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3.11を思い出す
森川林 2019/03/11 03:06 

 3月11日が人生の転機になった人は多いと思います。
 日下公人さんは、終戦で戦前派と戦後派の区別ができたように、3.11で震災前派と震災後派の区別ができると述べていましたが、それほど、日本人にとっては歴史的に時代を画する出来事だったのです。

 そして、多くの人が日本を守るために何ができるかを考えました。
 私がよく本を読んでいるすべての著者が、ひとりの例外もなく、日本を守るための提言を数ヶ月もたたずに書いていました。

 私も、自分に何ができるかを考え、言葉の森を作文教育という狭い範囲の教育に留めるのではなく、もっと広く日本の教育全体をよくするような仕事をしなければならないと思いました。

 そして、当時広がりつつ会ったウェブ会議システムを使って、子供たちの創造性を育てる教育を、これまでの作文教育を発展させる形で広げていこうと思ったのです。

 そのときに考えたのが、日本の教育をどう変えるかということで、それが、「受験から実力へ」「学校から家庭へ」「点数から文化へ」「競争から創造へ」という四つの大きな方向でした。

 そして、ウェブ会議を利用した自主学習コースや、読書実験クラブや、思考発表クラブを立ち上げ、それが今、発表学習クラスや寺オン作文クラスやオンラインの親子作文コースという形に発展しています。(自主学習コースの改良は、このあと行う予定です。)

 Zoomというウェブ会議システムを利用した全員参加型の少人数オンライン教育は、大きな可能性を秘めています。
 それは、これまでの教育以上に子供たちの実力をつけ、家庭での親子の関わりを深め、共感と思いやりの文化を育て、子供たちの創造性を伸ばしていると思うからです。

 ただ、はっきりした数値上の成果が出る性格の教育ではないことと、ウェブ会議というものが敷居が高く感じられるだろうことから、まだ大きく広がるにはいたっていません。

 この寺子屋オンライン教育のネットワークを全国に広げ、自然合宿と結びつけた新しい教育を作り、日本をよくしていくことが言葉の森のこれからの目標です。

 しかし、3.11のあと、日本の社会はよくなっているようには見えません。
 少子化が進み、多くの人が物事を後ろ向きに考え、古い利権体質が今も存続し、日本をいい国にしようという思いを共有する場があまりにも少ないように思います。

 そして、教育という身近な分野に限ると、本を読めない子、文章を書けない子の割合が、以前よりも増しているように感じられるのです。
 もちろん、読書が好きで、優れた個性的な文章を書き、学力もあり、思いやりもある子というのは、いつも一定の割合でいます。
 しかし、普通の家庭で、親も普通のきちんとした人でありながら、子供が極端に読書も作文も苦手だという子が増えているように思います。
 新井紀子さんの「AI vs. 教科書が読めない子どもたち 」を読むと、それが単に自分の感覚的なことではなく、実際に日本の子供たちに起きている読解力、思考力の低下の反映らしいということが推測できます。

 今の日本の社会がよくなっていないどころか、これらの子供たちがそのまま成長すれば、日本はこれまでよりも更に経済も文化も停滞した国になるということなのです。

 しかし、これらの問題を解決する展望は、私なりにはっきりしています。
 それは、寺子屋オンライン形式の少人数の全員参加型のオンライン教育を、森林プロジェクトの講師によって全国に広げていくことです。
 少人数の全員が発表できるオンラインの教育であれば、読書力がつき、作文力がつき、コミュニケーション力がつき、共感力が育ち、家庭での親子の関わりが増え、単なる点数を競う教育ではなく、それぞれの子供の個性と創造性を生かす新しい教育ができると思います。

 これが、3.11から始まった私と言葉の森の原点です。
 たとえ歩みは遅くても、この道を貫いていきたいと思います。
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コメント欄

森川林 2019年3月11日 6時46分  
 3.11のあと、誰もが日本をよくしようと思ったはずなのに、まだ目標とする状態からははるかに遠いところにいます。
 私は、日本の問題の根本に、子供たちの教育の問題があると思います。
 日本をよりよい国にするために、子供たちの創造性と思考力と感受性を育てる教育を進めていきたいと思っています。


nane 2019年3月11日 7時2分  
 2011年3月11日から、あっという間の8年間でした。
 確かに、日本の政治に求心力が増したことと、インターネットで真実の情報に触れる機会が増えたというプラスの面はありますが、まだ古い利権体質は残っているし、何よりも新しい社会の展望を述べる人が少なすぎる気がします。
 これからの日本に必要なのは、批判よりも建設です。
 自分たち個人の生活は、日本という全体と結びついていることを自覚して、新しい社会の建設に貢献していきたいと思います。


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