ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4866番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
寺子屋教育の伝統を、現代のIT技術で復活させる as/4866.html
森川林 2023/11/29 09:26 

ガーデンシクラメン

●動画:https://youtu.be/0hTL8dcP5sk

 寺子屋教育の本質は、ひとことで言えばコミュニティ教育です。
 子供たちは、成績や競争や賞罰によって勉強するのではなく、友達と一緒だから楽しくて勉強したのです。
 今の教育、特に受験教育は、子供たちを個々ばらばらに孤立させて、競争によって意欲化させるという方法で行われています。
 ここに、根本的な違いがあります。

 そして、寺子屋教育の勉強の方法は、精選された教材を元にした音読、暗唱、書写、算盤の反復学習でした。
 しかし、ただそれだけを続けていては、学習が単調になってしまうので(マンネリ化という言葉よりも単調化の言葉の方が日本語らしい)、季節ごとに街に出て多くの人に自分の書写を見てもらうというような企画も用意されていました。

 寺子屋時代の子供たちは、コミュニティを楽しんでいたので、いろいろな悪ふざけやいたずらもしました。
 それが行き過ぎると、先生は叱らなければなりませんでした。
 しかし、叱る方法は、単純な禁止や罰という方法は少なく、子供たちが傷つかないような工夫した叱り方が行われていました。

 例えば、先生が悪いことをした子供をひどく叱ったあとに、近所のおばあさんが出てきて、「私に免じてどうか許してやってください」と頼むというような打ち合わせが事前に仕組みとして考えられていたのです。

 子供たちは、朝早くから寺子屋に来て、みんなで大声で暗唱するような勉強をしたあと、午後は家に帰り、そのあとは子供たちどうしで楽しく遊びました。
 当時のヨーロッパでは、限られた貴族階級の子弟たちが、先生に鞭で脅されながら勉強をしていました。
 日本の当時の識字率は、世界でも最も高いものでした。
 その子供たちが、明治時代に日本の近代化を急速に成し遂げる人物に育ていったのです。


 勉強は、楽しく主体的にやるものです。
 競争で煽られながら、言われたことをただひたすらやって、その結果を競争で評価されるようなものではありません。

 言葉の森が目指しているのは、かつての日本の寺子屋教育の伝統を、現代のITテクノロジーを生かして、高度に復活させることです。
 そのプラットフォームが、現在、500人以上の生徒が参加しているオンライン少人数クラスの教育です。

 オンライン教育は、しばしば対面式の通学教育と比較されますが、言葉の森のオンライン少人数クラスは、通学教育よりも更に対面式の密度が濃くなったオンライン教育です。

 このオンライン少人数クラスの教育を生かすためには、同学年の同レベルの生徒が5人以内の少人数で集まるクラス運営を無数に増やす必要があります。
 そのためには、生徒数は、1万人を超える必要があります。
 この規模になれば、現在の通学式の集団一斉指導の学校教育は、少人数の対面式オンライン教育に置き換わるでしょう。
 それが、寺子屋教育を現代に復活させるということです。

 教育改革の第一歩は、先生がどうしたとか、教材がどうしたとか、教え方がどうしたとかいうことではなく、理想のプラットフォームを作ることです。
 そのプラットフォームを作ったあとに、先生や教材や教え方の問題が出てくるのです。

 こういう言葉の森のビジョンと同じようなことを言っている人は、まだ誰もいません。
 しかし、言葉の森には、毎日楽しく勉強している子供たちと、言葉の森の教育を理科してくれる保護者の方と、長年言葉の森で指導を担当してきた多くの優れた講師がいます。

 日本によりよい教育を作り上げ、そして、日本をよりよい国にするためにこれからも努力していきたいと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森のビジョン(51) オンライン教育(0) 

記事 4865番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
言葉の森の電話受付時間を変更します as/4865.html
森川林 2023/11/28 16:34 


 言葉の森の電話受付時間を、平日10:00~17:00、土曜・日曜10:00~12:00とします。
(平日の時間を早めに終了することにしました。一方、日曜の午前中も電話連絡を受け付けるようにしました。)

 受付時間外の欠席連絡は、検索の坂から、又は、オンラインクラス一覧表のご自分の名前の横の△印からお願いします。

 受付時間外のその他のご連絡やご相談は、個別れんらく板からお願いします。

土曜・日曜は、教育相談も受け付けます。ただし、ご相談は15分以内を目安としてください。

 以上、よろしくお願いいたします。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生徒父母連絡(78) 

