記事 3644番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2019/6/27 
小学1年生から始める新しい作文の勉強
森川林 2019/03/26 08:15 

 作文は、日本語力の集大成です。
 話し言葉の日本語は、文法も平易で、音の種類も少ないので、外国人にとっても学びやすい言語だと言われています。
 しかし、書き言葉になると、この日本語が急に難しくなります。
 だから、大人でも、作文を書くと、誤字や読みにくいところがあちこちにあるのが普通です。

 しかし同時に、日本語は一音がひらがなの一文字に対応しているので、小学1年生でも、ひらがなが書ければ、自分の話したいことを作文という形で書くことができます。
 日本で、小学1年生から作文の勉強が可能なのは、日本語のこういう特殊性があるからです。

 この作文を、小学1、2年生で書く場合の重点は題材です。
 ちなみに、小学3、4年生の重点は表現で、小学5、6年生の重点は主題で、中学生以上の重点は構成です。
 構成、題材、表現、主題という区分は、言葉の森の独自の考え方で、ほかにこういうことを言っているところはないと思いますが。

 さて、なぜ小学1、2年生の重点が題材かというと、この時期は、思ったことがそのまま言葉になって出てくる時期だからです。
 この時期の子供たちには、いい題材を選ぼうという意識はありません。
 だから、日曜日にどこかに遊びに行ったら、そのことを書くし、特に何もなかったら、今日のことを書きます。
 その「今日のこと」も、いつも同じ内容の、サッカーをしたことや、友達と遊んだことでいいのです。
 毎回同じことを書いても、苦になりません。
 思ったことが、書き言葉になって出てくること自体が面白いというだけなのです。

 小学1年生は、まだ指の力がないので、長く書くことはできないのが普通ですが、小学2年生になり、ある程度指の力がついてくると、子供たちは作文を長く書くことに燃えるようになります。
 この時期は、長く書くことがうれしい時期なのです。

 子供によっては、どこかに出かけたことを書く場合でも、朝起きてから夜寝るまでのことを千字以上書くこともあります。
 また、本をよく読んでいる子は、本に書かれているのと同じような空想の話を延々と書くこともあります。
 しかし、これは、子供たちの作文の実力ではありません。
 頭の中に思い浮かんだことをただ文字にして書いているだけなのです。

 この時期に大事なのは、ただあったことを書かせることではありません。
 そういう作文であれば、作文は普通に書けるからいいということになってしまいます。

 小学1、2年生の時期は、親子で経験を共有し、その経験をもとに対話をし、親の持っている語彙やものの見方や考え方を対話の中で自然に伝え、その対話の手段として親子で表現項目を工夫することなのです。

 言葉の森が、小学1、2年生の生徒向けに実行課題集を作っているのは、そういう経験の共有という目標があるからです。
 親が子供と一緒に行う経験には、季節の行事や、自然観察や、理科実験や、料理や、工作や、親子で楽しむ遊びなど、さまざまなものがあります。
 それらの経験が作文の題材になります。

 その経験のためには、わざわざお金をかけてどこかに出かける必要はありません。
 日曜日などのちょっとした時間に、「今日は、これをやってみようか」という感じで、親子で気軽に取り組むようなものこそが、子供にとって深い経験になります。

 そういう親子で共有できる経験を提供してくれる本が、最近数多くか出ています。
 私が、いいと思う本には、次のようなものがあります。

「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」


「しぜんとかがくのはっけん! 366」


 高学年の生徒であれば、理科実験の本がいいでしょう。

 しかし、これらの本を勉強的に使うのではありません。
 親子で共有する経験の材料として使うのです。

 小学1、2年生の作文の勉強は、表現を工夫することが目的ではなく、経験と対話から生まれる、言葉の使い方や、ものの見方や、感じ方や、考え方を自然に育てることに意義があり、それがその後の作文力の土台となっていくのです。


■言葉の森の教室紹介
面白い勉強で実力がつくオンラインの学習【動画】

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
小学校低学年(79) 親子作文コース(9) 

