記事 731番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2020/9/30
国語力、作文力のある子を育てるには
森川林 2010/01/09 04:48 


 数学や英語は、勉強をしなければ成績の上がらない教科です。聖徳太子や空海がタイムマシンで現代に急に現れて、中学の数学や英語のテストを受けたとしたらまず0点です。勉強をすればできるが、勉強をしなければできないというのが普通の教科の特徴です。

 しかし、国語はそうではありません。全然勉強をしない人でも、国語ではある程度の点数を取ることができます。

 ここで、多くの人は、だから国語はそっちに置いておいて、まず英語や数学などの差のつく勉強に取り組もうと思うのです。しかし、英語や数学における0点と100点の差よりも大きいのが、国語における80点と100点の差です。国語力の差は小さいように見えても、ほとんど埋まらない差なのです。


 そのような国語力をつけるためには、どうしたらいいのでしょうか。

 まず、国語を勉強だと考えずに、生活だと考えることが必要です。

 国語力のある子の生活の特徴は、読書と対話があることです。


 読書のある生活をするために第一に大事なことは、読書を妨げる要因となるテレビやゲームの時間をコントロールすることです。これは簡単なように見えますが、実はかなり難しいことです。なぜかというと、子供の生活時間をコントロールするためには、かならず親の生活習慣の改善が必要になるからです。

 生活習慣の改善は、子供の学年の自乗に比例して難しくなります。だから大事なことは、小学校低学年のうちに、テレビとゲームについてのルールを決めておくことです。テレビを見させない、ゲームをやらせないというのはコントロールではなく単なる禁止です。禁止したものは、学年が上がると逆にコントロールできなくなります。

 テレビやゲームが生まれたときからあるという状態は、人類が経験してまだ日の浅いものなので、コントロールする文化がまだ成立していません。だから、個々の家庭で工夫して行く必要があるのです。


 対話のある生活をするために大事なことは、親が対話好きになることです。対話といっても子供が小中学生のうちは、親子の対話というよりも、親どうしの対話が中心になります。そのときの話題が、子供の関心のあるものであればなおいいと思います。

 理想的な対話の習慣は次のようなものです。

 まず、子供が千字程度の文章(以下、長文と呼ぶ)を音読したり暗唱したりします。夕食などで家族がそろったら、子供が家族みんなの前で音読や暗唱をします。そのときは周囲の温かい目が必要ですから、お父さんは必ず「おお、難しい文章をよく読んでいるね」などと言わなければなりません。間違っても、「もっとこういうふうに読んだらいい」などという勉強的なアドバイスはしないことです。

 子供が長文を読んだあと、その長文の内容が自然に話題になって食事が盛り上がります。その際、お父さんとお母さんが、自分はこう思うとか、昔はこうだったということを自分の言葉で話します。ときどき子供が話に参加しますが、基本になるのは親どうしの対話です。つまり、親が話を楽しんでいるのを子供が聞いているという形の対話なのです。

 家庭によっては、親どうしの対話が難しいという環境もあると思います。その場合は、親がひとりで子供にいろいろな話を聞かせてあげるという形になります。小学校の低中学年のころは、子供は喜んで親の話を聞きます。この時期に対話の習慣を作っておけば、子供が高学年になっても同じように対話のある習慣を維持していくことができます。

 食事のときの対話をするための一つの前提条件は、食事中はテレビを消しておくということです。これも、子供が小学校低中学年のうちは簡単にできますが、学年が上がるほどいったんできた生活習慣を変えることは難しくなります。


 では、そういう読書や対話の習慣がないままに成長してしまった子供の国語力をつけるためにはどうしたらいいのでしょうか。

 実は、国語力をつけるためのより即効的な勉強法もあります。それは、国語力として要求される国語の問題に出てくるような文章を徹底して読みなれることです。もう一つは、国語の記述式の問題の解答として要求される文章を丸ごと暗唱してしまうことです。

 しかし、このような勉強法は、あくまでもその場しのぎのものです。これで国語の成績が上がって合格できたとしても、その国語力は内容の伴っていないものなのであとが続きません。やはり、読書と対話によって中身のある国語力をつけていくことがいちばん大事なのです。


 国語力は、国語の成績としても表れますが、もっとはっきりとした形で作文力として表れます。作文を見ると、その子の実力がわかるというのはそのためです。

 では、作文力をつけるためにはどうしたらいいのでしょうか。指導の仕方以前に何よりも大事なことは、まず作文を書く機会を確保することです。学校では、先生の負担が大きいために作文の指導まではなかなか手が回りません。これも、家庭の中で書く機会を増やしておくというのがいちばんいい方法です。
 参加フォーム/言葉の森企画
国語力がつく読解検定10月
学校、塾、地域の団体受検もできます。 解き方のコツは、「読解・作文力の本」を参考にしてください。 言葉の森
 

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 

コメント欄

コメントフォーム
国語力、作文力のある子を育てるには 森川林 20100109 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
みむめも (スパム投稿を防ぐために五十音表の「みむめも」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
新着コメント1~3件
読解検定9月説 nane
 読解の解き方のコツを説明すると、高校生 9/26
読解検定9月説 森川林
 国語力を上げるには、ということで、いつ 9/26
本日9月24日 森川林
 プログラミング講師研修の第2回の会合を 9/24
……次のコメント

オープン教育 1~3件
オープンの川
鳥の村 1~3件
鳥の村
虹の谷 1~3件
虹の谷
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■1月2日にアルゼンチンから体験学習を申し込まれた小4男子の保護者の方へ 1月8日
■開成中、東大の国語力は作文力 1月8日
■自動採点ソフト森リンの点数で客観的な作文力を測定 1月7日
■通信の生徒の105人が900字暗唱を達成(生徒向け記事) 1月6日
■新年の夢―作文文化を作り育てる 1月1日
■未来の心身教育 12月31日
■ハワイの「あお」先生から教室新聞 12月29日
■放任と干渉の間にある方法の教育 12月29日
■教育の三角形―家庭での自習→教室での勉強→発表の場 12月28日
■受験作文の傾向は、題名課題から感想文課題へ 12月27日
■暗唱の目的は記憶ではなく反復 12月25日
■2010年の抱負―世界の未来と子供の教育 12月24日
■褒める教育というよりも認める教育 12月23日
■家庭でできる作文指導とは 12月22日
■森リンで10人中9人が作文力アップ 12月21日
■森リン大賞(作品続き) 12月20日
■11月の森リン大賞(作品) 12月20日
■11月の森リン大賞決まる 12月19日
■受験作文には、飛び切りの実例と表現で 12月17日
■言葉の森の受験作文指導 12月16日
■物語文の国語力は、共感して読む力 12月14日
■問題集読書で国語力をつける 12月12日
■言葉の森で書いた作文を持って―合格体験記 12月10日
■今回の暗唱長文はコンクール入選作文 12月9日
■小1-小3の言葉の森の勉強をもっと簡単に(生徒の保護者向けの記事) 12月7日
■小3の感想文指導のポイント 12月6日
■森リン開発秘話―点数の中心は語彙の多様性 12月4日
■中学生や高校生になるほど上がりやすい国語の成績 12月4日
■暗唱のコツは早口で繰り返すこと 12月4日
■自習の暗唱はオプション方式に 12月4日
……前の30件
RSS
RSSフィード

カテゴリー
全カテゴリー

QRコード


通学できる作文教室
森林プロジェクトの作文教室

リンク集
現在作成中です。
Zoomサインイン
ソースネクスト
FJNBP-1337-6644-8260-5410




 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。