モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その3) 幼児作文コースのモニター募集(言葉の森の生徒のご兄弟対象) モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その2) 寺子屋オンエアをなぜ始めたか 盛りだくさんの言葉の森の企画(その3)モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ

記事 2094番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2017/6/26 
モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その4)
森川林 2014/02/25 06:13 


 今後、米国がデフォルトすれば、アメリカがこれまで担ってきた世界に対する購買力は大きく低下します。また、中国の民主化に向けての圧力が強まれば、中国のバブルはいったん崩壊し不良債権の山が経済を長期間停滞させるでしょう。
 これらの影響は、当然日本にも及びます。その影響は、第一に物が売れなくなることです。そして第二に、財政再建のためにリストラが行われ、更に物が売れなくなっていくことです。

 世界規模のデフォルトが相次ぐことで、結局返せない借金は、徳政令のような形で無理やり収束されることになるでしょう。(あるいは、人類はもっとよい方法を考えつくかもしれませんが。)
 そして、皆の預金や現金が吹き飛んだあとに、それでも特に誰も餓死することもなく、貧しく不便ながらも世界は回っていることに多くの人が気づきます。
 仕事をしている人がほとんどいないのに、最低限の生活に必要なものは、とりあえず供給されるほど、人類の生産力は豊かになっていたのだと多くの人が気づくのです。

 物が売れなかったのは、お金がなかったからではなく、もう既に物があったからです。だから、これからは、互いにあり余ったものを売り合うよりも、真に価値あるものを作り出し、それを与え合うようにすればいいのだと、皆が自然に思うようになります。
 真の価値は、人間の創造です。それは、最初は、子供の教育から始まります。子供たちに基礎学力をつけ、創造的学力を育て、文化の伝承をすることが、子供の教育を通した価値の創造です。
 これからの社会では、受験勉強は不要になります。限られた定員の中で、そこに合格するために競争する勉強ではなく、誰でも希望すれば入れる無制限の枠の中で、新しいものを創造するための勉強が求められるようになります。そのために必要なものは、幅広い基礎学力と深い思考力です。

 そして、やがて価値の創造の分野は、子供の教育から発展して、大人の学習に進んでいきます。その学習の目的は、個性的な人格の創造です。
 これまでの社会における学習は、没個性的な利益の追求によって引き起こされる他者との競争に勝つための学習でした。しかし、これからの社会では、自分の個性的な人格を向上させ、新しい価値を創造し、それによって社会に貢献することが学習の目的になります。

 そういう新しい社会に真っ先に移行するのが日本です。日本の文化には、もともと競争よりも共感を重視する面があるからです。
 世界が、経済的な破綻の中で混乱しているときに、日本が最も早く安定した社会を回復します。その事実によって、日本が将来の世界のモデルを提供することになります。
 だから、教育は、単に子供の教育にとどまらず、また単に自分の向上にとどまらず、世界をよりよく変革するための強力なツールにもなります。
 日本では、これから英語教育に力を入れようとしていますが、それは、日本人が英語を使えるようになるためではなく、日本人が英語圏の人に日本文化を伝えるための英語教育になります。

 ところで、そのような時代の勉強は、もはや机上の学問ではありません。受験のための学問ではない創造のための学問は、その成果を現実社会の中で実践するという面を持っています。そういう知恵が、これから求められる本当の知恵になります。
 では、実践のための知恵とは何でしょうか。

 これまでの没個性的なモノクロの利益追求型の社会では、知恵は、利益を生み出すための知恵でした。それは、コスト(インプット)よりも大きな利益(アウトプット)を作り出す知恵であり、その知恵が中心になって社会が動いていました。
 初期の工業生産では、ベルトコンベア式の生産に見られるように、労働者をまるで機械の一部であるかのように使うことが利益を上げるための知恵でした。
 しかし、今はもう、人間はそういうところでは動きません。

 これからの社会では、給料を得ることは、仕事の必須条件ではありません。なぜなら、世の中は、お金では動かないようになってきているからです。どんなに高い給与を提示しても、皆がその仕事では働きたくないと思えば、その仕事はもう成り立ちません。
 利益と給与で回っていたサイクルが、未来の社会では、別のサイクルになります。それは、個性的な人格の向上と創造と貢献という人間の新しい生き方と結びついたサイクルです。

