー」とうれしそうに鳴きながら、駅のほうへと飛んでいきました。
 「さようならあ! バノー」なんて言っている場合ではありません。仕方ないから、飛んでいった方を探しに行ってみましたが、小さい鳥のことですから、どこにも見つかりません。そのかわり、根性の悪そうなカラスが、朝の街のあちこちにたむろしていました。
「おい、オカメインコ、見なかったか」
「アホー」

 朝、出勤してきたみんなに事情を話すと、ここでも露骨に、「ばかねえ」という雰囲気。
 しかし、そこで、ネットの掲示板やツイッターに投稿したらというグッドアイデアが出て、早速あちこちの迷子鳥の掲示板やツイッターに投稿してきました。

 それから5日後の7月2日、突然、知らない人からメールが来て、「お宅のバノちゃんではありませんか」という情報。迷子鳥の掲示板に、「7月2日、能見台でオカメインコを保護。金沢警察署に預けられています」という記事が載っていたのです。
 港南台から能見台までというと、直線距離で約5キロ。いつも室内で放しているので飛ぶことに慣れているから、風に乗れば飛べない距離ではありません。
 早速、金沢警察署に電話をして、7月11日に面会に行くことになりました。

 台風一過の暑い夏の日でした。
 名犬ゆめも一緒に連れて、金沢警察署へ。窓口は、会計課の落とし物係です。
 カゴの中のオカメインコに面会すると、やはり、あのバノでした。
 でも、警察の人にとっては、鳥なんてみんな同じに見えるでしょうから、「本当にそう?」というような感じです。
 そこで、カゴから出して、「バノちゃん」と手に止まらせると、また元気よく飛び立ち、警察署の中を飛び回りはじめました。みんな、飛んでいるバノと、飛ばしたこっちを注目。「受けてる!」じゃないだろ。
 窓の高いところに止まったバノをやっと手に止まらせ、再びカゴに入れると、近くにいた赤ちゃんをだっこした人が、
「わあ、かわいい。見せてくれますか」
とカゴに近づいて、赤ちゃんと一緒にバノをずっと見ていました。
 警察署の人に、お礼のお菓子を持ってきていたのですが、「これは、仕事だからいいんです」と受け取りません。日本の警察は清廉です。

 それから、バノを車に入れて、ゆめと一緒に港南台まで約20分、教室に帰ってきました。
 帰ってから、それまでひとりでいた文鳥のサクと一緒にすると、サクは大喜び。早速、バノの背中に乗って遊んでいました。

「バノちゃん、もう飛んでっちゃだめだからね」
というか、飛ばしたおまえが悪いんだろ、という声がどこかから聞こえてきそうな夏の午後でした。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
息抜き(19) 

コメント欄

コメントフォーム
再び、バノの大冒険 森川林 20140712 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
らりるれ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「らりるれ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
息抜き(19) 
コメント1~10件
昔テレビで一億 森川林
最近の研究では、ゲームは頭をよくするということが言われていま 7/17
記事 2968番
昔テレビで一億 匿名
最新の医学研究でYouTubeを筆頭としたスマホコンテンツが 7/10
記事 2968番
掛け声だけでな 森川林
 あおさん、ありがとう。  読書会、確かにいいですね。 6/12
記事 5344番
掛け声だけでな あお
読書会っていいと思います。私は2年ほど前から地域の読書会に入 6/10
記事 5344番
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
「この世」と「 ゆめ
「この世」からは「あの世」がとっても高くて遠いところにあるよ 7/25
ゆめ日記
SBペイメント 森川林
 クレジットカード支払いの仕組みを探して、SBペイメントに頼 7/25
森川林日記
「作文検定」は 森川林
 現代用語研究会が、「作文検定」という名称を使っているので、 7/24
森川林日記
ゆめ。 森川林
 ゆめ。 「ありがとう。楽しかった。たまに怖かったとき 7/23
森川林日記
2025年7月 森川林
■1.夏季休業期間中の授業と夏期講習の記事を載せまし 7/22
森の掲示板
読書のためのだ 森川林
読書のための本選びで大切なことは、 ストーリーの面白さでは 7/21
森川林日記
Re: 第十番 森川林
B 休眠に入った虫は、厳しい冬をただじっと耐えて乗り切る × 7/17
国語読解掲示板
朝日中高生新聞 森川林
朝日中高生新聞7/13の「天声人語で200字作文」で紹介され 7/14
森川林日記
第十番 冬が近 あういと
問三のBと問4のBが分かりません。 教えてください。 7/9
国語読解掲示板
読書のレベルを 森川林
 変な本を読んでいる子がいたので、聞いてみると、「ビブリオバ 7/6
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習