記事 3790番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2019/8/24 
算数は考えない勉強――図形問題を解く力をどうつけるか
森川林 2019/07/17 08:26 

 自主学習クラスで、算数数学の問題を解いている子に、「難しかったらすぐに答えを見るんだよ。算数数学は、考えない勉強だからね」と言うと、子供も保護者も、「そんなので、いいのですか」と聞きます。
 そんなのでいいのです(笑)。
(以下、算数数学を略して算数)

 受験までの算数は、答えのある勉強です。
 学問としての算数は、答えがあるかどうか分からない勉強です。
 だから、学問としての算数は、いくら考えてもいいのです。
 長い時間考えることによって、答えが分かる瞬間が来るときがあるからです。
 趣味として算数の勉強をする場合も同様です。

 しかし、受験の算数は、答えを出すことが目的の勉強です。
 そして、受験の算数では、すべて誰かの作った答えがあることが前提になって問題が出されています。
 どんなに難しい問題でも、答えがあることがわかっているならば、すぐにその答えを見ればいいのです。

 算数の問題で、誰でもできるのは代数系の問題です。
 だから、難関校では受験生に差をつけるために、代数の問題よりも図形の問題を中心に試験問題が出されています。
 図形問題は、できるとできないの差がはっきりしているので、点数の差をつけやすいからです。

 この図形問題を解く力をどうつけるかというと、それをパズルの一種と考えるのです。
 しかし、楽しみながらやるパズルではなく、答えを早く見つけることが目的のパズルです。
 だから、問題は見たらすぐに答えを見るのが最も能率のよい勉強の仕方です。
 このやり方で、図形を中心にした算数の問題集を1冊、解けない問題が1問もなくなるまでやるのです。
 すると、新しい図形の問題を見ても、解き方のパターンがわかるようになります。

 この図形問題の勉強の仕方は、公立中高一貫校の問題の勉強の仕方にも共通しています。
 考える問題と言われるものであっても、特定の答えが想定されているのですから、問題を見たらすぐに答えを見て、「この問題はこういう答えだ」ということを理解する勉強を中心にしていくのです。

 しかし、たぶんこういう勉強の仕方をしている子はほとんどいないと思います。
 多くの子がやっている勉強法は、できる問題をいつまでも解いてみたり、できない問題をいつまでも考えていたりというやり方です。
 そして、保護者の多くもそれが普通の勉強の仕方だと思っています。

 勉強を趣味としてやるのであれば、それでもいいのです。
 しかし、受験勉強に関して言えば、それは実は正しい勉強法とは正反対の勉強法です。
 なぜなら、できる問題を解くことも、できない問題を考えることも、ただ時間がかかるだけだからです。

 できる問題は、解く必要はありません。
 できない問題は、すぐに答えを見て、問題と答えの組み合わせを理解するという勉強法が正しい勉強法です。
 味気ない感じがすると思いますが、受験勉強自体が味気ないものですから、できるだけ短時間で効果の上がる勉強の仕方をしていくといいのです。

 この勉強法で夏休みの一か月間、算数の勉強に取り組めば、その後の成績は驚くほど向上します。
 ところが、たぶん学習塾では、こういう勉強の仕方をしません。
 できる問題を解かせたり、できない問題を考えさせたりする勉強がほとんどだと思います。
 それは、その方が教えやすいことと、生徒もそれで勉強した気になりやすいからです。
 そして、多少は、時間をかけて勉強しただけの効果はあるからです。
 しかし、本当は、家庭の自学自習で、できない問題の答えを見て理解する勉強を中心にしていくといいのです

 算数の勉強の仕方について語る人の多くは、算数を教える専門家です。
 だから、自然に時間のかかる勉強の仕方を説明します。
 それは、他の教科、国語の場合も英語の場合も同様です。
 そういう専門家の意見に従うと、勉強はどんどん時間のかかるものになっていきます。
 勉強の本質を理解すれば、もっと能率のよい勉強の仕方ができます。

 算数は、1冊の問題集をできない問題が1問もなくなるまで繰り返し解くことです。
 この場合は、解くというのは解き方を読んで理解することです。

 英語は、英語の教科書を音読暗唱することです。
 そして暗唱ができたら暗書することです。(暗書は見ないで書くという意味の造語)

 国語は、問題集読書をすることと、読解検定で百点を取ることです。
 ただし、問題集読書と読解検定は、受験期の勉強法ですから、受験期に入る前の基本の勉強法は、読書と暗唱と親子の対話です。