コメント欄

森川林 2019年3月26日 9時7分  
 小学校低学年の学力で最も大事なものは、日本語力です。
 日本語の力は、単に国語という一つの教科の力ではなく、ものごとを考える土台となる力だからです。
 しかし、日本語は話し言葉が容易なので、子供が話しているのを聞いているだけでは、日本語力は何も問題ないと思ってしまうのが普通です。
 書くときになって初めて、その子の日本語力が出てくるのです。


nane 2019年3月26日 9時17分  
 うちの子は、何の習い事もせず、塾にも予備校にも行かず、やったのは小1からの言葉の森だけ。(あと、1人の子はバスケットボール。)
 自分ではななく、ほかの先生に教えてもらいました。
 家でやっていた勉強は、音読と読書と対話と算数をほんの少しだけ。
 だから、算数は途中まで苦手か普通でしたが、受験勉強を始めるとすぐにできるようになりました。
 こういう生活でいちばんよかったと思うのは、小中学校時代はかなり暇だったことです(笑)。


森川林 2019年3月26日 9時21分  
 今日の記事ですすめた2冊の本は、読むためだけの読書ではなく、実験したり観察してみたりするための読書です。
 子供は、面白そうなことが書いてあると、すぐに自分でもやってみたくなります。
 そのための材料を提供してくれる本が、小学校低学年のいい本です。

コメントフォーム
小学1年生から始める新しい作文の勉強 森川林 20190326 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。
けこさし (スパム投稿を防ぐために五十音表の「けこさし」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント1~3件
【重要連絡】< nane
 システムの変更で最も大変なのは、動いて 6/26
【重要連絡】< 森川林
 言葉の森の料金システムが変わります。 6/26
STEM教育の nane
 科学技術教育は大事ですが、それ以上に大 6/25
……次のコメント

過去の記事

過去の1~30件目を表示
■お母さんとの対話が子供を賢くする――作文発表交流会の作文から 3月25日
■記憶の勉強と創造の勉強――創造は信頼できる他人との関わりの中で育つ 3月24日
■読解検定試験で国語力、読解力をつけ、学力をつける 3月23日
■勉強の追加をさせない――理想の子育て 3月22日
■「春の読書作文キャンプのしおり」3/30更新 3月21日
■新中学1年生におすすめの勉強法 3月21日
■言葉の森は、なぜまだプログラミング講座を始めないのか 3月20日
■県立甲府西高校 3月19日
■「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」のレビューありがとうございました――小冊子とシャーペンを昨日発送 3月19日
■文鳥のサクとブン――生き物との触れ合いのある子育て 3月18日
■3.4集の授業の動画をアップロードしました 3月17日
■小学1、2年生は勉強のスタイルを決めることが大事――高学年も中高生も基本は同じ 3月17日
■国語力のある子はどんな勉強をしているか――問題を解く勉強では国語力はつかない 3月16日
■3.3週の受業の動画(小1~小6)をアップロードしました 3月15日
■中学1・2・3年生の保護者懇談会――中学生の勉強の仕方 3月15日
■新小5・小6の保護者懇談会から――英語の暗唱について、意見文の書き方についてほか 3月14日
■【合格速報】横浜サイエンスフロンティア高校 3月13日
■いい本の選び方 3月13日
■小学校低学年のうちは、勉強させるというよりも、子供と知的で創造的な生活を楽しむ 3月12日
■準備を充実させ、交流を楽しむ作文の授業 3月11日
■千葉県立千葉高等学校 ・昭和学院秀英高等学校・渋谷教育学園幕張高等学校 ・志学館高等学校 4月1日
■京都市立堀川音楽高校指揮科、相愛高等学校作曲科 4月1日
■読解検定の問題文のページーー問題を解くことで読解力がつく検定試験 3月11日
■3.11を思い出す 3月11日
■お母さんとお喋りしながら作文の準備――親子で書く構想図の例【動画】 3月10日
■新しい作文のアップロードの仕方――googleフォトから作文の丘へ 3月10日
■中学生になったら作文の勉強 3月9日
■3.2の授業の動画をアップロード 3月8日
■東京医科大学医学部看護学科・東京女子医科大学看護学部 ・獨協医科大学看護学部看護学科 ・目白大学看護学部看護学科 ・東京医療大学ヒューマンケア学部看護学科・ 獨協医科大学附属看護専門学校 4月1日
■【合格速報】都立北園高校 3月8日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSフィード

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺オン作文クラス(2)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
発表交流会(20)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。