記事 3658番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2019/8/20 
読書作文キャンプで、よく学び、よく遊び、自然と人間の触れ合いのある教育を
森川林 2019/04/02 06:00 

 言葉の森は、最初、通学の作文教室でした。
 作文を勉強するというニーズは、37年前の当時はほとんどなかったので、横浜を中心にしたいくつかの貸教室で十人前後の生徒を教える形で運営していました。

 なぜ作文教室を始めたかというと、そこに面白い未来があると思ったからです。
 国語や算数の勉強を教えるという方針は、最初からありませんでした。
 勉強は、人から教わるものではなく、自分でやるものだと考えていたからです。
 そのため、経営にはかなり苦労しました。

 通学教室を運営していてしばらくすると、引っ越しなどで教室に通えなくなる生徒が出てきました。
 それらの生徒から引っ越しししても作文の勉強を続けたいという声があったために、通信のクラスを始めました。

 当時はウインドウズ3.1がウインドウズ95に切り替わるころで、ややこしい設定を克服すればインターネットが使えるようになりつつある時期でした。
 そこで、どうせ通信にするなら、双方向のやりとりができるインターネットを活用しようと思い、ホームページを中心にした教室作りに着手しました。

 そのインターネットがブレークしたのが2000年ごろで、やがて通信の生徒の方が通学の生徒よりも多くなりました。
 そのうち、言葉の森の作文指導を見て、ベネッセやZ会や最近ではブンブンどりむが似たような作文指導を行うようになりました。

 言葉の森の作文指導は、通学教室の延長で始めたものなので、紙のやりとりだけでなく電話による指導にも力を入れていました。
 この電話指導が、生徒と講師の間のコミュニケーションを生み、その他の通信教育にはない人間的なつながりのある教室になっていました。

 しかし、自分の中には、もっとリアルな人間関係が、生徒と講師の間だけでなく、生徒どうしの間でも必要だという気持ちがありました。
 今の子供は、戸外の自然の中で友達と一緒に遊ぶという経験があまりありません。
 人間のバランスの取れた成長のためには、自然と友達と家族と遊びと勉強のそれぞれの要素が必要です。
 しかし、子供たちの多くは、学校と塾と非効率な勉強とゲームに多くの時間を支配されているようでした。

 そこで、生徒と先生の電話による個別指導のほかに、ウェブ会議システムを利用した少人数のオンラインクラスを始めようと思いました。
 そのきっかけになったのは、2011年の3月11日の震災でした。
 日本を守るためには、自分なりにできることをしなければならないと思ったのです。

 いろいろとやり方を考えて、大きな方向を定めました。
 普段の勉強は家庭でいながらにしてできるオンラインの少人数クラスで行い、夏休みや土日の休みなどは、合宿で自然と友達と接する遊びと勉強の機会を作るという形の教室運営です。
 それが、読書作文キャンプの発端です。

 そして、教室の拡大に伴って必要になる人材は、森林プロジェクトの講師募集でカバーし、その講師自身も教室運営の中で自分の得意分野を生かせるようなシステムにしようと思ったのです。

 この話をホームページの記事に書いたところ、生徒の保護者の方から、使っていない別荘地の土地があるからそれを譲ってくださるという話がありました。
 そこで、その土地にログハウスを作り、合宿専用の教室を作ることにしました。
 そこを将来、森の学校という名前にして、子供たちが長期間寝泊まりして勉強と遊びと交流ができるようにしようと思ったのです。
 しかし、ログハウスを作るのは時間がかかり、その年の夏のキャンプには間に合わないということがわかったので、どうしようかと考えていたところ、近くに売りに出ているペンションがあったので、急遽そこを利用することにしました。
 これが、言葉の森の那須合宿所です。

 なぜ常設の合宿所が必要かというと、勉強と遊びを両立させるためには、1人1台のパソコン環境とともに、理科実験装置や3Dプリンタなどの設備が必要になるからです。

 1年目と2年目は、合宿の試運転で、1年間のうち1週間ほどしか使いませんでした。
 那須は、観光地で景色もよく遊ぶところがたくさんあり、皇室の保養所のあるせいか住んでいる人も穏やかで親切な人が多い土地柄でした。
 しかし、東京から新幹線で2時間ですから、便利と言えば便利ですが、日常的に使える場所ではありません。

 そこで、長期間の休みは那須合宿所を利用し、やがてそこを常設の森の学校にするのですが、しばらくの間は、横浜の教室で土日合宿を行うことにしました。
 その最初の土日合宿が、先日の3月30・31日の春の読書作文キャンプでした。

