国語の実力をつけるための最も役に立つ方法は、多読と精読です。多読とは、自分の好きな本をたくさん読むことです。精読とは、難しい本を何度も繰り返し読むことです。
国語の力をつけると言って、問題集を解くような勉強をしている人も多いと思います。しかし、問題集は、その問題が解けたときは、もともと解かなくてもできたはずの問題ですから、その問題を解いただけ時間の無駄なのです。解けなかったときは、説明を聞いても、次回解けるようになるわけではないので、やはり時間の無駄なのです。
問題を解く勉強は、読むだけの勉強に比べて5倍から10倍時間がかかります。忙しい思いをしているわりに実力が伸びないのは、解く勉強に時間を割いているからです。
国語の力をつけるためには、まず文章を読む力をつけることです。それが、多読と精読です。
多読によって、文章を早く読み取る力と味わって読む力がつきます。精読によって、考えて読む力がつきます。
ところが、読む力がついても、それですぐに成績が上がるわけではありません。成績を上げるのは、上げるためのコツが必要だからです。
しかし、読む力のある生徒は、わずか1、2時間の説明で、成績を上げるコツをつかみます。とは言っても、その1、2時間の説明は、一般的な説明ではなく、その生徒の実際に解いた問題に即しての説明なので、一斉指導はできません。
解き方のコツは、家庭でお父さんお母さんがその子の実際に解いた問題に則して説明してあげるのがいちばんいいと思います。
▽参考ページ
「国語の勉強法」
https://www.mori7.com/as/769.html
「読解力をつけるには」
https://www.mori7.com/as/514.html
「国語の成績を上げるために――読解問題の解き方、記述の仕方」
https://www.mori7.com/as/1795.html
以上まとめると、国語の実力をつけ成績を上げるためには、
・多読による速読力
・精読による難読力
・国語の問題を解くコツ
の三つが必要だということになります。
この中で、最も難しいのが、難読力をつけることです。
速読力は、読書の好きな子ならば自然についています。問題を解くコツは、受験の数ヶ月前でも間に合いです。しかし、難しい文章を読み取る力は、なかなかつけることができないのです。
難読力をつける方法は、しかし、単純です。それは、難しい文章を繰り返し読んで、その文章に慣れることです。
言葉の森では、小学校高学年の生徒や、中高生で、国語力をつけたいと思っている人には、問題集読書を勧めています。入試問題集の問題文を読書がわりに読み、そういう文章に慣れる練習です。
この問題集読書は、これまで小学校高学年以上の生徒にしか勧めていませんでした。しかし、小学校低中学年の生徒でも、ある程度難しい文章を読む練習は必要です。
そこで、今考えているのは、小学校低中学年の生徒も、その学年に応じた問題集を読書がわりに読む練習です。
ところが、この問題集読書は、難しく退屈なわりに、やっていて張り合いのない勉強なので、家庭では取り組みにく面があるのです。そこで、今考えているのは、寺子屋オンエアの中で、小学校低中学年からの問題集読書を見ていく仕組みです。
問題集読書は、問題を解かなくてもいいのですが、せっかく問題があるのですから、解き方のコツは、知っていてもいいと思います。読んだ長文に関する問題の中で、1問だけ自分で答えを見て、なぜその問題で、その答えになるのかを説明させるようにしていきたいと思っています。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。国語力読解力(155) 問題集読書(33) 寺子屋オンライン(101)
言葉の森の作文指導の特徴は、毎週担当の先生が電話で指導することです。
こういう事前の電話指導があるので、その子の実力に応じた作文の書き方のアドバイスができます。
紙だけの作文通信指導がなぜ長続きしないかというと、子供が書き始めるきっかけが作れないからです。
電話指導は、声だけの指導と思われがちですが、これが意外と深く先生と生徒の信頼感を生み出しています。そのため、何年も同じ先生の指導を受けて勉強を続ける生徒がいるのです。
しかし、言葉の森の電話通信指導にも、弱点はあります。
それは、電話のあとすぐに作文を書き始めない生徒がいる場合です。
