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記事 1168番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
小1の作文は、1、2行しか書けなくても褒めてあげる as/1168.html
森川林 2011/02/12 12:33 


 幼長の子のお母さんから相談がありました。「絵はたくさんかくのに、それを作文で表すことができない」ということでした。

 しかし、そういうときは、「絵がとてもよくかけたねえ」と褒めてあげるだけです。そのあと、だから、それを作文にどう書かせるかということまで求めなくていいのです。

 小学校1年生の子の作文は、最初はみんな2、3行です。絵をかくのに1時間ぐらいかけて、作文は2行ぐらいで終わりとなると、作文の勉強という感じがしないと思います。しかし、そういう子供たちがみんな学年が上がれば自然に長く上手に書けるようになっていきます。

 勉強には、成績として出てくる結果の部分と、その結果を出すために費やした努力という原因の部分があります。

 小学校低学年の普通の勉強、つまり、計算の練習や漢字の書き取りの場合は、結果と原因が結びついています。計算の練習をするから計算ができるようになり、漢字の書き取りをするから漢字が書けるようになるという関係です。

 しかし、こういう結果と原因が結びついている勉強は、レベルの低い間の勉強です。勉強の内容が高度になると、問題を解くから力がつくということはなくなってきます。問題を解くのは結果であって、解く以前の勉強が重要になってきます。

 作文の勉強も、勉強の結果と原因が大きく離れています。ここを多くの人が誤解しています。作文を書くから作文が上達するという面は、文章を書きなれるということでは確かにありますが、作文のほとんどは、書く以前の読む力をつける中で育っていきます。

 しかし、読む勉強をしているだけでは、書く力はわかりません。そこで作文を書きますが、それはその子の実力の結果ですから、その結果を直そうとするのではなく、結果はたっぷり褒めてあげるだけにして、原因の勉強である読む力をつけるようにしていくのです。

 作文の勉強がなぜ難しいかというと、作文は、穴埋め式の勉強のような作業的な勉強ではなく、自主的に何かを考えるという勉強だからです。作文は、自分で考えて書くという勉強ですから、うまく書けないときというのはどうしても出てきます。そこで、勉強のさせ方の工夫が必要になるのです。

 その工夫には、いろいろな方法があるので、もし家で作文を書いていて、うまく書かせられないときは、遠慮なく教室に電話をして聞いてください。

 工夫の方法の共通点をひとことで言えば、子供が楽しく明るく負担なくできるようにするということです。作文の勉強でそのような工夫の仕方がわかれが、作文以外のほかの勉強は簡単です。作文の勉強は、お母さんにとっては勉強のさせ方の勉強というふうに考えていくといいのです。

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本当の合否は、あとからわかる as/1167.html
森川林 2011/02/10 15:12 


 今年、中学入試を作文試験で受けた子から不合格の連絡がありました。よく書ける子でしたし、教科の成績もよかったはずで、勉強もよくがんばっていましたから、本人も納得できない気持ちがあったと思います。

 しかし、試験とはそういうものです。実力があっても、運が悪くて不合格になることもあります。大事なのはそれからです。

 不合格になったとき、勉強をやっていて自信があった子ほどくやしい思いをします。そのくやしさがばねになって、これからの勉強に生きてきます。すると、早い子では1年もたたないうちに、第一志望に不合格になっていてかえってよかったと思えるようになってきます。そして、ほとんどの子は、3年後、又は6年後の次の入試のときにはすっかり、その最初の不合格を克服して、逆に、「あそこで不合格になっていたから、それをばねにして自分が成長したんだ」と思うようになってくるのです。

 そして、そのように自分が成長するだけでなく、不合格になったことの痛みを知っているので、自分よりも弱い人に対しても優しい気持ちを持てるようになります。

 また、いつか、自分が大人になり、人の上に立つようになったり親になったりしたときに、部下や子供の失敗をより大きな視野で見てあげられるようになるのです。

 ですから、合格不合格の結果は、ただ第一ラウンドが終わったということに過ぎません。不合格になった人が、いつまでもその不合格をひきずって、「あそこで合格していれば、もっといい人生だったかもしれない」などと思っていては、第二ラウンドでも不合格です。

