記事 3591番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2019/5/20 
幼児親子作文のすすめ(その1)
森川林 2019/03/01 07:29 

 言葉の森では、この春から、親子作文に本格的に取り組んでいます。
 これまでも親子作文というのはあり、今でも、電話通信で作文を書いている幼長や小1の子はいます。

 しかし、電話通信指導だと、電話のあと家庭に任せる時間が長いので、親子の関係がうまく行く場合と、うまくいかない場合があるのです。
 例えば、ほんのささいなことのように見えますが、子供が、「このあと、何を書いたらいい」と、お母さんに聞いてきたとします。
 そのときは、すぐに手助けをしてあげるのが基本です。なぜなら、子供は安心できる状態で作文を書きたいからです。
 いつでも、近くにいる人が手助けしてくれると思えば、不安なく自由に書くことができます。

 しかし、子供が自分でやらないと意味がないという考えで、子供に、「自分で考えなさい」と突き放してしまうお母さんもいるのです。
 それは、もちろん、そのお母さんが子供のためを思って善意で言っていることですが、こういうやりとりが繰り返されると、子供は安心して楽しく書くという気持ちをなくしてしまうのです。

 また、次はもっと多いことですが、子供が書いた作文に対して、もっといい作文にしたいという気持ちから、直すことを求めてしまうお母さんがいることです。
 子供が書いたものを大人が見れば、直したいところはたくさん出てきます。
 「もっと、ここはこういうふうに書いたらいいよ」というような、そこだけ見れば何でもないことのように見えるアドバイスでも、これが子供の書く意欲をなくしてしまう最も大きな原因になるのです。

 子供の立場からすれば、作文は一生懸命に書いたもので、言わば自分の分身のようなものです。
 それを認めてもらうのが第一に重要なことで、その欠点を指摘するのは、子供がもっと自信をつけてからなのです。
 そして、本当は、自信をつけてからでも、直すのはほどほどにして、そのかわり、項目のよくできたところをたっぷり褒めてあげるのです。

 この褒める評価ができるのが、事前指導のよいところです。
 例えば、「数字や名前を思い出して書こう」という事前指導で、子供が数字や名前を思い出して書いてきたら、そこを褒めることができます。
 もし、そういうことを何も言わずに、子供に作文を書かせて、子供が書いた作文を見せにきても、先生が褒めるのは感覚的なことだけになってしまいます。
 すると、子供は褒められるのはうれしいが、なぜ褒められるのかわからないという状態になります。
 そういうことが繰り返されると、子供はだんだんと作文を書く意欲をなくしていきます。

 作文を直すときでも同じです。子供が長く書いた作文を持ってきたときに、「長く書いたのはいいけど、もっと字をていねいに書かなきゃ」などと言ってはいけないのです。
 次の作文を書く直前に、「今日の作文は、字数は短くてもいいから、最初の一行をていねいに書いていこうね」と言って、子供がそのように最初の一行だけていねいに書いてきたら、そこを褒めるのです。

 こういうほんのちょっとしたやりとりのコツのようなことが、10分間の電話指導では十分に伝わりません。
 電話指導のあとの保護者との話の中で、相談を受けて答えることはできますが、それでも、子供が書いている状態をずっと見ているわけではありませんから、どうしても対応が不十分になります。

 しかし、これが、オンラインで約1時間一緒に書く状態で作文指導をするのであれば、もっと親身な対応ができます。
 そして、子供も、親子だけで書くのではなく、先生も一緒で、友達も一緒ですから、勉強というよりも何かのイベントに参加するような気持ちで取り組めます。

 それで、この春から、幼児の親子作文を寺子屋オンラインで本格的に行うことにしたのです。
 たぶん、今、幼長や小1で、オンラインの親子作文に取り組んでいる子は、作文も読書も好きになり、暗唱も得意になり、いい友達ができ、作文がずっと勉強生活の一部のようになっていくと思います。
(読書が好きになるのは、毎回生徒の読書紹介があるからです。暗唱が得意になるのは、暗唱チェックができるからです。ただし、作文クラスは作文実習の時間を確保する必要があるので、暗唱チェックは今後発表学習クラスの方でまとめるようにする予定です。)
(つづく)


