思考発表クラブでは、毎週15分程度の保護者懇談会を行っています。
そこで、子供たちの近況報告と質問や感想などを話してもらっています。
毎週の話なので、お母さんと先生とのやりとりよりも、お母さんどうしの話の中で参考になることも多いようです。
質問の中でよく聞くのが、やはり勉強面の悩みです。
それらの悩み事で共通していると私が思うのが、「○○が苦手だがどうしたらよいか」というものです。
勉強で苦手なことというのは、やっていないから苦手になっているだけです。
それを短期間で何とかしようと思うと無理が出てきます。
取り組むことを決めて、毎日短時間勉強する仕組みを作ればほとんどの苦手は克服できます。
この短時間の毎日という仕組みを作らずに、すぐにどうにかしようとするから難しいと思うだけです。
しかし、ここで考えなければならないのは、苦手と思われている勉強の中には、やらなくてもよいものもあるということです。
例えば、通信教育の教材などで勉強していると、小学校低学年のうちから、理科や社会の問題集もついてきます。
また、おまけでいろいろ特別な勉強などもできるようになっています。
そういう勉強はそれなりにしっかり作られているので、ついやらなければいけない気になってしまいますが、小学生のうちは、国語を得意にして、算数が普通にできるようにして、読書にたっぷり力を入れていけばそれで十分です。
それ以外の勉強をする時間があったら、もっと読書や子供の自由時間や多様な体験を充実させた方がいいのです。
それでもし、そういうおまけの教科が苦手になったとしても、それは本人がやるようになればすぐできるものですから心配は要りません。
本人がやる気になったときにすぐできるためには、その土台になる実力をつけておくことが大事です。
その土台の実力を育てるのが、読書や対話や経験なのです。
これは、受験勉強でも同じです。
小学校の低中学年のうちから、あるいは小学生のうちから受験に向けた勉強をしていつも時間に追われているような生活をしていると、肝心の実力が育ちません。
大事なのは、今の成績を上げることではなく、将来役立つ実力を育てることだという意識を持って子供の勉強を見ていく必要があると思います。
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学力テスト(模試)の点数が低くても気にしない
https://www.mori7.com/index.php?e=2199
言葉の森で年に数回行っている全国学力テスト(模試)は、平均点が60点前後になるように作られています。これは、模試という性格上、受験の合否を測定するために、点数の差がつくように作られているからです。
学校などで行われるテストは、到達度を見るためのテストなので、百点を取るのが普通です。学校でのテストだけしか受けていなかった子が、模試を受けてその点数の低さに驚くことはよくあります。
しかし、模試で見る受験用の学力は、受験期に本気になって取り組めばすぐに成績の上がるものです。そのテスト用の勉強をすれば誰でもすぐにできるようになりますが、そのテスト用の勉強をしていなければ、どんなに実力があってもできないことが多いのです。
模試のテストの正確は、クイズやパズルに似ています。初めて見るクイズをすぐに解ける人はまずいません。そういうものでは、クイズにならないからです。ところが、いったんその答えを教えてもらうと、次回からはすぐに解けます。答え方がわかれば何ということもない問題でも、最初は解けないのが普通なのです。
全国学力テストの成績が悪くてがっかりしている子がいたら、お父さん、お母さんの方でそういう事情を教えてあげるようにしてください。
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子供が低学年のうちは、やらせれば何でもよくできるようになります。
しかし、今の成績の延長に将来の成績があるのではありません。
低学年のうちは、成績を上げることよりも実力を育てることを第一に考えていく時期です。
そして、今の勉強の仕組みでは、実力と成績は、往々にして相反することもあるのです。
低学年のうちに勉強をさせすぎる弊害は、学年が上がるにつれて勉強が忙しくなることです。その結果、すべてに手を抜いてそこそこにやるようになってしまうのです。
大事なことはこの逆で、低学年のうちは時間を考えずに熱中できることをさせるようにするといいのです。
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プレゼン作文発表会を5月27日(土)の13:30から行います。
参加の仕方の案内は、本日、参加予定者にメール便でお送りしました。
https://www.mori7.com/hpk/
当日は、言葉の森のホームページにgoogleハングアウトのリンクができますので、そこから入って参加してください。
googleハングアウトを初めて利用するという方は、事前に接続練習ができますので、事務局までご相談ください。
発表は、youtubeに動画として既にアップロードされているものを順番に紹介します。
その紹介のあとに、参加されているみなさんに質問や感想などを述べていただきます。
質問や感想は、一緒に参加されるお父さんやお母さんもしてくださって結構です。
また、田舎にいるおじいちゃんおばあちゃんも一緒に見学や参加ができます。
みんなで楽しい発表会にしていきましょう。
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作文で金賞とか銀賞かという評価をつけるのは邪道のような気がします。
どの作品もその子の個性があるのですから、みんな同じ参加賞でいいのです。
子供は賞をもらうのが嬉しいのではなく(そういう喜びももちろん世の中にはありますが)、自分のことを発表して、ほかの人と交流することがいちばん嬉しいのです。
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小4の6月1週の課題は、「私の父(母)」です。父の話を書くのですが、書きにくい場合は母の話でもかまいません。
ところで、父の話というのは、普段あまり接点がないので書きにくいものです。
そこで、父に関する動画を集めてみました。
これを見ると、こういうお父さんは確かにいるなあ。自分もそうだし(笑)、という感じがします。
子育ては、お父さんだけでも、お母さんだけでもなかなかうまく行きません。
厳父慈母という言葉がありますが、それぞれ役割が違っているところが、子供の成長に役立っているのだと思います。
以下、小4の思考発表クラブで紹介したyoutubeの動画です。
▽おもしろ画像:父親と母親の子育ての 違いを描いた10枚の比較 写真に男性の冷や汗が 止まらないと話題に
https://youtu.be/6llG2w53VHw
・40秒あたりから。
▽父親だけで子守をさせないほうがいい理由がわかる写真20枚
https://youtu.be/gY-ubQzMWI0
・みんなのお父さんも似ているかな。
▽世界のナイスなパパたち、一瞬の行動がかっこいい
https://youtu.be/UsURKRbGu-0
・カッコイイ?お父さんもいる。
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子供にとって、父親というのは作文にはちょっと書きにくい題材だと思います。
しかし、このyoutube動画を見れば、「あ、うちのお父さんもそういうところがある!」というヒントになるでしょう。
お父さんは、お母さんと比べて、変なところがたくさんある代わりに、格好いいところもたまにある存在なのだと思います。
うちも、子供には結構変なことをしてきました。子供と一緒に山道を歩いていて、子供が道の横の溝に落ちてズボンが濡れてしまったので、クズの葉で腰蓑を作ってやりそのまま帰ってきたりとか。子供も男の子だったので、結構適応していました。しかし、そのわりに、父と違ってまともな子になってしまいましたが。
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