 たとえ、第二ラウンドではまだすぐに立ち直れなくても、第三ラウンド、第四ラウンドで、「あそこで不合格になっていたから、かえっていい人生になった」と素直に思える日が必ず来ます。

 本当の合格不合格は、何年もたってからわかってきます。そして、あとからわかった合格が、本物の合格なのです。

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同感です。 20110210  
素晴らしいアドバイスに感動しています。

森川林 20110212  
 失敗のあった人の方が味があるのです(笑)。

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記事 1166番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
国語、作文の苦手はあとあとまで続く―小1から国語、作文を得意に as/1166.html
森川林 2011/02/09 20:40 


 小学校1年生の国語の勉強は、まだ初歩的なものでだれでも楽しくできると思っています。ところが、このだれでもできる国語の勉強で、小学校1年生に既に大きな差がついています。それは作文を書いてみるとわかります。

 小学校の低学年では作文をじょうずに書く必要はまだないのですが、作文を書くと、その子の国語力がその作文に表れてきます。

 低学年のころは、漢字も読解もやさしいので、国語力の差は出てきません。だれでも同じようにできるので、だれでも国語の力があると思ってしまいます。しかし、実は表面に出ない大きな実力の差があるのです。

 なぜかというと、子供たちの家庭での日本語環境の差があるからです。毎日本を読んでいる子と、毎日テレビしか見ない子とでは、日本語の語彙力に大きな差があります。ところが、低学年の国語の勉強はやさしいので、どの子も同じようにできてしまいます。

 しかし、やがて学年が3年、4年と上がり、読む文章の質が変わってきます。すると、もともと国語の得意だった子は、国語の勉強が楽しくなりますが、あまり国語の実力がなかった子は、次第に国語が苦手になってきます。

 学年が5年生以上になると、国語力の差は決定的になってきます。しかし、このころに国語の勉強を始めようと思っても手後れです。というのは、国語の勉強は成果が出るまでに時間がかかるので、いったん苦手意識を持った子は、その苦手意識を得意意識にまで変えるのはかなり難しくなるからです。

 これが、算数数学や英語など、ほかの勉強と違うところです。算数数学や英語の勉強も、力をつけるために時間がかかるのは似ていますが、やり方さえよければ、中学生になってからでも2、3ヶ月の集中学習で苦手を得意にすることもできます。しかし、国語の勉強は、そういうわけにはいきません。

 ときどき、短期間で国語の成績を上げるという宣伝をする塾がありますが、実は少しだけ国語の成績を上げることは簡単です。読解のテストのコツを教えると、だれでもすぐに成績が上がります。しかし、その上昇は、本人の実力のあるところまでです。実力そのものを引き上げるというのは、決して短期間にはできないのです。

 国語の読解力については、それでも実力を徐々に上げていく方法があります。時間はかかりますが、毎日難しい文章を繰り返し読む練習をすることで、読解の実力は少しずつついていきます。しかし、作文力を上げるのはもっと大変です。作文の苦手な子が作文が得意になるのは、読解力をつけるよりも更に難しいのです。

 最近、通信指導の教室や学習塾などで、低中学年から作文を教えるところが増えてきました。教材はビジュアルで一見楽しく勉強できそうです。しかし、悪口を言うわけではありませんが(笑)、果たしてこれで国語力や作文力がつくのかというと疑問です。

 確かに、作文を提出すれば、赤ペンの添削がついてくるでしょう。しかし、赤ペンでただ褒めるだけの添削では上手にはなりません。また、赤ペンでただ間違いを直すだけの添削でも次第にやる気がなくします。また、このようにただ書かせて赤ペンで直すだけの指導では、子供が作文を提出するという意欲を持てなくなります。

 すると、結局、楽しそうな感じがして始めてはみたものの、やはり続かなかったということになり、しばらくやっていた期間は何のプラスにもならなかったということになります。

 国語、作文の勉強は、方針を決めて取り組む必要があります。言葉の森の作文の勉強は、小学校1年生から高校3年生まで一貫した教材で行っています。そして、実際に、小学校低学年から大学受験まで言葉の森で勉強を続けられてよかったという子がかなりいます。国語、作文のようにあとまで響くものほど、最初にしっかりした方針で勉強をしていく必要があるのです。

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