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作文教育の意義と方法(その1) as/483.html
森川林 2009/05/08 11:44 

 文章を書くことについて、与え手と受け手の多少で次のような歴史が描けます。

    ┃受け手
    ┃多┃少
━━━━╋━╋━
与え手多┃3┃4
   ━╋━╋━
   少┃2┃1

1、昔は師が弟子に直接口頭で教えました。(与え手少、受け手少)
2、書物によってより広く教える方法が生まれました。(与え手少、受け手多)
3、インターネットの時代は、多く人が多くの情報を検索して学ぶことを選べるようになりました。(与え手多、受け手多)
4、将来は、構成図と作文によって書くことが学ぶことになり、相対的に書き手が読み手より多くなります。(与え手多、受け手少)
 このそれぞれの段階を、文章を書く意義にあてはめることができます。文章を書く意義も、人生の意義と同じように、人間の幸福や向上や創造や貢献とつながっています。

 さて、作文教育の重要な意義の一つとして、創造というものを取り上げてみます。
 創造的な文章の反対は、伝達の文章です。自分の知っていることを、知らない人に伝えるという役割の文章が伝達の文章です。右のものを左に移すような伝達の文章にもその役割がありますが、それは個人の役割というよりも、主に社会におけるメディアの役割になります。
 創造的な文章が個人の文章の主な役割だと言っても、文章における創造は、必ずしもその個人の中だけでの創造とは限りません。文章における創造は、社会全体の中での創造として考えられるべきものです。つまり、他の人の創造の材料を提供することも、創造の一つの要素になります。
 創造的な材料を書くためには、真実を書くことが大切です。ベーコンは、「読むことは人間を豊かにし、書くことは人間を正確にし、話し合うことは人間を役に立つものにする」と述べました。ここで言われている書くことの正確さが文章の真実性で、その正確さが社会全体の創造の足がかりになるということです。
 したがって、作文教育には、個人における教育としての面と、社会における文化としての面の両方の面があります。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を、音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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記事 482番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
簡単にできる暗唱カウンター as/482.html
森川林 2009/05/07 11:27 
 家庭で長文を暗唱するときに、タイマーを使うことが多いと思います。
 しかし、タイマーだと人数が多いときにかえって不便です。また、自分が今どれくらいまで読んでいるかわかりにくいということもあります。
 そこで、紙で簡単に作れるカウンターを紹介します。
 このカウンターで100字の文章を30回読むと、10分間読んだことと同じになります。カウンターを使うと、読んだ回数が目に見える形で残るので励みにもなります。
 暗唱は、覚えることが目的ではありません。同じ文章を繰り返して読むことによって読みの吸収力をつけることが目的です。毎日30回を目標に長文の暗唱をしていきましょう。(ただし、300字の場合は1日10回が目標になります)
1、A4ぐらいの大きさの紙を用意します。新聞のチラシなどでも可。2、物差などで4分の1ぐらいに切ります。これで4人分又は4日分作れます。
3、縦に二つ折りにします。4、裏返して1センチぐらに折りたたんでいきます。5、どんどん折りたたみます。
6、15回ぐらい折ると完成です。7、暗唱を1回読んだら1回開きます。手に持っていても机の上に置いておいてもいいです。8、全部開くと15回読んだことになります。
9、開いたのをまた折りたたむと往復で30回になります。10、時間のかかるものは途中に回数を記録しておいてもいいです。11、往復の場合も途中に回数を書いておくことができます。

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記事 481番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
曇りを取る教育はどのようにして可能か(その3) as/481.html
森川林 2009/05/06 08:56 
 通常の人間の脳は、次々と雑多なものを受け入れています。この雑多なものを受け入れすぎないようにコントロールするために、吸収力そのものに曇りがかかっています。つまり、あまりにいろいろなものがたくさん入ってくるので、すべてを浅く吸収して、どれにでもすぐに対応できるようにしているということです。それは、重要な大魚を確実に捕まえられるように、たくさん来る小魚は軽く見逃しておくというような対応の仕方です。
 動物は、自分の生存に必要なものしか認識しないので認識が透明です。例えば、ライオンは、獲物のシカしか見ていません。ライオンが目の前のタンポポや空に浮かぶ月や星をしみじみと眺めるというような光景は、絵本の中でしか考えられません。
 ところが人間は、シカもタンポポも月も星もどれも同じように見て同じように認識しています。この人間の持つ知的に物事を認識するという能力自体が、曇りを生み出しています。もし曇りがなければ、自分の生存に必要でないものを見すぎてしまうからです。
 アルキメデスは地面に図をかいて考えているとき、その図を踏みつけた兵士に注意して殺されました。このようなことにならないように、人間は、様々な情報を軽く受け流して、肝心な情報をいつでもしっかり受けとめられるようにするという能力を身につけてきました。
 アルキメデスと同じようなことは、子供時代には多くの人が経験しています。子供のころには、何かの本に熱中していると近くで呼んでも聞こえないということがよくあります。そういう状態が曇りのない状態です。関心を持つものに対して吸収力が全開状態になるので、ほかのものが目や耳に入らなくなるのです。
 ニュートンは、考え事をしていて、卵の代わりに時計をゆでてしまいました。これも認識の曇りのない状態です。
 南方熊楠は、八歳のころから、読んだ本をそのまま思い出して書き出せるほどの優れた記憶力を持っていました。しかし、伝記を見ると奇行というほどのものではないとしても、やはり常人とは違うバランス感覚のあまりない生活をしていたようです。
 サヴァン症候群では、特定の分野に異常に優れた記憶力を持つ人が多いことが知られています。
 ところが、これらの例に見られるように強い吸収力を持っていると、生きる上で非効率的です。その結果、吸収力をほどほどに抑えておくために曇りというフィルターを通して物事を認識する能力が育っていったのです。
 しかし、先天的に曇りのない状態が成長後もそのまま続くとすると確かに不都合なことが多くなりますが、既に成長後の曇りのある状態になった人間が後天的に曇りを取ることができれば、それはバランスのある生活を伴った吸収力を育てることになります。
 この曇りをとる方法が、情報を遮断する方法です。ところが、人間にとって情報の遮断というのは難しいので、一つの情報だけに集中して他の情報は見ないようにするという方法が考えられます。「葉隠」に、無心というのは、心が一つのことに集中していることだ、というような話が出てきます。情報を遮断するというのは、一つの情報だけに集中することです。
 ライオンの関心がシカにしかないように、人間も例えば、一つの物事だけに集中することによって、ほかの物事に対する関心を遮断することができます。
 この、一つの物事に集中して、ほかの情報を遮断し、情報の吸収力を初期化する方法の一つが暗唱だと思います。
 こう考えると、暗唱は覚えることが目的ではないことがわかります。貝原益軒の百字百回の暗唱というのは、覚えることを目的にしているのでは回数が多すぎます。通常、百字の文章は十数回の音読で十分に覚えられるからです。しかし、なぜ百回繰り返すかというと、残りの八十数回分が認識の曇りを取って吸収力を強化する練習になっているからだと思います。暗唱は覚えることではなく、暗唱する過程そのものが一つの目的になっているのです。

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