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意欲的な勉強ができる仕組み as/3064.html
森川林 2017/10/11 06:07 


 勉強で一番大事なことは、意欲をもって取り組むことです。
 試験の前日の勉強の能率は、普段の勉強とは何倍も違います。
 受験の一年間の勉強の密度は、受験がまだ意識に上る前の勉強とやはり何倍も違います。

 この意欲を持たせる方法として行われやすいのが、競争や賞や罰で意欲づけをすることです。
 しかし、本来持っていない意欲を、競争や賞罰で持たせることは、あとになってマイナスの面を生み出すことがあります。
 また、自分の内面から出た意欲ではなく、外から与えられた意欲というものは、自分の生き方として定着しません。
 子供に、自然な意欲を持たせるにはどうしたらいいかということが勉強を進める上でのひとつの大きな課題です。

 今、思考発表クラブで、本の紹介と作文の構想図や自由な経験の発表を行っています。
 この発表には、評価も競争もありません。賞も罰もありません。
 しかし、どの子も、自分が発表したり、他の人の発表に感想を述べたりすることによって、自然に意欲的な取り組みになっています。

 これからは、こういう形のオンラインの生徒どうしが発表したり感想を述べたりする学習がだんだん増えてくると思います。

 勉強は、独学で自分のペースでやっていくやり方が最も能率がよいのですが、同時に、人間は同じような関心を持つ友達と一緒に学び合うことで意欲を持つことができます。

 自学自習型の勉強と参加交流型の勉強の組み合わせで、能率と意欲の両立する勉強をこれから作っていきたいと思っています。

 そして、こういう勉強の要になっているものが作文です。

 ここで、話が少しややこしくなりますが、作文は必ずしも文章を書くことではありません。
 文章を書いて発表するつもりで考えることが、作文の本質です。
 だから、構想図を書いてそれを発表するところまで行けば、それで作文は半分以上できたことになります。
 簡単に言えば、その構想図を読んで説明するところを音声入力でテキスト化すれば、それがそのまま作文になります。

 話し言葉の文章の密度と、書き言葉の文章の密度は違いますが、構想図を媒介することで話すことがそのまま作文に近い文章になるのです。

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森川林 20171011 1 
 意欲を持たせることは大事ですが、自然に持たせなければなりません。
 賞や罰で意欲づけをしようとすると、賞や罰がないと動かない子になってしまいます。
 意欲の多くは、人間との関わりの中で出てきます。
 小学校低学年の場合は、お母さんやお父さんの関心がその子の意欲になるのです。


nane 20171011 1 
 高学年になると、構想図の段階で、感想もかなり深いところまで考えています。
 子供たちの書いた構想図の例は、こちらのページにいくつか載せています。
https://www.mori7.com/as/3036.html" target="_blank">https://www.mori7.com/as/3036.html


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これからの学力は創造力 as/3063.html
森川林 2017/10/10 05:52 


 これまでの日本の社会では、よくできたものを手本として真似することが一つの学力となっていました。
 しかし、他の人の真似を上手にできる力では、いつまでたっても二番手にしかなれません。

 これからの社会は、それぞれの人が自分の得意分野で一番、あるいは第一人者となることが求められる社会です。
 人の真似を上手にするだけでなく、自分の独自のものを作り上げていくことが重要になってくるのです。

 答えのある勉強は、最初から高いレベルの学習ができますが、そこから先にはなかなか進めません。
 一方、答えのない勉強は、最初はそれほど高いレベルではありませんが、自分の力でいくらでも先に進んでいけます。

 作文を書く勉強は、答えのない自分で作りだす勉強です。
 この自分で作り出す勉強が、その子の創造力を育てていきます。

 答えのある勉強の大部分は、記憶力でカバーできます。
 考える問題と言われているものも、多くは解法の記憶でできるようになります。

 だから、小学生のころの勉強は、創造力を伸ばす作文と、記憶力を伸ばす暗唱と、読書と対話と、自然や人間と関わる経験を中心にしていくといいのです。

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森川林 20171010 1 
 漢字を覚えたり、問題集を解いたりする勉強は、誰でもある程度充実した勉強として取り組めます。
 これに対して、作文のような勉強は、手を抜くことも力を入れることも本人次第です。
 だから、本当に実力のある子は、作文のような勉強の方を好むのです。


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