ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4532番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
総合学力クラスの勉強(1)――家庭学習のきっかけとして授業に出る as/4532.html
森川林 2022/09/14 07:06 


https://youtu.be/eMFu8MIhWr4

 総合学力クラスの勉強を教えていて、気が付いたことがあります。
 これは、他の国語読解、算数数学、英語などのクラスでも同様です。

 それは、家庭学習を毎日していて、週1回の授業のときは、その延長で参加している子と、家庭学習をほとんどしていずに、週1回の授業に出ることが勉強だと思っている子の違いです。

 小学1年生から4年生までの勉強は、難しいところはほとんどありません。
 大人が見れば、すぐに答えられるようなことばかりです。
 だから、この時期は特に、家庭で毎日勉強する習慣をつけることが大事なのです。

 子供が勉強した結果を、親があとで見て、本当に理解できているかどうかを、いくつか質問してあげればいいのです。

 もし、子供がうまく答えられないときは、軽く教えてあげます。
 決して、その場で理解させようと思って、重く教えないことが大事です。
 理解というものは、時間のかかるものです。大人から見てどんなに簡単に見えることであっても、初めてそのことを知る子供にとっては、理解するまでに時間がかかります。
 だから、軽く教えて、また別の日にも軽く教えてと、何度も同じことを軽く教えているうちに、理解できるようになります。理解には時間がかかるのです。

 そのような家庭学習を、どの教材でやるのかは、迷うところです。
 その場合、市販の教材にもいいものはたくさんありますが、塾専用の教材を使った方が安心できます。
 学年と難易度に応じて1冊の問題集を決め、それを毎日の家庭学習でやっていけばいいのです。

 家庭での学習は、決して長くやらないことが大事です。親がものたりないと思うぐらいの時間がちょうどいいのです。
 勉強時間を長くとれば、子供の学習は進みます。
 しかし、低学年のときに親のペースで勉強させられた子は、学年が上がり、小学4年生ぐらいになると、親の指示に従わなくなることがあります。
 自分の意思で勉強しなければならない時期に、勉強に飽きてしまうことがあるのです。
 だから、低学年の勉強は、できるだけ子供の意思を尊重して、子供のペースでやっていく必要があります。

 ときどき、子供は、「面白いから、もっとやる」と言うことがあります。
 このとき、親は、それを止めさせた方がいいのです。勉強だから、長くやる分にはかまわないと思って、子供の希望のとおりにやらせると、その勉強にやがて飽きてしまうからです。

 これは、ペットのしつけをするときと似ています。
 犬に面白いおもちゃを与えると、夢中になって遊ぶことがあります。
 それをそのままずっと、犬が満足仕切るまで遊ばせておくと、やがてそのおもちゃには興味を示さなくなります。
 大事なことは、やりすぎてはいけないということなのです。

 こういう家庭学習のコツは、お父さん、お母さんが、自分自身も家庭学習をしていた経験があればわかります。
 しかし、今のお父さん、お母さんは、塾に通って勉強していた人が多いので、家庭で自分のペースでやるということが今ひとつよくわからないということがあります。

 塾に行くと、宿題を出してくれるところがあります。というか、宿題を出す塾がほとんどです。
 すると、その宿題をこなすことが、家庭での勉強になります。
 これは、学校の宿題でも同じです。宿題があるから勉強をする、宿題がないから勉強しないという家庭が意外と多いのです。

 2014年、千代田区立麹町中の校長になった工藤勇一氏は、着任2年目に夏休みの宿題ゼロを打ち出し、以後は段階的に減らして、4年目に宿題を全廃しました。
 宿題は、提出することが目的になってしまうと考えたからです。
 そして、定期テストを廃止し、固定担任制を廃止し、行事を生徒主体にすることで、それまで無気力だった子供たちが、主体的に学習や行事に参加するようになりました。(「致知」10月号)

 塾の宿題にしても、学校の宿題にしても、出される宿題は全員一律です。
 その宿題が必要でない子がほどんどだからです。
 そして、その宿題をこなすことが、学習の目的になります。これは勉強というよりも、単なる作業です。
 勉強は、自分のペースでやるものであって、学校や塾から言われたことをそのままやるものではありません。

