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お父さんやお母さんとの対話が賢い子供を育てる as/3289.html
森川林 2018/04/26 08:13 

 作文力をつけるいちばんのポイントは、事前の準備です。
 事前の準備で特に大事なのが、テーマに関連した話をお父さんやお母さんとしてくることです。

 予習シートや構想図を利用すれば、子供は自然に親に話を聞くようになります。
 また、オンラインの少人数クラスでは、関連したyoutubeの動画などを紹介しているので、それらを見ながら対話を行えば更に楽しく話が進みます。
 この親子の対話の中で、子供の語彙力や思考力が育っていきます。

 子供たちが今行っている勉強のほとんどは、子供だけが取り組むものが多いはずです。
 子供の勉強だから、子供が自分でやるというのは、答えのある勉強の場合はそれでいいのです。
 しかし、作文は答えのない勉強ですから、親子で話す度合いによって、深くもなり浅くもなり、広くもなり狭くもなっていきます。

 この親子の対話は、子供にとってだけでなく、親にとっても楽しい時間になります。
 特に、学年が上がると子供との接点が少なくなりがちなお父さんにとっては、貴重な親子の触れ合いの機会になります。

 そして、子供の考える力が最も育つのは、点数のつく勉強によってではなく、この親子の触れ合いと対話の中でなのです。

▽関連記事
「お父さん、お母さん、子供の対話のきっかけになる作文課題」
https://www.mori7.com/index.php?e=2730

====
 言葉の森の作文課題は、小3からは、題名課題と感想文課題になります。
 小2までは、自由な題名で書いていたので、小3の題名課題になると、誰も最初はとまどいます。中には、自由なままの方がいいと言う子もいますが、しばらくすると、題名課題の方が焦点が絞れていいと言うようになります。

 しかし、初めての感想文課題のときは、どの子もほとんど書けないのが普通です。
 実は、小3では感想文課題をやるのはまだ無理があるのですが、今の学校教育の中では、小学校低学年から感想文の宿題を出すところが多いので、それに対応するためにやっているのです。

 さて、この題名課題も、感想文課題も、どちらも事前の準備が作文の出来を左右します。
 料理では材料七分に腕三分という言葉がありますが、作文も同じです。いい材料が仕入れてあれば、あとはどういうふうに書いてもいい作文になるのです。

 この材料集めで大事なことは、自分の体験だけではなく、両親に聞いた話や、今の社会で起きている話を盛り込んでいくことです。
 取材によって材料の幅が広くなると、そのテーマを見る視点も一段と高くなってきます。

 例えば、11.1週の小6の作文課題は、「うちにある古い物」ですが、単に家の中にある古くなった道具やおもちゃを持ち出して書いてみても、深い感想は書きにくいものです。
 ところが、ここに、日本の歴史の中にある古いもの、世界文化遺産の例などを結びつけると、古いということの意味をもう一段深く考えることができるのです。

 そして、こういう材料集めに、お父さんやお母さんが参加すると、子供と一緒に家族の知的な対話が生まれるようになります。
 子供が小学校高学年になると、父親は子供との共通の話題がだんだん少なくなります。すると、自然に親子の話題が勉強や成績の話だけになってきます。
 小中学生のころの思考力は、親子の対話によって育つので、家族でいろいろなテーマを幅広く話し合う機会があるといいのです。

 こういう話し合いは、父親が単身赴任の場合でも可能です。
 遠方にいるお父さんが、ハングアウトやskypeのグループ通話で参加できるような形で、毎週の家族の対話の時間を決めておくのです。
 作文の課題は、ウェブで見ることができますから、お父さんも事前に子供の作文課題を見て準備をしておけば、更に充実した話になります。

 こういう親子の対話は、小学校低学年のころからつけておけば、高学年になっても自然に続けられるようになります。
 小学3年生の題名課題と感想文課題になったころから、家族で作文の課題について話をする時間をとっていくと、作文の勉強と家庭の対話が連動して、勉強面でも子供の生活面でもより充実した取り組みができるようになります。

