ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 466番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/3
作る教育と連休 as/466.html
森川林 2009/04/25 05:09 
 これまでの教育は、解く教育が中心でした。世間が多忙な時代には、それでもよかったのです。しかし、余暇が増える時代になると、解く必要がなくなった人の中には、暇を持てあます人が出てきます。そこで、消費によって暇をつぶすために、連休になると、レジャー、旅行、スポーツ、食事などで過ごすという発想が生まれてきたのです。
 作る教育が十分に行われていれば、暇なときには、作る余暇、又は作るために学ぶ(得る)余暇というような時間の過ごし方がもっと広がっていたと思います。
 学習に関して言うと、単なる得るだけの勉強は若い時期には必要です。しかし、年を取ってから、ただ学ぶことだけを目的にする学習は、勉強に対する回顧的な思いから来ているものだと思います。社会人の学習は、ただ学ぶことではなく、作ることや貢献すること、又は貢献するために学ぶことに意義があります。学ぶために学ぶという学習は、むしろ若者中心の学び方です。
 作る教育で行われる具体的な内容は、芸術、工作、思索などです。人間の恒久的な喜びは、消費の中にではなく創造の中にあります。つまり、手足や感情や言語や道具を使って新しいものを作り出すところに、人間でなければできない娯楽があるのです。

 今度の連休は、受験生にとっては、朝から晩まで学ぶ連休になると思います。創造的な人にとっては、作る連休、又は作るために学ぶ連休になると思います。それ以外の多くの人にとっては、遊ぶ連休になると思います。
 しかし、受験生でない学生のみなさんは、せっかく長い自由な時間があるのですから、英単語の暗記に挑戦するとか、気に入った文章の長い暗唱に挑戦するとか、古典の読書に挑戦するとか、有意義な時間の過ごし方を考えてください。
 一日中読書をするときは、次のようにすると飽きません。まず、面白そうな本を10冊ぐらい図書館から借りてきます。その10冊を並べて、1冊目を読んで飽きてきたら2冊目、2冊目が飽きたら3冊目と、次々と読んでいくのです。そうすると、多くの本を並行して読み進めていくことができます。しかも、たくさんの本を積んで読んでいるので、いかにも「がんばって読書をしている」という雰囲気になります(笑)。
 暇なときは、とりあえず読書をすると考えておくと、あとで必ずよかったと思うときが来ると思います。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

記事 465番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/3
読む学力、書く学力。解く学力、作る学力(その2) as/465.html
森川林 2009/04/24 08:39 
 学力には、解く学力と作る学力があります。

 作る学力というものは、大学の入学時、あるいは大学を卒業したばかりの時点では、まだはっきりとはわかりません。しかし、社会人として何年かたつうちに、次第に作る学力を持っているかどうかということがその人の成長を左右するものになっていきます。
 そのような事情を理解するためにも、子供のときから、読む学力と書く学力の二つの学力をバランスよく育てていくことが大切になります。
 読む学力、解く学力は、主にテストで評価されます。書く学力、作る学力は、もともとテストの評価には向きません。むしろ、発表する場がいちばん必要とされます。
 かつて日本では、万葉集の文化がありました。和歌を作るということは、テストで評価される性質のものではなく、ただ発表すること自体が喜びとなっているものです。テストによる評価ではなく、作る喜びによって、日本中に和歌を作る文化が広まっていったのです。
 これからの教育や学校の雰囲気は、これと同じように、作る勉強、書く勉強、発表する勉強を中心にしたものになってくると思います。これまでの勉強は、主にテストのための勉強でした。しかし、これから勉強は、自分の知的な生産性を高めるための勉強、つまり向上心に基づいた勉強になっていきます。
 教育以外の分野でも同じような変化はおきます。医療は、病気を治すための医療から、より健康でより強くより美しくなるという身体の新しい価値を創造する医療が中心になっていきます。また仕事も、我慢して取り組む必要悪のようなものから、仕事自体が喜びとなるもの、新しい商品やサービスを創造するものへと変わっていきます。つまり、社会全体の雰囲気が、教育、医療、政治など多くの分野で、必要に迫られて行うものから、興味や関心に基づいて行われるより文化的なものへ変化していくのです。
 言葉の森の作文教室も、将来の教室作りをこの展望の中で考えています。しかしもちろん、いくら発表の場が大事だからといっても、小学生中学生の時期に発表することばかりが目的になってしまうと、逆に小さな完成品しか育たないということもあります。小学校時代には、小学生らしい作文を書くことだけが目的なのではなく、将来の土台となる作文の勉強することも目的だからです。
 従って、作文の勉強でも、三つのことが重要になってきます。第一は、理解する力をつけることです。長文の暗唱などで幅広い知識を大量に高速に身につけるような学習です。第二は、考える力をつけることです。これは構成図などを利用して自分の頭の中にある材料を高度に組み合わせていくという練習です。第三はもちろん、表現することです。これには高速な音声入力のような技術も含まれますが、もっと大事なことは、感動を表現することです。絵画や音楽などの芸術活動と同じように、作文は文章によって感動に形を与えるものとして考えられるようになるでしょう。
 言葉の森の作文教室も、この考えに基づいて、知的で感動のある教室を目指していきたいと思っています。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 読会検 森川林
 千個というのは、立方体のことなので、例えば、1辺が1ミクロ 5/3
なぜ、作文クラ 森川林
なぜ、作文クラスを作文個別より優先するのか。 それは、言葉 5/3
釈迦は言った。 森川林
釈迦は言った。 ――自灯明(じとうみょう)―― 人間は、 5/3
読会検定4月  あかそよ
問題3 Bが〇だと思いました。なぜなら、五段落目の一番最後 5/1
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習