 受験勉強全般に関して言えば、まず志望校の過去問を答えを書き込みながらやってみることです。
 そして、その過去問を基準にした勉強を進めていくことです。

 勉強法の本質は、どれもシンプルなのです。


■言葉の森の教室紹介
面白い勉強で実力がつくオンラインの学習【動画】

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
算数・数学(22) 勉強の仕方(119) 

コメント欄

森川林 2019年7月17日 8時38分  
 勉強には、答えのあるものと答えのないものとがあります。
 答えのある勉強は、すぐに答えを見ることです(笑)。
 答えのない勉強は、ただ時間をかけて考えることです。
 時間をかけると、なぜか答えが出てくることがあるからです。
 しかし、受験勉強を答えのない勉強のようなやり方でやるべきではないのです。


nane 2019年7月17日 8時39分  
 ときどき、「読書感想文の書き方」とか、「図形問題の解き方」とか、タイトルにひかれて読む記事がありますが、ほとんどの場合、隔靴掻痒(かっかそうよう)という感じになることが多いです。
 専門家の説明は、なぜか複雑なわりにわかりにくいのです(笑)。


コメントフォーム
算数は考えない勉強――図形問題を解く力をどうつけるか 森川林 20190717 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
めもやゆ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「めもやゆ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント1~3件
8/22(木) nane
 今回の暗唱練習は、カウンターというや 8/22
作文の書き方— 森川林
 6年生なら、もちろん常体の方がいいです 8/22
8/22(木) 森川林
 今日は午前中の勉強のあと、午後は雨なの 8/22
……次のコメント

過去の記事

過去の1~30件目を表示
■7月の読解検定は、7月28日(日)10:00~(お申込みの締切は18日) 7月16日
■サマーキャンプの追加情報(2) 7月16日
■サマーキャンプの追加情報 7月15日
■サマーキャンプの案内一部変更――マイカーのチェックイン・アウトは6:00~12:00に――参加申し込みはまだ受付中 7月12日
■個性の発見と創造が教育の第一目標となる時代 7月12日
■社会人のための文章講座――社会人作文クラス 7月11日
■勉強の本来の姿は自主学習――家庭で学ぶからこそ能率がよい【動画あり】 7月10日
■小学校高学年や中学生の生徒が作文の課題をためない方法 7月9日
■問題集読書と読解検定と自主学習クラスで国語力を高める 7月8日
■中学入試ハイパー作文7.3週「日本人や日本について考えたこと」 7月8日
■7.2週の授業の動画を「鳥の村」にアップロードしました 7月7日
■サマーキャンプの読書感想文予習シート 7月7日
■日曜朝9時の作文クラス募集中――寺オン作文クラスの授業の様子【動画】 7月7日
■アクティブラーニングを超える発表学習――個性の発見と創造、そして知的なコミュニケーション 7月5日
■国語の成績を上げるコツ 7月4日
■実力をつけるコツは毎日同じことを同じように続けること 7月3日
■教えない授業で子供が伸びる――自主学習クラスの勉強の仕方 7月3日
■読書感想文の宿題をサマーキャンプで仕上げる 7月2日
■寺子屋オンライン案内を作り直しました――7月からは父母面談や父母懇談会もしやすくなります 7月1日
■国語の成績が悪いだけなら大丈夫 6月30日
■7.1週の授業の動画をアップしました――ハイパー作文コースの7.2週は「意見文」 6月28日
■暗唱は毎日欠かさずやるのが最も続けやすい――できるようにさせて褒めるのが教育、できるようにさせないで叱るのは自分勝手(笑) 6月28日
■【事務連絡】「山のたより」の公中検返却日程のプリントミス 6月27日
■読解検定裏話――7月の読解検定はサマーキャンプでも 6月27日
■【重要連絡】言葉の森の料金システムの変更といろいろな企画のお知らせ 6月26日
■STEM教育の先にあるもの――発表学習クラスの授業から 6月25日
■6月の読解検定終わる――百点は2名 6月23日
■STEM教育の先にあるもの(その1) 6月23日
■言葉の森のオンラインスクール宣言――言葉の森は、作文教室を含めたオンラインスクールとなります 6月22日
■自主学習クラスの4週目の実力試験ほかのお知らせ 6月21日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSフィード

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺オン作文クラス(2)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
発表交流会(20)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。