ログイン ログアウト 登録
 親と子の教育的な接し方――未来の教育は喜びを語る教育 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2985番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/5/13
親と子の教育的な接し方――未来の教育は喜びを語る教育 as/2985.html
森川林 2017/07/11 04:32 


 夏の朝です。青く広がる空の下で、お母さんが小さい子供に何か話しかけています。
「太陽が昇るのはどっち」
「ひがし」
「よくできたわねえ。じゃあ、太陽が沈むのは」
「にし」
「えらい、えらい。じゃあ……」

 子供に教育的に接することは大事なことです。
 しかし、それがともすれば知識中心の接し方になりがちなのが、現代の社会の特徴です。
 知識を教えるという接し方は、親にとっては「教える役割」、子供にとっては「教わる役割」という関係を生み出します。
 この「知識を教える―教わる」という教育関係は、やがて限界が来ます。

 それは第一に、知識のレベルが次第に上がってくるにつれて、親は冷たい接し方になるからです。
 第二に、子供はやはり知識のレベルが上がってくるにつれて、無味乾燥な受容の仕方になるからです。
 第三に、知識がやがて子供の方が豊富になってくると、そこで親子の教育関係は終わってしまうからです。
 そして第四に、もっと大事なことは知識を重視する社会がこれからなくなっていくからなのです。

 現在の社会は、知識を持つ人が優遇される形になっています。
 しかし、人工知能の発達によってこれから職業がなくなる分野として考えられているものは、高度な仕事とされていた豊富な知識を必要とする分野なのです。

 知識の豊富な人がある資格を取得し、その資格を元に仕事をするということは、これまでは自由で高収入な仕事の条件でした。
 学校教育も、そういう人を育てるような方向に編成されてきました。
 しかし、人工知能の発達によって、知識を中心とする仕事はこれから急速に人間の手から離れていくようになります。

 これからやって来るのは、知識を仕事の中心とする社会ではなく、喜びと創造を仕事の中心とする社会です。
 その喜びと創造の力を育てていくことが、これからの教育の目標になります。

 それでは、どうしたらそういう教育ができるのでしょうか。
 それは「知識を教える―教わる」という関係ではなく、教える側の父また母が喜びをもって何かを「為す」又は「話す」ことによってです。
 親のすることや話すことに接した子供が、それに憧れ自分もやってみたくなるという関係が、これからの教育の基本になります。
 両親や上級生や友達がやっていることを見て、それに憧れた子は、自分でもそれをやってみたくなります。

 そこには、もちろん基礎となる学力が必要です。
 しかし、基礎学力は、教科書に準拠した参考書や問題集を反復することができれば、自学自習で十分に身につけることができます。
 必要な基礎学力の上に、自分のしたいことをするというのが、これからの教育の基本的な形になっていくのです。
 この知識の勉強から喜びと創造への勉強というのが、これからの教育の方向です。

 このような将来の教育を実現するために、言葉の森では六つの取り組みをしています。

 第一は、もちろん作文教育です。
 文章を書くことを通して自分の考えを創造する力を身につけるのです。
 それをプレゼン作文発表会や作文検定で勉強の目標を作りながら進めていきます。

 第二は、その前提となる読む力を育てる教育です。
 読書、音読、暗唱に力を入れることによって、多様な知識を吸収する力を身につけていきます。
 暗唱については、暗唱検定で勉強の目標を作っていきます。

 第三は、自主学習クラスです。
 他人に頼らずに自分自身で勉強し、そのきっかけとして友達や先生と学ぶ場を共有するという仕組みです。
 暗唱という自学自習も、この自主学習クラスを利用すれば容易に続けていくことができます。

 第四は、思考発表クラブです。
 自分なにり考え、その結果をみんなの前で発表することによって、相互に知的な向上心を高めていく学び方です。

 第五は、今年、読書作文キャンプとして行なっている自然寺子屋合宿です。
 実際に自然や友達と接することよって、勉強ばかりでなく人間や自然との交流も学んでいきます。

 そして第六は、これらの教育を実現するための組織作りとしての森林プロジェクトによる作文講師資格講座です。

 これらのトータルな企画で、日本のこれからの教育をよくしていきたいと思っています。
 青い空を見て、「太陽が昇るのはどっち」という話をするだけでなく、お母さんが子供に、「あの空を見ると、お母さんは、またいつか夏山に登ってみたいなあと思うのよ」と自分の喜びを語るような接し方が、未来の教育的な接し方になっていくと思います。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 言葉の森のビジョン(51) 

コメント欄

森川林 2017年7月11日 4時47分 1 
 喉が渇けば、馬は自然に川の水を飲もうとします。
 無理に飲ませる必要はありません。
 大事なのは、自分自身がおいしそうに水を飲むことです。
 それは勉強も同じです。
 勉強を嫌いだった親が、子供に勉強させようとしてもうまく行きません。
 親自身が今の自分の興味の範囲で勉強好きになることが、子供を勉強好きにさせるいちばんの方法です。
 しかも、それは子供が小さいときほど影響が大きいのです。


コメントフォーム
親と子の教育的な接し方――未来の教育は喜びを語る教育 森川林 20170711 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ふへほま (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ふへほま」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント1~10件
【合格速報】東 ののはな
東北大学へのご入学、おめでとうございます。 晴れ晴れとした 4/10
記事 5324番
【合格速報】東 とうこ
Yちゃん、ご入学おめでとうございます! 嬉しいご報告を、あ 4/10
記事 5324番
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
中根の担当する 森川林
YKさん、ありがとう。 私が子供にさせたいと思っていたのは 1/27
記事 5267番
中根の担当する YK
創造発表クラス面白くなりそうですね!イギリスの私立学校のカリ 1/27
記事 5267番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
シーズの時代 森川林
 経済が成長しているとき、そして、誰にも先が見えていたときは 5/13
森川林日記
中1 標準新演 あかそよ
数学の問題集で分からないところがあるので教えてください。 5/12
算数数学掲示板
月刊「到知」の 森川林
 読書が大事だということは、まともな人なら誰でもそう言ってい 5/7
森川林日記
2025年4月 森川林
●作文クラス ○小1の作文  小1のころ 4/22
森の掲示板
Re: 120 森川林
 小6以上の生徒は、1200字の作文を基準として評価していま 4/22
森の掲示板
Re: 人数報 言葉の森事務局
 人数報告のページはこちらです。 https://www. 4/21
森林プロジェクト掲示版
人数報告ページ Yumi Hasegawa
みつかりません 4/20
森林プロジェクト掲示版
作文、小論文と 森川林
 作文は、題材を中心にした文章です。小論文は、主題を中心にし 4/20
森川林日記
1200字換算 花ちゃん
小6,中2の生徒を担当しています。AI森リンの評価で、 4/20
森の掲示板
作文も小論文も 森川林
 作文も小論文も同じ。算数も数学も同じ。  内容のない人が 4/20
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習