 土日の合宿は、今後も定期的に開催し、その合宿の中で自然と友達との触れ合いの機会を作り、遊びと勉強を両立させる場にしていく予定です。
 そして、夏や冬の長期間の休みは、保護者の同伴が可能で、期間も自由に選べ、読書と作文以外に国語や算数などの教科の勉強もオンラインでできる自然寺子屋合宿を開催する予定です。

 今はまだ横浜と那須にしか合宿できる場所はありませんが、言葉の森の生徒には関西地方の方も多いので、いずれ関西方面でも利用しやすい場所に合宿所としての森の学校を作ろうと思っています。
 そして更に、言葉の森の生徒には、海外の方も多いので、将来は、アジアをはじめとした世界各地に森の学校を広げていきたいと思っています。
 その各地の森の学校と寺子屋オンラインで、これからの日本を支える、思考力と創造力と共感力のある子供たちを育てていくのです。


■言葉の森の教室紹介
面白い勉強で実力がつくオンラインの学習【動画】

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
合宿(14) 言葉の森のビジョン(51) 未来の教育(31) 

コメント欄

森川林 2019年4月2日 6時16分  
 私は、学生時代は、80人の男子だけの寮生活を4年間送りました。
 大部屋に4人が泊まる形で、学生だけが運営する自治寮でした。
 そこで、民主主義というものを実感的に味わいました。
 その寮生活での人間関係が、自分の考えに大きく影響を与えたと思っています。
 本当の勉強には、教科書と先生以外に、自然と友達も必要だという考えは、そのころから生まれました。


nane 2019年4月2日 6時21分  
 今回の土日合宿は、飛び入りの応援もあり(笑)、かなり楽にできました。
 今後、横浜で土日合宿を定期的に開催し、夏休みなどの長期の休みには、那須で期間自由の合宿を行う予定です。
 合宿のテーマは、「よく遊びよく学べ」で、勉強と遊びを両立させ、自然と友達との触れ合いのある自然寺子屋合宿にしていく予定です。


コメントフォーム
読書作文キャンプで、よく学び、よく遊び、自然と人間の触れ合いのある教育を 森川林 20190402 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
へほまみ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「へほまみ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント1~3件
コメントは24時間以内に表示
作文の書き方— ヒカトラ
中1です。家庭の日の作文で質問です。僕は 8/19
作文の書き方— 森川林
 このページを参考に。 8/19
作文の書き方—
小6なのですが、作文で映画を見た感想?を 8/19
……次のコメント

過去の記事

過去の1~30件目を表示
■令和元年に期す 4月1日
■プログラミング教育の未来と新しい作文教育 4月1日
■春の読書作文キャンプ無事終了 3月31日
■今日から春の読書作文キャンプ 3月30日
■4月からの寺子屋オンラインの勉強の進め方 3月29日
■【合格速報】宮城県古川高校 3月28日
■保江邦夫さんの聞いた未来の教育、アップルのデジタル教育、木内鶴彦さんの見た循環型社会 3月28日
■春の読書作文キャンプで行く瀬上の池 3月27日
■【合格速報】東北大学大学院理学研究科 3月26日
■【合格速報】京都大学文学部 3月26日
■小学1年生から始める新しい作文の勉強 3月26日
■お母さんとの対話が子供を賢くする――作文発表交流会の作文から 3月25日
■記憶の勉強と創造の勉強――創造は信頼できる他人との関わりの中で育つ 3月24日
■読解検定試験で国語力、読解力をつけ、学力をつける 3月23日
■勉強の追加をさせない――理想の子育て 3月22日
■「春の読書作文キャンプのしおり」3/30更新 3月21日
■新中学1年生におすすめの勉強法 3月21日
■言葉の森は、なぜまだプログラミング講座を始めないのか 3月20日
■県立甲府西高校 3月19日
■「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」のレビューありがとうございました――小冊子とシャーペンを昨日発送 3月19日
■文鳥のサクとブン――生き物との触れ合いのある子育て 3月18日
■3.4集の授業の動画をアップロードしました 3月17日
■小学1、2年生は勉強のスタイルを決めることが大事――高学年も中高生も基本は同じ 3月17日
■国語力のある子はどんな勉強をしているか――問題を解く勉強では国語力はつかない 3月16日
■3.3週の受業の動画(小1~小6)をアップロードしました 3月15日
■中学1・2・3年生の保護者懇談会――中学生の勉強の仕方 3月15日
■新小5・小6の保護者懇談会から――英語の暗唱について、意見文の書き方についてほか 3月14日
■【合格速報】横浜サイエンスフロンティア高校 3月13日
■いい本の選び方 3月13日
■小学校低学年のうちは、勉強させるというよりも、子供と知的で創造的な生活を楽しむ 3月12日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSフィード

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺オン作文クラス(2)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
発表交流会(20)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。