 だから、あくまでも家庭学習が基本です。
 その家庭学習のきっかけとして、学校や塾があるのです。

 それをどう生かしていったらいいかは、次回に。

総合学力クラスの勉強(1)――家庭学習のきっかけとして授業に出る
総合学力クラスの勉強(2)――国語の勉強法

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20220914  
 勉強の中心は、家庭学習です。
 その家庭学習のきっかけとして、学校や塾があるのです。
 ただし、家庭学習は、できるだけ短い時間で終わらせることです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 総合学力クラス(0) 

記事 4531番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
公中検模試10月を受付中、学力テスト8月の問題発送は9月中に as/4531.html
森川林 2022/09/13 13:33 


●公中検模試10月

 公中検模試10月の受付を行っています。(対象は、小5と小6の国内在住生徒です。)
https://www.mori7.com/gakute/

 公中検模試を申し込まれる方は、志望校コード表をごらんいただき、
https://www.mori7.com/gakute/#k_code

 第一志望、及び、第二望の志望校コードを個別れんらくページよりお知らせください。
https://www.mori7.com/teraon/hkei.php

 公中検模試のお申込み締切は、9月15日(木)です。

●学力テスト8月

 学力テスト8月を申し込まれた方への問題発送は9月中になりますので、もうしばらくお待ちください。

 学力テスト11月は、9月16日以降に受付の連絡をします。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
学力テスト(2) 

記事 4530番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/6
森リン点の解説(4)――高得点の作文はどのようにして書くか as/4530.html
森川林 2022/09/13 02:21 


https://youtu.be/PukRruOGJ6Y

 思考語彙とは、考える力を評価するものでした。
 森リンは、この思考語彙のほかに、知識語彙、表現語彙という面も評価しています。

 知識語彙とは、密度の濃い文章が書かれているかという評価です。
 わかりやすく言うと、難しい言葉もある程度使って書いてあるかということです。
 ある程度というのは、難しい言葉を使いすぎると文章が重くなり、かえってバランスの面で点数が低くなるからです。

 この難しい言葉を書く力というのは、書く人の語彙力とも言えます。
 難しい本を読んでいる人は、自然にそういう言葉を使えますが、本をあまり読んでない人は、日常会話的な言葉しか使えません。

 小6までは、複数の実例という書き方をしますが、中学生になると、複数の理由とか、複数の方法とかいう構成を重視した書き方になります。
 すると、理由や方法のところで抽象的な言葉が出てこないために、そのまま実例を書いてしまう人も多いのです。

 例えば、「宿題はよいか悪いか」というテーマで、複数の理由を書くときに、「宿題はよくないと思う。その理由は、この前、出された宿題は、面白くない上にとても時間がかかり……」などと実例をそのまま書いてしまう人が意外に多いということです。

 語彙力のある生徒は、「宿題はよくないと思う。その理由は生徒が自主的に勉強する姿勢を持てなくなるからだ。例えば……」と、「自主的」「姿勢」などという抽象的な理由のあとに具体的な実例を書くことができます。

 この知識語彙を増やす方法は、根本的には、問題集読書や説明文の読書をすることですが、作文の上だけで工夫することもできます。
 それは、調べた実例を引用することです。

 見本の作文では、「嬉しかったプレゼント」というテーマで、第二段落に、「賢者の贈り物」を引用しています。
私はオー・ヘンリーの「賢者の贈り物」という物語を読んだ事がある。ある夫婦がクリスマスにプレゼントをしあうお話だ。妻のデラは長くきれいな髪の毛が自慢だが、夫のジムへのプレゼントのために髪の毛を売ってしまう。そのお金で買ったのはジムの金時計によく似合う鎖だった。だが、ジムはデラの髪に似合う宝石の櫛を買うために時計を売ってしまったのだ。すれ違ってしまった2人のプレゼントだが、私はこのお話が大好きだ。このお話では2人とも心のこもったプレゼントをしたからこそ、心温まる結末になったのではないかと思った。相手のことを考えて買ったものだからこそ、特別嬉しい気持ちになるし、相手のことも大好きになる。そんな物語が「プレゼント」という存在でできているのだと感じた。


 この引用は、それほど難しい言葉が使われているわけではありませんが、引用する話題によっては、知識語彙が増えるようになります。
 また、引用に、データとしての固有名詞や数字が入ると、文章の説得力を増す効果があります。