記事 4864番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/11/5
齋藤孝さんの(5)「こども文章力」のそれぞれの章に対する解説と批評――日本の作文教育のレベルを下げる思いつきの作文指導では、子供たちはかえって作文を書けなくなる as/4864.html
森川林 2023/11/28 05:32 

ミカンとメジロ

●動画:https://youtu.be/hDu6rb1sQvs

 私は、何度も同じことを書きますが、人を批判することは好きではありません。
 大事なことは、批判ではなく創造することだからです。
 だから、批判のような話になるときは、必ずこちらの独自の対案を出しています。


 日本の作文教育は、世界の水準を大きく超えています。
 諸外国で、日本のように小学1年生から作文が書ける教育をしているところはありません。
 なぜ、日本でそのような作文教育ができるかというと、日本語は、喋る音と書く言葉が一対一で対応しているからです。
 数少ない例外が「わとは」「おとを」「えとへ」「小さいゃゅょっ」などです。
 これらの例外を除けば、日本では、喋ることのできる子は作文を書けるのです。

 このように恵まれた日本語環境で生きる子供たちにもかかわらず、作文の苦手な子は数多くいます。
 また、作文教育のほとんどが、小学校の間で終わります。
 小学校時代の中でも、作文教育が主に行われるのは、小学2、3年生までです。
 小学校高学年、中学生、高校生と、作文指導は、次第に少なくなるか、なくなります。
 それは、作文指導の理論と方法がないからです。


 現在の作文指導のほとんどは、穴埋め作文のような構成メモと、赤ペン添削による指導です。
 この指導で、作文が書けるようになる子は、もともと書ける子だけです。
 また、中学生、高校生まで作文の学習を続けようとする子はいません。


 齋藤孝さんが書いた「こども文章力」は、この低レベルの作文教育の現状を追認し、そのまま作文指導の標準としたものです。
 作文教育を考える現場の先生やお父さんお母さんが、こういう作文教育でいいのだと考えれば、作文が書ける子は、もともと書く力がある子だけになります。
 また、中学生、高校生まで作文の勉強を続けようとする子は出てきません。

 なぜ、このような作文指導になるかというと、著者に、作文教育というものに対する理論と方法がないからです。
 作文通信教育講座「ブンブンどりむ」は、齋藤孝さんが監修しています。
 寄せ集めの作文指導で作文が書けるようになる子は、親がていねいにフォローしてあげることのできる子だけです。


 私は、最初、「こども文章力」のそれぞれの章について、もっとよい別の指導の仕方があるということを書こうとしました。
 しかし、ほぼ全ページについて書く必要があるとわかりました。
 それぐらい、レベルが低いのです。
 それで、以下は、簡単にまとめて書くことにしました。
 より詳しい話を知りたいという方がいれば、コメント欄に書いておいてください。

■全体の感想

 基本的な考え方は、穴埋め作文です。
 「最初にどうして」「次にどうして」「最後にどうなった」という穴埋めの枠を埋めることができても、それを作文として長く書けるのは、もともと書く力がある子だけです。
 そして、書く力がある子は、そういう遠回りなことをするよりも、直接作文を書きたいと思います。
 学校でよく行われている構成メモの指導も、この穴埋め作文の指導と同じです。

■例文

 この本に唯一載っている小学3年生向けの例文は、生徒の見本とするような例文になっていません。
 第一に、題材に個性も感動もありません。第二に、「朝起きてから寝るまで」の作文のように構成が平板です。第三に、結びの感想が「うれしかったです」のような浅い感想で終わっています。第四に、たとえを使うというような表現の工夫がどこにもありません。
 字数を埋めるために、出来事を順番に書いているだけの例文になっています。

■日記

 日記で、何を書くかという穴埋めの提案をしていますが、日記で大事なのは、何を書くかではなく、どう書くかです。
 また、そもそも、小学校低学年で日記を書かせる指導に意味はありません。
 大事なことは、書かせる前に、本を読ませることです。

■読書感想文

 物語の内容と自分のエピソードを結びつけようという書き方は、言葉の森の指導法とそっくりです。
 言葉の森が、この読書感想文の指導法を始めたとき、同じような読書感想文指導をしているところはどこにもありませんでした。
 本当は、この読書感想文の指導にこそ、具体的な例文が必要ですが、この本にはそれはありません。
(言葉の森の例文は、感想文の書き方

■将来の夢

 将来の夢について、将来のことを書く手順が書かれています。
 しかし、「将来の夢」という題名は、将来のことを書くのではなく、そう思った過去の実例を書くことが大事です。

■問いを立てて書く

 テーマを考えて理由と結論を書く書き方が漠然と説明されています。
 しかし、問いを立て、その理由を述べるには、問い自体に対比が必要です。
 「BではなくAだと思う」という対比があればこそ理由が書けます。