 今週から、小3~小6のオンエア講座「作文と勉強」モニターを始めました。
 その際に、作文の課題に関連したyoutubeの動画を参考資料にしました。こういう動画などを見ながら親子で作文の課題についてのいろいろな対話をしていくと面白いと思います。

小3「たまごやきを作ったこと」
・半熟目玉焼きの作り方

・卵を片手で割る方法

・卵を立ててみる


小4「わたしの好きな食べ物」
・世界で一番美味しい食べ物 ランキングベスト50


小5「木のぼりをしたこと」
・道具を使った木登り

・縄を使った木登り

・手と足の力で木登り


小6「うちにある古いもの」
・日本世界自然遺産]

====

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森川林 20180426  
 思考力は、思考することによって育ちます。
 しかし、普段の生活で、子供が思考する必要のある場面というのはなかなかありません。
 ところが、作文のテーマに関連した話をお父さんやお母さんとするときは、子供は思考力を働かせて親の話を聞きます。
 この親子の対話が、理解力、語彙力、表現力、つまり思考力のもとになる力を育てていくのです。
https://www.mori7.com/index.php?e=3289


nane 20180426  
 よく思考力を育てる教材というのがありますが、教材では思考力は育ちません。
 思考力は、考えて話を聞いたり、考えて話をしたりするという人と人との対話の中で育ちます。
 その対話の相手としていちばんいいのが、やはりお父さんやお母さんなのです。


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記事 3288番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
寺子屋オンラインの発表学習クラスで、生徒の希望に応じた分科会学習を計画中――学年別保護者会もGoogle+コミュニティで as/3288.html
森川林 2018/04/25 09:25 

 昨日の保護者懇談会で、発表学習クラスの運営についていろいろな要望がありました。

 そのひとつは、同学年の作文構想図の交流をもっと時間をかけて行いたいというものです。
 しかし一方、異なる学年、特に上の学年の人の発表を聞くのがとても参考になるという声もありました。
 もうひとつは、親どうしが話し合う場もあるといいという意見でした。

 小学5年生以降は、作文の課題が難しくなるので、子供にとっても親にとっても本格的な勉強が始まるような感じになります。
 しかし、異なる学年の子供たちが集まって発表したり感想述べあったりする場も独自の意味があると思います。

 そこで、今考えているのは次のようなことです。
 第一に、学年混在の全体の発表のあと、それぞれの生徒が自分の興味や関心に応じて別の分科会場で話を続け、終了時間になる前にまたメイン会場に戻ってくるというやり方です。

 例えば、その分科会としては、同学年の作文構想図の話し合いをする分科会、読んでいる本を紹介する分科会、暗唱の練習をする分科会、静かに実習をする分科会など、自由に決めて友達を誘い、そこで子供たちが自分の手で会議を運営するのです。

 最初の全体の発表に1人5分かかるとして約30分、各人の希望による分科会で15分という時間配分です。
 そして、メイン会場に戻り、全体の会合が終了したあとにも、また引き続き自分たちで分科会に戻って話を続けることができるというふうにしたいと考えています。

 第二は、保護者の交流の場所を、Google+コミュニティの「寺子屋オンライン受付所」の中に、学年別のカテゴリーとして作り、そこで同学年の子供を持つ保護者が自由に意見交換をするという形を考えました。
 これはもちろん、ほかの学年のところに行って書き込みをすることもできます。

 ということで、早速、「寺子屋オンライン受付所」に学年別のカテゴリーを作りました。
 ご意見ご要望またご質問などがある方は、Google+コミュニティに書き込んでくださるといいと思います。
寺子屋オンライン受付所
https://tinyurl.com/y72h7azq

 また、今後できるだけ勉強終了後のミニ懇談会も行うようにしたいので、保護者の懇談会と子供の分科会が重なってもいいように、それぞれの家庭では、パソコンやスマホの端末を2台用意されるといいと思います。
 ただし、その場合、複数の端末が近くにあるとお互いのスピーカーの音をマイクが拾ってしまうことがあるので、ヘッドセットを用意するか、別の部屋で行うようにしてください。

