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やがて「三十にして立つ」子供たち――子育ての年齢区分 as/3085.html
森川林 2017/11/08 05:28 


 「われ十五にして学に志し」から始まる孔子の言葉があります。
 この人生の区分は、多くの人にとって納得できるものです。

 15歳は、子供が初めて勉強に対する自覚を持つ時期です。
 それまでは、人に言われたり、褒められたり、叱られたりしながら、主に他人の意志で勉強してきた子供が、15歳を境にして自分自身で勉強する必要性を自覚するのです。
 昔、15歳が元服の時期で、その年齢から成人としてみなされるということも、この年代の持つ性格の故だと思います。

 「三十にして立つ」とは、30歳になると、自分ひとりで何か始める時期が来るということです。

 「四十にして惑わず」というのは、その自分の意志で歩き始めた道を、自分で選んだものとして続けて行こうという決心をすることです。

 「五十にして天命を知る」というのは、50歳になると、その自分の進んできた道が自分の天命で、これから行っていくことが自分の意志を超えたものだという気持ちになっていくことです。

 「六十にして耳順う(したがう)」とは、さまざまな否定的な事柄や障害や困難が出てきても、それを平然と受け入れて前に進むことができるようになるということです。

 子供を育てていく場合、この大きな年齢区分を前提に考えていくことが大切です。

 「十五にして学に志す」というように、子供が自分の意思で勉強の必要性を感じ、勉強の面白さに目覚めるのは15歳の中学3年生のころからです。
 だから、それまでの子育てはこの15歳の自立の時期にふさわしい準備をしていくことです。
 15歳までは根を張ることが大切で、まだ早く花を咲かせるような時期ではないということが、親が押さえておく最も大切な考え方だと思います。

 「三十にして立つ」というように、これからの社会では、多くの人が自分で独立して何かを始めるような生き方になると思います。
 それは、独立起業という形もあるでしょうし、副業やフリーランサーのような形もあるでしょうし、定年後の自立ということもあるでしょう。
 いずれにしても、他人や組織に依存するだけの生き方ではなく、自分ひとりの決断で生きていくような時期がやってくるのです。
 この自立のための準備が、15歳以降の人間の生き方になると思います。

 子育ては、年齢によって重点が大きく変わってきます。
 今は、多くの人が勉強や成績のようなところを重視していますが、それは人間形成のごく一部です。

 「三十にして立つ」ところまでを考えれば、勉強や成績よりもある意味で大事なことは、愛情のある生活、幸福な生き方、自主性のある行動、何かに熱中する経験、読書に没頭する時間、自然と触れ合う機会、友達と深く関わる経験などです。

 これらのバランスをいつも考えていくことが、十五にして学に志し、三十にして立つための子育ての大きな前提になると思います。


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コメント欄

森川林 2017年11月8日 5時29分 1 
 子育ての目標は、いい大学に入るところまでではありません。
 まして、いい高校に入ったり、いい中学に入ったりするところまでではありません。
 それが当面の目標になることはあり、そのために全力で取り組む必要が出てくることはありますが、本当の目標はもっと先にあります。
 では、その本当の目標の目安はどこかと言えば、子供が「三十にして立つ」ところまでだと思います。
 それは、子育て中の親が、まだ三十代か四十代かせいぜい五十代なので、それ以上先のことは子育ての問題ではなく自分の問題になるからです。


nane 2017年11月8日 5時31分 1 
 年端のいかない小さな子供を見るときも、その子が「三十にして立つ」様子を想定して見ることです。
 今は、親よりも、先生よりも、全く低いレベルにある子供たちが、やがて親や先生と対等になり、いろいろな面で親や先生を乗り越えていくようになるのです。


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