■観察したことを書く、比較したことを書く

 観察したこと、比較したことなどという作文の課題が書かれています。
 こういう「○○作文」というような作文指導をしている先生は多いと思います。
 しかし、作文指導は、いろいろなことを思いつきでやらせるものではなく、ひとつの方針に沿って指導するものです。

■調べたことを書く

 調べることとして定義、背景、経緯などを調べると書かれています。
 しかし、調べたことを書く際に大事なことは、データ(数字や固有名詞)を入れることです。
 また、作文を書いている途中でデータを調べるのではなく、すでに調べたデータを作文にあてはめるという考え方をする必要があります。
 そうしないと、調べるだけで時間がかかってしまうからです。

■この中学校を選んだ理由(志望動機)

 志望理由として、その学校のこと、自分のやりたいことを書くと書かれています。
 しかし、志望動機は、ただ学校のこと、将来のやりたいことを書くのではなく、自分の過去の実績をもとにして書くことが大事です。
 このコツを知らない人が多いです。

■小学校時代の思い出

 行事に参加したこと、知らない土地や人に出会ったこと、芸術やスポーツを見て感動したことなど、思い出の例が羅列されています。
 しかし、思い出という実例が先にあるのではなく、自分の考えが変わったというような主題を先に立て、その主題に合った実例を見つけるのが書き方のコツです。

■自分の長所と短所

 自分の長所と短所をよい面悪い面の両方から考えてみようと書かれています。
 しかし、長所と短所は、自分で考えるより先に、家族に聞いた話をもとにすることによってより客観的な作文になります。
 小学生の作文指導は、家族の対話とセットになっているのです。

■物語の要約(浦島太郎)

 要約の仕方として、すでに知られている浦島太郎の話をもとに、言葉をしぼりこむということが書かれています。
 しかし、要約は、実際の文章を読んで要約の練習をしなければ書けるようにはなりません。
 言葉の森の要約の仕方は、こちらです。

■報告文、キャッチコピーの作り方、手紙の書き方

 この本を読んで、報告文、キャッチコピー、手紙の書き方までやろうという子は、まずいないと思います(笑)。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20231128  
 日本では、思いつきの作文指導が多すぎます。
 作文教育に対する理論と方法がないからです。
 理論と方法のない典型的な例が、ブンブンどりむを監修している齋藤孝さんの「こども文章力」です。
 勘違いして、この本をもとに家庭で作文の書き方を教えようとすれば、途中から親子げんかになると思います(笑)。

しげか&みちるママ 20231129  
どうして「言葉の森」を知ったか思い出しました。
斎藤孝さんの著書をたくさん読んでて、文章が書ける子にしたいな~~っておもったのがきっかけでした。

森川林 20231130  
 ママさん、ありがとうございます。
 齋藤孝さんというかブンブンどりむは、言葉の森も真似ばかりしています。
 作文にしても、読解にしても、暗唱にしてもですが、それがいずれもレベルの低いやり方を物量作戦で押し通そうとしているのが迷惑なところです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
ブンブンどりむ(0) 
コメント51~60件
……前のコメント
学習グラフのペ 森川林
言葉の森の今後の方針は、デジタルなデータをアナログで送信する 5/6
記事 5058番
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
記事 4657番
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
記事 4657番
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
記事 5034番
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
記事 5030番
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
記事 5028番
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
記事 5027番
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
記事 5018番
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
記事 5017番
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
記事 5016番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
画像送信テスト 森川林
回回回 11/2
森川林日記
Thunder 森川林
https://www.thunderbird.net/ja 10/29
森川林日記
この忙しいとき 森川林
この忙しいときに、というかいつも忙しいけど、今は特にというと 10/28
森川林日記
もう二度とGm 森川林
 Gmailが突然、大量のPOP3は受信できないようにした。 10/28
森川林日記
2025年10 森川林
△ミズヒキグサ ●紙ベースの勉強が基本。デジタルの 10/22
森の掲示板
3I/Atla 森川林
それは、いい結果になるだろう。 10/2
森川林日記
SDGsとかL 森川林
SDGsとかLGBTQとかいう新しい言葉を使う人は、考えの浅 9/27
森川林日記
千葉県立千葉中 森川林
受験生に点数の差をつけるためだけのテスト。 横浜市立南 9/25
森川林日記
2025年9月 森川林
●家庭学習の習慣を  小学生のうちから家庭学習 9/22
森の掲示板
OCRのオシロ 森川林
今からOCRのオシロンの作り直し。 これまでgoogl 9/20
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習