朝の空を飛ぶ鳥
言葉の森では、これからの教育の新しい変化の方向を目指す「プレゼン作文発表会」と「全教科無料自習オプション」の企画に、協力してくれる方を募集します。
協力の中心となるものは、オープン教育掲示板の管理運営のアシスタントです。また、各種facebookグループの管理運営のアシスタントをしてくれる方も募集します。
オープン教育掲示板とfacebookグループには、遊び、読書、勉強、行事、長文作成など、さまざまなテーマがあります。そのテーマに基づいて、子供たちの成長と学習に役立つ教材や方法を作成し、家庭や地域で誰もが自由に利用できるようにします。また、双方向の掲示板という特性を生かし、実践の中で生まれた質問、相談、新しい提案などの交流も行っていきます。
また、教科として確立できる性格のものは、検定試験のような評価方法を定め、その教材利用者で希望する人が検定試験に参加できるようにします。
未来の社会では、教育も含めてあらゆるものが無償になりますが、今の社会ではまだ全くのボランティアで時間を費やせる人は限られています。そのため、管理運営アシスタントに携わる人は、その検定試験を有償にしてその一部を運営手当を受け取れるようにすることも考えています。
したがって、言葉の森のオープン教育の企画への参加は、手弁当のボランティアというだけでなく、参加者個人にとっては、新しい社会貢献のビジネスの練習という性質も考えられると思います。
未来の社会の仕事の中心は、長時間の会社勤めから解放され、個々人が自分の個性を生かして行う短時間の文化の提供のようなものになります。あらゆるものが無償に近くなる社会の中でも、金銭という単位は残ります。その金銭は仕事を通しての交流を媒介するものという性質を持つようになります。
未来の社会では、農業や工業の生産は限りなく無人化され、生産物が自然環境のように無償に近い形で提供されるものになります。そして、産業の中心は、文化と観光に移っていきます。それは、人間の求める需要が、豊かな物やサービスから、豊かな自分を形成するための経験や教育へと変化していくからです。
新しい経験を提供する観光と、新しい成長を提供する文化が、未来の社会の需要の大きな部分を占めるようになります。それに対応して、人間の行う仕事の多くは、多様な文化を教育サービスとして提供するものになっていきます。社会全体がひとつの大きな学校のようなものになり、互いにさまざま分野の先生や生徒として教え合い学び合うことが仕事と生活の中心になっていくのです。
このような社会で生きる際に大事なことは、自分の個性を生かした分野で第一人者になることです。その場合の個性は、持って生まれた個性ではなく、かけた時間に比例して形成された個性です。かけた時間に比例したものであれば、それを人に教える教育サービスとして提供することができるようになります。
オープン教育掲示板の管理運営は、この個性の形成に時間をかけるきっかけと考えることもできます。ボランティアであると同時に、未来の自由な社会を生きる自分身への投資ともなるような企画にしたいと思っています。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。オープン教育(24)
青空と赤い百日紅
言葉の森では、これから来る社会と教育の大きな変革に向けて、変化の方向を先取りする具体的な企画を二つ考えています。
その第一は、作文の発表会を発展させ、プレゼン作文発表会を広げていくことです。プレゼン作文の発表を、言葉の森の通学教室だけでなく通信教室や森林プロジェクトの通学教室にも広げ、未来の日本の作文文化のひとつの形として提案していきたいと思います。
プレゼン作文発表会は、単にマルチメディアを利用したパフォーマンスではなく、家庭の文化、地域の交流に結びついたものとして発展させていく予定です。
第二は、全教科無料自習オプションを質量ともに広げていくことです。全教科の範囲には、国語、算数・数学、英語、理科、社会などの教科も当然含まれますが、それらの教科以外に、遊び、読書、躾、長文の音読暗唱、プログラミング、自然との交流、季節の行事、文化の伝承など、子供たちの全面的な成長に必要なものを幅広く取り入れていきたいと思います。
この全教科自習オプションも、通学教室から、通信教室、森林プロジェクトへと広げていきます。
子供たちの教育は、これからの社会も最も重要な柱になります。なぜなら、人間の成長と向上こそが、社会の発展と安定のもとになっているからです。
しかし、教育は限りなく無償に近いものになっていきます。それは、教育が、教材や先生や校舎に制約されたものではなくなるからです。
