記事 1326番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2020/1/28
作文の発表と交流に生かす(facebookやgoogle+と教育3)
森川林 2011/08/04 16:45 



 facebookやgoogle+を作文の勉強に生かす話の続きです。

 前回までは、予習と自習について書いてきました。

 今回は、発表についてです。作文の勉強の結果を発表する際にも、facebookやgoogle+を活用することができます。



 facebookやgoogle+で予習の話を交わしているうちに、同じ学年の子供の保護者の中に、互いに親しみがわいてきます。毎週、同じような課題を、同じように工夫しながら予習するので、お互いに相手の苦労もわかるようになるのです。

 そこで、そういう共通の基盤を前提にして、子供たちの清書の発表会をします。

 昔、江戸時代の寺子屋でも、年に何回か席書き(せきがき)という発表会のようなものがありました。通り道にゴザをしいて、普段練習している手習いの成果を発表し、それらを展示しておくのです。通行人は思い思いに子供たちの発表を見に来ます。子供にとって、普段の学習の成果をみんなの前で発表するというのは晴れがましいものです。このようにして、練習と発表のサイクルの中で、勉強の意欲を高めていったのです。

 作文の場合も同じようにできますが、江戸時代の席書きが主に習字であったのに対して、作文の場合は600-1200字の文章です。清書をそのままfacebookやgoogle+にアップロードしたのでは、あまり面白くありません。

 そこで、発表会は、文章だけでなく、その作文の内容に関連した音楽や画像や朗読なども入れるようにします。作文というよりも、文章を中心とした総合表現芸術というようなものです。その発表会の作品を見て、ほかの生徒や保護者が思い思いにコメントを入れることもできます。

 発表会で大事なことは、子供たちの作品を比較しないということです。評価をするにしても、それぞれの個性を評価することが中心で、優劣をつけるような評価は限定的なものにとどめておく必要があります。

 facebookやgoogle+を利用するので、ネットワークの上だけでも発表会を行うことができますが、本当は、発表はリアルな関係の中でした方が励みになります。

 そのために、予習が学年別・課題別であったのに対して、発表はできるだけ地域別に行うようにします。予習は、全国の小学3年生の8月1週の課題などと時間的に限定したものでしたが、発表は、○○市の□□町周辺の生徒というようにしていきます。したがって、地域ごとにいろいろな年齢の子供が参加する形になります。

 このように、子供の教育を要にして地域につながりができるというのが、子供たちの成長にもプラスになります。今は核家族化が進んでいるために、子供たちは、親子という限られた人間関係の中で過ごすことが多くなっています。また、学校や塾も、同学年の子を中心に組織されているので、ここでも人間関係は単調なものになりがちです。

 子供は、地域の中で、近所のおじさんやおばさんに囲まれて、年下の子や年上の子との関わりの中でバランスよく成長していくものですが、現代の社会ではその機会はきわめてすくなくなっています。そこで、作文の勉強という学ぶ機会を利用して、地域の多様な人間関係の中で育つ環境を作っていくのです。



 日本の教育は、現在多くの点で行き詰まっているように多くの人が感じています。

 しかし、それは教育に限ったことではありません。教育も、政治も、経済も、文化も、あらゆる面で、日本が明治以降、取り入れたきた欧米の近代文明が制度疲労を起こしているのです。

 日本の社会は、もう既に、近代西欧文明の長所も弱点もほとんど経験しました。あとは、これを日本が本来持っていた伝統の中で昇華していくことです。

 その伝統の多くは、これまで遅れていた時代と見なされていた江戸時代の中にあります。単なる復古ではない、伝統と進歩の創造的な結合を作り出すことがこれからの課題です。

 それは、比喩的に言えば、民主主義の実現した江戸時代、又は近代科学を取り入れた縄文時代というようなものになると思います。(つづく)



 次回は、教材の作成についてです。
 参加フォーム/言葉の森企画
作文の予習と発表に力を入れたオンライン学習
友達と一緒に作文を書くことで互いの予習が参考になり、読書紹介で読書の幅が広がります。 言葉の森
 

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) facebook(29) 

コメント欄

コメントフォーム
作文の発表と交流に生かす(facebookやgoogle+と教育3) 森川林 20110804 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ゆよらり (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ゆよらり」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
新着コメント1~3件
言葉の森2~3 nane
 去年の春キャンプは、薄日でちょっと寒い 1/27
言葉の森2~3 森川林
 春の自然寺子屋合宿の含めて2~3月の企 1/27
これから作文試 nane
 字数いっぱいまで書くというのは、意外と 1/27
……次のコメント

オープン教育 1~3件
オープンの川
鳥の村 1~3件
鳥の村
虹の谷 1~3件
虹の谷
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■感想文の予習と、親子の対話(facebookやgoogle+と教育2-3) 8月3日
■小学3、4年生の題名課題作文の予習に生かす(facebookと教育2-2) 8月2日
■予習に生かす(facebookと教育2) 8月1日
■なぜ作文か(facebookと教育) 7月31日
■公立中高一貫入試、高校推薦入試、大学AO入試推薦入試で書く作文、小論文のコツ(その3) 7月29日
■ペットと教育 7月28日
■公立中高一貫入試、高校推薦入試、大学AO入試推薦入試で書く作文、小論文のコツ(その2) 7月27日
■公立中高一貫入試、高校推薦入試、大学AO入試推薦入試で書く作文、小論文のコツ(その1) 7月26日
■子供を本好きにするために、読書は家族ぐるみで 7月25日
■教育が豊かさの前線になる時代(農業工業時代のあとに来るもの) 7月24日
■クラウド時代のソーシャルサービスと教育 7月22日
■「桃太郎」を例にした感想文の書き方 7月21日
■ソーシャル・ネットワーク時代の新しい教育 7月20日
■構成図の書き方の例 7月20日
■考えを深める構成図の書き方 7月19日
■付箋読書の方法と効果 7月18日
■暗唱の方法と効果 7月17日
■読書感想文批判(低学年では苦しく書かせるより、楽しく読ませることを) 7月15日
■「漢字」グループ(facebookページより) 7月15日
■facebookと教育、7つの視点 7月14日
■「日本語for外国人」グループ(facebookページより) 7月14日
■勉強は、悪いところを直すより、いいところを褒める指導で 7月13日
■直す指導より褒める指導で(言葉の森の保護者向け記事) 7月13日
■「高校大学入試小論文」グループ(facebookページ) 7月13日
■家庭学習の理想的な形 7月12日
■「読書感想文」グループ(facebookページより) 7月12日
■小学校3年生までは日本語をしっかり身につけよう(3年生までの英語学習の弊害) 7月11日
■7月10日(日)15:45ごろファクスで、7月12日(火)からの体験学習を申し込まれた大阪市阿倍野区の小1女子の保護者の方 7月11日
■7月11日(月)9:13ごろ言葉の森にファクスされた方 7月11日
■「中学生の勉強相談室」(facebookページより) 7月11日
……前の30件
RSS
RSSフィード

カテゴリー
全カテゴリー

QRコード


通学できる作文教室
森林プロジェクトの作文教室

リンク集
現在作成中です。





 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。