個人の利益のための教育から、社会の利益のための教育へ 書く勉強より、読む勉強を中心に 受験の合否にかかわらず、人生はいずれもいい結果になる 暗唱検定3級の暗唱長文のルビの一部訂正――百人一首の暗唱の仕方 知識の教育から、文化の教育へ――2つのメルマガからの引用

記事 2824番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2018/10/21 
うまく行っていないときほど、その中でのよいところを褒める
森川林 2017/02/13 04:51 


 勉強でも作文でも、うまく行っていないときは、本人でもわかります。うまく行ったときに比べて手応えがないのです。または、明らかにうまく行かなかったという感覚があります。

 そのときに、周囲にいる人、特に身近なお母さんなどに、そのうまく行っていないところを指摘されると、わかってはいても、やはりがっかりするのです。

 それは表面に出る注意だけではありません。お母さんが、渋い顔をして心の中で思っているだけでも、子供にはそういう感じが伝わります。
 何も言われなくても、子供は自信をなくしていくのです。

 だから、うまく行かなかったときや、失敗したときほど、お母さんはそのうまく行かなかった中でのよかったところを褒めてあげることです。
 そして、子供が明るい気持ちになったところで、毎日の読書と音読とそのほかの自習を気長に続けていくのです。

 そういう日常を何度も繰り返しているうちに、ある日ふと気がつくと、いつの間にか、こんなにできるようになっていた、と思うときが来るのです。

 こういうお母さんの気長な忍耐力を支えるものは、お母さん自身の心の安定です。
 そのお母さんの心の安定には、お父さんの協力と感謝が必要です。

 しかし、たとえそういう協力的なお父さんがいなくても(笑)、お母さんは自分の力で自分の心を安定させ、子供にはいつも明るく褒めて接することです。

 その方法は、そう決心することです。
 「自分は、この子のいいところだけを見ていつも褒めていくようにしよう」と決心すれば、それが次第に自分の天性のようになっていくのです。

====
 まず、作文というものは、なかなか上達しないものです。それは、作文力というものが、国語力の集大成だからです。
 同じ国語でも、漢字の勉強などは、やればすぐに成果が出ます。読解の勉強も、やや時間がかかりますが、それでも比較的早く成果が出ます。
 ところが、作文の勉強というものは、いくらがんばっても、そのがんばりに比例して上達するという実感がないものなのです。

 しかし、そこで、お母さんが、「なかなか上手にならない」と思っていると、その感覚は、子供にも必ず伝わります。
 作文というものは、精神的なエネルギーをかなり使う勉強ですから、書き終えたときは誰でもほっとします。そのほっとしたときに、お母さんが冷ややかな目で、「なかなか上手にならないわねえ」と子供を見ていると、子供は急速にやる気を失うのです。

 注意することと褒めることの区別は、注意してすぐ直るものだけを注意し、すぐに直りそうもないものは注意せずに褒めるということです。
 しかし、ただ褒めているだけでは上達に時間がかかります。褒める一方で、実力のつく自習を毎日させることが大事なのです。
 その自習が、音読と読書です。そして、できれば、その音読をもとにして家族で対話をする時間を作っていくことです。

 言葉は、目から入るだけでなく、耳からも入ります。難しい文章を読むのが苦手な子でも、お母さんやお父さんと難しい話をすることは苦になりません。
 難しい長文を音読するだけでなく、その音読をもとに家族で話をすると長文の理解が深まります。そして、聞いたり話したりする形で使った言葉は、そのまま作文を書くときにも使えるようになります。こういう積み重ねで、作文は上達していきます。

 この気長な自習を子供に続けさせるエネルギーは、褒めることによって出てきます。
 「作文が下手だから、毎日の音読をしなさい」と言われて喜んでする子はいません。作文も褒め、音読も褒め、褒めながら毎日の自習の音読と読書を続けさせていると、気がついたらいつの間にか前よりもずっと上手に書けるようになっていたということになるのです。

「作文がなかなか上達しないときこそ褒める」
https://www.mori7.com/index.php?e=2319
====

●言葉の森 受講案内 ●言葉の森 講師育成講座

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 家庭学習(92) 勉強の仕方(119) 