中学生ぐらいになると、自分で勉強時間の融通をきかせられるので、すぐに始めずにあとで書こうと思ってしまうことがあります。
しかし、作文の勉強というのは、開始するときの精神的エネルギーが、あらゆる勉強の中で最も大きな勉強です。だから、学校の感想文の宿題なども、多くの生徒は締切ぎりぎりにならないと着手できないのです。
電話のあとすぐに始めれば比較的楽にできることも、時間がたつとなかなかできなくなります。
しかし、電話指導だと、こういう生徒を途中で励ますような対応はできません。
もうひとつは、小学生で途中で詰まってしまう生徒がいる場合です。
こういうケースはそれほど多くはありませんが、勉強を始めて間もないときや、感想文を初めて書くときは、途中で書けなくなってしまうことがあります。
そのときは、すぐに教室に電話をして聞けばいいのですが、それをせずに、子供に何十分も自力で書かせようとしてしまう保護者も多いのです。
書くことに詰まって10分もしたら、もうあとは時間がたてばたつほど、いくら時間をかけても自分の力で書けるようにはなりません。
こういうときも、電話指導では、途中で生徒にアドバイスをするようなことができません。
そこで、言葉の森では今、従来の電話指導の枠を超えた新しいオンライン指導の方法を計画しています。
この冬からそのモニター生徒を募集する予定です。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。言葉の森のビジョン(51) 寺子屋オンライン(101)
港南台教室で、全員に自習表を配り、6日間全部つけてきた人には福袋ということにしました。
よくつけてきた子が多かったのですが、つけ方のコツがまだよくわかっていない人もいたようです。そこで、自習表をつけるコツをいくつか。
まず第一に、まとめて塗らずに、一つできたつど一つ塗るというようにすることです。
まとめて塗ると、ただの色塗り作業のようになってしまい、かえってくたびれます。できたつど塗っていると、自分の自習が次第に形になっていく様子がわかるのでやる気が出てきます。
第二は、できそうなことをすることです。しかし、できそうだと思っていても、何かが長引いて、ほかのことができなくなるということもあります。
そういうときは、途中で軌道修正することです。最初に決めていたとおりにできないから、途中からもう少し簡単なものにしぼるというようなやり方をしていきます。そして、最終的に全部できることを目標にするのです。
しかし、それでもどうしてもできなかったということはあります。
したがって、第三に、どうしてもできなかったときは、赤と青の塗り分けではなく、できなかったところを黄色で塗ることです、
できなかったことも、できなかったという形にしておけば、それはそれで達成感として残ります。
うやむやのうちにできなかったとするのではなく、はっきりと自覚してできなかったということにしておけば、その土台の上にまた翌日も新しい気持ちで取り組むことができます。
さて、子供の自習の項目を親が見ると、楽にできることしかやっていないように感じることがあると思います。
特に、小学校高学年から中学生にかけては、わざとそういうことをやりたくなる時期にあたります。うまくさぼりたいとか、裏をかいてみたいとか、ごまかしてみたいとかいう心理が成長する時期なのです。
だから、要領よく手を抜いてやっていることに目くじらを立てる必要はありません。子供と同じように、大人も笑って見てあげていればいいのです。
しかし、同時に、折にふれて、人間の生き方について話をしておく必要があります。
それは、勉強でも、仕事でも、人に見てもらったり、人に褒められたりするためにやるのではなく、自分が成長し、将来社会の役に立つことをするためにやるのだということを、家族の談話の時間などに言っておくのです。
こういう骨格さえたまにしっかり話しておけば、普段は楽しく面白くやることを中心にしていっても何も問題はありません。多少の脱線があっても、それは大目に見ておけばいいのです。
自習表は、塗り方がわかるようになると、楽しくなると思います。
子供がなかなかやらないというときは、まずお母さんが自分でやってみて、その楽しさを味わってみるとよいと思います。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。自習表(5)