引力が距離の2乗に反比例するのは、表面積=4×π×半径の2乗だからです。
スマホでも、お菓子でも、漫画でも、距離が近くにあればあるほど手を出したくなる力が強くなります。
距離を離せば、それだけで引力は急速に弱くなります。
だから、例えば、いくらでも使っていいが、使ったら隣の部屋に置いておくというルールにするのです。
親が禁止するという外的な強制は、強制がなくなれば元に戻ってしまうので、根本的な解決になりません。
子供の自主性を育てるためには、物理的な法則を教え、その法則を生かす工夫をさせていくことです。
それは、人間の身体が物理的世界に属しているから、心の力だけではどうにもならないことがあるからです。
そういう工夫は、子供が、自分で自分をコントロールしなければならない年齢になったときに生きてくるのです。
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先日の保護者懇談会で意外に多かった質問が、子供が誘惑に弱いのでどうしたらいいかということでした。
誘惑に弱いのは、大人も同じです。
その大人の工夫の仕方を子供に教え、それによって子供が自覚的に誘惑と共存できるようにするといいのです。
誘惑に弱いというのは、生きる力があるからです。
最近、再開されたロボット犬アイボは、たぶん誘惑には負けません。
言葉の森のペット犬ゆめは、すぐ誘惑に負けます。
誘惑に弱い子は、人間的な子なのです。
静止摩擦力は、動摩擦力よりも大きいというのも、応用できる法則です。
作文を書くという重い作業をする前に、軽い作業が一つ入ると、やりやすさがかなり違ってきます。
だから、先生の電話指導があります。
それなのに、子供がゆっくり休んでいるときに、突然思いつきで、
「そんなにのんびりしているなら、宿題の作文書いちゃいなさい」
などと言うお母さんが意外と多いのです。
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先日、森林プロジェクトの会合で、作文教室を開いている先生からいろいろな話を聞くことができました。
その中で共通していた大事な指導のコツは、事前の予習を重視するということでした。
作文の勉強をしに来る生徒が、ただ単に教室に来れば指示が与えられて作文を書くだけというのでは、よい作文は書けないのです。
これまでの作文指導の多くは、ただ書かせて、書かれたものを赤ペンで添削し、その添削をもとに生徒がよりよい表現を考えるという、どちらかといえば復習的な勉強を中心としたものでした。
この作文の事後的な見直しというものは受験作文の練習をする時には大切ですが、通常の作文指導では重視していません。
それは第一に、書いた文章見直すというのは、子供にとっても、また大人にとっても退屈な作業だからです。
そして第二に、その退屈な作業の割に、添削された箇所を直して作文が上手になる度合いはかなり限られているからです。
作文で大事なところは、骨格となる構成と、肉付けとなる題材です。
この骨格と肉付けは、作文を書いた段階で決まってしまうので、事後的に直すのは表面に現れる表現だけになります。
骨格と肉付けが決まっているものを、表面だけ直しても上手になる度合いは限られています。(※)
そこで大事になるのが、事前の予習なのです。
※言葉の森は、作文を次の要素に分解して指導しています。
1.構成、2.題材、3.表現、4.主題、5.表記、6.字数、7.内容
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作文に予習を取り入れるというのは、言葉の森が初めて行ったことだと思います。
それまでの作文指導は、事後的な添削が中心でした。
今でも、作文の指導というと、赤ペンの添削を思い浮かべる人が多いと思いますが、その添削というのは、作文指導のごく一部です。
そして、添削は、赤ペンを入れる先生の苦労のわりに、生徒にとって役に立つのはごくわずかなのです。
それは、生徒の文章力がまだ発展途上にあるからです。
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世の中には答えがある限られた問題だけではなく答えのない無数の問題が存在しています。
子供たちが成長して社会で活躍するときに大事になる勉強法は、何よりもまず熱意を持って取り組めるかどうかということです。
その熱意は、子供時代からの熱意の持った経験の中で作られて行きます。
先日思考発表クラブの準備に時間がかかるという話を書きましたが、この時間のあかる準備を子供たちが喜んでやっているのは、その勉強に熱意を傾けるものがあるからです。
その熱意の源は、自分の発表と他の友達との交流なのです。
オンラインの教育は、前評判のわりに、現在あまりうまく進んでいないように見えます。
ひとつの弱点は、低コストで高品質なものを提供しても、子供たちは飽きるということがあるからです。
一方、先生と生徒の関わりを大事にする個別指導では、コストがかかるようになるという弱点があります。
また、生徒どうしの交流は、それなりに子供たちを喜ばせますが、交流だけが目的になると、参加者の中のより安易な共通点でまとまる面が出てきます。
大事なことは、子供たちの勉強を、発表する形の勉強につなげていくことと、その発表を通して他の友達との交流を図ることです。
これまでの勉強は、発表を前提にしたものではなく習得を前提としたものだったので、テストの評価のように一律の枠組みの中で行われていました。
このようなテストの点数の発表は、交流のきっかけにはほとんどなりません。
習得するだけの勉強は、これからは自学自習で行い、その一方で発表する勉強を少人数の交流の中で行うというスタイルのオンライン教育がこれから必要になってくると思います。
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途上国には、満足に学べない子供がいます。
しかし、それは途上国の問題です。
先進国には、学ぶことにあきた子供がいます。
それが、先進国の問題です。
途上国に、日本の教育を輸出するという話がありましたが、肝心の日本の教育が今行き詰まりつつあるのです。
これを打開する方法の一つが、熱意を持って取り組めるオンライン教育になると思います。
しかし、オンラインと熱意とコストというものは、今はまだうまく結びついていないのです。
その話を、今日の森林プロジェクト交流会で少しだけ話したいと思います。
熱中すると、時間のたつのを忘れます。
しかし、時間をかければ熱中したことになるかというと、そういうことはありません。
逆に、本人の意欲に関係なく時間だけかけるようにすると、かえって熱中する力がなくなってしまいます。
受験勉強は、最後の一年間の集中力がものを言います。
だから、それまでの普段の勉強は、普通にできているぐらいで十分で、その分熱中できる力を育てておくといいのです。
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