コメント欄

namura 2017年2月13日 5時5分 10 
うまくいかない時こそ、親として追い打ちをかけるのではなく、自信を持たせてあげたいですね。

森川林 2017年2月13日 5時11分 1 
 よく、「褒めるところがない」とか、「褒めるのが難しい」とか言う人がいます。
 最初は真似事でもいいのです。
 何度も真似事をしていくうちに、いつか子供が本当に褒められるような子に育っていくのです。


nane 2017年2月13日 5時16分 1 
 ときどき、「褒めるだけではだめ」という人がいます。
 しかし、小言だけをいつも言い続けている人の言うことを子供は聞きません。
 いつも褒めているからこそ、たまの静かな注意のひとことが子供の心にすっと入っていくのです。


jun 2017年2月13日 17時14分 2 
作文の勉強は焦らないことが大事ですね。だからこそ、受験間際などではなく、早いうちに始める方が余裕を持って取り組めそうです(笑)。

jun 2017年2月13日 17時17分 2 
うまくいっていないことを指摘されてもただ嫌な気持ちになるだけなのは、大人も子供も同じですね。

sizukku 2017年2月14日 17時39分 51 
一番身近な親なのだから、よいところを一番たくさん知っているはずですね。
親が「子供のよいところだけを見てそだてよう」と決心すること、それは見つけたら褒める、でなくどんな状況でも褒めると決心することですね。

mae 2017年2月16日 19時33分 9 
※これも覚書として
娘が小3の頃、なんだか色々なことがうまくいかないときに、負のスパイラルに陥ってしまったことがありました。そのときに、友達から「あなたはいい子だよ、間違ってないよ」と言い続けていくことが大事と言われたことがあります。それから一年。一年前が嘘のように落ち着いて生き生きしている我が子がいます。うまくいかないときほど、褒める。本当に効果があります。

コメントフォーム
うまく行っていないときほど、その中でのよいところを褒める 森川林 20170213 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。
こさしす (スパム投稿を防ぐために五十音表の「こさしす」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント1~3件
主要教科は学校 nane
 勉強が面白くなるのは、世界の不思議さに 10/19
主要教科は学校 森川林
 学校時代の勉強は、確かに社会に出ても役 10/19
書く勉強よりも nane
 内容をざっと理解すればよいというときは 10/18
……次のコメント

オープン教育 1~10件
オープンの川
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■個人の利益のための教育から、社会の利益のための教育へ 2月12日
■書く勉強より、読む勉強を中心に 2月11日
■受験の合否にかかわらず、人生はいずれもいい結果になる 2月10日
■暗唱検定3級の暗唱長文のルビの一部訂正――百人一首の暗唱の仕方 2月10日
■知識の教育から、文化の教育へ――2つのメルマガからの引用 2月9日
■個性と創造性を伸ばす教育は、人間の交流の中から。そして人間の交流を支えるツールは、オンライン教育 2月8日
■小学校低学年は、やらせれば何でもやる時期だからこそ、子供の自主性を尊重することが大事 2月7日
■国語力、作文力をつけるためには、まず「読む」こと 2月6日
■小学1年生の勉強は、楽しくやるから長続きする 2月5日
■「人間は……」と大きく考えることのできる小6の生徒は50パーセント 2月4日
■小1の勉強は、親が指示してやらせるのではなく、子供が自分でやるように手順を教えることを中心に 2月3日
■算数は勉強によって成績が上がる、国語は生活によって成績が上がる 2月2日
■いつの間にか春が来るように、いつの間にか勉強ができるようになっている 2月2日
■国語力、読解力をつける作文教室――勉強の意欲は人と人との関わりの中で育つ 2月1日
■未来の作文環境は、電子出版、音声入力、立体作文 1月31日
■作文の勉強を好きにするのも嫌いにするのも教え方次第 1月30日
■明日の教育と今日の教育を両立させる勉強を――はせくらみゆきさんの「チェンジ・マネー」を読んで 1月30日
■子育ての基本は、枝葉のことに目を奪われず、まず真の賢さを育てることから 1月28日
■今度の新しい夏合宿は、自然の遊び、寺子屋学習、何日でも参加可、全員ノーパソ配布、全員キンドル配布、父母の自由参加、祖父母の自由参加で 1月27日
■頭をよくするのは、論理ではなく、難読(難しい文章を読むこと) 1月27日
■単発の読書実験クラブなどのオンエア特別講座を計画中――amazonのstem clubの記事を読んで 1月26日
■切れ味のよい表現 1月25日
■木切れを使ったレゴのような遊び――キギレゴ 1月25日
■「小学校最初の3年間」の本、各地の書店で平積み、面陳列で展示販売 1月24日
■知識と技能の教育から、科学と実験の教育へ 1月23日
■寺子屋オンエア、オンエア講座、サーバ工事のため2月は休止、3月から新学年で再開 1月21日
■ますます重要になる作文力、その作文力の土台を3月からの「寺子屋オプション」企画で 1月20日
■賢い子を育てる、お母さんの科学的関心 1月16日
■自主性、創造性、思考力、発表力を育てる「寺子屋オプション企画」を春から再編成 1月15日
■小学校低中学年のころの子供の遊び 1月14日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Google+ページ
言葉の森作文オンエア

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSリーダー

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
オンライン作文(2)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
発表交流会(20)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

Donate with IndieSquare