チガヤ
次の記事の漫画は、面白いですが、読む必要はないです。
こういう接続語の話を知っても、読む力は何もつきません。
また、読書をよくしている子は、国語問題の接続語の選択などは自然にできています。
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漫画でわかる!中学受験国語の読解力を上げる方法
接続語を意識すると読むスピードが一気に上がる
https://toyokeizai.net/articles/-/762132
接続語の前をA、後をBとすると、「だから」「したがって」「そこで」「それで」「すると」「ゆえに」は、Aは原因・理由、Bは結果・結論、「つまり」「すなわち」「ようするに」はA=B、BはAのまとめ。「たとえば」は、BはAの具体例。「また」「並びに」「および」「そして」はABは同じレベル・似た事柄となります。
これらの接続語の典型的な用法を意識して文章を読めば、ABの一方から他方の意味を推測しながら読むことができます。この読み方によって読むスピードが一気に上がり、意味がわからない部分がなくなるという意味で正確性も増します。
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こんなことはないです(笑)。
読むスピードを上げるには、入試問題集にあるような文章を読む量を増やすだけです。
接続語を分析して考えるような人はいません。
ちなみに、普通の読書スピードは、1分間600字です。
多くの本は、1ページ600字程度ですから、10ページ読むと決めて、タイマーをセットし、10ページ読み終えたときの時間を計算すれば読書スピードがわかります。
接続語は、読むときではなく、書くときに必要になります。
森リンベストのページで、小学生よりも、中学生、高校生の方が点数が高くなることが多いのは、学年が上がるにつれて接続語を使うような文章を自然に書くようになるからです。
これは、課題の種類も影響しています。
「私の家族」というような身近な題名では、接続語はあまり出てきません。
しかし、もし「(人間における)家族の役割」というような題名で書くとすると、いろいろな接続語が必要になります。
だから、接続語が必要になる作文ほど、上の学年の作文になるのです。
ただし、文章力のある人は、逆に、接続語をあまり使わなくなる面があります。
接続語が入ると、わかりやすくなるが、その分わざとらしくなる気がするからです。
日本には、説明しすぎないことをよしとする文化があります。
「古池や蛙(かわず)飛び込む水の音」という俳句を見て、「どこの池で、どうしてカエルが飛び込んで、それがどうしたの」と聞くような人はいません。
説明を付け加えれば、俳句の味がなくなるからです。
だから、接続語は、使いすぎない方がいい面もあります。
ただし、中高生の書く作文には、接続語が必要になるような内容を書いていくことが大事です。
それは、考えながら書く作文になるからです。
ヤマボウシ
国語の速読力をつけるための記事がありました。
国語力のない子は、よむスピードも遅いのです。
だから、ここに書いてあることは、ほぼ当たっています。
しかし、言葉の森の指導法とは、少し違います。
そのことを書いておきます。
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【子どもの国語】「読むスピードが遅い子」が「スラスラ読める子」に変わる習慣・ベスト1
https://diamond.jp/articles/-/345050
……子どもに関しては「中学入試レベルの文章に読み慣れること」が重要になります。
音読する対象は、みくに出版の『中学入学試験問題集 国語編』がおすすめです。『銀本』と呼ばれているものです。
ここに出てくる文章が中学受験の目標となるレベルなので、これに慣れないといけません。
いつも生徒には「本は読まなくてもいいけれど、これは読んでね」と伝えています。
なぜなら、中学受験の国語は1万字程度の文章が読めれば充分で、1冊読み切るほどの力は必ずしも必要ないからです。
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これは逆です(笑)。
国語の問題集を読むよりも、しっかりした読書をすることの方が大事です。
勉強は、成績を上げるためにするのではなく、自分の成長のためにするのです。
さて、昔、国語が苦手だという高校生に、「全国大学入試問題正解 国語(国公立大編)」を5回読むようにと伝えました。
すると、急に国語の成績が上がったのです。
大事なことは、1回ではなく5回読むことです。
ちなみに、「私立大編」は無意味に難解な文章が載っていることがあるので、おすすめしません。
これは、小学生でも中学生でも同じです。
小学生の場合は、中学受験用の問題集、中学生の場合は高校入試用の問題集を読むのです。
みくに出版の「中学入学試験問題集 国語編」も、もちろんいいのですが、ページ数が多すぎるので、1回読むのがやっとになります。
中の問題は解く必要はありません。
ただ、問題文を読むだけです。
問題文を読むときに大事なことは、小さな声でいいので音読をすることです。
それは、なぜかというと、音読によって文章のリズム感が身につくことがひとつ、もうひとつは斜め読みにならないためです。
同じ文章を繰り返し読んでいると、まだ勉強の自覚のない小学生や中学生は、だんだん斜め読みになります。
音読をすれば、文章をきちんと読むことができます。
