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読解力には段階がある(2) as/3381.html
森川林 2018/08/18 07:25 

 創造的読解力とは、文章に書かれているものを、その文章の他の部分との関連の中で読み取るだけでなく、自分自身の実際の体験や自分の考え、またこれまでに読んだ他の人の考えなどと関連させながら読んでいく読み方です。

 この読み方が読解力の究極の読み方で、これは文章を読むというよりもその文章を通して自分の考えを発展させていくという文章と対話するような読み方です。

 国語の本質は、この考えることと、考えを創造することにあるのであって、単にその文章の中の論理の流れをたどっていく読み方ができればいいというのではありません。

 子供たちの読解力が低下しているという場合、問題になるのは論理的読解力のレベルではありません。
 それは、練習をすれば比較的容易にできるようになるからです。

 何が問題かというと、ひとつは、論理的読解力以前の逐語的読み方さえできない子が現れてきていることと、もうひとつは、論理的読み方のあとに来る創造的な読み方に進もうとしない子がいることなのです。

 この二つは、現代社会の特徴から来ているように思います。
 逐語的読解力がない子の場合は、文章を読むという機会がないまま成長し、テレビやネットで映像と音声を含めた情報だけはよく知っているということがあるのだと思います。
 だから、話をしている分には、普通の同じ学年の生徒と同じなのですが、いざ文章を読む段階になると、ほとんど読み取れないということが起きてくるのです。

 創造的読解力がない子の場合は、やはりインターネットなどで豊富な情報に接することによって、右のものを左に移すようなコピー・アンド・ペースト的な読み方にとどまっているせいだと思います。
 読むものが少なければ、そこでいろいろと考えながら読むことができるのですが、読むことがあまりに多く、しかもそれらがいずれも密度の薄い文章である場合、考えて読むよりも速読でこなすという読み方になるのです。

 では、この二つの読解力の不足をどう克服していったらいいのでしょうか。
(つづく)

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森川林 20180818  
 子供たちの読解力が低下しているといった場合、それは論理的読解力の問題ではありません。
 論理的以前の読解力と、論理的以降の読解力にこそ本当の問題があるのです。
 この両者は、現代のビジュアル社会と、ネットコミュニケーション社会が生んだ新しい教育の問題だと思います。
 これは、具体的には、例えば、「youtubeばかり見ていて、本を読もうとしないんです」というようなお母さんの悩み事相談に表れています。

nane 20180818  
 私は、勉強というものは、誰でもいつでもどこでもできるものであるべきだと思っています。
 だから、特定の教材が必要だという形の勉強はあまり賛成しないのです。
 読解力をつけることについてもそうです。
 特別の教材などは全く必要なく、必要なのは、普通に手に入る国語の入試問題集だけです。
 そして、余分な説明のないこの問題集と解答集のセットが、最も密度の濃い教材になるのです。

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森川林 2018/08/17 10:47 
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 以前、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」という本を紹介し、「読解力をつけるためにどうしたらよいか」という記事を書いたことがあります。
https://www.mori7.com/index.php?e=3218
 今回は、その続きです。

 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で主に取り上げられていた読解力は、読解力の一部である論理的な読解力です。
 読解力には、実はさまざまな段階があり、論理的読解力はその一つの段階に過ぎません。
 そして、論理的読解力は、ある程度の訓練で比較的容易に上達させることができるのです。

 では、読解力にはどういう段階があるのでしょうか。
 第一は、文字を読んで逐語的にその文字と前後のつながりを理解するという意味でのきわめて基本的な逐語的読解力です。
 幼児や小学校低学年の子が声を出しながら本を読んでいるときは、この逐語的読解力が形成されている時期にあたります。

 この時期をすぎると、言葉を字面の上で読むだけでなく、自分の経験や知識に結びつけて文章の内容に共感しながら読んでいくことができるようになります。
 これが主に物語文の共感的読解力です。

 その共感的読解力と並行してついていくのが、説明文の読み取りに必要な論理的読解力です。
 これは、文章の中にある語句と他の語句が、どういうふうに結びつきながら展開されているのかを読み取る読解力です。
 これが国語の読解問題などによく出される論理的読解力で、これは問題を理詰めに解く解き方を教えると、誰でもすぐに力がつくようになります。

 論理的読解力をつけるための最もよい教材は、入試の選択問題です。
 選択肢の合っていないところがなぜ合っていないのかということを理詰めに説明することでこの読解力がつきます。

 この練習には、何も特別に論理的読解力をつけるための教材などを使う必要はありません。
 ただ市販の問題集を使って解答と見比べながら、なぜ正解となっていないところが正解でないのかという理由を考えるという練習をしていけばよいのです。

 言葉の森が、以前、センター試験国語満点講座を行っていたときの練習法がこのやり方で、この練習によってどの高校生も短期間で例外なく国語の点数を大幅にアップさせたのです。(この講座は、いつか小学校高学年、中学生、高校生を対象にまた企画したいと思います。)

 さてしかし、読解力は、これで終わりではありません。
 共感的読解力、論理的読解力のあとにくるものが、最も本質的な創造的読解力なのです。
(つづく)

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森川林 20180817  
 国語の読解力とは、単に論理的に読み取る力だけではありません。
 今問題となっているのは、それ以前のもっと基本的な読解力です。
 論理的に読み取る以前の段階で読み取れない子が増えているのです。

 また、もうひとつの問題は、論理的に読み取ったあとにつけるより高度な創造的読解力です。
 実は、この読解力が本質的な読解力なのです。
https://www.mori7.com/index.php?e=3380

nane 20180817  
 論理的な読解力をつけるのに、特別の教材などは必要ありません。
 ただ入試問題集と解答さえあればよいのです。
 なぜ入試問題集かというと、入試問題は厳密に作られているからです。
 厳密に作られているからこそ、理詰めに論理的に解くことができるのです。
 入試問題以外の国語の問題は、問題作成者の主観が入っている場合がかなりあります。
 だから、問題作成者と相性のいい子は、得点が高くなることがあるのです。

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