言葉の森受講案内  無料体験学習
言葉の森サマーキャンプ   公立中高一貫校自主学習クラス

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
親子作文コース(9) 

コメント欄

森川林 2019年3月1日 7時53分  
 幼児期の学力の基本は日本語力です。
 しかし、日本語力というものは差が目立ちません。
 目立つのはもっと勉強的なことです。勉強はした子としていない子では差がはっきり出ます。
 しかし、差がはっきり出るのは表面的なもので、あとからいくらでも追いつくので心配は要りません。
 大人になって大成するのは、小さいころからよく勉強していた子ではなく、よく本を読んだりよく親子で対話をしたりたっぷり遊んでいたりした子なのです。


nane 2019年3月1日 8時1分  
 学力の基本である日本語力を育てると言っても、何を基準にしたらいいかわかりません。
 かつては四書五経のような基準となるものがありましたが、今の学校の国語の教科書を読んでいれば日本語力がつくと思う人は誰もいません。
 だから、言葉の森では、高校3年生まで続けられる作文教育を、これからの日本語力育成の柱としたのです。


コメントフォーム
幼児親子作文のすすめ(その1) 森川林 20190301 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。
てとなに (スパム投稿を防ぐために五十音表の「てとなに」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント1~3件
未来の教育は、 nane
 発表学習は、うちの子が小学生だったら、 5/18
未来の教育は、 森川林
 いい学校を目指す理由の第一は、いい友達 5/18
オンライン自宅 nane
「オンライン自宅学童クラスが朝からあれば 5/17
……次のコメント

オープン教育 1~3件
オープンの川
鳥の村 1~3件
鳥の村
虹の谷 1~3件
虹の谷
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■鳥の村に3.1週の授業の資料と動画をアップロード 2月28日
■寺子屋オンライン通信2019年3月号(改3.16) 2月28日
■発表学習クラスの発表の紹介――小学生時代はのびしろを育てる時期 2月28日
■親子作文と言葉遊びとダジャレ 2月27日
■【合格速報】清泉小学校(編入試験合格) 2月26日
■【合格速報】アレセイア湘南高等学校 2月28日
■子供の作文は、赤ペン添削ではなく事前指導によって上達する 2月26日
■google+コミュニティの終了に伴う画像アップロードの変更について 2月26日
■mori7.netで「この接続ではプライバシーが保護されません」のメッセージが出ています 2月25日
■読解検定は間違えた方がいい試験 2月25日
■勉強はひとりでするもの 2月24日
■寺子屋オンラインの少人数クラスの上達の早さをデータで調べてみて 2月23日
■2.4週の授業の動画をアップロードしました 2月22日
■【合格速報】県立千葉東高校 2月22日
■東大推薦入試型の学力をつける「発表学習クラス」の自由な勉強 2月21日
■しばし近況報告――昔の生徒が教室に来てくれました 2月20日
■【合格速報】横浜市立南高校附属中学校 2月20日
■【合格速報】武蔵中学校 2月18日
■不合格なんて気にしない――その学校に人を見る目がなかっただけ 2月18日
■創造力と発表力を育てる新しい学習/オンライン発表学習クラス 2月17日
■新しい作文の勉強法――寺子屋オンライン作文 無料体験学習受付中! 2月17日
■親子の対話でいい子に育つ――小学1年生から始める親子作文のおすすめ 2月16日
■春休み横浜の港南台教室で読書作文キャンプ 2月16日
■国語力がつく「読解検定」3月から 2月15日
■考える力を深める新小5、新小6年の勉強 2月14日
■【合格速報】早稲田大学本庄高等学院 2月13日
■新中学生の勉強の仕方 2月13日
■【合格速報】横浜国大附属鎌倉中学校 2月12日
■【合格速報】東京都立桜修館中等教育学校 2月12日
■言葉の森の「読解・作文力」の本が、書店に並べられています 2月12日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Google+ページ
言葉の森作文オンエア

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSリーダー

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
オンライン作文(2)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
発表交流会(20)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

Donate with IndieSquare