ヒルガオ
作文力と読書力のある子は、算数数学も英語も理科も社会も、必要に応じてすぐにできるようになります。
だから、作文と読書が大事なのですが、作文も読書も点数がつきません。(森リンは点数がつきますが)
そのため、点数がつく勉強の方を優先して考え、作文と読書を後回しにしてしまう子がいるのです。
作文力が大事という「東洋経済オンライン」の記事がありました。
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作文力を鍛える「タイムリミット」は何歳なのか
大人になってからクセを直すのは大変だ
https://toyokeizai.net/articles/-/755177
「勉強するにも、頭の中で準備ができていなければなりません。視野を広く持ち、見識も広げるべきです。読書や作文は、この勉強の下地作りにもっとも有効な手段です。下地がうまくできれば、それまでバラバラだった知識がひとつに結びついていきます。そのためにも正しく読み、スピーディに書けることが不可欠です」
韓国屈指の漢学者であるチョン・ミン教授の言葉です。多くの専門家が、幼いうちから作文に取り組ませることで、子ども自身が自分で考えて、その考えを整理し、表現して伝達することに慣れていくと述べています。
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言葉の森の作文は、小5から急に難しくなります。
小5は、抽象的な思考力が育ち始める学年ですから、国語も、算数も、理科も、社会も、すべて少しずつ難しくなります。
外国人で日本語のあまり得意でない子も、小4までは友達に聞きながらでもやっていけますが、小5からは自分で読む力がなければ勉強についていくことが難しくなります。
中学生になると、思考力の差は更に大広がります。
思考力の土台になるものは、読書力と作文力です。
だから、小学校低学年のうちに、書くことと読むことに慣れておく必要があるのです。
作文の勉強というと、子供が書いたものを添削することのように考える人がいますが、添削で作文が上手になることはありません。
最初に書いた作文の土台が大事なのです。
作文の勉強は、すべて事前の準備です。
小学1、2年生であれば、親が題材を工夫してあげることです。
小学3、4年生であれば、親が作文のテーマに関して、自分の子供時代の体験を話してあげることです。
小学5、6年生であれば、作文の主題に関して、親が自分の考えと自分の体験を話してあげることです。
そうして、毎週作文を書く練習をしておくことによって、作文を書くことが毎日の生活習慣となります。
この蓄積が、子供の作文力ととして残ります。
言葉の森の作文は、小1から始めて高3まで続けられます。(幼長と社会人の生徒もいますが)
小3や小4までの作文は、生活作文ですから、考えなくても書けます。
この時期に書き慣れておくことによって、小5からの作文の準備をすることが大事なのです。
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勉強は、作文と読書と算数数学と歴史を中心にやることです。
そのほかの勉強は、ネットで調べるか、AIを利用すればすぐにできるようになります。
勉強は、身体化しておくことが大事なのです。
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かすみ草
AIでいくらでも文章を作れる時代になりました。
そこで、2023年の5月に、「
読書感想文コンクールは、たぶん今年で終わる――ChatGPT時代の教育は、新しい形にならざるを得ない」という記事を書きました。
この記事には、読書感想文の書き方も載っています。
ところで、この記事を参考に、学校の宿題をChatGPTでこなす子もいたようです。
しかし、勉強というのは、先生に褒められるためにやるのではなく、自分の成長のためにやるものです。
だから、文章を書く力は、AIの利用とは関係なく必要なのです。
同じようなことを書いている記事がありました。
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AI時代に、なぜ「作文力」が重要視されるのか?