教材は、ネットの中でふんだんに作り出されるようになります。先生は、家庭と地域の身近な年長者が引き受けるようになります。校舎は、家庭の1室や地域の集会所などで間に合うようになります。ネットによる通信と、地域のミニ通学の組み合わせが新しい教育のスタイルになります。
こういう教育方式が、教育先進国である日本で成立すれば、それはそのまま世界に広げることができます。世界の発展の大きな障害となっているものは無知と貧困です。貧困は政治と経済の問題ですから、解決の手立てさえ決まれば、貧困の克服には時間がかかりません。しかし、教育は、これまでの教育スタイルで世界に広げようとすれば、膨大な予算と時間がかかります。未来の教育は、校舎を作り先生を確保し教科書を配布するという教育ではなく、無償のネット教材を家庭と地域で活用するという手間のかからない、しかし質の高いものになる必要があります。その新しい教育方法を、日本が開発し世界に広げるのです。(つづく)
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。オープン教育(24)
青空と白いサルスベリ
今、世の中が大きく変わろうとしています。それは、ひとことで言えば、人間社会の本来の姿に戻るという大きな変化です。
これまでは、その本来の姿を阻んでいたものがありました。それは、個人の生活においては、時間の制約と金銭の制約という形で現れていました。
しかし、これからは大きな流れの中で、その制約がなくなっていきます。つまり、時間にも金銭にも制約されない自由で豊かな社会が登場してくるのです。
それは、なぜかといえば、それらの制約によって成り立っていた社会の仕組みが、これから行き詰まってくるからです。
これまでの社会システムである資本主義は、人類の持つ生産力を大きく発展させました。しかし、その同じシステムが富の偏在を生み出すとともに、その偏って蓄積された富を社会の発展のためにではなく、社会の停滞のために用いるようになっていました。その不自然な状態が、富の循環という本来の状態に戻るのがこれからの社会の変化です。
自由で豊かな社会の発展によって、人間の生活は余暇が増え毎日が休日のようになってきます。また、人間の生活は物の不足によって不自由を感じることがなくなってきます。
そのような社会では、これまでの不足の時代を前提にした価値観は大きく変化します。この根本的な変化は、過去の延長上にある変化ではなく、過去がいったんすべてキャンセルされたあとの新しい創造的変化です。
6500万年前恐竜が絶滅したとき、魚類の進化の大爆発がありました。これまでの環境の制約がなくなったときの変化は、全面的かつ創造的なものです。そのときに大事なことは、まず最初に変化の方向を決めるということです。
前提となる環境があれば、その環境に対応することが変化の方向ですが、前提となる環境がなくなり、白紙のキャンバスに描くことが求められる時代には、変化の方向を自ら決めることが新しい環境になります。
自由と豊かさを阻んでいた大きな制約条件がなくなった社会では、教育に求められる方向も大きく変わります。新しい教育はまず、競争に勝つための教育ではなくなります。新しい教育の方向は、学力の向上とともに、創造性、共感力、社会貢献力を育てることを目指す教育になるでしょう。それは、人間の生きる目的が、もともと、幸福、向上、創造、貢献を人生の中で実現することだったからです。
そこで、言葉の森では、世の中の大変化より一足先に、新しい教育の方向を提案していきたいと思います。
変化の方向は、大きく四つ考えられます。第一は受験から実力へ、第二は学校や塾から家庭へ、第三は点数から文化へ、第四は競争から独立へ、です。
そして、教育の目的は、人間の生きる目的である幸福、向上、創造、貢献に対応して、共感力、学習力、創造性、社会貢献力を育てることになります。言い換えれば、教育の目的は、個性、知性、感性、実行を育てていくことになります。(つづく)
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
私は、個人的には、SPIRIT の力だと思います。SPIRIT の意味は、心、気、精神、霊魂です。この幅広い意味を持つ言葉は、罪を犯した人間にも新たに生きるパワーを与えてくれます。
ティーさん、こんにちは。
スピリットというのは大事だと思います。
特に、今は、そういうものが年々強くなっています。
だから、世の中がいい方向に進んでいるのだと思います。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。教育論文化論(255) オープン教育(24)