このときに大事なことは、そばで、もしお母さんやお父さんが聞いていたら、読み方の注意は一切しないことです。
読み方の注意をすると、子供は、次第に音読を負担に感じるようになります。
そして、「自分の部屋で読む」などと言って、親のいないところで読むようになったら、結局音読はしなくなります。
小学生、中学生は、居間で、親のいる場所で音読を続けることが大事なのです。
さて、なぜ1回ではなく5回読むことが大事かというと、問題文に書かれている文章だけでなく、その文章の背後にあるものの考え方、別の言葉で言えばその文章の思想がわかるようになるからです。
ただし、繰り返すと言っても、同じ文章を続けて5回読むのではありません。
そういう苦行のようなことは、誰もやりたがりません。
1冊を最後まで読み終えたら、また最初のページに戻って読むというかたちで1冊を5回読むのです。
繰り返し読んでいると、国語の問題文には、同じような思想があることがわかってきます。
すると、新しい文章を読む場合でも、そこに盛り込まれている思想を予測して読むことができるので、読むスピードが上がるのです。
私も、初めての国語の問題文を読むとき、最初の数行を読むと、「ああ、これはたぶんこういうことを言うんだな」と予測できることがあります。
実例には多様性がありますが、主題にはそのような多様性はありません。
ほとんどの文章は、同じような主題で書かれているのです。
話は変わりますが、これは、作文を書くときも同じです。
例えば、高校生の作文の課題で、「複数の原因を通して考える」という項目があります。
すると、どういうテーマで考えても、同じような原因を複数書くようになることが多いのです。
しかし、その原因の裏付けとなる実例は多様になります。
実例は多様でも、主題は共通していることが多いのです。
さて、同じ問題文を繰り返し読む練習をするためには、問題集は薄くなければなりません。
銀本で5回読むとしたら、1年以上かかります(笑)。
薄い問題集で、5回読む練習をする方が効果があるのです。
ただし、昔からある問題集というのは、主題が古いことが多いです。
内容が時々改訂されるような、つまり常に新しい話題が入っているような問題集を読んでいくのがいいのです。
銀本を使って読む場合は、この銀本をバラして分冊にし読むのがおすすめです。
「
国語力をつける根本的な勉強法 7『問題集読書の方法』」
https://www.mori7.com/as/1775.html
一時期、銀本の分冊化という方法をみんなに勧めましたが、そういう手間をかけられない人もいたので、今は誰でもできる普通の受験問題集の音読にしています。
しかし、いまだに音読は嫌だという子がいます。
その際、親自身が子供時代に音読の勉強をしたことがないので、そのままずるずると黙読になり、結局斜め読みになってしまうことがあります。
口の中でつぶやくような読み方でもいいので、音読を続けることが大事です。
高校生は、勉強の自覚があるので、心の中で音読するかたちでもいいです。
言葉の森が昔、音読の勉強をするようにしていたころ、ほとんどの保護者が、「なんで音読をするのですか」と言っていました。
しかし、その後、学校でも音読の宿題が出るようになったので、今は、そういう質問をする人はいません。
学校の宿題の音読と、言葉の森の長文音読が重なると、子供は負担に感じます。
学校の宿題は、夕方にやるようにして、言葉の森の音読の自習は、朝ご飯の前にやるというようにすれば、両方できます。
アガパンサス
たまたまですが、私の担当しているクラスの生徒が、ちゃんと欠席連絡を入れてくれた人もいますが、欠席連絡もせずに休んだ子がいました。
欠席だけでなく、遅刻も同様です。
たまに、いつも1、2分遅れて入る子が、クラスによってはいるようです。
こういう子は、社会人になっても遅刻します。
日本では、遅刻や無断欠席は、信用を失ういちばんの原因です。
遅刻しそうなときや欠席しそうなときは、どういう方法でもいいので連絡を入れることが当然の責任です。
ホンダの創業者のひとりである藤沢武夫は、何かの会合で乗り物が遅れ、遅刻しそうになったときに、会場まで走って行ったそうです。
自分が副社長で、会場にいるのは、みんな自分の部下であるにもかかわらずです。
これが、普通の行動です。
こういうことは、親がやることではありません。
小学校高学年や中学生であれば、自分でパソコンの操作ができるはずですから、本人が、遅刻や欠席の連絡をしなければなりません。
それを子供に教えていないのは親の責任です。
こういう遅刻や欠席の生活を続けていると、子供は、厳しい先生にはちゃんと連絡して、厳しくない先生には連絡しなくてもいいという裏表のある人間になります。
どんな人に対しても、自分なりの基準で行動することが大切です。
私の個人的な話ですが、昔、言葉の森がビルの3階にあったとき、エレベーターがないので階段で大量の紙を運んでもらうことがありました。
今は1階なので、そういうことはなくなりましたが。
私は、配達の人が、重い荷物を3階まで何箱も運ぶのが大変だと思ったので、いつも一緒に荷物を運ぶのを手伝いました。
「仕事だから、社員が運ぶのは当然だろ」というのは、同じ人間の発想ではありません。
もし、自分の子供がそういう仕事をしていれば、誰でも必ず手伝うはずです。
遅刻や欠席の連絡にしても、ある人には連絡するが、ある人には連絡しないということではだめです。
どんなときでも、自分の基準をもって生きていくことが大事です。
遅刻や無断欠席をしたことがある人は、この文章を読んで猛省してください。