小学6年生で受験中の生徒は、まだ中学の勉強の先取りの余裕はありませんが、特に受験をしない生徒に関しては、早めに中学の勉強の先取りをしておくといいと思います。
中学の勉強の数学、英語は、最初のころは基本的なことがらなので、問題集の解説を読めば自分で進めることができます。
中学生用の教材中1~中3には、標準新演習と発展新演習があります。
標準新演習は、「教科書内容や入試頻出問題を取り入れ、公立高校入試で合格するための工夫が満載」という説明です。
発展新演習は、「標準的な問題から発展的な難問までこの1冊で! 私国立高校受験の対策に最適」となっています。
発展新演習の難問には、かなり難しいものもありますが、発展新演習の標準的な問題を中心にやっていくこともできます。(標準問題はA、発展問題はBとなっているので、Bは飛ばしてAを中心にやっていくということです。)
数学が苦手か普通の人は標準新演習、数学が普通か得意の人は発展新演習でやっていくといいと思います。
いずれも、1冊を5回を目安に繰り返し、その問題集を完璧に仕上げることが大事です。
学校や学習塾では、次々に新しいプリント類が渡されることがありますが、いろいろな問題をただこなすだけというのが、最も能率のよくない勉強です。
「1冊を完璧に」ということをいつも思い出してやっていってください。
教材の注文は、こちらのページからできます。
(中学生の教材については、新年度も変更はありません。)
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
●動画:
https://youtu.be/ddrU3MH-eYo
言葉の森の教育理念は、偏差値という基準ではありません。
今の教育は、受験のための学力となっていますが、大事なことは実力のための学力です。
受験のための学力とは、他人との競争に勝つために、間違えやすい問題を間違えないというクイズを解くような学力です。
それは、今の受験がそういう試験を作り、学校や塾がその試験に対応するために、クイズを解くような知識を詰め込んでいるからです。
しかし、振り返ってみればわかるように、小中高と勉強してきたことの中で、社会人になってからのものの考え方に生かせないものはかなりあります。
例えば、中学の理科の試験でよく出てくる植物の維管束でどちらが導管でどちら師管とか、単子葉植物と双子葉植物でどう違うかというようなことです。
私(森川林)は生物が好きだったので、今でもよく覚えていますが(笑)、こういうことは知識として知っていてもいいが、すぐに忘れてもいいことで、思い出したかったらネットで調べればいいことです。
それを、試験という形で微妙な問題を出して、本当に覚えているかどうかチェックして評価するというのは、時代遅れだと思います。
もちろん、勉強は、しなくていいのではありません。
古文も漢文も根の公式も、一応勉強していると、生かせることがあると思います。
(私は、森リンのプログラムを作っているときに、根の公式を知っていてよかったと思ったことがあります。そのかわり、いろいろな因数分解の仕方は、試験のための知識であって、何も役に立たないように思いました。)
本当の勉強は、受験の偏差値のための勉強ではなく、将来の創造のための勉強です。
高校生でときどき、「○○という教科は、自分の受験には出ないから手を抜く」という人がいます。
これは、勉強の目的を、将来の創造のためと考えるともったいないことです。
勉強は、目先の損得でするものではなく、自分自身の向上のためにするものです。
日本の中学、高校の教科書のレベルは、かなり充実しています。
社会人として必要な一般教養は、たぶん中学までの教科書を読んでいれば間に合います。
ただし、社会の教科書に関しては、価値観の違いがあるので、偏ったところもあります。
あとは、社会人になっても、毎日の読書を欠かさないことです。
これからの学力は、試験のための学力ではなく、将来の創造のための学力、つまり本当の実力のための学力と考えると、勉強の方向がはっきりすると思います。