 未来の世の中は、モノクロの利益と給与で動くのではなく、カラフルな創造と貢献と、相手とのつながりの中で動くようになります。ちょうどフリーなオープンソースの産物であるLinuxやApacheやMySQLが、有料で豊富な資金力に裏付けされたソフトやシステムを超えてしまったのと同じことが、これからの社会のあらゆる分野で起こってきます。

 一部の人だけが、独立してお金を稼げるプロで、大多数の人が単なる消費者となり、被雇用者として企業から与えられる給料でその消費生活を送るという時代は、もう過去の時代になります。
 未来は、すべての人が、自分の個性的な人格において創造する独立したプロとなれる社会です。
 もちろん、今の大人の大多数はまだ、そういう準備ができていません。しかし、人間は必要に迫られればすぐに変容できる力を持っています。そして、その出発点となる国が日本なのです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森のビジョン(51) 

コメント欄

コメントフォーム
モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その4) 森川林 20140225 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 15,924件
新着コメント1~10件
これからの子育 nane
 子供を見るときには、その子が将来どうい 6/24
これからの子育 森川林
 昔は、本を読んでいる暇があったら勉強し 6/24
「子供が説明す 森川林
 あきらめのはまだ早い(笑)。  これ 6/23
作文はよく書け nane
 受験直前でもなければ、国語の成績を上げ 6/23
作文はよく書け 森川林
 国語の入試問題というのは、大体いじわる 6/23
「子供が説明す kaka
私の娘も六年生で、いまだに2語までの文章 6/22
読むことが苦に nane
 勉強しすぎると頭が悪くなる、というのは 6/19
読むことが苦に 森川林
 低学年ですごく成績がいい子というのは、 6/19
読書と勉強を両 nane
 言葉の森の通学クラスに作文を書きにくる 6/15
読書と勉強を両 森川林
 小学校低中学年の勉強は、基本的なことば 6/15
……次のコメント

オープン教育 1~10件
オープンの川
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その3) 2月22日
■幼児作文コースのモニター募集(言葉の森の生徒のご兄弟対象) 2月21日
■モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その2) 2月20日
■寺子屋オンエアをなぜ始めたか 2月19日
■盛りだくさんの言葉の森の企画(その3)モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ 2月18日
■合格で力のつく子、不合格でもかえって力のつく子 2月14日
■盛りだくさんの言葉の森の企画(その2) 2月13日
■盛りだくさんの言葉の森の企画(その1) 2月12日
■合格速報 2月11日
■受験の教育から、文化の教育へ 2月10日
■寺子屋オンエアのモニター募集(言葉の森の小中学生の生徒対象) 2月10日
■ネット教育のマイナス面と新しい可能性 2月9日
■毎日の短文穴埋めドリルのような勉強で作文力がつくか 2月8日
■早期英語教育の弊害に警鐘――小3以前の英語学習は日本語にマイナス 2月6日
■凍るような寒さが羽化を準備する 2月6日
■方程式の面白さ、図形の面白さ。面白さを味わためには勉強はほどほどに 2月5日
■入試の作文は字数を埋めることが第一。情報処理化した国語の勉強の仕方 2月4日
■勉強は、ひとりでするより、ほかの人が一緒にいる方がはかどる 2月4日
■ネット教育に必要なのは、ITテクノロジーではなく教育についての哲学 2月3日
■教育のネット化が、人間の動物性を助長するものにならないように 2月3日
■本質的な変化や成長は、忘れたころにやってくる 2月3日
■外的刺激によって普通の細胞が万能細胞に。それは人間にも…… 2月3日
■勉強は自分らしいやり方で 2月3日
■日本の行事や文化を作文の課題に生かす 2月3日
■教えてもらうよりも、自分ひとりで勉強するほうが確実に身につく 2月2日
■2月の遊びと行事の実行課題を作成中 1月29日
■実力をつけてから志望校を決めるのではなく、志望校を決めてから合格力をつける 1月29日
■千失ったら、千五百作る 1月29日
■受験作文に臨むには 1月28日
■すべての人がそれぞれの才能を発揮する社会 1月28日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Google+ページ
言葉の森作文オンエア

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSリーダー

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
オンエア作文(2)
音声入力(10)
音読(22)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造が価値の源泉となる社会(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺子屋オンエア(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プレゼン作文発表会(20)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンエア(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。