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作文力をつけるには、まず型を整えることから――「読解・作文力が身につく本」の作文の方法
森川林 2019/02/05 08:04 

 「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」に載せている作文の書き方は、テーマによっていくつもの型を使い分けるという方法です。
 その型がわかりやすくなるように、敢えて「第一に……、第二に……」のような形を整えた書き方をしています。また、ほとんどの模範解答が四段落でまとめられています。
 人によっては、こういう作文を、パターン化された作文だと言う人がいるかもしれませんから、あらかじめ説明しておきます。

 「作文の書き方」のような本は世の中にあまり出ていませんが、少数出ているそれらの本に共通するのは、模範解答の作文が子供たちの実際に書いた上手な作文をもとにしている点です。
 しかし、ほとんどの人は、模範解答を読んで勉強しようとは思わないはずです。
 まず読むのは、解説の方で、解説を読んでわかったようなわからないような気になるが、実際にはよくわからないというのが正直なところだと思います。

 なぜ模範解答を読もうとしないかというと、読んでも自分の作文に生かせる気がしないからです。
 それは、模範解答に型がなく、偶然よく書けたものが選ばれているだけだからです。

 「読解・作文力が身につく本」の作文の書き方は、テーマに合わせた一定の型を使った書き方をしています。
 だから、解説だけでなく、模範解答を読んでも、なぜそう書かれているのかがよくわかります。

 型があるからどれも同じような作文になるかというとそうではありません。
 型に盛り込む中身に、その子の個性がいくらでも出せるからです。
 同じ型の作文で、十人いれば十とおりの作文が書けます。

 そしてまた、型に沿って書こうとすることによって、自分の実力が引き出される面があるのです。
 例えば、複数の理由を書くという型があるとします。
 一つの理由は誰でも思いつきます。しかし、複数の理由となると、その問題をもっと深く考えなければならなくなります。

 また、反対意見に対する理解を入れるという型があります。
 自分の意見を述べるだけでなく、自分とは異なる意見の理解できる点を考えることによって、自分の考えが更に深まります。
 反対意見の選び方だけでも、浅い反対意見と深い反対意見とがあるのです。

 今回の小学生向けの本には載せていませんが、中学生の作文で、実例として昔話を入れるという書き方があります。
 すると、例えば、「国際社会における日本の役割」というテーマで、どのように「桃太郎」の話を入れるかというようなことを考えるようになります。
 そして、この型がうまく決まると、「我ながらうまい!」と書いた本人が思うような作文が書けることがあるのです。

 このように型があると、上達する方向がはっきりしてきます。

 一方、型があると、どんなに苦手な子でもその型に沿って作文が書けるようになります。
 言葉の森の作文の体験学習を受けると、すごく苦手だという子がすらすら書けるので、本人も一緒にいる保護者も驚くということがよくあります。
 書く前に、その子の学年に応じた型を説明するので、ほとんどの子が書けるようになるのです。

 普通、作文の型というと、「序論本論結論」とか、「起承転結」とか、「序破急」とかいう大枠しか思い浮かべないことが多いと思います。
 言葉の森の場合は、これを学年別に何通りにも分けて段階的に身につける仕組みになっています。(この教材は、森林プロジェクトで提供しています。)

 型を身につけるためには、ある時期はある型に慣れる必要があります。
 そして、いろいろな型を身につけたあと、やがて型を意識せずに自由に書くようになるのです。

 型が最もよく使えるのは、作文の試験に臨むときです。
 それは、試験という限られた時間の中で、迷わずに全体の方向を決めて書き出すことができるからです。

 こういう「型の作文」の書き方を説明しているのがこの本の特徴です。
 だから、作文の書き方の章は、書き方の解説だけでなく、模範解答を読んでも面白く役に立つのです。


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コメント欄

森川林 2019年2月5日 8時25分  
 「読解・作文力」の本がそろそろ出るころになりました。
 読後の感想でいろいろな声があると思うので、あらかじめ説明を書いておくことにしました。

 読解については、「文章はもっと味わって読むものだ」という声がありそうです。
 しかし、理詰めに読むことによって、より深く味わうことができるのです。

 作文については、「パターン化された書き方だ」という声がありそうです。
 しかし、剣道でも柔道でも相撲でも、さまざまな型があります。
 型がない取り組みは、動物どうしの取り組みのような場合です。

 「こんなことはもう知っている」、「あたりまえのことが書かれている」という声もあるかもしれません。
 しかし、実際にこの教え方で、見る見る読解の点数が上がったとか、苦手だった作文が書けるようになったという子がいるのですから、この本に書かれていることは、類書では書かれていないことがほとんどなのです。


nane 2019年2月5日 8時43分  
 オーバーに思う人がいるかもしれませんが、この本で、日本の子供たちの読解、記述、作文の勉強の仕方はかなり変わると思います。
 試みに、学校や学習塾で、小学校高学年、又は中学生や高校生でもいいのですが、この本の読解の章を読ませたクラスと、そうでないクラスの二つに分けて、1週間後の国語の成績を比べてみるといいと思います。
 たぶん、有意な差が出てくると思います。
 もしそういう調査をしてくれるところがあれば、ぜひ教えてください。
 お礼をいたします。

nane 2019年2月5日 9時21分  
 この本を読んでから国語のテストを受ける場合、1週間後ぐらいのできるだけ短い期間の方がいいと思います。
 それは、読んだあと1か月も2か月もたつと、読んだことを忘れてまた自己流の漠然と解く解き方に戻ってしまうことがあるかもしれないからです。

 その例で、こんなことがありました。
 中学3年生の生徒で、言葉の森の読解問題を毎月8問きっちり解く子がいました。
 その子は、答えに納得がいかないと、よく電話をかけて質問をしてきました。
 それぐらいですから、国語の成績はかなり上がり、めでたく志望校に合格しのたのです。

 高校生になり忙しくなったせいか、中3でいったん言葉の森を辞めていましたが、高3のとき、突然電話をしてきました。
 聞くと、国語の成績が上がらないと言うのです。
 仕方ないので、その子が実際に解いた問題を送ってもらいました。

 その解き方を見てみると、見事に中3のときにやった理詰めに解く方法を忘れていました(笑)。
 そのことを言うと、もうそれだけでわかったようです。

 それからしばらくして、東大に受かったという連絡が入りました。いい気なもんです(笑)。
 理数系で、もともと数学の得意な生徒だったので、高校時代、国語の勉強に力を入れずに忘れていたのだと思います。

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