 高学年の生徒は、自分の作文にあった話を、両親などに取材をするとともに、適宜、インターネットで調べた話などを引用して話題を広げて書いていくといいと思います。

 ちなみに、この作文で、森リンが評価した知識語彙は次のようなものです。
【知識語彙】()内は語彙のウェイト。
プレゼント
(5.95)
13存在
(0.38)
1習慣
(0.65)
1家族
(0.47)
1真心
(1.28)
1金時計
(5.95)
1感謝
(0.62)
1裏紙
(5.95)
1自慢
(0.79)
1感情
(0.54)
1
旅行
(0.65)
1立派
(0.65)
1物語
(0.63)
1賢者
(1.39)
1姫差
(5.95)
1人間
(0.2)
1成長
(0.47)
1意見
(0.4)
1時計
(0.75)
1・ヘンリー
(5.95)
1
クリスマス
(5.95)
1宝石
(0.96)
1結末
(1.01)
1手段
(0.65)
1似顔絵
(1.22)
1意味
(0.33)
1言葉
(0.24)
1共感
(0.8)
1誕生日
(0.8)
1夫婦
(0.96)
1
正直
(0.68)
1個人
(0.61)
1特別
(0.62)
1相手
(0.38)
1程度
(0.7)
1


森リン点の解説(1)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(2)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(3)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(4)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(5)――高得点の作文はどのようにして書くか

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20220913  
 森リンは、大学入試の小論文を評価するために作られています。
 だから、小学生の生活作文よりも、中学生や高校生の意見文の評価に向いています。
 難しい言葉を使って書くほうが点数は高いのですが、社会人の書く文章に求められるものは、できるだけ平易な言葉でわかりやすく書くことです。
 難しい言葉が多すぎると、文章全体の印象が漢字で黒っぽくなってしまうからです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 
コメント121~130件
……前のコメント
齋藤孝さんの( 森川林
 日本では、思いつきの作文指導が多すぎます。  作文教育に 11/28
記事 4864番
日記を書かせる 森川林
 日記指導なんてさせるものではないというのが私の持論です。 11/27
記事 4863番
齋藤孝さんの( 森川林
勉強は、面白くなければなりません。作文も、そうです。 しか 11/26
記事 4862番
これから世の中 もは
 もうすでに、世の中の方向は大きく変わりました。  だから 11/26
記事 4861番
齋藤孝さんの( 森川林
穴埋め式の作文指導をすると、作文力のある子は、面倒に思って嫌 11/25
記事 4860番
齋藤孝さんの( 森川林
ブンブンどりむは、結局、作文教育について何の理念も思い入れも 11/24
記事 4859番
齋藤孝さんの( 森川林
勘違いした作文教育を受けて、作文を書くことが嫌いになりそのま 11/24
記事 4859番
小学1年生から 森川林
小学1年生でいちばんのおすすめの習い事は作文です。 私のう 11/18
記事 4853番
プリペイドカー 森川林
AI翻訳の時代には、和製英語が生きてくる。 このことに気づ 11/15
記事 4847番
「読書をする子 森川林
低学年のよくできる子は、特に勉強しすぎないことが大事です。 11/14
記事 4846番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
画像送信テスト 森川林
回回回 11/2
森川林日記
Thunder 森川林
https://www.thunderbird.net/ja 10/29
森川林日記
この忙しいとき 森川林
この忙しいときに、というかいつも忙しいけど、今は特にというと 10/28
森川林日記
もう二度とGm 森川林
 Gmailが突然、大量のPOP3は受信できないようにした。 10/28
森川林日記
2025年10 森川林
△ミズヒキグサ ●紙ベースの勉強が基本。デジタルの 10/22
森の掲示板
3I/Atla 森川林
それは、いい結果になるだろう。 10/2
森川林日記
SDGsとかL 森川林
SDGsとかLGBTQとかいう新しい言葉を使う人は、考えの浅 9/27
森川林日記
千葉県立千葉中 森川林
受験生に点数の差をつけるためだけのテスト。 横浜市立南 9/25
森川林日記
2025年9月 森川林
●家庭学習の習慣を  小学生のうちから家庭学習 9/22
森の掲示板
OCRのオシロ 森川林
今からOCRのオシロンの作り直し。 これまでgoogl 9/20
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習