国語力には、読む力のほかに書く力もあります。
例えば、要約の問題、記述の問題、作文や小論文の問題などです。
読む力の基本が、難しい文章を読みなれることだったのと同じように、書く力の基本は、書き慣れることです。
その書き慣れるという基礎力の上に、書き方のテクニックがあります。
大事なことは、テクニックよりも時間のかかる基礎力を早めにつけておくことです。
書く基礎力をつけるためには、週に1回や2回、国語の教室に通って勉強をするのでは間に合いません。
短時間でよいので、家庭で毎日書く練習をすることが大切です。
では、書く練習はどのようにするのでしょうか。
まず、要約の練習です。
要約の練習で大事なことは、素早くまとめる力をつけることです。
時間のかかる練習方法では、子供が飽きてしまいます。
簡単にできるやり方で、毎日続けていくのです。
まず、要約のもとになる文章を読みながら、自分なりによくわかったところ、大事そうだと思うところに、線を引いていきます。
この場合、中心になるのは、よくわかったというところです。
よくわかったところが、大事なところだと思えなくてもかまいません。
自分なりに、なるほどと思ったところに線を引いていくのです。
一通り読み終えたら、自分が線を引いたところだけを選んで飛ばし読みをします。
その飛ばし読みを何度か続けると、文章の全体の流れが頭に入ります。
そこで改めて大事なところを選ぶようにします。
1文の平均の長さを50字と考えると、150字の要約であれば3文です。
最初は3文にまとめるぐらいを目標に、大事だと思うところを3か所選びます。
そして、その3か所の文をつなげれば要約の出来上がりです。
これを言葉の森では、三文抜き書きという呼び方で練習しています。
最初は、文章の中心とずれたところで三文抜き書きになってもかまいません。
要約らしい形ができていれば、練習を続けるうちに、あとから内容が伴ってくるようになります。
この、形を先にする練習であれば、どの子も要約の練習ができるようになります。
この練習を毎日するのです。
元にする文章は、国語問題集の問題文から選びます。
ところで、要約のあと、その文章を見てあげる人がいなければ、子供にとってはやはり張り合いがありません。
そこで、お父さんやお母さんが、その要約の文章をチェックします。
このときに大事なことは、その要約が元の文章の内容と合っているかどうかということではありません。
そこまで考えると、要約のチェック自体が負担になるので、親の都合で要約の練習が毎日はできないということになりかねません。
要約の練習は、要約に慣れることが目的ですから、チェックはもっと簡単でいいのです。
要約した文章が分かりやすく書かれているかどうかがチェックの基準です。
この練習を繰り返していると、誰でも楽に要約ができるようになります。
そして、要約の仕方に慣れてきたら、次は、字数を指定して150字なら150字ぴったりに1文字の過不足もなくまとめる練習をします。
それができたら、時間制限をして、その時間内にまとめる練習をします。
こういう目標があると、要約の練習は楽しくなってくるからです。
自主学習クラスでは、国語の問題集読書を中心に、家庭学習のチェックをしています。
これは、特に国語の勉強が家庭学習だけでは続けにくいからです。
普通、国語の家庭での勉強というと、問題集を解くような形の勉強になります。
しかし、これでは国語力はほとんどつきません。
それは、かける時間のわりに読む量が少なすぎるからです。
国語力の基礎は、難しい文章を数多く読み慣れることです。
その基礎力の上に問題を解くテクニックがあります。
その勉強法として最も役に立つものが問題集読書です。
問題集読書で深く読む力をつける一方、普通の読書で読むスピードをつけ、更に高度な読書で考える力をつけていくというのが国語力を育て王道です。
ところで、この自主学習クラスでは、国語以外の他の教科の勉強もチェックできるようにしています。
特に、今後役に立つのが、スタディサプリを使った算数数学の1年間先取り勉強です。
なぜ、算数数学を先取りしておくといいかというと、受験期の1年間は受験用の算数数学の勉強をすることができるからです。
特に、日本の入試問題は算数数学の成績で差がつくようになるので、受験期には受験に特化した算数数学の勉強をしていけるといいのです。
家庭学習を基本にして、家庭だけでは続けにくくなる勉強を、オンラインで先生がチェックするという勉強法は、今後いろいろなところで取り組まれてくると思います。
特に、長文音読や、読書や、問題集読書のような形の残らない勉強には、この「家庭学習」プラス「オンラインチェック」というのは有効な勉強法になると思います。