 オンラインの少人数クラスは、たぶん日本初の新しい試みなので(笑)、今後も多くの方の要望を取り入れながら運営を工夫していきたいと思います。

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森川林 20180425  
 オンライン少人数クラスでの勉強がこれまでの勉強と異なる点は、自分がよりよい発表をすることが勉強だというところです。
 これまでの勉強は、ただ聞くだけという形が多かったので、子供たちはTV番組を見るような姿勢で授業を受けていました。
 人の話を聞くよりも、自分が話した方が力がつくのは、取り組み方の熱意が違うからです。


nane 20180425  
 ふと、茨木のり子の詩の一節を思い出しました。
====
学校  あの不思議な場所
校門をくぐりながら蛇蝎(だかつ)のごとく嫌ったところ
飛び立つと
森のようになつかしいところ
今日もあまたの小さな森で
水仙のような友情が生まれ匂ったりしているだろう
新しい葡萄酒のように
なにかごちゃまぜに醗酵したりしているだろう
====
 昨日の発表交流会で、イチゴのヘタは、花びらかガクかという議論がありました。
 そのときに、子供たちがあれこれ考えて話している様子が、まるで何かがごちゃまぜに発酵しているような感じで面白かったです。

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作文は伸ばすのが先、直すのは後 as/3287.html
森川林 2018/04/24 06:55 


 作文指導をしていると、保護者の方からよく聞かれる相談の中に、もっと上手にするにはどうすればいいのかということがあります。

 作文を見てそれをより上手になるように直す、という添削の方法によって上手にできる範囲は限られています。
 作文を上達させるためには、直すよりも先に作文力を伸ばす必要があるのです。

 伸ばす前に直していくと、そのときは多少よくなったように見えても、そのまま直し続けて上達するわけではありません。
 それよりも、自分の書いたものが直されるというストレスで、子供は作文を書くことがだんだん負担になってくるのです。
 直すよりも先に伸ばすことを考えるというのが、作文の勉強の基本方針です。
 しかし、そういう考え方で作文指導を行っているところは、学校や塾も含めてほとんどありません。

 では、伸ばすためにはどうしたらいいかと言うと、それは準備をすることなのです。

 その準備とは、第一に題材の準備です。
 あるテーマについて、子供の考えた実例だけでなく、お父さんやお母さんの体験談も話してあげるのです。
 また、自分で調べる力がある子供であれば、そのテーマに関連する資料をデータが入るような形で調べるのです。

 第二に、そのテーマについて親子で話し合うことです。
 大人の視点を知ることで、子供は、感想をより深めて書いていくことができます。

 題材をふくらませていくことと主題を深めていくことが作文の準備で、その準備ができた上で書いた作文の表現を工夫して行くという形で作文を上達させていきます。
 その表現の工夫とは、低中学年であれば個性的なたとえ、高学年や中高生であれば(言葉の森で自作名言と呼んでいる)光る表現などです。

 書き終えたあとの作文については、その作文のよく書けたところを褒めるだけというのが基本です。
 作文は、直して上達させるのではなく伸ばして上達させるという基本を忘れないように子供の作文を見ていってください。

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森川林 20180424  
 子供の作文を直して上達させるというのは、教える側の自己満足にすぎません。
 作文は直ったように見えても、子供の作文力は変わりません。
 何度も同じように直されている間に、子供はだんだん書くことを嫌がるようになります。
 作文を直すよりも先に、作文力を伸ばす必要があるのです。


nane 20180424  
 作文力は、書くことで力がつく部分と、読むことで力がつく部分とがあります。
 しかし、ほとんどの人は、書くことだけで作文の勉強を見ています。
 書いたあとの作文をどう直すかということよりも、書く前の作文をどう準備するかということの方が大事なのです。


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