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森林プロジェクトでの作文の勉強の進め方 4 「新しいスタイルの作文発表会で、子供の成長を中心にした社会に」 as/1484.html
森川林 2012/03/13 20:43 



 作文の勉強は、普通、作文を書き終えたあとの評価までで終了します。作文を書き終えたあと、その作文を発表する機会というものはこれまでもありましたが、それは双方向のコミュニケーションの乏しいもので、それほど子供たちの関心を引くものではありませんでした。

 しかし、現代の情報ネットワーク環境を利用すれば、この発表とコミュニケーションを結びつけていくことができます。そのやり方は、次のようなものです。

 まず、子供が書いた作文の中を月に1回清書させます。その清書には、できればその子のかいた絵も入れておきます。また絵と文章以外に、その作文の内容を典型的に表している部分を大きく四行詩のような形で書き出させておきます。

 なぜ絵や四行詩を作文に付け加えるかというと、一目でその作文の印象を見ることができるからです。発表会で、文字だけの作文がずらっと並んでいても、なかなか読む気はおきませんが、絵や四行詩が書いてあると、その印象で中身の作文も読みたくなることが多いからです。

 そのように仕上げた清書を、インターネットを利用して、発表会用の掲示板などにアップロードします。今は、画像以外に、動画なども手軽にアップロードできるようになりました。だから、子供が自分の作文を暗唱して、原稿を見ずにスピーチするような発表の仕方もできます。

 発表会の掲示板などにアップロードされたA君の作文を見て、Bさんの親子がコメントを書きます。すると、A君の親子もそれを見て、今度はBさんの作文にコメントを書きます。このように、発表とコミュニケーションを両立させていけるのが、SNS時代の作文発表会です。

 従来の作文発表会では、全員の作品を並べるだけでしたから、発表会らしいまとまりをつけるために、コンクールやコンテストで優秀作品を選ぶという形になりがちでした。しかし、この優秀作品を選ぶという方法は、大多数の子供にとって何の意味もありません。そして、書くこと自体が好きで書いている子供たちにとっては、かえってマイナスの面も大きかったのです。

 コンクールより、もっと手をかける方法としては、先生が一人一人の作文にコメントを書くということも考えられますが、そういう無理なやり方は長続きしません。SNS型の双方向の発表会であれば、どの子も同じように主人公として参加できます。

 そして、この動きがもっと広がれば、その子の書いた作文を、家族や友達が見るだけでなく、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんが見てコメントを書くこともできるようになります。近所のおじさんやおばさんがコメントを書くというケースも出てくるでしょう。

 これが、子供の成長を中心にした社会作りにつながっていきます(「大人の仕事を中心にした社会」から「子供の成長を中心にした社会」へ)。そして、この場合、子供の成長とは単なるペーパーテストの成績のことではありません。子供たちにとって最も大切な、日本語で読み書き考える力と、創造性の精神と、他人に共感する力を育てていくことになります。

 こうして、日本の社会のすみずみまで作文文化が広まったとき、日本は、世界中の人々の理想となる、新しい知性と愛と創造の国になっているのだと思います。


(写真は「SOZAIjiten」より)

 お皿にのせるときは、並べ方の工夫も大事。

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学校に子供を合わせるのではなく、子供に学校を合わせよう。(facebook記事より) as/1483.html
森川林 2012/03/13 07:18 