自分の価値を言語化できる子がこれからの優秀児
https://toyokeizai.net/articles/-/741136
これからの時代は、AIに真似のできない、人間ならではの思考力・表現力・創造性を発揮して文章が書ける子が、優秀児と評される時代です。そんな時代の流れを受け、新傾向といわれる近年の中学入試では、全教科を通じて記述問題がすごく増えていますし、作文一教科入試の中高一貫校も出てきました。大学入試でも「総合型選抜」などの新入試は、高校の評定平均と外部試験の英語スコア以外、ほぼ国語一教科入試となっています。
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では、作文力をつけるための勉強として何が必要なのでしょうか。
第一は、読書です。
読む力に応じてしか、書く力は伸びません。
第二は、対話です。
しかし、対話というと、多くのお母さんは、子供から何かを聞き出すことが対話だと思ってしまうようです。
そうではありません。
子供から何かを聞き出すのではなく、親が話してあげるのが対話です。
だから、場合によっては、お父さんとお母さんが対話をして、子供はそばで聞いているだけでもいいのです。
作文の勉強というと、出力を中心に考えがちです。
そのため、作文の添削を受ければ、作文が上手になると考えがちです。
そうではなく、作文の勉強のためには入力が大事なのです。
対話も同じです。
対話で大事なことは、出力よりもやはり入力です。
ほかの人の話を聞くことによって、対話をする力がついてくるのです。
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作文力をつけるために必要なのは読書と対話。
出力の前に入力がある。
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チガヤ
次の記事の漫画は、面白いですが、読む必要はないです。
こういう接続語の話を知っても、読む力は何もつきません。
また、読書をよくしている子は、国語問題の接続語の選択などは自然にできています。
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漫画でわかる!中学受験国語の読解力を上げる方法
接続語を意識すると読むスピードが一気に上がる
https://toyokeizai.net/articles/-/762132
接続語の前をA、後をBとすると、「だから」「したがって」「そこで」「それで」「すると」「ゆえに」は、Aは原因・理由、Bは結果・結論、「つまり」「すなわち」「ようするに」はA=B、BはAのまとめ。「たとえば」は、BはAの具体例。「また」「並びに」「および」「そして」はABは同じレベル・似た事柄となります。
これらの接続語の典型的な用法を意識して文章を読めば、ABの一方から他方の意味を推測しながら読むことができます。この読み方によって読むスピードが一気に上がり、意味がわからない部分がなくなるという意味で正確性も増します。
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こんなことはないです(笑)。
読むスピードを上げるには、入試問題集にあるような文章を読む量を増やすだけです。
接続語を分析して考えるような人はいません。
ちなみに、普通の読書スピードは、1分間600字です。
多くの本は、1ページ600字程度ですから、10ページ読むと決めて、タイマーをセットし、10ページ読み終えたときの時間を計算すれば読書スピードがわかります。
接続語は、読むときではなく、書くときに必要になります。
森リンベストのページで、小学生よりも、中学生、高校生の方が点数が高くなることが多いのは、学年が上がるにつれて接続語を使うような文章を自然に書くようになるからです。
これは、課題の種類も影響しています。
「私の家族」というような身近な題名では、接続語はあまり出てきません。
しかし、もし「(人間における)家族の役割」というような題名で書くとすると、いろいろな接続語が必要になります。
だから、接続語が必要になる作文ほど、上の学年の作文になるのです。
ただし、文章力のある人は、逆に、接続語をあまり使わなくなる面があります。
接続語が入ると、わかりやすくなるが、その分わざとらしくなる気がするからです。
日本には、説明しすぎないことをよしとする文化があります。
「古池や蛙(かわず)飛び込む水の音」という俳句を見て、「どこの池で、どうしてカエルが飛び込んで、それがどうしたの」と聞くような人はいません。
説明を付け加えれば、俳句の味がなくなるからです。
だから、接続語は、使いすぎない方がいい面もあります。
ただし、中高生の書く作文には、接続語が必要になるような内容を書いていくことが大事です。
それは、考えながら書く作文になるからです。
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接続語と助動詞は、実は重要です。
中学生や高校生で、文章力のある生徒は、多様な接続語と助動詞を使います。
文章力ないと、「そして」「それで」のような単純な接続語だけになってしまうことが多いのです。
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