 小鳥たちはいいなあ、学校に行かなくてもいいし、
 と思っている子も多い。
 学校に子供を合わせるのではなく、
 子供に学校を合わせよう。

 昨日、保護者からの電話の相談の中で、「実はしばらく前から学校に行かなくなって」という話がありました。

 自分自身の小学校時代を思い出しても、学校に行きたくない日というのはよくありました。

 でも、なぜ我慢して行ったかというと、かわいい子がいたからです(笑)。

 では、なぜ行きたくなかったかというと、枠にはめられた時間と空間が息苦しかったからだと思います。

 椅子に座って先生の話を聞いているのが退屈でたまらないので、授業中はいつも教科書に落書きを書いていました。

 勉強の目標と教材だけを与えて、方法は自由というのが人間らしい勉強の仕方だと思います。

 学校では、方法だけが厳格に与えられるところがあるのです。

 しかし、もちろんそういうところが「学校らしくて好き」という子もいるでしょう。

 いろいろなスタイルの学校を自由に選べるのがいいのかもしれません。


 ということで、今日のテーマは学校。

1、学校についてひとこと、
 又は、
2、「が(っ)、こ、う」で五七五、
 又は、
3、何でも自由にどうぞ。


 社会の発展に必要なのは、自由な試みです。

 日本は特に、個人の自由な創意工夫に任せた方がうまくいく国なのですが、日本人が素直なせいか、すぐに規則や規制を作りたがる人がいます。

 東北大震災を見てもわかるように、日本は、基本的に規則の要らない社会なのです。

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記事 1482番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
森林プロジェクトでの作文の勉強の進め方 3 「子供たちが作文を書いているとき、書いたあと」 as/1482.html
森川林 2012/03/12 18:53 



 森林プロジェクトで子供たちに作文を教えるときの流れを書いています。
 これまでの記事は、
「森林プロジェクトでの作文の勉強の進め方 1」
https://www.mori7.com/okash/index.php?id=33
「森林プロジェクトでの作文の勉強の進め方 2」
https://www.mori7.com/okash/index.php?id=35



 子供たちが作文を書いているとき、ある程度スペースのある場所でしたら、巡回指導のようなことをします。子供たちが書いている様子を見るために、ときどき先生が机の間を回ります。そして、「きれいな字だね」とか、「長く書いているね」などと短く声をかけて励まします。小さなミスだったら、その場で簡単に直してもかまいません。しかし、基本は褒めて回ることです。この机間巡視は、時間がなければやる必要はありません。



 子供たちが作文を書いたあとの添削や評価はどうしたらいいのでしょうか。評価は、基本的に子供たちが自分で判断してやるようにします。構成の項目ができていれれば「枝」のマーク、題材ができていれば「葉」のマーク、表現ができていれば「花」のマーク、主題ができていれば「実」のマークを子供が自分で書くようにします。

 先生が作文に書く赤ペンは、項目のできているところ、表現や実例や感想がその子らしいところを中心に、◎をつけたり、傍線を引いたりします。誤字や誤表記があれば△をつけて直しておきます。しかし、すぐに直ることを要求しません。子供は何度も同じ間違いをするからです。

 作文に表記のミスがあるのは、読む練習がまだ不足しているからです。読む練習を重ねていけば、何も注意しなくても自然に直ります。又は、一言の注意だけで直ります。しかし、読む力が不足しているうちは、何度同じことを言っても同じ間違いを繰り返します。そのときに、注意だけで直そうとすると、親や先生がだんだん叱るような直し方になるので、子供の方も注意されることに対して負担を感じるようになります。

 勉強は、早く上達させようとするとかえって長続きしません。気長にゆっくり直していくようにすると、いつも穏やかに指導をすることができます。



 評価する項目は、事前に指導した項目の出来具合だけにとどめます。事前に指導したことを、事後に評価するというのが教え方の鉄則です。指導と評価が一致していれば、子供たちは安心して作文を書くことができます。

 よくない例は、次のような指導と評価です。

 例えば、「会話を入れて書こう」とし指導していて、子供が会話を入れて書いた作文を持ってきたとき、「確かに会話は入ったけど、字が汚いねえ」と評価するのは、評価のルール違反です。

 逆に、事前に、「ていねいに書こう」としていて、子供がそれなりにていねいに書いて持っていったとき、「確かに字はていねいになったけど、字数が短いなあ」などと評価するのもルール違反です。

 要するに、事前に指導していないことは評価しないということです。評価する必要があった場合は、それは次回の指導に回して、指導したあとに評価するという形をとるようにします。



※次回は、作文の発表会。

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